2010/6/22 火曜日

6月県議会県土整備常任委員会(6月14日)報告②~公社等外郭団体の不正経理問題

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 公社等外郭団体の不正経理は、不正経理調査特別委員会の調査報告書では、各常任委員会で審査することになっている。14日の委員会では、当局の答弁からも、総務部はじめ複数の部局にまたがる事件として特別委員会で扱うべきものであることが明らかになった。
 特別委員会を設置し、60億円の損害の(株)かずさアカデミアパークの破綻に象徴される、県幹部の経営能力二の次の、天下り、渡りを含めた経営体制などにしっかりとしたメスを入れる必要もある。

●県土整備常任委員会(6月14日)質疑応答詳細

・公社等外郭団体の不正経理の調査体制・手法
【川本】公社等外郭団体の不正経理問題について、調査手法については、総務部の指示を基本に、各部で調査するということか。またこれは知事部局の不正経理問題の調査体制とどう違うのか?
【栗原県土整備政策課長】公社等の外郭団体の不正経理問題については、総務部行政改革監から調査依頼があり、昨年の10月下旬に、主務課が中心となって、その調査と資料等の確認を行っているところです。調査方法につきましては、平成15年度から平成20年度における消耗品の支出について、6年間で120万円以上の取引のあった業者について、各団体より業者帳簿の提出を依頼し、会計書類と帳簿の照合を行ったうえで、適正または不適正の経理処理の区別を行ったところです。
【川本】県土整備部では各公社に対して、どういう調査をされているのか。その体制や手法は一般論としてどうなのか。
【政策課長】調査につきましては、各公社で自主的に行っているところでございます。

・まちづくり公社の「預け」=裏金について
【川本】具体的にどういう体制でやられているのか。また、まちづくり公社における「預け」の実態と指揮命令系統はどうだったのか。
【政策課長】まちづくり公社につきましては、以前には10の管理事務所で納品前に支払いを行っていたケースがあり、その際、業者の都合等で種類や数量等の変更がなされた場合、支払い済み額よりも納品済み額の方が少ない場合に、その差額が預けとなっていたものです。このような処理につきましては事務担当者のみが把握しており、上司は把握していなかったということです。20年度末以降につきましては、預けは解消されています。

・突合できなかった部分をどうする
【川本】突合できなかった部分について、今後どのようにしていくのか。また、帳簿等地出いただけなかった業者の公表等についてどのように考えているのか。突合できなかった部分の不適正額について、どのようにしていくのか。
【政策課長】まず、突合できなかった部分については、取引業者等から任意に帳簿を提出していただくという方法により行ったもので、業者によってはすでに倒産されているあるいは、廃棄されている等があり、この辺については、業者の協力に寄っているところがあるので、やむを得なかったかと思います。
 今後、県に対する補助金や委託金の返還を考える上で、適切に指導していきたいと考えております。

・調査対象となる委託料、補助金額
【川本】調査対象となる委託料、補助金の各団体毎の額と調査予定を教えていただきたい。
【政策課長】平成15年度から20年度までの6年間における県からの補助金や委託料の支出額は、
                 補助金      委託料
  まちづくり公社       65,678千円  15,787,712千円 
  建設技術センター               0円   1,635,635千円
  道路公社         1,054,287千円  14,726,617千円
  下水道公社                    0円  45,882,951千円
となっています。
 県からの委託料や補助金の返還については、各々、その目的や対象等が異なっております。当該委託料や補助金と、各団体毎の不適正な経理処理の内容や金額などとの関係を調査し、その上で、返還の必要性を検討していきたいと考えております。
 なお、他の公社等外郭団体との共通の問題もありますので、特別監察室等と相談して対応してまいりたいと思います。

・詳細情報の開示と帳簿未提出業者への対応
【川本】知事部局の不正経理問題の時も、相当な詳細情報が開示されたが、今回も同程度の情報開示が必要と思うがいかがか。また、帳簿の提出をしない業者について、今後の発注業務において判断するというような、強く帳簿の提供を促すということについてはどうか。
【政策課長】詳細情報の開示については、公社等外郭団体の経理状況について、県ホームページに掲載しているところです。一般質問での総務部長答弁のとおり、可能な限り今回の件にいても資料等提供していきたいと考えております。各団体に関係する書類でもあるので、団体とも協議した上で、適切に対応させていただきたいと思っております。
 廃棄業者、提出拒否業者についての県の対応ということですが、今回は、業者の協力により業者帳簿との突合等が行われたものと考えております。廃棄した業者、提出いただけなかった業者については、非常に残念でありますが、それぞれの今後の取引については、各団体の財務会計規程等に則って適切に対応すべきものと考えています。

・08年度の県からの業務委託費と再委託費
【川本】08年度のそれぞれの団体の業務委託費と民間事業者への再委託費はいくらか。
【政策課長】平成20年度における県まちづくり公社への委託料につきましては、約7億2700億円となっています。その内、公社から民間事業者への再委託額は約8千600万円です。
【山田用地課長】08年度の(財)建設技術センターへの業務委託費は、約1億5千万円となっています。民間事業への再委託はありません。
【知地道路整備課長】道路公社への平成20年度の委託料は、894,559千円で、民間事業者への委託分は702,913千円です。
【松重下水道課長】下水道公社への業務委託費は、54億7500万円で、そのうち民間への再委託費は43億6700万円です。
【伊藤住宅課長】住宅供給公社への業務委託費は、約20億36百万円で、うち民間事業者へ再委託しているものは、約2億21百万円となっております。
【川本】
県土整備部として、今後、これらをしっかり見直す、検証する可能性があるかどうか伺いたい。
【政策課長】現時点として、特に予定していません。

・今後の詳細調査報告書の予定
【川本】各公社に対する調査については、詳細な報告書とそれに関連した情報の開示がこれからされるということでよろしいのか。今後の調査報告書の提出予定についてのスケジュ-ルも含めて今後のことを伺いたい。
【政策課長】
詳細な事柄につきましては、今後、これから検討させていただきたいと考えております。
【川本】詳細な報告書はこれから、先ほどの繰越の虚偽についての報告書とともに、出されるということですね。
【政策課長】そのとおりでございます。 

2010/6/21 月曜日

6月県議会県土整備常任委員会(6月14日)報告①~安房農林振興センターの虚偽報告と安房地域整備センターの繰越手続き問題

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 17日で常任委員会が終わった。
委員会では、虚偽報告と繰越手続き問題も審議された。県は一貫して職員のコンプライアンス意識の低さが原因としているが、どういう法令の第何条に反するのか明確にしない。

 安房農林振興センターの虚偽報告の農道整備事業(工期09年9月26日~10年3月25日)の検査手続きの流れは、以下の通りだ。

 3月25日 工事完成通知書(請負業者→県知事(安房農林振興センター))
 3月25日 工事完成報告書(安房農林振興センター所長→県土整備部技術管理課長)
 3月25日 工事検査実施通知書(県土整備部技術管理課長→安房農林振興センター所長)
 3月29日 工事検査実施
   3月29日 工事検査調書(技術管理課発行)
 3月31日 工事認定通知書(技術管理課長→安房農林振興センター所長)
 4月9日  工事中止(農水部耕地課が現地確認し、安房農林振興センターに指示)

 地方自治法第234条の2(契約の履行の確保)で、地方公共団体は契約の適正な履行を確保するため、必要な監督または検査が義務づけられている。監督または検査の方法は契約書、仕様書および設計書その他の関係書類に基づいて行われなければならない。(令167条の15)
 検査等にあたる職員は、「故意又は重大な過失により」その義務を怠ったり、手抜き工事を見逃す等によって地方公共団体に損害を与えた時は損害賠償責任を負う。(自治法第243条の2(職員の賠償責任))
 地方自治法第234条の2、同243条の2から虚偽報告、繰越問題をとらえる必要がある。

●県土整備常任委員会(6月14日)質疑応答詳細
・安房農林振興センターの虚偽報告問題

【川本】安房農林振興センター虚偽報告問題について技術管理課の対応と責任はどうか。
【荒木技術管理課長】技術管理課は、事務所からの検査依頼に基づいて検査業務を実施しています。本件についても、安房農林振興センターからの工事完成報告に基づき、検査を実施しております。現地検査時において未完成部分があることが判明しましたので、竣工部分を確認する出来形検査として実施しました。本来は、出来形検査として必要な書類を整えてから、検査を実施すべきであり、完成報告と相違するのでこの判断は適切と言えないと考えます。今後は、検査書類に不備がないかどうか検査前に確認するなどチェックを徹底してまいります。
【川本】技術管理課の対応は、「千葉県建設工事検査要綱」「土木工事標準仕様書」に逸脱するものと考えるがどうか。
【技術管理課長】検査については、建設工事検査要綱に基づき、事務所からの報告書による検査依頼に基づいて実施しています。今回、現地検査の一連の流れの中で、実施現場が完成していなかったということで書面が不備なまま修正せずに手続きをしてしまいました。それについて責任はあると考えています。
【川本】3月25日付けで安房農林振興センターからの完成報告書を受理したとのことだが、1枚の紙だけか、添付する書類は他にあったのか?
【技術管理課長】完成報告書1枚でした。
【川本】現地の検査のどの段階で未完成に気づいたのか。
 検査の順番として、1、総括説明、2、資料検査(11の書類)、3、実地検査があるが、どの段階か。
【技術管理課長】検査監から細かい話は聞いていませんが、書類検査、実地検査のときに未完成だと判明したと思われます。
【川本】安房農林振興センター所長名で、「工事完成報告書」が技術管理課長あて3月25日付けで出されている。土木工事共通仕様書の1-1-20工事完成検査では、請負者は監督職員にすべての工事が完成後「工事完成通知書」を提出とあり、今回はセンター組織としての虚偽報告であると考えるが、技術管理課としてそのように受け止めているか?
【技術管理課長】調査により整理していきます。
【川本】3月29日付の検査監作成の「工事検査調書」によれば、「完成検査を実施したところ、未竣工工種があり、出来形検査として実施した」とある。
また、「3月29日設計図書(出来形調書)に基づき検査の結果、下記のとおり出来形を認める」とある。これには、技術管理課長、副課長、主幹、室員の4人の印がある。この出来形検査を4人が追認したとのことだが、技術管理課として追認したことになるのではないか。
【技術管理課長】現場で工事が完成していないということで完成検査を出来形検査に変えたことについては、検査監と安房農林振興センターとの間の両者との話ということになります。完成という形では認められないので出来形を認めたことになります。
【川本】検査監を指揮監督する立場(検査要綱第4条)にある技術管理課長は、検査監からどのような報告を受けたのか、またそれを受けて、どう対処したのか?
【技術管理課長】工事は完成していないので出来形検査としたという報告を受けています。
【川本】検査要綱の第9条の定めには、「課長は、本庁の検査監が行った検査により、出来形、品質等が契約図書及びその他関係図書と相違し、又は不完全と認められるときは、手直し工事指示書により、主務課長又は所属長(センター長)に指示する」「極めて重大であると認められるときには、遅滞なく県土整備部長に報告する」とあるが、こうしたことは行ったのか。
【技術管理課長】そのようなことはしていません。今後、このようなことが起きないように再発防止策を検討したいと考えています。
【川本】技術管理課長、検査監による、「出来形への変更を根拠なく認める」「指示書を出さなかった」「部長に遅滞なく報告しなかった」という点で、「千葉県建設工事検査要綱」「土木工事標準仕様書」に逸脱する行為をとっているといえるのではないか。
【技術管理課長】経緯等については、これから詳細に調べたいと思います。
【川本】請負者は虚偽の工事完成通知書を出している。請負者の責任、入札資格、入札時の評価はどうなるのか。

・安房地域整備センターの繰越手続き問題

【川本】安房地域整備センターの繰越手続き漏れ問題について、安房地域整備センターの当該工事の監理責任と請負者の責任についてどうか。
【大林河川整備課長】工事の監督体制は、所長が総括監督員、担当課長が主任監督員、担当者が監督員として、請負者に対する指示・承諾・協議等の処理を行い、互いに報告や指導をしながら対応しています。また、今回の原因は、県が予算執行上の適切な手続きを怠ったことによるものなので、請負業者の責任は無いと考えています。
【田中公園緑地課長】今回の原因は、予算執行上の適切な手続きを怠ったことによるものなので、請負業者の責任は無いものと考えています。
【川本】総括監督員は、重要なものの処理、契約担当者への報告を行い、監督業務の掌理を行う。主任監督員は、総括監督員への報告、監督員の指揮監督並びに現場監督総括業務、一般監督業務の掌理を行う。監督員は、主任監督員への報告、一般監督業務の掌理を行う。(土木工事共通仕様書) 監督員、主任監督員、総括監督員はそれぞれ役割を果たしていたのか。
【河川整備課長】月々の工程管理の中、報告・打ち合わせがあって工事は進められました。
【川本】監督員は主任監督員に、主任監督員は総括監督員に工事が終わらないということを伝えていたのか。
【河川整備課長】2月末までは工期内に終わると思って工事をしていました。多少の遅れは許されるであろうという、コンプライアンス意識の低さから手続きを怠ってしまいました。3月末の時点では、総括監督員まで判っていたと思います。
【川本】総括監督員である安房地域整備センター所長が繰越手続きを怠ったということか。
【河川整備課長】多少の遅れは許されるであろうという、コンプライアンス意識の低さから手続きを怠ってしまいました。
【川本】総括監督員は、重要なものの処理など報告義務がある訳だから、明らかにセンター長として行うべきことをしなかったことについて、その責任が問われるべきと思うがどうか。
【栗原県土整備政策課長】職員の責任については、総務課等と協議のうえで判断させていただきたいと思います。
【川本】先ほどの虚偽報告問題と同様、安房地域整備センターの繰越手続き問題についても、監理監督責任という観点から、きちんと調査して、その報告書を公表していただきたい。
 安房地域整備センターは地域整備センターの統廃合で、管理人員が減る一方、事業額が1.4~1.5倍になっている。今回の問題の要因の一つとして人員配置と事業量のバランスということも考えられるが、実際現場で働いている人たちからヒアリングして調査したのかどうか、その上で人員配置と事業量のバランスで問題なかったのかを伺いたい。
【政策課長】今回の件に関しては、調査は特別に行っておりません。平常時における人配置ですが、職員の配置にあたっては一人当たりの事業費、あるいは事業の件数などを総合的に勘案し、また現地の実情を伺い、人員配置を行っています。また、安房地域の統合による人員減については、他の地域整備センターと同様の人員配置を行っています。
【川本】きちんと管理業務ができないといった実態があれば、それなりの体制をとるべきだろうし、もし問題ないというなら、まさに監理者の怠慢以外の何物でもないということになる。ぜひ人員配置と業務量のバランスの面に関しても現地の人からヒアリングして、問題ないかどうか検証することを強く求めたい。
 今回の繰越手続き問題に関係した事業で、すでに未完部分の工事を始めているものはあるのか。国からの補助はどうか。
【河川整備課長】4月以降工事を行っているものは地滑り対策工事です。国庫補助ベースで約86万円で、これは県の支出となります。
【川本】県土整備部としてはこれだけということか。
【河川整備課長】今はそういう解釈であります。

2010/6/15 火曜日

6月県議会一般質問(6月4日)報告⑥~中央博物館の自然系部門は、知事部局が抱える自然環境の課題の取り組みを

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 昨日14日は、県土整備常任委員会が開催された。虚偽報告・繰越手続き問題、公社等外郭団体の不正経理問題の私の質疑で、組織的な不正行為が行われたこと、にもかかわらず監理監督責任をはじめ綿密な調査が行われてはいないことが判明した。詳細な調査を行い、報告書として提出することを強く求めた。
さて、委員会の審議の最中に、突然、自民会派がこれらの問題について閉会中の審査をおこなうことを提案し、賛成多数で可決してしまった。自ら閉会中に審査する気などはサラサラない。不正経理調査特別委員会の再設置を阻むことが目的である。自分たちの使命が「県幹部を守ることだ」という錯覚がこうした行為にはしらせるのだろう。

 14日の委員会では、一ノ宮海岸の海岸侵食対策として実施されているヘッドランド工事がアカウミガメやミユビシギなどの生態環境に与える影響について調査することも求めた。
 本来、自然保護課の生物多様性センター、多数の自然系研究員を擁する県立中央博物館が加わることが望ましい。しかし、博物館の管轄が教育庁であることがこうした知事部局が抱える自然環境の課題に取り組む「障害」となっている。県民利益を優先するなら、02年の行財政改革の博物館統廃合計画を抜本的に見直すとともに、滋賀県の琵琶湖博物館のように一部を知事部局管轄とすることを検討する時期ではないか。
 
●6月4日一般質問質疑応答

【川本】次に、博物館行政と生物多様性について伺います。
 今年は国連が定める国際生物多様性年であり、COP10も名古屋で開催されます。千葉の原風景である里山・谷津田、干潟は生物多様性の宝庫であり、これらを保全・保護し次世代に引き継ぐことは千葉県にとって大きな課題であり、そのために、知事部局の自然保護課の生物多様性センターと教育庁管轄の中央博物館の一層の連携が求められます。
 私は、2002年の県の行財政改革で県立博物館の統廃合が提案された折、まちづくりNPOの一員として千葉県のみならず全国から博物館の役割に期待する500を超える人々の声を踏まえた「博物館構想に関する県民提言」の策定に参加しました。この県民提言は、特に中央博物館が千葉県行政が抱える自然環境に関する課題に向き合うことを強く求めました。その後、県立博物館の外部評価委員として各博物館の評価に関わりました。これらを踏まえて博物館行政の充実と転換を求める立場から以下質問します。

・施設更新計画、人材育成計画とともに県民・NPOの参加で博物館ネットワーク構想の策定を

まず、博物館ネットワークの再整備と市への移譲に伴う県の支援について伺います。
日本博物館協会の08年度末の調査で博物館が07年度費21館減少の4041館となり戦後初めて博物館の数が減ったと報じられています。
「博物館先進県」と言われた千葉県でも、2002年の行財政システム改革の「市町村との役割分担を明確にし、県内博物館ネットワークの再整備の観点から、統廃合や市町村への移譲を進めるとともに運営方法の見直しを行います」との方針がだされ、その結果、10館体制が5館となり、01年度と10年度の比較では予算ベースで35.5億円が22億円(約4割減)となりました。資料や情報を後世に伝えるには人材育成が不可欠ですが、中央博物館自然系専門職員(海の分館含む)では、06年から10年度で50名から43名に減り、99年以来、採用のない状態です。これでは次の世代に自然や文化を伝えたり生涯学習を支援することができません。このように人材育成計画をつくる余裕もなく、県立博物館全体の博物館員は209人から135人と3分の2になりました。まさに千葉の博物館は厳しい「冬の時代」にあります。
そこで以下伺う。
一点目に、2002年の行財政改革後の「県内博物館ネットワーク構想」は未だ策定されていない。今後の策定計画はどうなっているのか?

【鬼澤教育長】
1 県立博物館については、まちづくりや地域振興の面から、市町村が運営した方が活性化すると考えられる上総博物館や安房博物館を移譲するなど、これまで見直し・再編を行ってまいりました。
2 これまでの見直し状況を踏まえ、博物館のより一層の利用促進や専門分野の再構築など、今後のあり方について検討を行い、その基本的な方向性を早期にまとめることとしております。
3 その上で、県内の市町村立や私立の博物館とのネットワークにつきましても、相互の連携による県民サービスの向上や「ちば文化」の多様な魅力を発信する観点から、引き続き検討してまいります。

【川本】今年度に「博物館ネットワーク」を策定する際、県立博物館のハードの施設整備更新計画、新規採用を含めた人材育成計画を含めて、しっかり検討いただきたい。その際、地域住民を含め、県民やNPOの参加で検討することを要望します。

・安房博物館の移譲後も継続的な支援を

【川本】二点目に、安房博物館の館山市への移譲に伴い、学芸員4人が2人に減り、うち一人は県からの期限付き派遣という。貴重な収蔵品の管理、伝承が将来とも確実に行われるために県はどのような支援策を考えているのか。

【教育長】
1 館山市に移譲した安房博物館は、館山市立博物館の分館として、現在、平成23年度のリニューアルオープンに向け準備が進められております。
2 安房博物館の収蔵資料につきましては、国指定の重要有形民俗文化財「房総半島の漁撈用具」をはじめとして、館山市に移譲したすべての資料が、移譲前とほぼ同じ状態で保管・管理されております。
3 県教育委員会では、移譲前に館山市の学芸員の研修を行うとともに、移譲後には、資料の特性に伴う取扱いのノウハウなどの円滑な継承を図るため、県から専門職員1名を派遣しております。
 今後とも、資料の保管・活用についての技術的な指導を行うなど、継続的に支援してまいりたいと考えています。

・生物多様性センターの一層の充実を

【川本】次に、生物多様性センターと中央博物館のあり方について伺います。
08年に策定された生物多様性ちば県戦略の推進を図ることを目的に、環境生活部自然保護課の下に中央博物館が連携して生物多様性センターが設置されました。
生物多様性センターは生物多様性体験学習推進事業(学校ビオトープ)や、外来種の防除の取組、絶滅危惧種の保護、生物多様性情報の収集・管理・提供、県民参加型のモニタリング調査など多面的な取り組みをしています。
そこで伺う。
一点目に、知事部局と教育庁との連携による新しい試みである生物多様性センターは千葉県行政が抱える自然環境に関する様々な課題の解決に向けて、今後人員など含め一層の充実が期待されるがどうか。

【森環境生活部長】
1 生物多様性センターは、中央博物館の協力を得ながら、地域や現場において、動植物の生態等に関する専門的・科学的な指導・助言を行うなど、生物多様性の保全に取り組んでいるところです。
2 今後とも、中央博物館はもとより、大学や 試験研究機関等との連携を更に図り、自然に恵まれた本県の生物多様性の保全に努めてまいります。

・中央博物館の自然系部門は、知事部局が抱える自然環境の課題の取り組みを

【川本】2点目に、中央博物館の組織面も含め今後のあり方が問われているが、自然誌系においては「行政のすべての施策の立案と実施に生物多様性の視点を盛り込む」ために知事部局との連携をより強めることを検討すべきと考えるがどうか。

【教育長】
1 中央博物館の自然誌部門は、開館以来、専門的な研究や資料収集を進め、その成果は全国的に有数のものと認められているところです。
2 これまでも、中央博物館では、その専門的な知見を活かし、千葉県レッドデータブック作成への協力や、学校ビオトープフォーラムの共同開催など、知事部局との連携を図ってきたところです。
3 県教育委員会といたしましては、今後とも、自然保護や環境保全など、生物多様性センターをはじめ知事部局の行う事業に対して、中央博物館の研究成果や収集データを提供するなど協力してまいりたいと考えております。

【川本】自然系博物館では滋賀県の「びわこ博物館」で、自治体が抱える自然環境の課題に取り組むため、組織的には知事部局にウェイトを置いています。
中央博物館の自然系研究職員には、有害鳥獣対策、干潟など県が直面している様々な課題解決にその専門的知識や能力を役立ててほしいことを多くの県民が求めています。
中央博物館のあり方を今年度、検討するという話を聞いたが、知事部局も積極的に加わって検討すべきと考えるがいかがか。

【教育長】 博物館は社会教育法や博物館法で資料の収集や保管、展示、調査研究等を目的とする社会教育機関と位置付けられていることから、基本的に県教育委員会で検討すべきと考えておりますが、見直しにあたっては、必要に応じて、外部有識者や関係団体などの意見も聞きながら検討を進めてまいりたいと考えております。

2010/6/12 土曜日

6月県議会一般質問(6月4日)報告⑤~野田市産業廃棄物中間処理施設周辺の健康被害問題について

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 14日(月)に県土整備常任委員会が開催(午前10時~)される。常任委員会は実質的な審議の場で、本会議の一般質問と異なり、ほぼ一問一答方式で行われる。

私が取り上げる項目(予定)は以下の通りだ。
1.虚偽報告、繰越手続き問題について
(1)安房農林振興センター虚偽報告問題について
(2)安房地域整備センター繰越手続き問題について
2.公社等外郭団体(県土整備部所管)について
(1)不正経理問題について
(2)08年度の業務委託費と民間事業者への再委託分(各団体毎)について
3.アクアライン社会実験について
4.圏央道計画について
5.柏北部中央地区区画整理事業地内土壌汚染問題について
6.一宮海岸侵食対策について
7.八ツ場ダム建設代替地の安全性について

 さて、6月4日の一般質問報告の5回目として、野田市産業廃棄物中間処理施設周辺の健康被害問題の質疑応答の詳細を以下に紹介する。
 2日には処理施設でボヤが起き、空気汚染は何ら改善されない。
これを受けて、7日の議会散会後、地元市議、住民と県との交渉が行われ同席した。

●6月4日一般質問質疑応答
・1月29日の調査だけでは不十分

【川本】次に、野田市産業廃棄物中間処理施設周辺の健康被害問題について伺います。
この問題については、定例議会のたびに、我が会派が本会議で取り上げてきましたが、被害を受けた住民の方たちが専門家の支援を受けて自主測定した結果、東京都のいわゆる「杉並病」の発生源となった杉並中継所周辺の大気とよく似ていることが指摘されています。発生原因ついてVOC(揮発性有機化合物)が疑われることから、県が千葉県環境財団に「ばい煙およびVOC」測定を委託し、4月にその結果の報告書が発表されました。

報告書で、県が測定のために試料を採取した1月29日は、住民が実施した簡易なVOC測定結果によれば総VOC量は、ピーク時の10分の一程度という濃度の低い日でした。VOCの濃度は実際日時によって大きなバラツキがあります。
定性分析については、報告書では強度が小さい物質については定性困難とし、確実に同定されたものとして20物質を挙げています。しかし、VOCの中は超微量であっても存在するだけで危険な物質が存在します。東京都杉並区は杉並病の調査の折、200近い物質を同定しています。
今回の調査の目的は、VOC物質の実態をできる限りそのまま把握し健康被害の要因を探ることでしたが、報告書では、自動車排気ガス、杉並病と比較してどうなのかについて分析されてはいません。

そこで、県の報告書内容について伺います。
VOC濃度は杉並地域の例からも日時によって数十倍もの差があると言われる。今回の1月29日の調査結果のみで判断することはできないと考えるがどうか。

【森環境生活部長】
1 今回の調査は、当該事業場敷地境界の風上、風下と事業場の煙突の排出口において、どんなVOC(揮発性有機化合物)が含まれているかを調べるとともに、シックハウス関連物質、有害大気汚染物質及び煙突からのばい煙に含まれている物質についての濃度を測定したものです。
2 VOCとして検出された物質は少なく、また濃度についても、低い測定結果となっております。
3 VOC濃度は、気象等の条件によって変わることもあるので、今後も調査を実施いたします。

・どんなVOCがあるかを把握することが不可欠

【川本】次に.今後の対応について伺います。
1点目に、4月19日付けの廃棄物指導課の文書「VOC多項目分析等委託について」によれば、今後の対応として、「定性試験で検出し濃度が解らない項目について定量試験を行う」とある。しかし、東京都杉並区が杉並病問題の折に実施したように、まずどんなVOCがあるのか、全体をきちんと把握することが不可欠と考えるがどうか。

【環境生活部長】どんなVOCがあるのかを把握することは、必要なことと考えておりますので、今後も調査を実施いたします

・連続測定の必要性

【川本】2点目に、日時によってVOC濃度に大きな差がある。健康被害を受けた住民の方々が求めているように連続測定を実施することが必要と考えるがどうか。

【環境生活部長】大気の測定は、風向の変化など測定結果の変動によりまして変わるため、一日を通して採取するといった手法によりまして一定期間連続して調査を行います。

・専門家の協力で汚染の全体像を明らかに

【川本】3点目に、未知の物質が多数を占めるVOCについては専門的知見が求められる。専門家や当事者を含め、汚染の全体像を明らかにし有効な対策を講じるべきと考えるが如何か

【環境生活部長】今後も、VOCに関する調査を実施してまいりますが、その結果について専門的知識を持つ方々の意見を聞きながら、環境研究センターなど関係機関と連携して対応を検討してまいります。

・健康被害調査の実施を

【川本】4点目に、そのためにも健康被害の実態把握のため、数キロ四方の範囲の被害調査の実施を、野田市と検討すべきと考えるがいかがか。

【環境生活部長】野田市が行った健康調査アンケート実施結果については、承知しております。県としては、まず、大気の状況を調査し、専門的な知見等も聞きながら、関係機関と連携して対応していきたいと考えております。

・毒性物質の検出と発生源の操業停止

【川本】私は先月、現地に行き、数十軒のお宅を訪ねた。
現地では9歳の犬が血を吐いて死に、化学物質過敏症と診断された農家の方はほとんど家からでられず、高校生の方はアレルギー性結膜炎で涙がとまらず、両親は店をたたみひっこしを考えている状況だ。また、一昨日は当該の処分場が昼間、ボヤを起こした。
被害が大きく、地元の人たちは一刻も早い発生源の操業停止を求めている。命と健康を守ることが自治体の一番の責任なので、必要な施策を実行することを強く求めたい。
県報告書によれば、焼却炉排出口で毒性のあるメチルエチルケトンが検出され、また引火性のアセトンが検出されています。これらは800度で燃焼しておれば本来出るハズのないものだ。
これについて報告書で考察されるべきものだが何の記載もない。
県は、これらが検出されたことについてどう分析しているのか。

【環境生活部長】
今回の調査で焼却炉の煙突から可燃性の物質でありますメチルエチルケトンやアセトンが検出されたことは事実であります。ご指摘のとおり、きわめて可燃性の高い物質が焼却炉の煙突から出たのか、明らかではありません。
今後、立入検査等を行い、施設の構造や運転状況等を確認するとともに、必要に応じて指導を行ってまいります。

2010/6/11 金曜日

6月県議会一般質問(6月4日)報告④~公社等外郭団体の不正経理と県からの天下り

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 10日は9時半から会派代表者会議が開かれた。
議題の一つは4会派が6月3日に議長宛申し入れた「調査特別委員会設置」提案の扱いをどうするかで、自民党が①虚偽報告・繰越手続き問題は組織的ではなく個人的な行為であること、②公社等外郭団体の不正経理問題は本会議・常任委員会で審議することが特別委員会報告書で確認されていること、を理由に提案を拒否した。

一方、議会選出の2名の監査委員の辞任に伴い、引き続き自民委員が2名を独占する意向であることを明らかにした。私が、それでは県民は納得しないのではないかと指摘したところ、自民委員から「専門能力のあるものを監査委員にする」との返事がきた。監査委員の「名誉職化」と「馴れ合い」が不正経理を許した要因の一つだが、何の反省もないことにあきれるばかりだ。少なくとも監査委員の報酬を全額返還すべきと思うが、たった3ヶ月3%の議員報酬カット(約8万円/議員)でごまかそうとしている。
 微々たる金で「臭い物に蓋」の狙いが露骨だ。

●6月4日の一般質問質疑応答
・53%約4億5千万円が突合できず不明

【川本】まず、公社等41の外郭団体の諸問題から、不正経理問題について伺います。
5月28日付けの県の報告書「公社等外郭団体における経理調査の結果について」によれば、03年度~08年度の6年間の消耗品に関する調査対象額約8億5千万円の内、実に支出ベースで53%にあたる約4億5千万円が業者帳簿との突合できず適正かどうかの判断ができませんでした。団体毎では、県身体障害者福祉事業団は1億67百万の内の88%が、県産業振興センターは1億7百万円の内80%が、不明のままです。これは知事部局の不明額が約3割だったことと比べ異常な高さです。不明の理由は、額の大きな7団体について見ると、廃業等が2業者1億5千万円、帳簿廃棄が18業者1億7千万円、帳簿提出拒否が6業者7千万円です。法令による帳簿保存期間内であるにも関わらず廃棄したり、提出拒否で突合できないものが2億4千万円もあります。
そこで伺います。
突合できないものについて、不適正額の推計値をどのように算定するのか?

【総務部長】
1 昨年度に行いました県庁の不正経理の調査におきましては、「突合できなかったもの」についての不適正額の推定につきましては、突合できたものについての各部局ごと、各年度ごと、いわゆるaからg分類ごとの不適正の処理率というものを用いまして、細かく推定いたしました。
2 一方で、公社等外郭団体の今回の調査では、「突合できなかったもの」の理由といたしまして、まず、業者の倒産等による部分が極めて大きいことや、突合できなかったものの割合が団体ごとに大きく異なること、さらには、各団体のサンプル数が県の場合と比べて極めて少ないことから、今回不正のありました16団体全体を平均して推定することは非常に不合理ですし、各団体ごとに県と同様の推定を行うというのも困難でございましたので、不適正額の推計は行いませんでした。
3 しかしながら、今後、各団体において県に対する補助金や委託料の返還、あるいは団体職員の団体に対する返還などにつきまして、詳細に調査検討を行っていく訳でございますけど、そうした中で必要に応じて、ご指摘の突合できなかったものについての不適正額の推定が必要に応じてなされるよう、適切に指導してまいります。

・不正経理の指揮命令系統は?

【川本】帳簿提出拒否をする業者に強く提出を求めるべきだと思う。12業者のうち9業者は、県でも取引のある業者ということだ。
次に、プール金つまり裏金ですが、報告書によれば03年度から08年度の6年間で8団体3060万円であり判明した不正経理処理額全体の約6割を占め、08年度末は4団体1624万円であります。
このプール金について入手した資料によれば、03年度当初に940万円のプール金があることから02年度以前から不正が行われていたことが明らかです。また社会福祉事業団などでは年度によって600万円近くが増減しています。
まさに外郭団体において組織的な不正が行われていたことになります。
これは不正経理調査特別委員会報告書に記載された委員会設置の要件に該当するものであり、議会としての徹底調査が求められます。
そこで二点目として伺います。
こうしたプール金を含めた不正経理の指揮命令系統について、県においては「課長→副課長→経理担当者」ということだったが、個々の外郭団体における指揮命令の実態はどうなのか、またすべてを調査で把握できたのか。

【小宮総務部長】
1 団体ごとの、個別の指揮命令系統につきましては調査しておりませんが、その中には、経理担当職員が自分の判断で行ったものや、上司が暗黙のうちに了解をしたもの、また、上司から明確な指示がないものの担当者が行ったものなど、様々なケースがあると思われます。
2 不適正な経理処理に対する今後の対応につきましては、県に準じた取扱いをすでに要請しておりますけど、今後、団体における今後の取扱いの検討の中で、ご指摘のような事実関係も含めて検証されるよう適切に指導してまいります。
 
・調査対象となる委託料、補助金の総額は1430億円

【川本】三点目に、県が支出した委託料、補助金が適切に使用されたかどうかを精査する必要があるが、調査対象となる委託料、補助金の総額はいくらか?また、今後、どのように調査し、いつ結果を発表する予定か?

【総務部長】
1 今般の調査で16団体において7千6百万円の不適正処理が認められましたが、これらの団体に対する県の委託料や補助金の総額は、平成15年度から20年度までの6年間の合計で、約1,430億円となっております。
2 また、県からの委託料や補助金については、各々その目的や対象などが異なりますことから、当該委託料や補助金と、各団体ごとの不適正な経理処理の内容や金額などとの関係を精査し、そのうえで、県に対する返還の必要性を検討いたします。
  その結果については、できる限り早期に取りまとめて公表させていただきます。

・詳細情報を開示すべき

【川本】不正経理の詳細については、県と同様のレベルですべての情報を開示すべきと思うが、情報公開についてはどう考えるか。

【総務部長】可能な限り資料を御提供したいと考えております。なお、県とは別の団体に関係する資料でございますので、団体とも協議をした上で適切に対応させていただきます。

・外郭団体の役員は県幹部経験者、関係部局の指定席

【川本】次に、県からの人事、財政面での外郭団体への関与について伺います。
02年7月の県総務部行政改革推進室による「公社改革の基本的な考え方」によれば、「県からの人的支援は、原則なくすこととする。特に経営責任者については、民間からの積極的な起用を図る」「県退職者の採用については、県退職者の経験・能力が必要な場合のみに行う」とあります。
また、財政については、「独立採算を原則とする。県の財政負担が必要な場合には、県民の視点に立って真に必要なものに対する最小の負担に留めることとする」とあります。しかし、これに反して、昨年度及び今年度は、41団体のうち、33団体の役員に県退職者及び県職員が就任しています。
そこで、まず伺います。
役員についてはほぼ2年毎に交代している、県民からみれば県幹部経験者をはじめ関係部局の指定席であり腰掛け人事そのものではないか。

【総務部長】
1 県職員を公社等に派遣する場合は、団体からの派遣要請を踏まえ、その必要性を検討のうえ、いわゆる「地方公務員派遣法」の原則である3年以内の期間で、職員を人選し、派遣しております。
2 また、県退職者の再就職については、団体から要請があった場合に、適任者がいれば、求人情報を紹介するに留めることにしております。県退職者の採用は、それぞれの団体で判断をされているところです。
3 今後とも、派遣人数を減らすなど、公社等の自立型経営が推進されるよう努めてまいります。

・天下りの渡りの廃止を

【川本】過去5年間、05年~9年の天下りの渡りは8人いる。DNA研究所、東葉高速鉄道が目立ち、これらは一千万円を超える年収が保証されているようだ。東葉高速鉄道は渡りの指定席のように見える。
腰掛人事が横行しているとしか思えないが、少なくとも、天下りの渡りについて、直ちに廃止すべきと思うがどうか。

【森田知事】県退職者の再就職については、団体から要請があった場合に、適任者がいれば、求人情報を紹介するに留めることにしております。
県退職者の採用は、それぞれの団体の判断で行っているところです。

・神戸市の派遣職員に係る確定判決を踏まえて補助金、委託料のあり方を見直しを

【川本】次に、昨年12月、神戸市が外郭団体に派遣した職員の人件費をめぐり、「市は職員を外郭団体に天下りさせ、補助金や委託料で高給を維持している」として返還を求めた住民訴訟で市長と3つの外郭団体に対し、計約2億5千万円を市に返還させるよう命じた判決が確定しました。
この住民訴訟は、市が外郭団体に派遣している市職員の給与を実質的に市が払ってきたのは「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」に違反しているから、その違法に支払った給与相当額を、実質的に給与支払者である市長が損害賠償せよというものです。一方、千葉県においては、08年度の外郭団体への県職員派遣は、常勤役員へは16人、常勤職員へは237人とあります。そこで伺います。
この確定判決についての県の見解はどうか?また、この判決に伴い補助金、委託料のあり方を見直す必要はないのか?

【森田知事】
1 神戸市の派遣職員に係る裁判所の判決は、派遣職員の人件費の負担に関する重要な判決であると認識しています。
2 この判決を受け、派遣職員の人件費のあり方については、既に検討を行っているところであり、判決の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいります。

2010/6/10 木曜日

6月県議会一般質問(6月4日)報告③~安房地域整備センター、安房農林振興センターの繰越手続き、虚偽報告問題

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 9日の「毎日」朝刊千葉版は「虚偽公文書作成罪も」の見出しで、広域農道工事で県安房農林振興センターが虚偽の完成報告書を提出した問題で、県警本部長が8日の県議会で、一般論として「権限のある公務員が、行使する目的で虚偽の内容の公文書を作成し、これを使用すれば『虚偽公文書作成罪および同行使罪』が成立するものと考えている」と答弁したことを報じている。

これは民主党の花崎県議の質問に答えたものだが、ちょうど4日の一般質問の最後に私が「虚偽報告については、どういう法令に違反するのか」と県に質したことと、うまく連続している。

県仕様書で規定する「工事完成検査」で、「請負者は、契約書第32条の規定に基づき、工事完成通知書を監督職員に提出しなければならない」とあるが、今回の農林の工事完成の虚偽報告では、県の監督員が請負者に通知書の提出を請負者に指示し提出させたという。

 県の監理(スケジュール、品質、コスト)が請負者に対し機能していたのかどうか検証すべきだと思う。

 以下に6月4日の一般質問と答弁を記す。

●監理監督責任を問う

【川本】安房地域整備センター、安房農林振興センターにおける繰越、虚偽報告問題について、私も先月、センターを訪ね関係者から事情を伺い、対象となった現場を視察しましたが、まず、監理監督責任について伺います。
地方自治法に基づく監督命令を受け、職員は「予算執行職員」として契約の適切な履行を確保するために必要な監督業務を実施することが義務づけられています。
県土木工事共通仕様書の「第1編共通編」によると、監督職員の権限、履行報告、完成検査、不可抗力による損害、臨機の措置、などが規定され、監督業務を行うための責任体制として、所長=総括監督員、課長=主任監督員、担当=監督員とあります。
そこで伺います。
1点目に、今回の問題は、共通仕様書に規定する監理監督業務からも大きく逸脱し、監督者の責任が厳しく問われるものと考えるが、この立場から厳しく検証したか?

【重田農林水産部長】
1 例年に比べ降雨日や降雨量が多かったとはいえ、適切な時期に繰越に必要な措置を講ずる判断が出来ておらず、工程管理に携わる職員の連携及びチェックが十分ではありませんでした。
2 今後は、「千葉県コンプライアンス基本指針」に沿って、工事の適正な執行管理のため新たなチェックリストを作成し、工程管理等の情報の共有化を図るとともに、「公共事業進行管理調整会議」等の場を一層活用することとし、併せて、職員の法令遵守及び危機管理意識の徹底を図ってまいります。

●全庁的な調査を実施すべき

【川本】2点目に、監理監督体制が有効に機能しているかどうか全庁的な調査が必要と考えるがいかがか。
【橋場県土整備部長】
1 「繰越手続きもれ工事」については、すでに、4月に「全庁調査」を実施しております。そこで判明した7件以外の工事は、適正に執行されており、監督体制に、問題はなかったと考えます。
2 今後は、さらに工事の適正な執行管理のため新たなチェックリストを作成し、工程管理等の情報の共有化を図るなど再発防止に取り組んでまいります。

●組織統合による「合理化」が問題の要因の一つではないか?

【川本】次に、地域整備センター、農林振興センターの人員配置についてですが、
安房地域整備センターは、統合前の07年度は安房・鴨川をあわせて技術系職員は42名、事業費は35億円、一方、統合後は09年度の技術系職員36名、事業費は49億円で、検査主幹も2名から1名へと減っています。
そこで、伺います。地域整備センターの統合にともなう監督体制と事業量のアンバランスが今回の問題の要因の一つではないか。

【県土整備部長】
1 安房地域整備センターについては、簡素で効率的な組織体制をつくるため、平成20年4月に鴨川整備事務所を統合いたしました。
2 統合にあたっては、業務の円滑な執行体制が確保されるよう、重複する職の廃止等を行うとともに、所要の管理職等を配置したところです。
3 今後も、業務の円滑な運営が図られるよう、適正な人員配置に努めてまいります。

●定年前の腰掛人事の見直しを

【川本】所長の監督の責任は大きい。定年前の腰掛け的な赴任を見直さないと駄目だと思うが、これをどう考えるか。

【県土整備部長】
1 人事異動にあたりましては、職員の経験、能力、適性等に応じた適材適所による配置を原則としております。
2 今後も、業務の円滑な運営に影響を及ぼすことがないよう留意しつつ、適材適所による人事配置に努めてまいります。

●繰越手続きを怠ることで、二千万円の損害を県民が被る恐れがあるが、どうするのか

【川本】繰越手続きを怠ることにより、およそ2,000万円の損害が県民に被る可能性がある。県民に付けを回してはいけない。どのような責任をとるのか。

【県土整備部長】
1 今回、このような繰越手続きを怠ったことについては、厳しく受け止めております。今後このようなことを二度と起こさないことが責務であると考えています。
2 そのため、「千葉県コンプライアンス基本指針」に則りまして、チェックリストを作成し、工程管理等の情報の共有化を図るなど再発防止に取り組んでまいります。
3 また、「公共事業進行管理調整会議」等の場を活用することとし、併せて、職員の法令遵守及び危機管理意識の徹底を図ってまいります。

●虚偽報告で、違反する法令はなにか

【川本】農林水産部の虚偽報告に関し、違反となる法令はなにか。

【農水部長】今回の問題については、天候不順等による多少の遅れは許されるであろう、というコンプライアンス(法令遵守)意識の低さから、本来行うべき繰越手続きを怠ったため、遅延工事が発生したものであり、工事は検査当日までには終わるだろう。という判断の甘さから工事完成報告書を提出したものです。
該当する法令といたしましては、地方自治法、地方公務員法、千葉県財務規則等が該当するものと考えております。

【川本】虚偽報告については、どういう法令に違反するのか。

【農水部長】天候不順等による遅れから、完成報告書を提出したことを含めて、今申し上げましたような法令に該当すると考えております。

2010/6/9 水曜日

6月県議会一般質問(6月4日)報告②~浦安市立小学校の教諭による性虐待事件で、浦安市と県が責任の押し付け合い

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 03年の4月~7月、当時小学6年の知的障がいを持つ少女が教諭から性虐待を受けたとして、損害賠償を求めた控訴審で、3月24日、東京高裁は1審の千葉地裁判決が認めた被害にさらに3件被害を認定し、県、浦安市に330万円の支払いを命じる判決をだした。
浦安市は判決が認定した性的虐待の事実を認めない姿勢のまま、3月29日に上告断念を発表し、県はそれを受けて3月30日に上告断念を発表した。

●5月18日の浦安市教委からのヒアリング

 この件について、5月18日午後、大野博美、小宮清子県議とともに、浦安市教育総務課の長野次長、鈴木学務課長と面談した。その折の質疑応答の大要は次のとおり。

【川本】上告断念の理由と上告しないことを決めるまでの経緯について?
【浦安市教委】3/25臨時の教育委員会会議を開催し、委員長より「判決を精査し、適切な対応策を示すよう」という指示があった。ただし、この指示内容は議事録には掲載されていない。(会議終了後の発言かもしれないとのこと)
3/29前(何月何日かを特定しなかった!)までに委員長より、上告しない方向で検討するようとの指示が電話であった。 
【川本】東京高裁判決が認定した被害事実を認めるのか?
【浦安市教委】事件発覚当初、関係者からの聴取など市として十分な調査を実施しており、市としての落ち度はない。関係者からの聴取には被害者の両親も含まれる。県も独自に調査をして問題なしとの結論を下している。7月7日に被害報告が出され、4日後の7月11日には教諭を担任からハズした。この迅速な対応に保護者からも感謝された。
【川本】被害少女が今でもPTSDで苦しんでいることについてどう考えているのか?
   また、少女のケアについてどう考えているのか?
【浦安市教委】・・・・
【川本】再発防止策として具体的に何を考えているのか?
【浦安市教委】浦安市は学校のセクハラ対策にはすでに教職員で十分な体制を組んでいる。 
【川本】3月30日の県教委委員協議会での指摘事項をどう受け止めるのか?
【浦安市教委】聴いていない。協議会とはどういう組織か?
【川本】被害者、両親への謝罪は?
【浦安市教委】考えていない。教諭の人事権は県にある。
【川本】加害者の元教諭への求償権については?
【浦安市教委】検討中。県と市が連帯して責任を負う立場なので、両者が相談して決めることになる。
 
 この浦安市教委とのやりとりも踏まえて、6月4日に県教委を質した。以下に質疑応答内容を紹介する。

●6月県議会一般質問(6月4日)

・高裁判決をどう受け止めているのか?

【川本】浦安市立小学校に係る性虐待事件について伺います。
03年の4月~7月、当時小学6年の知的障がいを持つ少女が教諭から性虐待を受けたとして、損害賠償を求めた控訴審で、3月24日、東京高裁は1審の千葉地裁判決が認めた被害にさらに3件被害を認定し、県、浦安市に330万円の支払いを命じる判決をだしました。
浦安市は判決が認定した性的虐待の事実を認めない姿勢のまま、3月29日に上告断念を発表し、県はそれを受けて3月30日に上告断念を発表した。
そこで以下伺う。
この高裁判決の特徴は、知的障がいのある児童の供述特性及び性的被害を受けた児童の心理特性を十分踏まえて、被害供述に高い信用性を認め、かつ事実を丁寧に精査し、加害教諭の自白の信用性を認めて、性的虐待の事実を一審認定以上に拡大しました。知的障がい及び児童虐待に関する海外の最先端の研究を踏まえた専門家の意見書を尊重し、「日時や回数に関する記憶が正確でなかったとしても、被害を受けたとの供述の信用性は否定されない」と判示しました。
そこで、教育長に以下伺う。
1点目に、県は高裁判決を「真摯に受け止める」としたが、柱となるこの判示部分についてどのように精査し、かつ受け止めているのか?

【鬼澤教育長】高裁判決については、判決文を精査しましたが、「少女の供述の信用性は否定されるものではない。」という判示部分についても、真摯に受け止めております。

・高裁判決が認定した被害事実を認めるか?

【川本】2点目に、高裁判決が認定した被害事実について当然認める立場だと考えるがどうか?

【鬼澤教育長】民事高裁判決において、認定された被害事実については、真摯に受け止めております。

・教育委員会委員協議会での意見は?

【川本】次に、教育委員会委員協議会が3月30日に開催され、「判決を受け入れ、上告しないことを全員一致で了承された」としたというが、委員協議の場で各委員からどのような意見が出されたのか?委員長に伺う。

【山田純子・教育委員長職務代理者】
委員協議会では、事実認定をめぐって、法律審である最高裁で争うことは困難であると考えられ、判決を受け入れ、上告しないことを全員一致で了承しました。
その際、委員から、
1 知的障害者が事件に巻き込まれた場合は、事実判定を正確に行うための配慮をする必要がある。
2 控訴時と同様に、県の対応の判断時期が、市とずれたことは遺憾である。
3 県と市の関係においては、県がしっかりとしたリーダーシップをとる必要がある。
などの意見が出されました。

・責任の所在は?

【川本】私たちは浦安市教育委員会の責任者からも話を聞きましたが、今回の責任の所在はどこにあるのかと尋ねた折、「人事権は県教委にある」ということを言っていました。あたかも責任は県にあるという口ぶりでした。今回のこの事件の責任の所在はどこにあると考えているのか伺います。

【鬼澤教育長】高裁判決で認定された不法行為の責任については、まず、行為を行った当該教諭にあるものと考えますが、同時に、当該教諭の服務監督権を有する浦安市教育委員会にも責任があるものと考えます。

・被害少女のケアは?

【川本】被害少女は今でもPTSDで苦しんでおり、状況が悪化することはあっても完治することは難しいと主治医が述べているといわれます。平成11年に策定された「県職員と幼児・児童・生徒、保護者との間におけるセクシュアルハラスメント防止についての指針」では、「被害を訴えた児童生徒の救済と心のケアを最優先に対応し、必要に応じて専門機関との連携を図る」とあります。県はこの指針に従い、被害少女のケアについてどのように考えているのか。

【鬼澤教育長】セクハラ事故が起こった場合に、被害児童生徒の人権を十分に尊重しながら、学校全体で適切に対応することとしています。また、必要に応じて、スクールカウンセラーやスーパーバイザーを派遣したり、専門の医療機関等を紹介するなど、児童生徒の心のケアに努めております。
 この事件の少女については、既に学校を卒業していることから、本人の希望により、県の「子どもと親のサポートセンター」を窓口として、様々な相談に応じてまいります。

・再発防止策として第三者機関などの設置は?

【川本】再発防止策について伺います。
性虐待行為の被害者が若年者、障がい者の場合、相談者には様々な専門的な知見が求められます。
また学校における教職員による子どもへの暴行やわいせつ行為等の虐待を防止・救済する法制度はないのが現実だ。
一方、千葉県人権施策基本指針には、「人権侵害の被害について直接訴えられるオンブズパーソンの設置や第三者機関等により、住民との協力体制のもとに子どもの人権を擁護するためのシステムづくりを推進します」とある。この指針に従い、オンブズパーソン制度や第三者機関の整備が必要と考えるがどうか。

【鬼澤教育長】現在、県内の法務局の人権相談所、千葉県警察が行っているヤングテレホン及び女性被害110番等の機関は、第三者機関として、セクハラ被害等の相談ができるようになっております。
また、「千葉県男女共同参画苦情処理委員制度」も公正・中立的な立場を持つ第三者機関としての機能を有し、学校におけるセクハラ等の人権が侵害された場合の相談や調査も扱っています。
 県教育委員会としましては、再発防止の観点からも、被害者やその関係者がいつでも相談できるように、これら第三者機関の周知に努めてまいります。

・11年前に策定された県セクハラ防止指針の見直しは?

【川本】また、先ほどあげた県のセクハラ防止指針は平成11年以降、改訂されてはおらず、内容も現場職員がまず対応することになっており、防止にあたってのきめ細かな配慮に欠け、障がい者への対応では児童生徒の特性を理解できる専門家チームの対応の規定もない。この指針を今回の教訓を生かして見直すべきと考えるがどうか。

【鬼澤教育長】指針は、セクハラに対する基本的な考え方や、防止対策の原則について示したものであり、現時点で、見直しは考えておりません。
  今後とも、この指針に基づき、セクハラ実態調査方法の改善やリーフレットの改訂など、実態に応じた対策をしてまいります。

【川本】セクハラ防止の指針の改正について、委員長は、どのように考えるか。

【山田純子・教育委員長職務代理者】
指針は、セクハラに対する基本的な考え方や、防止対策の原則について示したものであり、現時点で、見直しは考えておりません。
  今後とも、この指針に基づき、セクハラ実態調査方法の改善やリーフレットの改訂など、実態に応じた対策をしてまいります

・被害者や家族への謝罪は?

【川本】県は、被害少女とその家族に謝罪しないのか。

【鬼澤教育長】判決については、真摯に受け止めています。このような事件が起きたことは、遺憾であると思っております。
 また、少女及び保護者への謝罪につきましては、直接の服務監督権者の問題と考えています。

・加害元教諭への求償権の行使は?

【川本】また、加害元教諭に対する求償権の行使についてどう考えるのか?伺います

【鬼澤教育長】
国家賠償法に基づいて公共団体が損害を賠償した場合において、公務員に故意又は重大な過失があったときは、公共団体はその公務員に対して、求償権を有するとされています。
本事案においては、高裁判決に基づき、浦安市が損害賠償金の全額を支払ったことから、県は求償権を有していません。
なお、元教諭に対する求償については、浦安市において検討していると聞いています。

2010/6/8 火曜日

6月県議会一般質問(6月4日)一般質問報告①~アクアライン社会実験に50億円投入の価値はあるか

カテゴリー: 一般質問, 県議会

 昨年度(09年8月~10年3月)の東京湾アクアライン料金引下げ社会実験の中間報告(東京湾アクアライン料金引下げ社会実験協議会)が、先月27日に公表された。

dscf1241 昨年度20億円を投入した社会実験だが、東京湾岸の渋滞緩和、観光はじめ経済効果はどうだったのか、実は、報告を繰り返し読めば読むほど、これらについて実証されていないことに気づく。
 交通量が増えたからといって喜べない。5月27日の会派主催の勉強会「アクアラインと地域振興」で講師の環境政策学者・安田八十五さん(関東学院大学経済学部教授)が指摘された通り、地域振興における道路の役割は「派生的需要」に過ぎず、「本源的需要」ではない。地域の魅力そのものが試されている。
写真は、5月27日の会派主催勉強会「アクアラインと地域振興」で講師・安田八十五関東学院大学経済学部教授(環境政策学)

 ●東京湾岸の道路渋滞が大きく緩和された実態は確認できない

【川本】アクアライン社会実験で5月27日に配布された中間報告内容について伺います。
社会実験を始めるにあたって当時の金子国交相は「物流による東京湾岸の道路渋滞解消に大きく役立つ」と評価しました。この評価が国の支援の根拠の一つであると私は理解していますが、今回の報告書では、平日において「小型車では日2030台、大型車は日1560台の合計3590台が湾岸ルートからアクアラインルートへ転換していると推定される」としています。しかし、その一方で、湾岸部の交通量は「ほぼ横ばいに推移」しているとあります。
そこで、伺います。
社会実験により、東京湾岸の道路渋滞が大きく緩和された実態があるのか?

【橋場・県土整備部長】
1 千葉県、国、関係自治体及び高速道路会社 からなる社会実験協議会が5月26日に公表した中間取りまとめでは、交通量データの分析や物流事業者へのアンケート調査などから、湾岸部からアクアラインへ1日当たり約3,000台以上の交通が転換していると 推定しており、この転換により湾岸部の交通量は、減少しているものと考えています。
2 これに対し、湾岸部の交通量は1日当たり 約15万台と非常に多く、渋滞が大きく緩和された実態までは、確認できませんでした。
3 今後も交通量データの蓄積を進め、湾岸部の交通状況について、分析してまいります。

●交通量は前年比50%増だが、南房総の入込客数は7%増、宿泊客数は2.2%微減

【川本】次に、観光の効果について伺います。
交通量の実績は前年比5割増加といいながら、南房総地域の主な観光5施設の観光入込客数は7%増に過ぎません。昨年10月は交通量46%増に対し客数は2%減、11月は41%増に対し20%減であり、今年2月は47%増に対し19%減です。また、観光施設アンケートでも来客数は5%以上増えたが8.7%、5%以上減ったが11.1%、1~5%程度増えたが21%、1~5%減ったが10.4%で、ほとんど変わらないが35.9%です。
そこで伺います。
このように、社会実験が南房総の観光に期待したほど結びついていないことをどう考えるのか?

【森田知事】
1 世界的な不況や新型インフルエンザなどの影響で、観光をめぐる状況が大変厳しい中、 アクアライン社会実験が始まった昨年8月 から今年4月までの、南房総地域の主要観光 施設における観光客数は、前年と比べ4パーセントの増加となっています。
2 また、先日公表した社会実験の中間とりまとめでは、君津、安房地域の観光施設の約3割が「売上げが増加している」と回答するなど、地域経済への好影響を示す調査結果も 出ています。
3 今後とも、アクアラインの値下げ効果を最大限に活かし、「おもてなしの心」に満ちた魅力ある観光地づくりや、効果的な観光プロモーションに積極的に取り組んでまいります。

【川本】また、南房総地域の宿泊客総数の変化はどうか?

【永妻・商工労働部長】
1 全国的に宿泊客数が落ち込み、平成21年の県全体の宿泊客数は前年と比べ、7.8パーセントの減となっていますが、南房総地域においては2.2パーセントの微減にとどまっており、健闘しているものと考えています。
2 県としては、宿泊・滞在推進のための戦略的なモニターツアーや計画策定、イベントなどに取り組む市町村等を支援する「宿泊・滞在型 観光推進事業」を、今年度に新たに設けたところであり、経済効果の高い宿泊客の増大や滞在時間の長期化の取組みを進めてまいります。

●大型車の分類調査で業種毎の社会実験の効果の把握を

【川本】次に、社会実験評価のあり方について伺います。
今回の報告書によれば、平日の大型車の72%の4240台が木更津金田と袖ヶ浦ICを利用していることから、大型車増の多くはトラックの増と推測されますが、大型車の車種別の調査をしてはいません。5月の平日の1日、朝7時~夕方5時に実施した私たちの調査では大型車の2/3前後はトラック、タンクローリーであり、中でも全体の2割は産廃・残土を運搬する車両でした。
そこで、伺う。
社会実験がどの産業にメリットがあるのかを把握するために、大型車について、路線バス、観光バス、タンクローリー、運送トラック、産廃・残土運搬車などに分類して調査すべきと考えるがどうか?

【県土整備部長】
1 アクアラインの料金引下げ社会実験により、平日の大型車交通量が前年と比べ2倍に増加するなど「人」「もの」の動きが活発化しているところです。
2 この影響を具体的に分析するため、業種毎の効果を把握することが重要であると考えています。
3 その手法について社会実験協議会で検討してまいります。

●環境、経済効果についてもきちんとした評価を

【川本】また、自動車交通量や渋滞の増加は、CO2の排出量をふやすことが懸念されますが、今回は地球温暖化の影響については評価していません。
そこで伺います。
環境面を含めて、社会実験による正負の効果をきちんと評価すべきと考えるがどうか?

【県土整備部長】
1 アクアラインの料金引下げ社会実験により、交通量や観光客が増加するとともに、物流の効率化や企業立地の優位性の向上など本県にとって多くの効果が現れています。
2 一方で、アクアラインの渋滞による高速バスの遅延や東京湾フェリー利用者の減少などマイナスの影響も出ています。
3 今後、実験結果の最終的なとりまとめにあたっては、プラス面だけでなく、マイナス面についても評価してまいります。

【川本】アクアライン社会実験についてですが、
中間報告書では、「東京湾岸の道路渋滞解消に大きく役立つ」とは言えず、観光効果もハッキリとしたものが不明であり、経済効果について触れられていない。報告書を読めば読むほど、社会実験の価値がこの報告書では実証されていない。
そもそも地域振興への影響において道路は派生需要であり、本源的需要ではない。
巨大なアウトレットが進出するというが、すでに各地にアウトレットがあり、一方が栄えると一方が疲弊する。郊外への進出は中心市街地の疲弊を一層加速させる。国策として実施を求めるというが、その前にこうした経済効果についても正と負の影響をしっかり検討し、その上で判断することを要望します。

2010/6/6 日曜日

公社等外郭団体への腰掛と天下り人事の廃止を

カテゴリー: 一般質問, 県行政, 県議会

 公社等外郭団体41の事務消耗品に関する経理調査で、16団体で03年度~08年度の6年間(調査対象額約8億5千万円)で約76百万円の不正経理が行われ、プール金は8団体3060万円だった。03年度当初のプール金が940万円だったことから、外郭団体においても02年以前から県庁組織と同様の不正経理が組織的に行われていたことになる。

 これは不正経理調査特別委員会報告書に記載された新たな特別委員会立ち上げの要件=「新たに組織的かつ不適正な問題が生じた場合」に該当する。
 県からの6年間で1430億円の委託料などの使途についても厳しいチェックが必要だ。
 そこで、6月3日、4会派(市民ネット・社民・無所属、民主、公明、共産)で酒井茂英議長に文書で「新たな調査特別委員会設置の提案」を申し入れた。

 一方、森田知事らの参考人招致に反対し、数の力で委員会の調査を打ち切った自民党会派は、不正経理問題への議会の責任を果たすべきとして、議員歳費の一部返上(3か月3%カット?)を今議会に提案する姿勢だ。大多数の県民は、微々たる金で「臭いものに蓋」をするのではなく、なぜ議会が不正をチェックできなかったのかを検証し、チェックできる仕組みをつくりあげることを望んでいる。
 新たな委員会設置の提案に対する自民党の対応が注目される。

●外郭団体役員は関係部局と県幹部経験者の指定席

 外郭団体で県庁と同様の不正経理が行われていたことは、外郭団体トップの責任が厳しく問われるべきだ。41団体への県退職者及び県職員の役員就任状況は、昨年度は33団体に53人(内、県職員15人)、一昨年度は同じく33団体に58人(内、県職員16人)である。彼らは、県庁内の不正経理の指揮命令系統=「課長→副課長→経理担当者」に関わった経験者が多いだろうから、なおさらのことだ。

 02年7月の「公社改革の基本的考え方」(総務部総務課行政改革推進室)では、
① 県からの人的支援は、原則なくすこととする。特に経営責任者については、民間からの積極的な起用を図る。
② 県退職者の採用については、県退職者の経験・能力が必要な場合のみ行うこととする。
③ 公社等はあくまで民営を経営形態としていることから、独立採算を原則とする。県の財政負担が必要な場合には、県民の視点に立って真に必要なものに対する最小の負担に留めることつる。
とある。
 
 現状は、経営破綻した(株)かずさアカデミアパーク一つみても、これに沿った人事施策が行われてはいない。
関係部局及び県幹部経験者の指定席であり腰掛け人事そのものと解されても仕方ない現状だ。

【参考1】H17~H21年度の5年間で2つの公社等外郭団体の役員に就任した者
     (なお、金額はH21年度の役員平均年収)

A氏(H16年:商工労働部長)
 H17~19 産業振興センター理事長(H17~18は県職員)(922万円) 
 H20~21 東葉高速鉄道社長(1064万円)
B氏(H16年:企業庁管理部長、H17:環境生活部理事)
 H17  青少年女性協会理事長(県職員)
 H20~21 消防協会専務理事(413万円)
C氏(H16年:地方労働委員会事務局長、H18:商工労働部理事)
 H17~18 産業振興センター副理事長(県職員)
 H21   消防協会常務理事(413万円)
D氏(H16年:企業庁長)
H17~18 住宅供給公社理事長
 H19~21 信用保証協会会長(1147万円)
E氏(H17・18:監査委員会事務局長)
 H19 ~20 住宅供給公社理事長(789万円)
 H21   (財)かずさDNA研究所専務理事(1400万円)
F氏(H16:健康福祉部理事)
 H17~18 福祉ふれあい財団(947万円)
 H19~20 史料研究財団常務理事
G氏(H16:農林水産部長)
 H17   観光公社理事長(県職員)
 H18~19  東葉高速鉄道社長(1064万円)
H氏(H16:北総県民センター所長)
 H17~18 いすみ鉄道(株)副社長
 H19   県消防協会常務理事(413万円)

【参考2】H21年度県退職者で外郭団体他への再就職(カッコ内は、金額はH21年度役員平均給与、退職時所属)

 県信用保証協会会長(1147万円)(環境生活部長)
県信用保証協会専務理事(1147万円)(県警総務部長)
 県身体障害者福祉事業団理事長(1102万円)(総務部理事)
 東葉高速鉄道顧問(総合企画部長)
 県環境財団理事長(703万円)(環境生活部理事)
 県土地開発公社理事長(1034万円)(県土整備部理事)
 県道路公社理事長(1124万円)(県土整備部理事)
 県文化振興財団理事長(715万円)(会計管理者)
   同常務理事   (健康福祉部参事)
県住宅供給公社理事長(789万円)(監査委員事務局長)
  同常務理事   (県土整備部次長)
 県下水道公社専務理事(消防学校長)
 県社会福祉事業団理事長(947万円)(健康福祉部参事)
   同副参与     (健康福祉部参事)
 県まちづくり公社常務理事(823万円)(環境生活部次長)
 県産業振興センター理事(産業支援技術研究所長)
 県緑化推進委員会事務局長(農林水産部次長)
 その他
  ・成田高速鉄道アクセス(株)総務部長(東葛飾県民センター所長)
  ・北総鉄道(株)顧問(企業庁長)
  ・(社)県産業廃棄物協会事務局長(企業庁工業用水部次長)
  ・(財)日本産業廃棄物処理振興センター嘱託(環境生活部副技監)
  ・(株)千葉ニュータウンセンター総務部長(企業庁理事) 

2010/6/5 土曜日

浦安市小学校の性虐待事件で反省のない県教委~追認するだけの教育委員会会議は根本改革が必要

カテゴリー: 一般質問, 県行政, 県議会

 昨日4日午後、6月県議会で私にとって今期最後となる一般質問を行った。答弁を通じて特に印象に残ったのが、県教育委員会の閉鎖性、排他性である。浦安市立小学校での教諭による知的障がい児童に対する性虐待事件について質したが、その答弁には失望した。事件の責任の所在について、5月18日にヒアリングした浦安市教委の教育次長らは「人事権のある県」にあるとしたが、県は「服務権のある市」にあると答弁し被害者及び関係者への謝罪を拒否した。

さらに再発防止策として第三者機関の設置や11年前に策定した県のセクハラ防止指針の見直しも拒否した。その上、精神科医でもある県教育委員は県教育長の答弁を追認するだけだった。こんな教育委員会会議はいらない。

 日本には学校における教職員による子どもへの暴行やわいせつ行為等の虐待を防止・救済する法制度はなく、その意味でまず自治体の姿勢が問われている。この千葉県の実態を知れば親は子どもを安心して学校に送り出すことはできないと思う。 

 旧教育基本法は政治家、官僚などの「不当な支配」からの教育行政の独立(第10条)を定めていたが、文科省はそれとは反対に「法令・指導助言・国庫補助」により細部まで教育施策を指揮し、教職員は校長の、校長は教育委員会の、教育委員会は文科省の顔色を伺い、肝心のサービス利用者(生徒・保護者)は施策決定に関与できないシステムを作り上げてきた。当事者不在で排他的な官僚機構である。

 これは「道徳」という名の「お国のために命を投げ出す」人づくりを目指し、「できん者はできんままで結構」という弱肉強食の競争社会容認を前提とした改悪教育基本法下で、その排他的な官僚機構はより強固になっているように見える。

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