2010/9/5 日曜日

日本人の履歴~太古の時代から連綿と続いた悠久の民族か?!

カテゴリー: 活動日記

 長女から正木高志さんの著書「蝶文明」(さんこう社)をもらい8月27日夜、成田からソウルに向かう飛行機の中で読んだ。秀吉の侵略、江戸時代の国学、皇国史観にある「朝鮮を敵視する」理由はなにかが私の疑問だが、著書で正木氏はそれは「百済のカルマ」であると明快に推論している。
 その正木氏に翌28日、ソウルの大学路にある成均館大学で開催された「東アジア平和と市民自治フォーラム」の会場で偶然お会いした。
 
 正木氏との会話に触発されて、本で紹介されている3冊の本~①「日本の成り立ち」(埴原和郎著、人文書院)、②「日本古代史と朝鮮」(金達寿著、講談社学術文庫)、③「縄文時代」(小山修三著、中公新書)を図書館からさっそく取り寄せた。
また、韓国の国立中央博物館、佐倉の国立歴史民族博物館の「アジアの境界を越えて」にも足を運んだ。

 人類学者で人類進化史が専門の埴原和郎氏は、前掲書①で次のように述べている。
-「アイヌや沖縄の人々は、本土人に追われて北海道や南の島々に逃れた」という人が今でもあとを絶たない。これは古い〈人種交代説〉、ないし皇国史観の産物である〈大和民族征服説〉の文脈で考えられた“おはなし”で、科学的な裏付けのない観念である。とくに注意しなければならないことは、このような“おはなし”がアイヌや沖縄の人々に対する差別感の温床になりかねない・・という危険性である。
 私がこの本で繰り返し述べたように、彼らの祖先は縄文時代いらい北海道や南西諸島に住み、そこで小進化して現在にいたったのである。むしろ変化したのは本土人の方で、在来系と渡来系の大規模な混血によって現代的本土人が形成され、また両系統の文化が融合することによって、いわゆる大和文化が成立したといえるだろう」

 千葉県の教育振興基本計画で、5年間に実施する重点的な取組の一つに「郷土と国の歴史や伝統文化等について学ぶ教育の推進」を挙げているが、真の「国際人」を育てるためにもまず日本人のルーツを科学的な裏付けをもって学ぶ機会を提供すべきである。

 ところで、ビッグイシュー日本語版8月15日号に、ノンフィクションライターで野菜の原産地を探す旅をした池辺誠さんの一文が載っている。
日本の野菜消費量のトップ10は以下の通りいずれも原産地は日本ではない。

        原産地     日本に伝わった時期
ダイコン    中国       奈良・平安時代
キャベツ     地中海      幕末・明治時代
タマネギ    中央アジア   室町・江戸時代
ハクサイ    中国       幕末・明治時代
キュウリ    インド・マレー  奈良・平安時代
トマト      中米       室町・江戸時代
ニンジン    中央アジア   室町・江戸時代
レタス(非結球)近東      奈良・平安時代

 その他、ジャガイモは江戸時代に中南米→オランダ→インドネシア→長崎のルートで、同じく中南米原産のサツマイモも日本への渡来は江戸時代と考えられているという。

 縄文前期(紀元前6500~5500年)には、アフリカのヒョウタンがすでに日本に渡来していたことがわかり、池辺さんは、「野菜が海の向こうから渡ってきたということは、日本に持ち込んだ人がいるということ。だとすれば、日本は世界各地からの移民が集まってできた国なのかもしれない。野菜が来た道をたどる旅は、日本人のルーツを探る旅になると思いました」と語る。

 野菜一つを通しても、日本人を一種特殊な集団とする「単一民族説」「純粋人種」「選民思想」の怪しさが鮮明になる。

 埴原和郎氏は
「日本人は日本人だけでできあがった集団ではないのである。日本列島の在来集団といえども、もともと日本列島で生まれた人々ではなく、またその集団が連綿としてこんにちまで続いてきたのでもない。集団は常に他の集団の影響を受け、自然の試練にさらされつつ、みずから変容をとげて生き続けてきたのである。日本人の成り立ちを考えるということは、このような内的・外的な要因を明らかにし、それが日本人という集団にどのように作用したか、という過程を探ることにほかならない」とし、人種(民族)主義に陥らないためには、「常に人類全体の進化を視野に入れ、特定の集団に対する特定の価値判断を排除すること」が必要という。(前掲書①、298~300頁)

 日本人を「太古の時代から連綿と続いた悠久の民族」ととらえる方々は、ぜひ、人類進化史に基づき自らの「仮説」の科学的な根拠を示してもらいたい。
以下に、日本人のルーツについての埴原和郎氏の「仮説」の一部を紹介する。

●日本人の履歴〈弥生時代にはじまった二重構造〉
~「日本人の成り立ち」(埴原和郎著、人文書院)286・287頁から

(1)旧石器時代から縄文時代(一万二千年前~紀元前3世紀頃)にかけて、少なくとも2万年ほど前から日本列島に住みつき、現代の日本人集団の基層となったのはおそらく東南アジア系の原アジア人集団だった。

(2)このような日本列島に、主として弥生時代(紀元前3世紀~紀元後3世紀)以後、大量の北アジア系集団が渡来してきた。この渡来は7世紀ころまでのほぼ1000年間にわたって続いた。

(3)渡来系集団は、まず北部九州を中心とする地域に住みついたが、その数を増すに従って近畿地方にまで広がり、ついに朝廷を成立させ、同時に在来系集団と徐々に混血した。

(4)渡来系集団の一部は、弥生時代から古墳時代にかけて東日本にも進出し、大和政権の勢力を拡大した。

(5)在来系・渡来系集団の混血は西日本では濃く、東日本ではやや薄い。また西日本の中でも、南部九州や四国では混血の影響が比較的少ない。

(6)渡来系集団との混血の影響がもっとも少ないのは、アイヌと沖縄の集団である。

(7)在来系・渡来系集団の混血は現在も進行中であり、日本集団の二重構造は今も維持されている。日本列島にみられる身体的・文化的地域性は、これら二集団の接触の濃淡によって生じたと思われる。

【参考】弥生時代以後、渡来人は極めて強い影響を縄文系集団に与えた(前掲書271~285頁)
 小山修三氏は、縄文晩期(つまり弥生時代開始期)の人口は気候の冷涼化の影響で、約7万5千まで減少し、1千年後の古墳時代の7世紀初めは539万人と試算している。
「この1千年の間に何人の渡来人がきたか?」を人口増加と頭骨の時代的変化に基づき
試算したところ、渡来人口が最大となる推定では、1千年間の渡来人口が約150万人となり、7世紀はじめの渡来系人口は484万人で、縄文系人口の約8.6倍となる。
 渡来人の影響は無視できる程度といったかつての説は、日本人単一民族説の文脈で考えられた想像(なたは願望?)にすぎなかったともいえる。
 尾本恵市氏は遺伝子の割合から、現代日本人(本土人)では東南アジア系(縄文系)と北アジア系(渡来系)の割合がほぼ、二対八になるという。
 日本人の二重構造が弥生時代にはじまり、それが現代にまで続いている。

写真は、「8月28日午後、ソウルの成均館大学で開催された「東アジア平和と市民自治フォーラム」(主催:強制併合100年共同行動韓国実行委員会、主管:韓日100年平和市民ネットワーク・京畿市民社会フォーラム)の様子。私は、「地域の市民運動のグローバル・ネットワーク方策」というテーマで報告した」

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2010/8/25 水曜日

中東核戦争の危機と「北東アジア非核兵器地帯」構想

カテゴリー: 活動日記

21日、イラン南部のブシェール原発(加圧水型軽水炉、出力100kw)への核燃料の搬入が始まり、10~11月にも発電を開始するという。同原発に使う核燃料はロシアから提供され、使用済み燃料もロシアに返還することで合意しているという。(「毎日」22日朝刊)
 一方、イランの核開発計画を強く警戒し、先制攻撃の危険性が指摘されるイスラエルの動向が気になる。81年のイラク原子炉空爆などイスラエルには前歴がある。

 ウラン核爆発を起こすには、ウラン235が90%以上という高濃縮ウランを数十グラム単位で必要とするが、国際原子力機関(IAEA)の5月末の報告では、イランは20%までの濃縮に一部で成功していることが判明したが、それ以上の高い濃縮は確認されていない。米政府はイランの核兵器開発は今後1~2年が鍵となると見ているようだ。
 イランがIAEAの査察を拒否したりすれば、それをきっかけにイスラエルのイラン攻撃が始まり、中東全面戦争に突入するというシナリオを昨年12月米国のシンクタンクが検討した。200発の核を持つと推定されるイスラエルが核を使わないとも限らない。
(『中東は非核への選択を迫る』赤木昭夫、「世界」10年8月号)

イスラエルの核保有、それに対抗するイランの核開発、米国の支離滅裂な核拡散防止政策で、中東は核戦争の危機に直面している。危機の要因は「核の傘」である。核攻撃するぞという脅しは必然的に核開発計画を促す。核戦争の危機を避けるには、「非核の傘」の拡大しかない。
 
 8月6日、広島市長平和宣言は、被爆者が発してきたメッセージは、平和憲法の礎であり、世界の行く手を照らしているとし、日本政府が非核三原則の法制化と「核の傘」からの離脱を実現し、「核兵器ゼロ」の世界をつくりだし、人類の新たな一ページを2020年に可能にすることを求めた。

また、8月9日、長崎市長平和宣言は、政府による「核密約」を非核三原則の形骸化として、そして核不拡散条約(NPT)未加盟の核保有国であるインドとの原子力協定の交渉をNPT体制の空洞化として厳しく批判した。その上で、非核三原則の法制化と核の傘に頼らない安全保障の実現のために日本と韓国、北朝鮮の非核化を目指す「北東アジア非核兵器地帯」構想を提案し、政府に国際社会で独自のリーダーシップを求めた。

 しかし、菅首相は記者会見で「核兵器をはじめ大量破壊兵器の拡散の現実もある。核抑止力はわが国にとって引き続き必要」とし、被爆国の首相としてあるまじき愚かさを露呈した。

 そもそも非核の傘による安全保障である非核兵器地帯(地域内の国家間で結ばれた条約によって、核兵器の開発や製造、取得などが禁止された地域のこと)は、すでにラテンアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジア、アフリカ、中央アジアなど地球の半分を占めるという。(「核廃絶、オバマが世界を変えるわけじゃない。今こそ重要な市民の役割」湯浅一朗、ビッグイシュー10.8.1)

 憲法前文「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」、憲法九条「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」に照らせば、「非核の傘」の拡大、対話による核廃絶の道を追求することは自明のことだ。

2010/8/24 火曜日

韓国強制併合100年を世界史的視野でとらえることの意義

カテゴリー: 活動日記

 8月22日は、日本政府によって1910年に韓国併合条約が強制的に締結されてちょうど100年にあたる。歴史家の中塚明氏は、「長い時間のモノサシと広い世界史的視野で「韓国併合」を考える」ことを唱える。近代の朝鮮侵略は1875年の江華島事件にはじまり、1945年の「日本帝国」崩壊までの70年でおわる。その後65年、植民地支配の清算はおわってはいない。日本政府は「併合条約」を適法で有効であったと主張している。
 
1963年8月15日の厚生労働省の公式発表によれば、日中戦争の発端となった1937年7月7日の盧溝橋事件から45年8月15日までの日本人戦没者数は、310万人。40年当時の日本の人口は約7311万人なので、日本人の24人に一人が亡くなったことになる。
内訳は、軍人・軍属が230万人で、そのうち「外地」での死者が210万人。民間人は「外地」30万人に、空襲や原爆による「戦災死没者」が50万人。沖縄戦の犠牲者は、軍人、民間人ともなぜか「外地」にカウントされているという。
 厚労省は死因別や負傷者数のデータは把握しておらず、故・藤原彰一橋大教授によると230万人軍人・軍属の死者中、約6割の140万前後が病死を含む広い意味での餓死者と試算されるという。(8月10日「毎日」朝刊の「発信箱」)

 このわずか8年間での310万人の日本人死者と朝鮮侵略、韓国「併合」は密接につながっている。

22日に豊島公会堂で開かれた「韓国強制併合100年、日韓市民共同宣言日本大会」(主催:「韓国強制併合100年共同行動」日本実行委員会)は、「植民地主義の清算と平和実現のための日韓市民共同宣言」を採択した。
 この「宣言」の前文で、2001年に南アフリカのダーバンで国連が開催した「人種主義、人種差別、外国人排斥及び関連のある不寛容に反対する世界会議」で採択された「ダーバン宣言」(http://www.hurights.or.jp/wcar/J/govdecpoa.htm)に触れている。

 「日韓市民共同宣言」の一部を以下に紹介する。
「「ダーバン宣言」は、初めて「奴隷制と奴隷取引」を「人道に対する罪」と規定した。植民地主義についても「非難され、その再発は防止されねばならない」ことを確認した。その上で、過去数百年にわたってアジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの多くの民族・民衆を苦しめた奴隷制と植民地支配の清算をおこなうことは歴史的課題であると宣言し、その実現に向けての行動計画を打ち出した。つまり「合法」であったか否かを論ずる以前に、植民地支配それ自体を人類に対する犯罪であると断じ、その被害がなお継続している現実を直視し、克服していくことを提起したのである。画期的な意義を有するこの宣言は、欧米諸国のみならず日本を含むすべての旧植民地国家に突きつけられている。
 韓国強制併合100年を迎える今、植民地主義を清算し、東アジアの平和な未来を構築することは日本と韓国・朝鮮、東アジアの市民の共通の課題であり、そのために手を携えて共同していくときである」

●8月10日の「日韓併合」100年「首相談話」の評価は?

8月10日、菅首相は「日韓併合」100年の「首相談話」を発表した。
この談話に関する「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」声明を韓国在住の岡田卓己氏からメールで受け取った。
 声明の一部(要約)を以下に紹介する。(翻訳:岡田氏)
① 菅直人日本総理が、10日韓日併合100年と関連した談話を発表した。一言で言えば、責任回避に過ぎない。
② 今回の談話に含まれなければならない核心は、まさに100年前の強制併合過程に対する「不法性」とこれを前提とした条約の「無効性」にあった。しかし談話では、韓国の人々の「その意に反して行われた植民地支配」を言及するなどの様々な言語的修辞にもかかわらず、結局、不法と無効を宣言することに達しなかったし、これは結局、韓日強制併合が合法的になされたことだということを、再度強調したことに他ならない。
③ 併せて、強制併合に対する不法性と条約の無効を認めないことにより、解放65年の間まだ解決されていない日本軍慰安婦問題など日帝過去事(史)問題に対する、根本的な解決の根拠を持つことができなくした。
④ 談話の時点を、8月15日や、8月22日、8月29日を差し置いて、あえて8月15日以前に発表したことは、言語的修辞にもかかわらず、韓日強制併合に対する日本政府の責任とは一定の距離感を置くという意で、謝罪や反省のその真意を疑わせることとなっている。
⑤ 今回の談話で、サハリン被害者問題、遺骨奉還問題、文化財返還問題などを一部言及したが、むしろこれは今回の談話がいかに中身がない談話なのかを、そのまま表わす結果にすぎない。

一方、首相談話に対する日本のメディアの反応はどうか。11日の「毎日」社説は、「談話発表にあたっては民主党や自民党の一部から反対・慎重論が出た。戦後問題の再燃を懸念してのものだ。しかし、談話は補償問題につながるような記述は避けた。現実的な対応として理解できる」「今回の首相談話を、未来に向けた日韓関係構築お出発点にしたい」と評価している。
「日本帝国」崩壊、南北分断と結びつける視点はなく、「ダーバン」宣言などは頭の片隅にもない。歴史とは「現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話」というが、対話どころか最初から過去を切り捨てている。メディアに求められる見識が欠如している。

2010/8/12 木曜日

アクアラインの立役者・浜田幸一氏

カテゴリー: 活動日記, 県行政

 千葉県警は10日、浜田幸一元衆議院議員を千葉市稲毛区の産廃処理会社に2億円の損害を与えた背任容疑で逮捕した。11日昼のTBSテレビの“ひるおび”で、この問題を扱っていたが、1兆4千億円かかったアクアラインの立役者が浜幸だとし、膨大な赤字を生んでいることに対し、「私の責任です」「あと百年たてば、この事業の意義がわかる」という浜幸の言葉を紹介した。それに続けて、司会者の一人が社会実験で交通量が飛躍的に伸びていると発言し浜幸を持ちあげた。
  
 8月6日のブログで、関東学院大学の安田八十五教授の「アクアラインと地域振興」についての講演の概要を紹介したが、安田教授(当時、筑波大助教授)は1986年4月10日の衆院建設委員会に参考人として招致され、浜幸と激しい論争をしている。
 浜幸は委員会での論争で、通行料について「現状の段階からいって、でき上がる十年後の三千円(片道)というのは私は高いとは思えない」と主張した。(「追跡・湾岸開発」朝日新聞千葉支局、朝日新聞社)

 アクアラインの採算ベースは、普通車片道4900円で日7~8万台である。社会実験で交通量が増えたと言っても、普通車片道800円で日3万台に過ぎない。
 普通車ベースで考えても必要な収入の15分の一(3.5億円/日に対し、0.24億円しかない)である。なお、社会実験での県の25億円の支出は、普通車は通行料1000円→800円の減額分の保障であり、通行量が増えたといってもわずか200円の差額の補てんすらできないレベルである。

 アクアラインの費用便益比は0.180で、建設に値しない事業だった。収支実績でも、赤字を隠ぺいするため2000年に京葉道路、東金道路との「料金プール制」が導入されるまで、年320億円前後の赤字であった。
今、「アクアラインの愚」が圏央道で繰り返されている。
“ひるおび”の司会者も少しは勉強したらどうか。

前掲の「追跡・湾岸開発」に次の記述がある。
「児玉誉士夫氏を軸として(稲川会の)稲川角二氏、塚本素人氏、小佐野賢治氏の3人は密接に結ばれ、浜田氏がこの三角形の辺上を玉突きのように、行きつ戻りつしている図が目に浮かぶ。「児玉が浜田に政治修行をさせた目的は、政治家という肩書を利用するためにすぎなかった」。(ロッキード事件を追い続けたルポライター)竹森久朝氏の話である」。(カッコ内文は川本挿入)
アクアラインで浜幸を利用したのは誰か?!

 

dscf12831写真は、「8月10日午後、みどりネット主催で前国立市長・上原公子さんによる学習会「市民自治とこれからのネットワーク運動」が開催された。市民ネットワーク運動のそもそもの発足の過程と、「代理人」の意味(市民の運動と行政・議会とのつなぎ役)、「個人」ではなく「組織」「運動」をつくること、憲法の理念(前文・12条・92条など)と密接に結びついたものであることなど、お話いただく。
 話の中で93年当時、北海道大学の山口二郎氏らが唱えた「創憲論」(9条2項に国土警備隊の根拠規定をおき、3項以下に平和のための基本原則やPKOへの参加を基礎づける規定をおくなど)への批判も少し出された。
 憲法の理念に立ち返り、全体を見る総合性、長期的展望という視点で、運動を点検し組み立てることはすべての市民運動に共通するものだ。」

 

2010/7/27 火曜日

千葉市にも夜間中学を!

カテゴリー: 活動日記

 24日、25日は6月県議会報告を3箇所(鎌取、土気、鎌ヶ谷)で行い、①新しい不正問題、②県幹部の天下り、③根拠のない公共事業、の3点を中心に話した。
 26日は、不正経理問題(公社等外郭団体と繰越手続き放置問題)を審議する27日の県土整備常任委員会に向けて会派控え室で関連資料を検討した。

 さて、24日午後は、千葉市内で開催された「1日も早く、千葉市に夜間中学校開設を!~全国夜間中学校研究会・研修交流会」(主催:全国夜間中学校研究会「すべての人に義務教育を!」専門委員会)に参加した。

 夜間中学は全国に35校あり、関東には東京8校、神奈川6校、千葉県には市川市立大洲中学校1校にしか公立の夜間中学がない。大洲中学校夜間学級は1982年の開設以来27年で350名を超える生徒が学び、今年度は43名の生徒が在籍し、内、千葉市から7名、市原市から2名の生徒が通学している。

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千葉市は06年度から「第2次5カ年計画」に、夜間中学の設置についての検討を盛り込み、「千葉市中学校夜間学級設置検討委員会」を設けた。
5年間、本来の中学校未修了者のみならず、①不登校生徒対策、②外国籍生徒の対応、③中学校を卒業したがもう一度中学校教育を受けたい者への対応、という多様な教育ニーズに応えられる施設・学級として検討した結果、委員会は今年5月、「夜間学級に求めるニーズの変化、国や県の見解、他政令市の設置状況等を総合的に判断すると、現時点では千葉市中学校夜間学級は設置できない」「しかしながら、就学年齢生徒の不登校対策、外国人生徒の日本語習得、再び学ぶ機会を望む卒業生徒への対応等については、夜間学級設置に限らず、検討すべき課題である」という結論をだした。

dscf1274集会では、他の県議、市議らとともに一言挨拶(下記参照)させていただいただ後、映画「こんばんは」(夜間中学ドキュメンタリー)の鑑賞後、千葉県内をはじめ全国各地で夜間中学・自主夜間中学に関わってこられた方々のお話を聞く。

映画の中で、70歳を越えた人達が「学び」=「知」を獲得することへの強い意欲を語ることに驚かされ、「学び」の意味を改めて考えさせられた。 
「勉強とは生活に根ざし生きる希望になるもの」「同じあやまちを繰り返さないために学ぶ」「自分の境遇やつらい体験を乗り越えることを学ぶ」「自由に学び自由に生きるパスポートを夜間中学で得た」「自分の人生を自分で歩き出すためにその一歩を踏み出すために」

*写真は、7月24日の「千葉市にも夜間中学を!」全国夜間中学校研究会・研修交流会から

【参考】7月24日、全国夜間中学校研究会・研修交流会でのあいさつ概要

みなさん、こんにちは。千葉市緑区選出の川本幸立です。
「千葉市にも夜間中学を」作るための今回の研究会・研修交流会の開催に対し、県議としてまた県民、千葉市民として心より歓迎の意を表明させていただきます。

今回、私がこうして皆さんにご挨拶させていただくきっかけは、5月20日に皆さんの研究会と県教育委員会との協議会に同席させていただいたことです。

千葉県は6年前に「県民一人ひとりが人間として尊重され,いきいきと暮らせる地域社会の創造」を基本理念とする「千葉県人権施策基本指針」を策定しました。
指針では人権施策の基本理念の一つに、
「一人ひとりの能力が十分に発揮できる機会が保障されている社会」を掲げています。

 こうした基本理念に照らせば、千葉県下の義務教育未修了者を救うために、千葉市が夜間中学を開設することに対し、県として財政面を含め出来る限りの支援をすることは当然のことです。

 5月20日の協議会で、私は、千葉市に夜間中学を設置することについて県教委は県としての支援について、これから深く検討する段階であると見受けました。
一方、千葉市が5月にまとめた「夜間中学設置に関する検討のまとめ」の中で、県の姿勢について「事務担当レベルの協議では、夜間学級設置に向けて同意できない意向」と記されていますが、5月の協議会で県教委が「県としては公式な見解を千葉市に示したことはない」と答えたことと大きく食い違います。

夜間中学開設に必要なことは、当事者の方々がさらにその声を大きく発信し伝えていただくことです。そうすれば県議会でも県の姿勢を問い質すことができます。

 私も今日はしっかり勉強させていただきます。「千葉市に夜間中学の開設」にむけて出来る限りの力を発揮することを表明し、私の挨拶とさせていただきます。

2010/7/19 月曜日

再び、成田スカイアクセスについて~サンカノゴイはどうしているのか?!

カテゴリー: 活動日記, 県行政

 成田スカイアクセスが17日に開業した。
 テープカットしたのが京成電鉄社長と荒川区長というが、開業後、誰が得をするのかを象徴しているように思う。
 都心~成田空港間を36分で結ぶというものの、「都心」というのが曲者で、日暮里~空港第2ビル間が36分だが、京成上野~成田空港間は44分だ。従来より15分時間短縮というのもあくまで京成内での短縮効果にすぎない。

 一方、JR成田エクスプレスは東京~成田空港間最短53分だ。東京駅を起点に考えれば東京~上野間はJRで8分、東京~日暮里間は11分で乗り換え時間を10分とすると、時間的なメリットはなくなる。バスは、東京シティエアーターミナル(日本橋箱崎)~成田空港間は65分だ。
 ただ、成田スカイアクセスの特急料金を含めた料金は2400円と、バスの2900円より格安だ。

鉄道許可時の資金計画によれば、総事業費1261億円、その内、成田空港が328億円、国が227億円、借入金350億円、地方公共団体(県と9市村)負担が328億円で、その65%にあたる213億円を千葉県が負担(負担金30億円、出資金43億円、補助金140億円)する。巨額の負債(売上約130億円のうち、60億円以上を鉄道運輸機構への借金返済に充てる)を抱える北総鉄道の線路を使用する。

県民にとって成田空港へのアクセスの改善効果はたいしたことはない。県がこれほどの額を負担する理由はない。建設することが最大の目的だったのではないか。その点でも、成田・幕張・上総の拠点開発を柱とした1983年の千葉新産業三角構想の抜本的見直しが必要だ。

建設をめぐり、サンカノゴイ、オオタカ、サシバ等の希少鳥類が生息することから、環境省は環境影響評価書について国土交通大臣に対し、2005年9月、
「サンカノゴイ等の湿地性希少鳥類の生息地に係る代償措置としてヨシ原等の造成については、サンカノゴイ等の生息地にかかる工事を実施する前に、代償となるヨシ原等の造成に着手し、鳥類が生息できる環境を早期に確保するとともに、適切に管理すること」
「鉄道供用後も道路事業の工事が行われることから、関係機関と連携して事後調査を実施し、必要に応じて調査結果を踏まえた対応を図ること」
など当時の環境省として異例とも言える大臣意見を提出した。

サンカノゴイ等の生息状況について継続した監視が必要だ。

写真は、17・18日に開催された地元(千葉市緑区)の大椎台納涼大会の様子。 
私も男子厨房に入る会(男厨会)の一員として例年通り海苔巻きをつくった。毎年4~5人で800本程度を巻くので、手が自然に動き、ロスがほとんどない。

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2010/7/14 水曜日

参院選挙結果、沖縄・普天間問題と大手メディアの「犯罪」

カテゴリー: 活動日記

 「日米同盟は国際的な共有財産」と所信表明した菅首相、辺野古近辺に米軍基地を「地元住民が反対してもつくる」と「豪語」した岡田外相、消費税増税とセットの法人税減税・・・。外務・防衛官僚と結託した「VOICE OF  AMERICA」の大手メディア(*)に洗脳され、米政府と日本経団連に土下座したかに見える民主党政権、その民主党が参院選で「大敗」した。その一方で、大幅に議席を増やしたのが極右化した自民党である。これが小選挙区選挙であり「二大政党制」というものだろう。
日米同盟・普天間、消費税増税・法人税減税、比例代表削減・議員定数削減では政策的な違いはなく、2大政党の大連立は可能だ。裏でシナリオを書いているのは誰だろうか。
「日米同盟・普天間」は大手メディアによっても周到に参院選の「争点」からはずされた。
なお、比例代表の得票は、民主1845万票(32%)、自民1407万票(24%)、みんな794万票(14%)、公明764万票(13%)、共産356万票(6%)、社民224万票(4%)である。

(*)12日夜の「人権と報道連絡会」定例会で、辺野古移設を繰り返し主張する朝日新聞主筆の船橋洋一氏を指して「VOICE OF AMERICA」と浅野健一氏が批判した。

12日午後は、武田薬品研究所問題に取り組んでいる神奈川ネットワーク運動・鎌倉の人たちが環境省、厚労省と実験動物の焼却炉のことで交渉するというので、私も同席する。交渉の場を設定した阿部知子衆院議員秘書の蜂谷さんにお会いするのは、4年前、テロ対策を柱として感染症法が「改正」される時に、衆院厚生労働委員会でそれに異を唱える立場から私が参考人として意見陳述した時以来だ。

 鎌倉市議会では、「実験動物焼却施設の設置規制について法の整備を求めることに関する意見書」が6月市議会で採択されている。
 私は、①実験動物や一般廃棄物の焼却によりどのような有害物質が発生するかを分析・調査した事例、②国内の実験動物施設の把握の有無、③DNA廃棄物の処理に関するその後の検討状況、の3点について質した。②の実験動物施設については法令が未整備で届け出の義務がないため未だ把握しておらず、①③については調査した結果について後日連絡してもらうことになった。

●「琉球新報」が「普天間移設の『第3の壁』は在京大手メディア」と指摘

 12日夜は、「人権と報道連絡会」の定例会に初めて参加する。今回のテーマは「沖縄・普天間 報道検証」で、同志社大学の浅野健一さんらが「沖縄の声」「『第3の壁』化した在京メディア」を中心に報告した。
 浅野さんの、憲法9条を世界に広げることが沖縄問題の解決につながるという指摘が心に残った。

「沖縄の声」~県民所得に占める基地経済の割合が、本土復帰時の15%から3分の1の5%に減少し、観光等他産業が伸びる中で、基地経済は沖縄で存在感が薄らいでいる。
沖縄県民の日米安保を容認する割合が、昨年は半分だったのが現在7%まで落ちている。
また、仲井眞知事が県民大会で「差別」という言葉を使った。沖縄の基地問題の4月5月のキーワードが「差別」だ。
歓迎されない沖縄に基地を押し付けることこそが、長い目で見ると日米関係を損ねるものだ。沖縄の負担軽減とともに中国を巻き込んだアジアの多国間の安全保障を模索することが必要だ。

「第3の壁」化した在京メディアの事例がいくつか紹介された。
 
・日本経済新聞特派員(女性)の暴言
昨年末の米国務次官補の記者会見で、「私たちはみな(辺野古移設に合意した米軍再編の)ロードマップが最適な計画だと知っています」と発言した。

・NHK沖縄放送局報道部長と副部長の「個人的」な放言
「米兵が空き巣、交通事故などを起こすと、大きく報道する。普通は取材もしないような事件でも、米兵ならニュースにするのはおかしいと思う」「沖縄の新聞・記事は反基地に偏向していると思う」
・NHKの労組(日本放送労働組合)の沖縄訪問団の一員(ディレクター)の発言
「沖縄で知ったこと、聞いたことをどうやって中和して報道するかを考える」

【参考】「第3の壁」辺野古固執の大手メディア
(“呪縛”の行方、普天間と鳩山政権(10)、「琉球新報」10年1月27日から抜粋)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐっては、辺野古案を「唯一実行可能な案」と譲らない米側に加え、鳩山内閣内にも昨年末まで日米案推進を主張してはばからない閣僚もいた。だが、この閣内外の県内移設圧力のほかにも、「第3の壁」とも言うべき、もう一つの“勢力”がいた。全国紙など在京大手メディアだ。
   (中略)
 普天間移設問題をめぐり大手メディアの報道には「日米間のトゲ」や「同盟の危機」との表現が目立つ。在沖米軍基地の必要性については「地政学的な観点」や「中国や北朝鮮の脅威に対応する抑止力」と冷戦時代から手あかが付いた表現が繰り返される。
  (中略)
 大手メディアでは、普天間基地問題の取材は政治部記者が担う。長きにわたる自民党政権下での報道姿勢の影響もあってか、政治記者の問題意識の中心は政府内の派閥、勢力関係の分析に重きを置く「政局報道」の色彩が濃い。その視点から見れば、県内移設に抵抗する社民は、連立政権の和を乱す厄介者と映ったようだ。

 「普天間移設問題に関しては朝日新聞と産経新聞で社説のトーンが変わらない。これは郵政民営化議論の時以来、珍しい現象だ」。1月に都内で開催された日米安保体制に関するシンポジウムの壇上、大手紙の編集幹部は、現在の東京の言論状況を解説した。報道の「横並び」状況を自ら認めた発言だったが、同席した同業他社からもその発言に疑問や危機感を示す発言はほとんどなかった。その上で、自らの正当性を強調するように、日本を取り巻く安全保障環境が軍事力を拡大する中国た核開発を進める北朝鮮の存在から予断を許さない状況だと指摘し、日米同盟、在日米軍基地の重要性を強調した。

 そして米軍基地の縮小を求める沖縄の論調について、「沖縄は、今後10年もたてばアジアは平和になると思っている。僕らの考える空間と違うところにあるようだ」と説き、会場から冷笑も漏れた。

2010/7/11 日曜日

話題の映画「ザ・コーヴ」を観る

カテゴリー: 活動日記

 先日、民族排外主義者の街宣抗議・予告により映画館の「自主規制」が相次いだ話題の映画「ザ・コーヴ」を渋谷で観た。平日にも関わらず8割程度もの観客の入りだった。

率直な感想を言えば、この映画は、和歌山県の太地町民や漁業関係者ら一方の当事者の声のない「宣伝映画」である。この映画を通じて私も日本の特定の地域でイルカ追い込み漁、イルカ肉の食文化のあることをはじめて知った。映画が「告発」しているのは追い込み漁という「屠殺行為の残虐性」であり、「水銀汚染問題」である。すでに指摘されているように、前者はイルカのみならず他の生物の生命にどう向き合うかに通じる問題であり、後者は人間を含む食物連鎖の頂点にある生物の汚染の問題である。これらについて映画では深く追求してはいない。

 しかし、見終わって改めて思うのは、「多数の日本人に見せまい」と映画館や支配人の自宅に「街宣」する行為の異様さである。
映画館主が語るように、「作品の正当性を主張して上映するというよりも作品を観れる環境を提供することで作品への賛同や批判を多くの方に共有して貰」う場であり、「上映依頼があり、観たいというお客様がいらっしゃるということ、それ以外にありません」というのが映画館だ。(月刊誌「創」8月号)

 鈴木邦男氏の「でも、どうしても許せない映画ならば、日本人みんなに観てもらって、『こんな酷い映画をやっているぞ、俺たちの主張が正しいことがわかるだろう』と言えばいいんです。その勇気もない、数十人ほどの人たちが『これは反日だ』と決めつけて、一億二千万の日本人に見せない。それはかえって、日本国民をバカにしているということじゃないですか」という発言(同)に同感する。

 映画館で購入した「コーヴ」のパンフレットによると、イルカとクジラは生物学上同じ種類の生き物とされており、一般的には4メートルより大きいものをクジラ、小さいものをイルカとしている、とある。ちょうど手元にある「ビッグイシュー日本版」(6月15日号)は「クジラと日本人~沿岸捕鯨を守りたい」を特集している。

 特集には「IWC(国際捕鯨委員会)の場で、日本は捕鯨調査をやめる代わりに、沿岸捕鯨を認めるよう主張するのが妥当」という米本昌平氏のエッセイとともに、太地町で捕鯨問題に関わってきた北洋司氏の発言が紹介されている。「人間は、ほかの命をいただいて生かされているのだと、命あるものに対する畏怖と感謝の念を持ち続けてきたのです。また、捕鯨は命がけの仕事。命と命のせめぎあいの中で、太地の人々は自然や命というものに、ずっと向き合ってきたのです」「科学的な根拠に基づき、持続可能な方法と制限の中で、私たちは地域で育まれてきた太地の沿岸捕鯨を守っていきたいのです」

 映画「ザ・コーヴ」は作り手の意図に関わらず、多様な問題を私たちに投げかけている。
 一度、太地に行ってみたい、と思う。

2010/7/6 火曜日

成田スカイアクセスの時間短縮効果のウソ~JR成田エクスプレスや自動車の方が便利?!

カテゴリー: 活動日記

    5日付の「ちば県民だより」7月号の一面の見出しは、「世界の空へ、より速く、より便利に!」とあり、森田知事名で、成田スカイアクセス7月17日開業を、「東京都心と成田空港が最速36分で結ばれ、空港へのアクセス時間が大幅に短縮される」「千葉ニュータウンなど沿線地域では、住宅地やビジネス拠点としての大いに高まる」として、県内経済の活性化につなげていくと決意表明をしている。

「県民だより」2面でも、「都心と成田空港間を最速36分で直結します。現在最速51分かかっている所要時間が大幅に短縮され、世界の主要空港と並ぶ交通アクセスが実現します」とある。

 しかし、現況の京成スカイライナー「日暮里~成田空港」間の所要時間51分が15分短縮する効果があるというにすぎず、主要都市からのアクセスが大幅に改善する訳ではない。
県は、主要都市からの乗換時間を加味したアクセス時間を、JR成田エクスプレス、自動車利用と比較して、きちんと提示すべきだ。費用便益がまともに検討された形跡がない。

 私は、成田スカイアクセス、北千葉道路事業は、建設に値しない事業だと考えている。

●神奈川県報告書が率直に語る成田スカイアクセス事業への疑問
 
 神奈川県は08年度、「成田~羽田超高速鉄道整備構想」検討調査報告書を作成したが、この報告書の中で、実は本来、千葉県が行うべき成田スカイアクセス(成田新高速鉄道)事業の効果を検討している。

「成田新高速鉄道開業後は、首都圏北部方面からのアクセス改善は見込めるものの、羽田空港や品川、横浜など首都圏南部方面からの所要時間の改善は見込めない。
 また、東京駅と日暮里駅の所要時間が約10分あり、それに乗換時間を加えると、東京以南から成田空港へのアクセスする際には、JR成田エクスプレスを利用するほうが有利となっている」(同報告書20頁)

 首都圏北部方面からのアクセス改善は見込めるとしているが、「リップサービス」の部類だ。
 主要都市からの成田空港アクセスについても以下のように報告している。
 (但し、JRは成田エクスプレス利用)

          JR       自動車利用  スカイアクセス
羽田空港      91分       60分      93分 
東京          53分       60分      57分
新宿          77分       68分      66分
横浜          90分       82分      93分
川崎           81分       62分      85分
さいたま       ―            99分      86分(大宮)

 成田空港への自動車利用者は50千人/日を超えており、鉄道利用者の倍近い。
 この数値をみても、成田スカイアクセスが「まず建設ありき」の明確な根拠のない事業であることが明白だ。
 なお、報告書では、「北千葉道路」についても成田スカイアクセスと同様、羽田空港や品川、横浜など首都圏南部方面からの改善効果は少ないと指摘している。(報告書25頁)

●アクアライン、圏央道など県内の大規模公共事業は、「まず事業推進ありき」

 千葉県内で建設・計画中の圏央道がB(便益)/C(建設費)が限りなく0に近いことは6月県議会の県土整備常任委員会の報告で触れた。国交省がはじいた計算では、Bの大半が「その他道路」の「走行時間短縮便益」だが、実態を反映してはいない。

 アクアラインもB/C は0.18と、建設に値しない事業であることを示している。(「東京湾横断道路建設プロジェクトの社会的費用便益分析による評価」安田八十五・川村久幸)

ところで、アクアラインは事業許可時の昭和62年、普通車料金4900円で、供用20年後の計画交通量の計画は64000台/日だった。
現在の社会実験では、45000台/日で大規模な渋滞となっている。そもそも片側2車線では物理的に64000台/日は不可能な値だった。
 また湾岸の渋滞の大幅解消を口実の一つにはじめられた昨年8月からの社会実験だが、そもそもスームズな交通量として4万台/日が限界のアクアラインに10数万台/日の湾岸ルートの大幅な渋滞解消を求めること自体が無理な話だ。
 成田スカイアクセス事業も、こうしたアクアライン、圏央道と同様、デタラメが独り歩きしているように思う。

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【写真】
3日午前に鎌倉市内で開催された「安全協定づくりワークショップ(住民案をつくろう)」(主催:武田薬品と住民との安全協定を推進する会)で、94年に締結した昭和電工と千葉市土気地域の町内自治会との住民協定の内容と運動の経験を報告した。ともかく鎌倉ネットの女性パワーに感心した。
藤沢市と鎌倉市にまたがる武田薬品研究所用地内で、武田薬品は日1トンの実験動物を焼却する計画だそうだ。周辺はマンションなど住宅の密集地だ。煙突から出される排煙は確実に周辺住民に再利用される。焼却される動物の体内には放射性物質を含むさまざまな化学物質などが含まれると思われる。その他、実験室からの大量の排気もばらまかれる。

2010/7/2 金曜日

「消費税」「小選挙区制2大政党制」で民主、自民の大連立はすでに成立?!

カテゴリー: 活動日記

 6月29日のブログで「要注意!民主党枝野幹事長の選挙後「衆院比例定数の80削減」強行姿勢」を指摘した。
 2日の「毎日」朝刊は、菅直人首相が1日夜のテレビ番組で、民主党がマニフェストに掲げた「参院定数40、衆院比例代表定数80の削減」について、「枝野幹事長が参院選後に法案を出したいと。各党も前向きの意見を出しているので、ぜひ実現したい」と語り、今秋の臨時国会で実現を目指す考えを明らかにしたことを報じている。
「小選挙区2大政党制」は、少数意見の封殺であり民主主義の死である。

 「消費税10%」、「小選挙区制2大政党制」で民主、自民の大連立がすでに成立している。
その次は米の世界戦略にあわせた「憲法改悪」であることは明確だ。

 「小選挙区制廃止をめざす連絡会」は声明「小選挙区制と二大政党制に批判を」を発表(下記参照)し、賛同者を募集中だ。
詳細は、http://kusanomi.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-5344.html#more
をご覧いただきたい。

【参考】声明 小選挙区制と二大政党制に批判を(小選挙区制廃止をめざす連絡会)

 七月一一日の参院選投票日を目前に各党はマニフェストを公表しはじめたが、民主党は「参議院の定数を40程度削減。衆議院は比例定数を衆議院は比例定数を80削減。」と打ち出した。野党第一党の自民党は「国会議員を3割削減する」と書き、さながら定数減らし合戦となっている。
比例区の定数を減らすことはますます小政党を国会から閉め出すことを意味している。日本の議員定数が多いなどと言うが、人口が日本の半分のイギリスの下院は六五〇議席である。

 現在でさえ、小選挙区制によって、昨年八月の総選挙では死票が四六・三%=三二七〇万票にも及び、得票と獲得議席との乖離が著しい。小選挙区で民主党は得票率四七・四%で七三・六%の議席を確保。反対に自民党の得票率は三八・七%にも関わらず議席獲得率は二一・三%にとどまる。
第三党以下はさらに得票と獲得議席のギャップが大きくなる。民意は国会の議席に反映されていないのである。したがって、小選挙区制を強化する議員定数削減は、民意に基づく政治=民主主義の一層の破壊を意味する。
私たちは、国会議員の定数削減に強く反対する。
国会議員にかかわる経費の削減が必要なら、議員の歳費など一人の議員の経費を削減すれば済む。なぜ、議員定数削減となるのか。

同時に、一九九四年に小選挙区制を導入するさいにマスコミあげて謳い文句にしていた「二大政党制」に大きな落とし穴があることを明らかにしたい。民意が多様化している社会で、民意の反映をただ二つの政党に収斂させることは、民主主義と根本的に相容れない。
「二大政党制」の模範とされてきたイギリスで、この五月の総選挙を通してこの「二大政党制」は大きく揺らぎ、その見直しが提起され進んでいる。
小政党を排除することになる「二大政党制」神話に囚われることは、民主主義の死を意味すると言って過言ではない。少数者の声が圧殺されるからである。

 合わせて、立候補権を著しく制限する法外な供託金制度を改善することを強く求める。比例区では六〇〇万円、選挙区では三〇〇万円もの供託金となっているが、他の国に比べてもすさまじい高額である(フランスはゼロ、イギリスは九万円)。これでは普通の市民が立候補することはできない。

 政党とその他政治団体との差別も大きな弊害である。戸別訪問の禁止をはじめ選挙活動が大幅に制限されている。政党助成金も問題である。年間三二〇億円にも及ぶ税金を投入しているが、受け取りを拒否している日本共産党に配分される分は国庫に戻されるのではなく他の政党に再配分されている。
 総じて、市民の政治参加の機会と条件を大幅に制限する公職選挙法を根本的に改善する必要がある。

 私たちは、各政党にこれらの諸点を強く要求するとともに、多くの市民がこれらの問題を日本の民主主義の根本にかかわる問題として捉え、改善のための行動に取り組むことを心から訴える。ぜひ、賛同の輪を拡げよう!
  
小選挙区制廃止をめざす連絡会

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