2010/8/22 日曜日

千葉県は不正経理問題の対応では秋田県の対極にある?!

カテゴリー: 県行政, 視察報告

 17日~19日は会派で青森県、秋田県を視察した。
訪問先は5箇所、調査項目は以下の11項目である。
A.青森県庁では、①県施設の維持管理計画~ファシリティマネージメント計画と運用状況、②三内丸山遺跡の保存と利活用、
B.秋田県庁では、③自殺対策、④事務消耗品の集中調達システムの運用状況と地元業者への配慮、⑤全国学力テストについて、⑥地域医療連携の現状と今後の体制、⑦議会傍聴者用託児室について
C.北秋田市民病院では、⑧病院行政と病院管理の現状と課題、
D.六ヶ所村では、⑨原子燃料サイクル施設の概要(六ヶ所原燃PRセンター)、⑩地域の状況(講師:菊川慶子さん)
E.大潟村では、⑪大潟村の農業の現状(講師:坂本進一郎さん)
 今後、ブログでも何回かに分けて報告したい。
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三沢空港着陸直前の機上からみた青森県太平洋岸の砂浜侵食対策、六ヶ所村漁村の光景

 20日朝、体を少しひねった拍子に腰痛が再発してしまった。前かがみの姿勢にならないと立ってはいられない。21日午前、近所の鍼灸整体治療院へ行き、少しラクになる。
さて、20日午前は、会派代表者会議が開催された。議題の一つは議員の机など備品類の改善についてだったが、私は議会中継(インターネット)を常任委員会にも拡大するための設備の充実を要望した。

● 秋田県庁では例え手違いによる「翌年度納入」でも「懲戒処分」

 19日午後に秋田県庁で「事務消耗品の集中調達システム」についてお話を伺った折、不正経理への対応について尋ねた。担当者より、90年代の不正問題(県職員が利息分も含め総額約50億円を県に返済)で職員、業者ともその意識が大きく変わったこと、例え手違いによる「翌年度納入」でも地方自治法に定める「懲戒処分」の「戒告」が適用されること、従って不正を働くには職を賭す覚悟がいること、様々な監査が導入されていることなどを伺った。

 千葉県は不正経理問題への対応では秋田県の対極にある。数十億円と言われる90年代の不正問題では1円も職員は返済していない。農林水産部出先機関の安房農林振興センターの虚偽の完成報告と繰越手続き漏れ工事、県土整備部出先機関の安房地域整備センターの繰越手続き漏れ工事に関し、県総務部総務課は8月3日、知事部局の関係職員の懲戒処分等を行ったが、虚偽報告については「戒告」で、繰越手続き漏れ問題は実質的に処分なしとした。もちろん「翌年度納入」などは実態として「不正」とは捉えられていない。この甘さは、当然公社等外郭団体にも共通する。

● 再発防止策で公社等外郭団体への県OBの天下り廃止を求める

20日午後は、7月27日に引き続き、県土整備常任委員会が開かれ、公社等外郭団体の不正経理問題を審議した。13日に関連資料の修正版と私が請求した支出伝票の写しを県を通して受け取った。これらに目を通すのに14日~16日の3日間を費やした。

 私は再発防止策として、
・県や外郭団体組織内部の顔色を伺うのではなく、県から自立しトップとしてのリーダーシップを発揮するという点で、県OBの天下り人事を廃止をすること。
・帳簿保存期間の延長(7年)
・透明性の確保
・電子システム、集中調達システム
などを提案した。

 なお、20日の常任委員会で私の質疑を通じて明らかになったことを以下に記す。

① 支出伝票類一式を請求したにもかかわらず、「まちづくり公社」から検収書類の写しの提出がなかった。
② 「まちづくり公社」の、H15年~19年にかけて80万円程度のプール金の動き、詳細な出入り、何に実際に使用されたのか、その際の指揮命令はどうなのか、については公社は、調査によってもわからなかったと答えた。
③ 全額預けとなった「取引」は担当者だけの判断で行ったと「まちづくり公社」は答えたが、常識として担当者だけでできるものではない。その点を追及すると過去のことなので詳細は不明と逃げた。(なお、この全額預けにも検収書類があるということは、虚偽報告そのものであり、財務規程違反である)
④ 年度内に納入されたものの請求書の提出のないものは支出回議書を年度内に起案するのが通常の処理方法と建設技術センター理事長が答弁した。(しかし、これは財務規程に合致するかどうか疑わしい)
⑤ 4つの外郭団体に共通するものとして、見積書日付けと調達回議書起案日が同じ日、支出回議書起案日、支出伝票日が同じ日(中には請求書日付けも)のものが相当数見受けられた。見積書と請求書の手書き日付の筆跡は同じで外郭団体の職員が後から記入している実態が容易に推察される。建設技術センター理事長は職員が後で記入している実態を認めた。

●天下りと官製談合

 官製談合は政治家主導と役人主導の2種類に大別でき、役人主導の官製談合は天下りと結びついている。

 元鳥取県知事の片山義博氏は次のように指摘する。
「この天下り先はそれぞれの官庁が独自に開拓している。官庁の周辺に外部団体を設け、そこにポストを用意することも多いが、公共事業などを発注する官庁であれば、その受注対象事業に天下りさせることが手っ取り早い。その際、発注側が天下りを受け入れてくれた業者に相応の配慮をしようとすると、そこに意図的かつ計画的な受注調整が行われることになる。これが官僚主導の官製談合であり、これによる調達コストは当然割高となる。役人の再就職は「私」に属することで、これを実現するために割高なコストを投入するのだから、これも立派な公金の私物化である」(「市民社会と地方自治」片山義博著、慶応義塾大学出版会)

 ところで、入手した開札調書を見ると、たとえば「まちづくり公社」が落札をしたものをみると、不思議なことに、「まちづくり公社」のみが予定価格を下回るケースが多いことに気がつく。

●過去3年間(H19~21)における県土整備部の取引上位10社(H22.6.18)
                   契約金額(H21年度県退職者役職)
1.(財)千葉県下水道公社     15,413,103千円(専務理事)  
2. 千葉県住宅供給公社       6,143,460千円(理事長、常務理事)
3. 千葉県道路公社         2,883,718千円(理事長)
4.(財)千葉県まちづくり公社    2,098,882千円(常務理事)
5. 月島テクノメンテサービス(株)   997,272千円(事務所長)
6. クボタ環境サービス(株)      694,119千円(顧問)
7.(株)オオバ             676,130千円(常勤顧問)
8. 鵜沢建設(株)           478,380千円(常務)
9. 和合建設コンサルタント(株)    427,080千円(理事)
10.(株)明電舎            395,645千円(技師長)
その他
・(株)道路建設コンサルタント     193,530千円(技師長)
・川崎地質(株)             77,360千円(技師長)

2010/8/14 土曜日

北千葉道路は七百億円の投入に値する事業なのか?!~北印旛沼・ヨシ原造成状況を視察

カテゴリー: 視察報告

 13日午前は、印旛沼ヨシ原造成現場を会派の県議4人で視察した。
 成田新高速鉄道・北千葉道路インフォメーションセンターで、県北千葉道路建設事務所の職員の方々から説明を受けた後、現地でヨシ原の生育状況等を確認する。

ヨシ原造成とは、成田新高速鉄道(7月に開業)と北千葉道路(一般国道464号)が北印旛沼を渡河することにより絶滅危惧種ⅠB類・サンカノゴイの生息などに影響を与える可能性があることから、「ヨシ原等の造成については、専門家の指導・助言を受けながらサンカノゴイ等の生息地にかかる工事を実施する前に代償となるヨシ原等の造成に着手し、鳥類が生息できる環境を早期に確保すること」という国交大臣・環境大臣の意見を受け、HEP手法を用いて、その「代償措置」として北須賀工区と大竹工区の2か所で約8ヘクタールの新たなヨシ原の整備をするものだ。
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写真:北印旛沼のヨシ原造成状況

 但し、HEP手法を適用する場合、本来、対象となる生物の生息環境が把握されていることが前提だが、サンカノゴイについては生息環境の詳細が不明である。従ってヨシ原が順調に造成されても、その生息が保証される訳ではない。少なくともヨシ原の成長は必要条件の一つであり、2年前に視察した折は北須賀地区のヨシ原は貧弱だった。

 ヨシ原の造成費は約6億円。13日に見た北須賀工区のヨシ原は2年前と比較すると見違えるほど成長していた。しかし、北須賀工区に並行して約300メートルのところに国道464号があり、音や光に敏感なサンカノゴイにとって適正環境とは言い難いのではないか。
場所の選定に手間取ったことから当初より2年工事が遅れた大竹工区は、ヨシの成長はもう少しというところだ。

工事前に観察されたという十数つがいのサンカノゴイは、H18年12つがい、H20年5つがい、H21年は9つがいが観察されたという。しかし、ヨシ原造成地ではまだ確認されてはいない。 
 当初はH24年供用開始予定だった北千葉道路だが、財政難、土地買収の遅れなどで供用開始の見通しが明確ではない。したがってこの「代償」措置が適切だったかどうかはずっと先にならないとわからない。

●北千葉道路事業の根拠 

ところで、今回の視察で感じた疑問が、「北千葉道路事業が、はたして他の公共事業より優先して実施すべき事業だったのか?」ということだった。印旛沼若萩~成田市大山の13.5㎞の事業費は約700億円である。

受領したパンフレットによれば、北千葉道路事業が「H13年(2001年)8月に第3回都市再生本部が決定した都市再生プロジェクト(第二次決定)において、大都市圏の国際競争力を高め、我が国経済の牽引役となるため、国際都市に相応しい国際交流・物流機能を確保する観点から、首都圏北部と成田空港間のアクセス時間を大幅に短縮する新たな道路アクセスルートとして、東京外殻環状道路の東側区間の早期整備と北千葉道路の計画の早期具体化を推進すると位置づけられた」とある。

まず、金科玉条としている「都市再生」について考えてみよう。
小泉内閣発足直後の2001年5月に設置された「都市再生本部」が目指す「都市再生」とは、「景気対策という近視眼的な射程」の中で、「都市間競争」をあおり、「市場に都市の行方を委ねてしまう新自由主義的な都市政策」であった。したがって明確なグランドデザインが欠落し、持続可能な都市づくりのための都市間連携・協働の視点は皆無で、「カネと効率」が優先されている。(「持続可能な都市」福川裕一ほか著、岩波書店)

結局、「都市再生」とは東京区部一極集中の推進であり、首都圏におけるそれまでの業務核都市の育成を柱とする多極分散型政策が「有名無実」化された。県が「都市再生」を評価するのであれば、今まで進めてきた幕張などの業務核都市政策を根本から見直すべきだが、その気配はない。そこに見られるのは、国の補助金・交付金の誘導のままという近視眼的な姿勢である。

次に、「首都圏北部と成田空港間のアクセス時間の大幅な短縮」はどうか。
パンフレットには「柏市~成田空港」の所要時間が「現況120分→整備後90分」とある。これを読んだ柏市に住む吉川県議が、現状でも、柏から裏道を通れば90分で成田空港に行けると発言したが、それはともかく、私は今まで、首都圏北部の諸都市でどれほどの「大幅な短縮」となりその規模・効果はどうなのかなどについて詳細な調査報告を目にしたことがない。なお、柏から成田空港に行くには、常磐線・成田線・総武線で約68分、東武野田線・成田新高速で約1時間である(いずれも乗り換え時間含む)。
県北部の利便性を増すには、列車ダイヤの改正で対応できる。

そもそも成田空港へのアクセス強化に役立つのか。2年前に神奈川県が作成した「成田~羽田超高速鉄道整備構想」検討調査報告書では、三環状道路(圏央道・外環・中央環状)や北千葉道路が整備されると、首都圏北部方面からの所要時間の改善は見込めるが、羽田空港や品川、横浜など首都圏南部方面からの所要時間の改善効果は少ないとしている。
環状道路整備による成田空港アクセス時間の変化として以下の数値があげられている。
 さいたま~成田空港間   現状99分→整備後89.7分
 新宿~成田空港間        68分→66.3分
 東京(西銀座)~成田空港間   60分→55.1分
 横浜・川崎・羽田~成田空港間   変化なし

 首都圏北部からの時間短縮といっても「さいたま~成田空港間」はわずか9分の短縮でしかない。

 以上を組み合わせて考えると、千葉県民にとってメリットは少なく、県が事業を行う根拠がはっきりしなくなる。また県外の首都圏北部~空港間の時間短縮効果もそれほどでもなさそうだ。一方、膨大な後輩圏人口を有する首都圏南部にはメリットはない。
 どうも北千葉道路事業の最大の目的が、建設自体にあるとしか思えないがどうだろうか。

2010/5/8 土曜日

台湾視察報告③~台北市立興雅国民中学

カテゴリー: 活動日記, 視察報告

 米軍普天間「移設」問題で、「首相「県外」断念表明」「海兵隊の抑止力 理解が「浅かった」」「政府5月決着断念へ」と報じられている。
「抑止力」が「日本防衛」を期待しての発言であるならば、当時のワインバーガー米国防長官が、米議会で「沖縄海兵隊は、日本防衛のために割り当てられていない」(「83年度国防総省予算」米上院歳出委員会への文書回答)とハッキリと証言している。

 さて、今年に入って不正経理問題などで書類を整理する時間がなく自宅、事務所の床に書類が「散乱」状態にあった。一部には子猫たちがかじったあとがある。ようやく5月に入ってから整理を始めた。
新聞の切り抜きが大部分を占めているが、今年1月の「毎日」記事では海上自衛隊のインド洋給油活動撤退について「テロ情報共有困難に」「「国益を損なう」防衛省が懸念」などの見出しが目立つ。しかし撤退後4カ月になるが「国益」云々の話は聞かない。

普天間基地をめぐり、「米国の信頼を失う」「抑止力を損なう」などという報道が目立つが、ブッシュ前政権以来米政府が進めてきたグアムへの米海兵隊や海軍基地の整備が報道されず、主権国家としての尊厳や憲法前文、九条の視点もない。
 
 憲法記念日の3日の「毎日」朝刊は、「極端な物質至上主義を戒め、道徳的な倫理観を求める」チベットの仏教最高指導者ダライ・ラマ14世のインタビュー記事を掲載している。
ダライ・ラマは、その中で中国とインドを対比し、インドは民主主義や法による統治、報道の自由などの別の価値観=「民主主義こそ道徳の原理」を基本にしていると指摘している。

 民主主義とは、単純な多数決主義ではなく、一個の人格すなはち基本的人権を最大限尊重することを基本に据えることに他ならない。つまり道徳を強調することは本来、日本国憲法の基本的人権(第11条)を強調することである。「完全無所属・剣道2段」を偽装した森田知事は、歴史を改ざんするとともに新自由主義(=極端な物質主義)的立場から「道徳」教育を推進しようとしているが、自らの立場が反道徳的であることを自覚すべきである。

ダライ・ラマは言う。「汚職や盗みによって得たお金も、賢明に働いて得たお金も、お金に違いはないでしょう。盗んだお金でもモノを買うことはできるし、同じお金に違いはない。だがそこには道徳的倫理観の支えはありません」

40億円県不正問題で問われているのは職員のコンプライアンス(=法令順守のみならず「道徳的倫理観」を含む)というが、実はつまるところ民主主義の支えのあるお金の使い方なのかどうかが問われるということだろう。

●台北市立興雅国民中学~当事者主権

 台北市議会の事務局にアレンジしていただき、4月26日午後3時過ぎ、都心に位置する台北市立興雅国民中学を訪問した。

 台湾では、言葉は通じなくとも、漢字である程度は理解できる。台北市内を走るバスの車体の学習塾?予備校?の広告から、受験熱の高さは感じられた。
 興雅国民中学は台北市の都心にあり、周囲は億(元ベース)ションが立ち並び、入学希望者が殺到しているという。スライドによる説明によれば、一クラス38人で、各学年15クラスの計45クラス、教員121人、スポーツ・文化・芸術活動も活発で、台湾の中でも、模範的な地位を占めているようだ。一クラスの生徒数は30人を目標にしている。
 成人のための夜間中学(夜6~9時)もあり、一時より生徒数は減り、現在は40人程度という。

 学力格差やいじめ、不登校はどうか?という問いに対して、ないことはないが学校全体でその都度対応しており、問題はないという返事が返ってきた。

 今の校舎の建設時は、校長のみならず教職員、PTA,生徒ら当事者の意見を計画・設計内容にも反映したとのことで、校長先生は、学校の運営についても生徒ら当事者の意見が尊重されるのは当然でしょうと言う。実際、学校の会議には生徒の代表も参加して意見を述べることができるという。日本では生徒は管理の対象でしかないというと非常に驚いた様子だった。 

校舎間は各階が広々とした渡り廊下でつながりエレベータもあり、教室にはPTAから寄付された冷房設備が設置されている。グラウンドには芝生が植えられている。

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台北市中学校とその周囲

2010/5/2 日曜日

台湾視察報告その2~「八百長と学芸会」議会は日本に特有のものではないか?!

カテゴリー: 活動日記, 視察報告

 1日午後は、稲毛ネット事務所で開催された県政報告会で、40億円県不正経理問題、60億円かずさアカデミアパーク破綻問題、アクアライン社会実験について話す。
 これでようやく2月県議会報告もひと段落した。

 一昨日30日の午前は、地元の県政報告会で40億円県不正経理問題について話をし、午後は県議会の会派控室で、昨年度末の未完了の工事の繰越手続きを怠ったと26日に県が記者発表した5件の工事について県土整備部担当者からヒアリングした。

 5件の内3件が国庫補助事業で、今回手続きを怠ったことにより、国からの補助金約800万円が県の負担となる可能性があるという。請負金額が5件とも5千万円未満のため、「千葉県建設工事検査要綱」の定めにより出先機関の検査監が検査を行うため、本庁には工事の進捗に関係する書類や情報は何一つ事前に提供されなかったとのこと。

 遅延の理由が「天候不順」というのはともかく、なぜ工事の繰越手続きを怠ったのかが本庁の職員からのヒアリングだけでは判然としない。監理責任はどうなのか、連休後に出先事務所に足を運び、監理体制と監理の実態、工事現場の状況について直接確認することにした。
 
● 台湾の地方自治と議会

台湾は総統府の元に、行政院(日本の内閣に相当)、立法院、司法院、考試院、監察院があり、行政院会議には40近い機構の他、直轄市である台北市、高雄市も参加する。

台湾の政府は、①中央政府、②県、直轄市、③市町村、の3つのレベルがある。直轄市(政令指定都市)は人口125万人以上で、台北市(人口263万人、1967年に昇格)と高雄市(同152万人、同1979年)の2市がある。今年12月には、台北市と台北県(368万人)、高雄市と高雄県(124万人)、台中市(101万人)と台中県が合併し、3直轄市になる予定で、関連法令を整備中という。 

 法令は、1950年地方自治の政令実施、1994年直轄市自治法公布施行(直轄市長が公選制となる)、1999年地方制度法施行、と整備され、議員定数は地方自治法で人口150万以下は最大44名、150万超は上限52名と規定されている。

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dscf1150 dscf1151  台北市議会(5枚)
dscf1169 高雄市政府
dscf1171 dscf1172 高雄市議会

・女性、原住民の参政権保障

 女性議員数は、台北市議会52名中19名、高雄市議会44名中16名である。選出議員4名以上の選挙区では、必ず女性議員が1人含まれ、4名増えるごとに、さらに1名増える。台北市議会は6選挙区(定数7~11人)で、この規定により女性議員数は9名が確保されることになるが、実際は女性候補者が高位当選するので参政権保障規定は使用されていないとのこと。
 また、台北市では居住する原住民の人口が4千人以上の場合、原住民の議席が確保される。
 合併による今年12月からの新直轄市の議会でも、台北市66議席中4議席(山地原住民1、平地原住民3)、高雄市66議席中4議席(山地3、平地1)の割り振りの予定という。
 
今回、高雄市議会で対応いただき活発に意見交換した林国雄議員(国民党所属)は山地原住民の議員だった。また、高雄市の行政機構について詳細に説明いただいた高雄市政府顧問の潘春義氏も原住民出身である。排除性が強い日本の「他民族」政策のあり方を考えさせられる。

・「行政-議会」の分権
 
 議会の権限は主に地方制度法第34条に定められている。
台北市議会でいただいた日本語パンフレット「台北市議会の話」(発行・編集:台北市議会)には、市議会議長の「民主制度の運営において「行政-立法」の分権原則に沿って、監督制の機能を発揮し、「議会は権限を有し、政府は能力を持ち、市民は利を得る」のトリプルウィンの局面を作り出してゆくことを、永続的に追求する目的としています」「地方議会は「地方自治」と「分権バランス」の原理に基づき、政策を適切に執行できる最高の制度を確立するものであり、質疑や専門的な調査、予算及び法案の審査などを通じて、効果的に市政府の施政を監督する」という言葉が紹介されている。

 高雄市議会は議員44名に対し、議会事務局は160名で、事務局の人事権は議長がもっており、日本のような行政との頻繁な「人事交流」はなく、議会事務局は行政から独立している。

・議員の手当てと調査活動

①台北市 調査研究費12万元/月+秘書費24万元/月=36万元/月(約108万円)
  秘書費を活用して秘書を4~6名雇用し、調査研究に力を入れる。(台湾の一般の公務員の給与は10万元/月(約30万円)程度) 
  議員はもともと別の職業で報酬を得、議員活動は無報酬であることが前提だが、調査研究費が実際は報酬化しているようだ。なお、台湾の物価水準は感触では日本の1/2~2/3程度と思われる。
  議会棟には議員一人に50平方メートル程度の執務スペースが与えられており、私が見学した議員室は、議員個室、応接スペース、秘書用の事務テーブルが4~5セット配置された事務スペースで構成されていた。

 ②高雄市 調査研究費13万元/月+秘書費24万元/月=37万元/月(約111万円)
  それ以外に費用弁償として2450元/日×140日=34万元/年(約103万円)がある。 
  対応いただいた黄柏霖議員の場合、7名の秘書と4名のアルバイト員を、林国雄議員は8人の秘書を雇っているという。費用弁償の140日とは、定例会が年2回開催され、1回の会期は70日からきている。

・市民の請願への対応と公聴会制度

 地方制度法で、「市民の陳情は簡単に解決できる問題ならば、直接市政府へ移送し、多数の市民とかかわる重大な請願案なら、本会議で討論され、議会が意見を作成して市政府に執行させる」と定められている。

 台北市議会では、市議会1階に市民サービスセンターが設けられており、毎日議員3名が市民請願を受理する任務についている。

 「公聴会制度」が請願の審議に頻繁に利用される。高雄市議会では、議員一人の発議で、一人につき年5回(昨年度まで21回)まで開催できる。公聴会では発議議員が委員長になり、請願当事者と行政職員、専門家らを呼んでテーブルを囲んで2時間程度審議する。公聴会の経費として最大2万元(約6万円)/回の予算がついている。

・議案の質疑

 「八百長と学芸会」議会はやはり日本に特有のもののようだ。
2つの市議会とも、質問通告制度は皆無ということはないようだが、少なくとも詳細にわたる通告はなく、議員の資料要求などにより内容を予測して対応するようだ。議会事務局の方も通告しないほうが「質問の効果がでる」と話していた。
行政側も相当な専門性が要求されるが、日本のような公務員の2~3年毎の人事異動はなく、「公務労働の高い専門性」を身につけることが台湾では保障されているようだ。

台北市では議員は6つの常任委員会のいずれかに所属するが、本会議場で行われる常任委員会ごとの「部門質問」では全議員(議長、副議長は除く)が質疑でき、質疑時間は答弁を含めて24分/人である。一般質問の質疑時間は答弁を含めて18分/人が割り当てられている。

ちょうど本会議場では教育常任委員会の「部門質問」が行われていたが、一問一答の激しい討論が行われていた。

2010/4/30 金曜日

台湾の地方自治と日本統治時代

カテゴリー: 活動日記, 視察報告

 25日~28日と台湾に滞在し、26日は台北市(市議会、台北市立興雅国民中学)、27日は高雄市(市政府、市議会)を吉川洋県議とともに訪ねた。主な目的は、①地方自治の現況~行政・議会・市民の関係、②議会の審議の実態、③教育局と学校の関係、④日本統治(1895年~1945年)に対する歴史認識、の4点である。

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高雄市立歴史博物館(旧高雄市役所)

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 (4枚)高雄市の寿山(旧高雄神社)

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総統府(旧台湾総督府)

 感想を言えば、議会の行政からの自立、議員の専門家としての位置づけ、市民の陳情・請願を当事者・専門家が参加する公聴会(議員に開催の権利あり)で徹底審議し、教育施策でも当事者主権が尊重されていることなど、千葉県よりはるかに進んでいる。1987年まで戒厳令が布かれ地方自治の存在すらおぼつかなかったと思われる台湾の方が、地方自治において日本より優れているという印象を受けたのは驚きだった。
それだけ自民党による審議放棄とその見返りとしての行政幹部との水面下の取引が議会を形骸化し、市民ら当事者の立場を貶めているということだろう。
 詳細は今後、このブログで報告したい。
 
●日清戦争講和条約批准後に開始された台湾の抵抗運動

 台湾というと、台湾統治をめぐるNHKスペシャル「アジアの“一等国”」(昨年4月放送)の評価で、自民党の安倍晋三元首相らが「「反日」で貫かれている」と批判し、県議会自民党もそれに呼応して「日台戦争」をでっち上げたなどとする「NHKへの偏向報道に関する調査と行政指導を求める意見書」を昨年の6月県議会に提出したことが記憶に新しい。

 今回は、事前に①「図説・台湾の歴史」(周婉窈著、平凡社)、②「日本植民地探訪」(大江志乃夫著、新潮選書)、③「観光コースでない台湾~歩いて見る歴史と風土」(片倉佳史著、高文研)、程度しか目を通すことができなかった。

 それでも、50年間の日本統治後、1949年5月~1987年7月の38年間戒厳令が布かれ2・28事件など「白色テロの時代」が続き、「台湾人が台湾の歴史を学ぶことができなかった歴史は100年におよぶ」こと、オーストロネシア語族(マダガスカルから、インドネシア、フィリピン、ハワイ諸島、タヒチ、イースター島に分布)の台湾はオランダ東インド会社(1602年設立)により中国大陸からの移民が始まったことなど(前掲書①5頁)を初めて知り、自分の無知さを痛感させられた。

 1895年5月8日、日清戦争の講和条約が批准された。条約には清国が台湾を日本に割譲する条項があったが、それは参謀本部編『明治廿七八年日清戦史』第7巻(公刊『日清戦史』)が台湾占領について記述した通り、清国からの「日本が軍事力をもってご自由に台湾を占領しなさい」という形式的な授受手続きに過ぎなかった。
 日本最初の植民地領有である台湾は、日本がその後に獲得した他の植民地と異なり、条約上の形式だけが先行し、植民地支配の実態はその後の武力征服(=日本による台湾征服戦争)によって作り上げられた。(前掲書②264‐265頁)

 公刊『日清戦史』や陸軍省編『明治二十七八年戦役統計』によれば、条約批准後の台湾征服戦争による日本の戦没者は1万人前後と思われ、その後1903年頃まで続く台湾植民地戦争と併せると、日清戦争の主戦場となった朝鮮国・清国での傷病死者を上回ると言われる。
 一方、中国系台湾人の犠牲者は、『後藤新平』第2巻(鶴見祐輔著、勁草書房)によれば、1896年までの征服戦争で約1万7千人、1897年~1901年の植民地戦争で1万1946人と推測されるという。しかし、この数字には1896年4月から12月に行われた大虐殺(『台湾総督府警察沿革史』Ⅱ)による犠牲者は不明のままだという。(前掲書②279-281頁)
 
 台湾人が一致団結して日本軍に対抗したわけではないが、各地で民衆が奮起して日本軍に抵抗したのは事実であり(前掲書①99頁)、これらから「日台戦争」はデッチ上げという自民党の主張にはやはり無理がある。
 同時に、明治を賛美する司馬遼太郎の近代史観にも首をかしげざるを得ない。 

 合間をぬって、日本統治時代の史跡を、高雄市では市立歴史博物館(旧高雄市役所、1938年竣工)、昭和天皇も訪れた寿山公園(旧高雄神社)、台北市では総統府(旧台湾総督府、1919年竣工)を見学した。

2010/3/28 日曜日

23日の参考人質疑の詳細報告とダム建設中止の五木村視察

カテゴリー: 県議会, 視察報告

 八ツ場ダム中止後の生活再建・地域振興対策、そのための法整備が課題となっているが、25日、26日と会派で熊本県に行き、川辺川ダムの建設が中止となった後の自治体や地域の状況を調査した。
 五木村(村役場、議員、観光協会)、熊本県庁(川辺川ダム総合対策課など)、移転場所(頭地地区)、移転拒否住民宅を訪ねた。熊本市内と五木村を往復する車の中で、「清流川辺川を守る県民の会」の中島康代表からお話を伺う。

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dscf1101 25日視察した熊本県五木村の川辺川ダム建設、
水没予定地だった地域の様子と五木村役場での聞き取り、役場内部の様子

 感想を思いつくままに以下に記す。
① 情報を隠蔽し、計画を強権的に遂行してきた国の責任は重大であること
② 当初の事業費350億円が約10倍に膨らみ、9割近くがすでに支出されていること、そして今後のダムによらない治水対策をあわせればトータルで膨大な額の費用となることに驚く。
 ③ 公共事業中止後の生活再建・地域振興対策の法整備が緊急に必要なこと
 ④ 水没予定地域の土地利用のあり方が今後のまちづくりで大きなウェートを占めること。
 ⑤ 五木村の公共施設(村役場、学校など)や移転した住家屋の立派さに驚いたが、水道や下水道施設とともに今後発生する維持更新費用が心配になった。
 ⑥ 平地が少なく、地盤も不安定な急峻な斜面に強引に平坦地をつくることはコスト面、防災面、景観面で無理がある。

 熊本県のヒアリングの中で、基本高水などの治水数値の根拠が国土交通省から一切示さていないことを聞き驚く。民主党政権は情報開示を国交省官僚に命ずるべきである。

●第14回不正経理特別委員会の参考人質疑内容(真田範行外部審査委員・コンプライアンス委員会会長)から

 23日の参考人質疑の様子を報告する。
 私は、一番最後の質問者として、15分の質疑応答の制限時間の中で以下のことを質した。
①業者ヒアリング記録を作成しないという調査のずさんさ
②調査対象の3割にあたる使途不明金をなぜ全額不適正額としないのか
③プール金と業者の法的責任
④02年度以前の調査放棄の根拠
⑤業者帳簿を議会に提供しない不当性
⑥国庫返還金は全額を職員等が負担すべき 
 ⑦内部告発の門前払いと第三者機関の設置について

 感想としては、外部審査委員会は、不正解明でリーダーシップをとるのではなく、県幹部の意向の範囲内で審査したのが実態だろうというものだ。外部委員と市民、弁護士の3者を使い分ける答弁に、外部委員会内で深い検討が行われなかったことが感じられる。
以下のやりとりを読んでもらえると、まともな答弁が少ないことがわかる。
なお、文中、「・・・(不明)・・・」は、聞き取れない箇所、「(?)」は違うようにも聞こえる箇所のことである。

・業者へのヒアリング記録が残っていないと検証が困難なはず

【川本】今回、県の調査をみてみますと、幹部職員の聞き取りをしていない、あるいは 業者へのヒアリングをしたけれど 内容自体が分からないし 一つも記録が残っていないということですが、やはりこの辺は、聞き取りをする、あるいは聞き取りをきちんと(記録に)残すべきと考えるがどうか。
【真田】委員のご指摘の点については、我々としては、県の調査について検証をするということに主眼をおいていたので、そこのところの聞き取り等については、正直申し上げて関与してなかったということは事実です。
【川本】検証する上でも記録が残っていないと検証もできないと私は思うのですが、いかがですか。業者のヒアリング(記録)も残っていないと 業者は何時からそういうことがあったのか、不正経理に対してどうだったのか、不明のままとなる。外部審査員としてチェックをするときに 検証できないと思うのですが、この辺はいかがですか?
【真田】今回の場合は、県の伝票と業者から情報提供受けました帳簿に基づいて行っていたということでございまして、そこら辺のところである程度の判定(?)はできるのではないかというふうに考えております。

・不突合部分はすべて不適正とすべきでは?

【川本】今回は、業者の帳簿が未提出なことによって ヒアリングができなかった突合できなかった分が約3割、約二十数億円ぐらいある。これに対して有効な手段としては聞き取りなんですね。 最近出された、神奈川県の不正経理報告書を見れば、この不突合部分の解明に多大な時間をかけている。そして、その結果、県警においては不突合の全てを不適正として処理をしている。今回、そういうことからすると、業者帳簿が未提出な事によって、突合できない部分については、私は本来不適正と判断すべきだと思うのですが、これを通常の適正、不適正の割合で按分している、全てを不適正と判断しなかったことについて妥当とする根拠は何か?
【真田】神奈川の事例については、私の方が明確に存じていないのでそのような判断もありえたかなというふうに思いますが、我々としましては、この報告書の11ページにございますようにかなり厳格な推計を行うようにということは申し述べました。すべて対象とするかどうかということについては 我々は推計を厳格にしようと言う立場を取ったのということでございます。
【川本】突合できないものに関しては、a~g分類の前に 適正、不適正の分類をして 不適正部分に関してのみa~g分類をして、(これにより)不突合に関しては、おそらく9割以上が適正だ(と判断された)と考えられます。そういった意味では、職員の返還金換算については、甘くでているのではないか、そもそも業者帳簿が未提出による不突合というものははっきり言えばわからないものです。その辺は非常に安易ではないでしょうか。
【真田】委員の意見もありうるかなと、一般市民の立場からするとそういう見解も ありえるかなというふうに考えます。

・プール金と業者の法的責任について

【川本】プール金返還における業者の法的責任についてですが、これは県としては損害金として考える場合は 職員あるいは業者のどちらに返還を請求するか選択権があるということですが、例えば、今、県に職員が返還して行きますが、返還が完了した時点で、法的には業者には返還責任は無くなるのではないか、道義的責任はあると思うのですが、法的責任はどうお考えですか。
【真田】そのことは私自身は、・・・(不明)・・。要するに法律的に共同・・を把握した場合には、一応損害が出ている形であるならば、業者に対しての道義的責任はともかく、それは最後まであると考えますが 法的な責任といい意味では 若干難しい点が出てくるかなと。ただ、私は弁護士なので、法的な部分は先ほど竹内委員と〇〇委員にお答えしましたように これを法的にどうするかという問題はかなり難しい問題がある(不明)

・02年度以前の調査で岐阜県を見習わないのか?

【川本】02年度以前の調査ということで、聞き取りが有効な手段であるということで 岐阜県あるいは最近の神奈川県の例を見ますと関係書類が無くても10年~15年前にさかのぼりながら、ヒアリングとかアンケートとか様々な方法で調査を実施しているという県がある。それから 90年代もいろいろな不正問題があったことを踏まえて 道義的責任からも様々な岐阜や神奈川のような形で実施するということも考えられると思うのですが、 これについてはいかがですか?
【真田】不正経理の調査委員会の会長という立場からすると報告書の推計で委員会としては、了としたと申上げます。ただ、委員のご指摘の点については、要するに今後の政治的な問題として そういう意見があるということについてはすべき問題ではないかと考えます。

・業者帳簿や「様式3」をなぜ調査目的の特別委員会に提出しないのか?

【川本】業者帳簿の議会への情報提供について。なぜ 業者帳簿が あるいはそれをもとにした「様式3」 これを議会に提出できないかということを私は理解に苦しむのですが、これについてのご感想をお願いします。
【真田】私の方で、言及する立場ではないというふうには申し上げるところでございますが、ただ、何分にもですね 今回の不正経理について 協力した業者という業者は要するに 県に対して、あるいは 県民に対して申し訳ないという気持ちがあって ようするに 県に対して提出したと。また あるいは県当局を信頼して 提出したものでございますので、これは、またこれ以外の使用目的に使われるということになりますと、若干また、疑意(?)がでてくるのかなあというところが若干あります。ところが・・・(不明)・・。 
【川本】この特別委員会の目的事態が調査をするという目的なんですね。ですから それに提供することはいっこうに構わないと思う。それから、県が業者に出した文書を見ても 議会に提出しないと約束していないと思うのですがいかがですか?
【真田】県当局がご判断なさったことでございます。

・国庫返還金は全額を職員等が負担すべきだがどうか?

【川本】国庫返還金について 加算金は職員負担とし、しかし、その他3億9千万ぐらいですか 今のところ これは一般会計から払うということですが、本来全額を職員等が負担すべきだと思うのですが、いかがですか。
【真田】委員、ご指摘のように 我々としては、了としますというふうにしたものでございます。
【川本】例えば、翌年度払いとかいう事を含めますと、県民が税金の二重払いではないかなあと、そういうことも無きにしも非ずではないかなあと思うのですが、そうすると、国庫返還金を一般会計から出すというのは、県民からすれば、県に実質的損害があるのではないかと思うのですが、 それに対してはどうお考えですか?
【真田】そういうような意見もあるであろうとしか言えません。 

・内部通報文書に対する県コンプライアンス委員会の回答内容と第三者機関の設置

【川本】3月17日の回答書、コンプライアンス委員会から回答いただいたものですが、これを見ると、基本的には コンプライアンス・人事・財政などを担当する総務部そのものの中に不正があるのではないかというものです。この通報者の方によれば、「実名で通報すると 現実は、総務部総務課・人事当局の苛烈な追及が待っており、当局の犯人探しを回避するためにも、やむを得ずペンネームによる投稿とせざるをえませんでした」とあります。本来、私はこれ(内部通報文書)は正にコンプライアンス委員会に出すべきだったと思うのですが、(それが)できなかったということは 現在の内部通報制度に検討の余地があるのではないかと考えるがいかがか。
【真田】コンプライアンス委員会の会長の立場から言いますと、このような事態をさせないというのが、私の役割であってというふうに思っております。先ほど、阿部委員からご指摘がございましたけれども本件について具体的な資料があるということであるならば、これは我々はある程度 独立性を持っているものでございますので これについて調査 あるいは、それについて調査、あるいは 行われていることになんらゆらぐものがあるということはない。 ですから、今回の要望書について言いますとこれと少し若干客観的な部分が不足すると判断をしたものです。
【川本】コンプライアンス委員会の事務局自体が総務部総務課になっているわけですね。調査と言ったときにどうしても そういった個人的な情報がもれてしまう。そこのところを危惧されたのではないかと思います。 そうするとやはり 調査機関もこういった場合は、第3者機関を考えるということを今後大いに検討すべきではないかと思います。そういうことを対外的にも大いにアピールしながら 内部通報しやすいようなシステムが必要ではないかと思うのですが、第3者機関について検討すべきではないかと思うのですが いかがでしょうか。
【真田】一つのご見識ある見解であるというふうには私自身は思います。 ただ、この場合には、われわれコンプライアンス委員会として任命されている以上は そういった事態を引き起こさないということは、極力努力してまいりたいと思います。
 

2009/9/11 金曜日

県立高校 エレベ-タ設置はたった2校、大阪府は68校に設置

カテゴリー: 視察報告

~財源不足を理由に施設整備が遅れる千葉県立学校

 毎年、市民ネットワーク千葉県では県に予算要望書(266項目)を提出している。来年度の予算要望書作成のため、8月末から9月初めにかけて(8/24、8/31、9/2、9/3、9/7)、分野ごとに県関係部局から要望項目の進捗状況についてそれぞれ2時間程度ヒアリングを行った。
 その中で、県立学校の保健室の冷房設備について、この2~3年ですべて整備するとの回答があった。約3分の2の保健室に冷房設備がないことから、学校現場の声、文科省の学校保健関連通知を踏まえて、会派として一般質問などで求めてきたことだ。
 
 学校衛生環境の基準では、教室の夏季の温度は30度以下が望ましいとされ、2002年の建築基準法の改正で、学校施設でのシックハウス症候群の防止対策の一つとして、学校施設の整備に際しては、教室などにおいて、機械換気設備の設置が原則的に義務づけられた。

 しかし、千葉県は厳しい財政状況を理由に整備が遅れているのが現実だ。
8月はじめに大阪府、大阪市を視察した折、学校施設整備についてもヒアリングしてきたので千葉県と比較して示す。
千葉県は職員室や普通教室への冷房設備設置、とりわけエレベータ設備の設置が遅れていることがわかる。

●大阪府、大阪市、千葉県の学校施設整備(冷房設備、車椅子対応、大規模改修)比較

(1)冷暖房換気設備
①大阪府  
・高等学校147校の普通教室、職員室(対象室数3502室)に導入
      (再編整備により、H21年度現在の対象校は139校)
  但し、音楽室を除く特別教室は未設置。          
 ・支援学校 H15年度に全普通教室に設置。特別教室は音楽教室のみ設置。
       在籍する児童生徒の状況に応じて個別対応で必要な教室に設置。
②大阪市
 ・管理諸室(校長室、職員室、事務管理室、保健室)にはすべて設置済み。
 ・高等学校は、一般教室にすべて設置済み。音楽室、調理室は設置対象。
 ・小、中学校、特別支援学校は、音楽室、調理室を設置対象。一般教室は予定なし。
③千葉県(H19年7月現在)
 ・高等学校 普通教室は約4の一に設置。図書室は約90%設置、音楽室約10%設置。
       職員室はほとんど未設置。
 ・支援学校 普通教室はここ数年ですべて設置予定。保健室はすべて設置済み。

(2)車椅子対応状況
①大阪府
 ・エレベータ設置状況  高等学校68校(142校中)で今年度は4校に設置
  スロープ、手すり、車椅子対応トイレは、108校(142校中)設置で、今年度は4校に設置。
 ・今年度の当初予算1億6千万円
 ・「大阪府福祉のまちづくり条例」の整備基準(第11条関係)に適合
②大阪市
 ・エレベータ(EV)設置状況
             学校数     EV設置校数    EV設置率
   小学校       299        251        83.9%
   中学校       130        118        90.8%
   高等学校      24(20施設)   7(5施設)    29.2% 
   特別支援学校    9         8          88.9%
 ・エレベータを設置した学校に対し、順次出入り口(正門~校舎出入り口)改修、廊下のスロープ設置、教室の出入り口改修(間口拡幅)、車椅子対応トイレ改修(EV設置棟のトイレのうち男女とも各1箇所)を実施。
・「大阪市ひとにやさしいまちづくり整備要綱」
③千葉県
 ・高等学校 EV設置は2校
 ・身体障害者用階段昇降機 10台

(3)大規模改修・更新計画
①大阪府
・今年度当初予算 高校   55億9千万円
         支援学校  4億9千万円
  今年度補正予算 高校    5億8千万円
         支援学校  2億9千万円
 ・外壁改修・屋上防水・窓枠改修の3点セットで実施
②大阪市
 ・今年度事業費 30億9千万円
  市立学校463校の補修整備
③千葉県
 ・耐震改修にあわせて実施するが、耐震改修計画がないものは明確な計画なし。

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