2007/6/27 水曜日

はじめての常任委員会

カテゴリー: 県議会

 一般質問は25日で終わり、26日は8つの常任委員会が朝10時から開かれた。私は今年度は県土整備常任委員会に所属する。11名の委員が半円状に座り、最前列中央の古川部長以下数十名の職員と向き合う。席についてみるとマイクが置いてある。録音が容易にできることから議事録の逐一筆記も簡単に導入できることになる。
6月5日に「県議会改革についての申し入れ」を県議会議長あて行なったが、そこでは委員会改革として、
① 委員会の議事録を逐一筆記とすること
② 付託案件中心ではなく所管事務調査も充実させること
③ 執行機関の説明に頼るのではなく、独自の審査機関として請願者や専門家など参考人による意見陳述や現地調査などによる多面的な審査を行なうこと。
④ 議員相互の討論を通じて合意形成を図ること。
の4点を挙げた。
それに加えて、職員の出席者を課長級以上に限定すれば、他の職員は通常業務を遂行できる。

●「北千葉道路」契約議案に反対~4つの説明責任が果たされていない

さて、今回の「付託案件」は、議案が5件、請願が1件だった。この内、議案の一つ「一般国道464号 北千葉道路」(PDF)(事業費約60億円)の工事契約(約11億円)に反対した。一般に工事契約の場合、・契約金額の妥当性、・入札の公正性、・品質の保障、・自然や生活環境への配慮、などについて県は県民に説明責任を果たす義務があると思う。それを質したところ、契約相手が成田高速鉄道アクセス(株)であり、そこから施工者に発注されるので県としては詳細は把握していないという答弁だった。もともと工事そのものの必要性が問われ、県立自然公園で希少鳥類生息地の一部を横断することから、自然環境面でも環境影響評価段階で疑問符がつけられた経緯もある。これでは賛成する訳にはいかない。

●アクアライン大幅値下げ社会実験の請願には、釘を刺して賛成

請願の1件は「東京湾アクアラインでの本年度中に大幅な値下げによる社会実験を行なうことを求めることについて」で、アクアラインの通行料金について大幅な値下げを獲得するため、国が道路特定財源を投入して今年度中に大幅に値下げ(普通車800円、大型車2000円)での社会実験を行なうことを国及び県に要請するものである。
都心渋滞の緩和につながることから賛成はしたが、費用便益の面からはペイしないアクアラインのずさんな計画を厳しく総括しないまま、道路特定財源の活用で東京湾口道路などの建設に道を開くものとなっては困る。そのこととあわせ、地域経済面でストロー効果が加速しマイナス面が拡大する可能性もありうること、そもそも大型開発(アクアラインや上総アカデミアなど)に過度に依存した地域振興の有り方に問題があることを指摘した。

●再度、酒々井IC計画を問う

委員会の会議次第には「その他」という項目が有り、ここでは県土整備に関わるものであれば何でも質問し意見や要望が出せることになっている。少数会派がこの時とばかり一問一答方式で質問を浴びせかけるので、自民党委員は快く思っていないようだが、利用しない手はない。
私は酒々井インターチェンジ(IC)計画、三番瀬(第二湾岸ルート)、羽田再拡張に係る土砂運搬について質したが、酒々井IC計画では以下の4点を取り上げた。
① ICの構造変更に伴い増えたコストは20億円を超えた場合もすべて確実に都市再生機構(UR)が負担することが定められているのか?
② 県は、当初の15000台のアウトレットが来なくても、URが構造変更に伴い増えるコストを負担するなら事業者の進出がハッキリしなくとも構造変更したままICをつくる方針なのか?
③ 6月15日付けでURとの間で締結された細目協定書について、協定締結までの経過は? 15日以降も締結の事実が19日夕、我々が察知するまで隠されていたことは質問作成過程における信義則に反することを認識しているか?
④ 計画を撤退したWDJはペーパーカンパニーに等しい会社である。協定当事者としてUR側の妥当性を検証する責務が、県民に説明責任を果たす上で求められるが、そのことを認識しているか?

県は答弁で、協定相手はURでありURのみを相手にすること、20億円を超えた場合は細目協定書では協議して清算するとなっているとした。つまり構造変更に伴う増分すべてをURが負担することにはなってはいないということになる。

2007/6/22 金曜日

教育三法成立で教育施設環境の劣化が加速?!

カテゴリー: 県議会

●質問づくりの「2つのルール」
 21日も6人の一般質問が行われた。私の場合、1回目の質問文の案の段階で職員に提示し、一言一句の「突合せ」をしたが、その際、職員から指摘されたのが、単に事実関係を問う質問はするな、ということだった。ところが、6人の質問を聞いていると単に現状を確認するだけものが多すぎる。質問作りのルールはもう一つあるようで、それは「答弁できないことは質問するな」ということだ。最初は奇異に感じたこの2つのルールだが、30分という短時間の質疑で、単刀直入に本題に入るにはこの2つのルールはあながち否定するものでもないと思う。「答弁できないこと」については、そうした事実を質問の中で断定的に述べればよいことになる。

●教育3法成立で世界から孤立する日本
 19日~21日の12人の質問者のうち、私も含めて8人が教育問題を取り上げている。20日の一般質問で私は、千葉の教育施設環境の劣悪さを指摘し「5年10年先の千葉の教育環境の未来はない」とし行財政改革の是正を求めた。
その20日には教育関連3法(学校教育法・地方教育行政法・教員免許法)が参議院本会議で自民・公明の賛成で可決された。6月17日、「とけ・九条の会」の一周年記念講演で、呼びかけ人の三輪定宣さん(帝京平成大学教授、千葉大学名誉教授)に「教育三法案の背景と問題」についてお話いただいた。

三輪さんは、ユネスコで示されている教育の国際常識は、「子どもの自治能力の育成」(「国際教育指針」)、「学校自治の保障」(「平和・人権・民主主義教育に関する総合的行動要綱」)、「教育目標の計画策定から評価まで、関係者すべてが参加し多面的に見極めること」(「教師の役割と地位に関する勧告」)であり、この教育3法が及ぼす全体的問題として、教育の国際常識に逆行、逸脱、孤立し、独善的国家主義教育、侵略戦争へのレールを敷くものだと批判された。

国内総生産(GDP)に対する公財政支出の学校教育費の比率は、OECD平均5.2%で、日本は3.5%(29か国中29位)、そして初等・中等・高等教育の無償制(国際人権規約13条)違反で国連人権委員会から遵守勧告(2001年)を受けているが、政府はそれを無視し続けている。
千葉県の教育施設環境の劣悪さの放置は、こうした「教育の国際常識」からの逸脱と無縁ではない。

2007/6/21 木曜日

初めての一般質問 千葉の文化、教育環境の危機的状況の打開のため、県の行財政改革の是正を求める

カテゴリー: 県議会

 19日から代表質問、一般質問が始まった。その内容が、一般論、総論に終始していることに驚く。生活の臭いがしない。現場に足を運んでつくった質問のようには見受けられない。議員として自らに課した課題がそれぞれの質問を通しては見えてこない。「言論の府」とはとても言えない状況に、県民は「県議会の存在価値」を厳しく問うべきだ。そのための情報をどんどん提供したいと思う。
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●酒々井ICで県土整備部長「答弁不能」に

さて、20日午後、私の初めての一般質問がおわった。暑い中、多くの方に傍聴にきていただいた。「無駄な土木事業の典型である酒々井インターチェンジ計画についておたずねします」ではじまった都市再生機構(UR)が絡む東関東自動車道の酒々井インターチェンジ計画では、2回目の質問で知事が答弁を拒否し、県土整備部長が「答弁不能」となった。その質問内容は次の3つである。

1.立派なインターチェンジを作れば、そこに企業が来てくれるだろうという、本末転倒のおかしな発想で作る、こんなでたらめな税金の使い道をやっている余裕が千葉県にはあるのか、伺う。
2.URとの協定の当事者として、URの言い分が信頼に値するかを検証する責務が県にはあるが、それを行なっていないのは職務怠慢ではないか、伺う。
3.インターをつくらなくても、今ある酒々井パーキングエリアから出入りするようにもできる。まずは周辺調査をきちんとやって、本当にインターが必要なのかどうか精査し直すべきと考えるが如何か?

●文化も「地産地消」で
質問の最後を、次の言葉で締めくくった。

「私は、今回、博物館、ニューフィル千葉、土気高校の問題をとりあげました。今月初めには中高一貫校となる千葉高校を視察しました。その施設の老朽化、改修がなされていないことに驚きました。このままでは、5年10年先の千葉の文化、教育環境の未来はない、と感じます。昨日も指摘されていましたが、予算がないではなく、予算の使い方が問題です。地産地消というなら文化の地産地消を是非考えていただきたい。次世代を担う子どもたちにツケを残さない、その夢を破らない、無限の可能性を保証する、そのことが行財政システム改革の本来の目的の一つであるべきです。改革の方向の是正を強く要望いたします。」

質問はこちらから(PDF)
市民ネットワー提出の意見書はこちらから(PDF)

2007/6/19 火曜日

20日の質問項目とポイント

カテゴリー: 県議会

20日午後3時頃からの一般質問について、18日昼12時までが発言通告の締め切りなので、期限ギリギリに質問項目を県議会議長あて提出した。
質問時間が30分(県の答弁時間は除く)と短いため、三番瀬、アカデミアパークは今回は除いた。
ところが1回目の質問原稿を通しで読んで見ると25分もかかる。これでは2回目、3回目の時間が短すぎる。それはともかく、質問項目とそのポイントを記します。

1.教育問題について

(1)土気高校グラウンド削減について
ポイント・・土地区画整理事業の不振でグランドの1/3が削られる。部活も体育の授業も大幅に制限されてしまう。土地区画整理事業が求めるものは「資産価値」、一方、高校に求められるものは「使用価値」、県、教育委員会事業がリスクを承知で事業に加わった以上、そのツケを子ども達に押し付けるのは許されない。

(2)県立博物館と行財政改革について
ポイント・・県の行財政改革の元に博物館予算が20%も削られ、このままでは5~10年後の博物館の先はない。

2.ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉の経営改善について
ポイント・・30代半ばの楽団員の手取りが月20万に満たない、ボーナスなし一方、常務理事や事務局長は音楽には知見のない県から派遣された職員、子ども達の音楽鑑賞教室は県の補助金が削られ回数も大幅に減少・・・これでいいのか?

3.羽田再拡張事業に伴う山砂運搬について
ポイント・・羽田再拡張の土砂3000万㌧のほとんどが房総の山を崩して運ばれる。木更津、袖ヶ浦などの港から運ばれるが土砂採取場から港まで1日数千台とも言われるダンプが道路をはしる。安全規則をつくったが、それが守られていない!

4.酒々井インターチェンジ計画と酒々井南部土地区画整理事業について
ポイント・・東関東自動車道富里インターからわずか2キロメートルのところにバブル時代に持ち上がったインターチェンジ計画(工事費約15億円)が、数年前に突然認可された。そして近くで進めるUR(都市再生機構)の土地区画整理事業でURが大型ショッピングセンター(2000万人の集客)を誘致するとしてインターチェンジのタイプの変更を進言。この工事変更に伴う増加分は20億円。ところが、大型ショッピングセンターの商談が白紙にもどり、地元の酒々井町もURとの協定を破棄する動きが・・。インターチェンジのタイプ変更のみならず、インターチェンジそのものが不要ではないか。行財政改革の視点がおかしい!

5.西八千代北部特定土地区画整理事業について
ポイント・・これもURの土地区画整理事業。産廃や残土、汚染土壌の上に14000人のまちづくりのための造成工事が行なわれるという計画。つくるにしても、後になって環境汚染や健康被害が生じないよう、これらの可能性あるものはすべて撤去することが求められる。そのために県はURにきちんと指導を!

2007/6/15 金曜日

また房総から“山が消える”~羽田再拡張工事に伴う土砂運搬の現場をみる~

カテゴリー: 活動日記

国土交通省は羽田空港に4本目の滑走路を建設する再拡張工事を開始した。現在の空港の沖を埋め立てて長さ2500mの滑走路を新たに建設し、1時間当たりの航空機の発着回数を1.4倍の80回に増やす計画である。もはや「羽田国際化、成田貨物化」の動きは止められそうにないように思える。そうなると成田新高速鉄道や北千葉道路などの工事の必要性が問われる。

それはともかく、この羽田空港の再拡張事業(滑走路建設工事)に必要な埋立土砂は約3,000万立方mとされ、その大部分が房総の山を壊して1日数千台と言われるダンプで土砂が搬出され、木更津と袖ヶ浦の港から積み出される。房総からまた「山が消える」ことになる。

さて、そこでの課題の一つは土砂運搬ダンプの走行に伴い、登下校の子ども達など歩行者の安全を確保し、騒音や振動、大気の汚染などから住環境を守ることである。再拡張工事がなくても県内には1日6000台のダンプが走行しているといわれる。
木更津の金井前市議から、市内で再拡張工事の土砂運搬であることを示す黄色のリボンをつけたダンプ車両が増加し、信号無視や通行しないことになって道路に進入しているとの情報を受け取る。

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6月9日午前、金井さんの案内で袖ヶ浦の塚本市議とともに木更津市内を「視察」した。
ダンプ走行の様子と山砂納入安全協議会の「山砂運搬規則」がきちんと守られているかが視察」のポイントである。確かに「規則」で定めた黄色リボンをつけたダンプが目立つ。長い直線道路ではスピードを上げて走るので、信号機のない横断歩道がわたれない、横断歩道に押しボタン式の信号機を付けてほしいが、どこに言えばいいのかわからないとの声もあるとのこと。木更津港のストックヤードでダンプから船への積み込みの様子をみる。ダンプは途切れることがない。下ろされた土砂がいくつもの小山となり、コンベヤーで港に横付けされた船に積み込まれている。

ところが、出入りするダンプの中に、「規則」で定められた黄色のリボンやプレートが見当たらない車両を短時間の間に複数台目撃した。ヤードに出入りするダンプを確認する監視員の姿も見当たらない。
こうした実態について、6月20日の一般質問で取り上げる予定である。

2007/6/13 水曜日

中高一貫教育が行われる県立千葉高校を視察~教育理念と施設環境のあまり落差に驚く

カテゴリー: 活動日記

6日午後、県立千葉高校を大野県議(市民ネット)、吉川県議(無所属市民の会)とともに視察に訪れた。12日から始まる6月議会に「県立千葉高校において併設型の中高一貫教育を行うため、県立中学校を設置する」ための設置条例が議案として提出されるので、その準備状況を確認するのが目的である。千葉高の村山校長、大塚教頭はじめ教育庁の関係者の応対を受ける。

新しくできる千葉県立千葉中学校の募集定員は男女各40人で来年春開校予定である。競争率は最大30倍とし、入学者は適性検査、面接、小学校からの報告書等で総合的に判断するという。教育委員会が作成した入学案内のパンフレットには「君が伝統だ」「日本でそして世界で活躍する心豊かな次代のリーダーに」「人間力を培う3つの『協同』」などの言葉が躍る。
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パンフレットの説明を受けた後、質疑に入る。校舎は新設されるのではなく、定時制を廃止(正確には県立生浜高校に統合)することで空いた室を利用する方針で、定時制の食堂部分もその一部に間仕切り壁を設け、教室を確保するという。3階建ての平面図を見ると昇降設備が見当たらない。「車椅子の生徒が入学したらどうするか」と質問したところ一瞬沈黙が支配した。想定外のようだった。中学校の給食の有無、調理方式については今後詰めるとのこと。グラウンドや体育館、音楽教室、理科教室などは高校と共用となるため調整が必要となる。もっとも野球など大勢で行なう部活動は2クラスしかないので部を作ること自体が難しいかもしれない。いずれにしろその「教育理念」と比較して授業・部活動面で、しっかり検討されているという印象は受けなかった。
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質疑の後、高校内を見学する。老朽化した施設と塗装が著しくめくれ上がった階段室の内壁、汚れが目立つ外壁面、無秩序な増設と段差の多さ、迷路のような動線に驚く。財政危機の折、改修など化粧直しの予算がつかないという。耐震補強は段階的に実施中で、アスベストは問題なしという回答だった。私は中高一貫教育に疑問を持つものだが、それにしてもその教育理念とこうした施設環境のあまりの「落差」に強い違和感を持った。来春入学してくる子ども達のためにもしっかり「化粧直し」が必要だ。そのための予算はある。たとえばバブル時代に提案された東関東自動車道の酒々井ICをやめれば15億円はねん出できる。そのためには地元や関係者のシガラミに囚われず、一旦動き出した公共事業を総合的な視点からキッパリ見直す仕組みを県がつくることである。それが本来の行財政システム改革というものだ。

2007/6/6 水曜日

6月20日(水)県議会初質問で登壇します

カテゴリー: 県議会

6月20日(水)午後3時より一般質問をします。
質問項目は以下を予定しています。(時間などの関係で変更もありえます)
傍聴の申し込みについては、県ネットHPからお願いします
1.文化・教育行政
1. 土気高校グラウンド削減問題
2. 行財政改革に伴う千葉の文化行政
・県立博物館統廃合問題など
・ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉の充実に向けて

2.開発行政・産業施策
1. 酒々井ICと酒々井南部地区新産業団地
2. 西八千代北部特定土地区画整理事業

3. かずさアカデミアパーク
3.三番瀬
4.羽田拡張に伴う山砂採取問題

2007/6/5 火曜日

県議会改革についての申し入れ

カテゴリー: 県議会

県議会議長宛に会派として「議会改革申し入れ」書を提出しました。他の会派も提出し、会派代表者会議で、話し合った結果、議会改革の検討組織(少数会派も正メンバーとなる)を議長の下に設置することが決まりました。

会派として提出した申し入れ内容は、下記をご参照ください。

http://www.ken-net.gr.jp/pdf_gikai/31.pdf(PDF)

2007/6/2 土曜日

滋賀・長浜のまちづくりと都市再生機構(UR)の事業(視察報告2)

カテゴリー: 活動日記

千葉市緑区おゆみ野は旧都市整備公団(現都市再生機構、略称:UR)が1977年(昭和52年)の事業認可(605ヘクタール、人口計画約8万人) から四半世紀の歳月をかけて区画整理事業が終了した地域である。このおゆみ野で、低層住宅街に近接して高さ約50mもの高層マンション建設が計画され、近 隣商業地域に化学物質分析施設の建設がはじまっている。都市計画法や「建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準」を定めたにすぎない建築基準 法の「ハードルの低さ」と、建築基準法及び建築基準関係規定に合致していることを確認するにすぎない「建築確認」手続きの「頼りなさ」がその背景にある。 異を唱える住民の方々は、「ゆとりとうるおいのある住宅地づくり」というURのうたい文句とその実態の落差を味わっている。

ところで議員活動をはじめて1か月となるが、この間URが絡んだ2つの開発事業を知る機会があった。その一つは年間2000万人の集客(東京デズ ニーランドで2500万人)を見込む超大型ショッピングセンター構想を柱に据えた酒々井南部地区新産業団地(区画整理事業・約72ヘクタール)である。酒 々井町は、進出企業が確定もしていないのに、町の年間予算とほぼ同額の約50億円を企業誘致のために町道の拡張や団地内の公共施設などに出費すると町議会 に説明している。詳細については、後日報告したい。以下に5月24日に訪ねた滋賀県・長浜市の市民が設立し経営する株式会社黒壁のまち育て事業の一部を紹 介する。外から大きな事業者をつれてきて地域振興をするという旧来型の開発の在り方と比べていただきたい。

●長浜の中心市街地再生の意義

~中心市街地の衰退は文化の衰退であり、都市魅力の喪失

長浜市は琵琶湖に面し滋賀県の東北部に位置する。昭和50~60年代に衰退した中心市街地を市民がまちづくり会社を設立し、再生させた。いまでは中心市街地を年間200万を超える人々が訪れる。中心になって取り組んだ長浜商工会議所の吉井茂人さんのお話のごく一部を紹介する。(文責:川本)

「・・・・まちづくりのテーマを商業にしようとした。しかし商業の切り口だけだったら大資本に対抗できない。そこで、観光という要素を
みつけて、商業と観光を掛け合わせながら入りこみ客数を高めていこうと考えた。そして、お客さんに来ていただこうと思うならまちを綺麗にしようということ
で景観形成事業をはじめた。けれども行政には金がない、どうするか、ローコストでとりあえず手がつけるところからやる。地域資源として何があるかと言うと
長浜は戦災にあっていないので江戸末期から明治大正にかけての旧い木造家屋が沢山残っている、そうした木造家屋をうまく修復再生することで、ローコストで
事業を展開できるのではないか、過大な投資にならないのではないかと考えた。

一方、商業に携わらない人にしてみれば何で中心市街地の商業者を儲けさすために投資をしなければならないのかという声が出された。それを中和するた めに、なぜ中心市街地が衰退したかを考えてもらった。50年代以降、車社会になり市域の拡大で郊外に道路を拡大していった、そして昔の中心部にあった都市 の重心が郊外に移動した、そこに中心市街地の衰退があるこ
と、そしてなぜ、中心市街地を再生する必要があるかというと、地域の人が絶えず集まる場として地域コミュニティを作り上げてきた、そして地域コミュニティ
が発展することによりお祭りができこれが昇化することにより文化につながってきた。長浜は曳山祭り、曳山文化ができた。これを担ってきたのが中心市街地に
住む商業者を中心とする町衆だ。ここが衰退するということは、地域コミュニティと地方文化の衰退になりひいては都市魅力を失うことになる、だから、中心市
街地が大事だということを言ってきた。

いっぺんに再開発するのではなく、まず点の開発をしそれを線につなげ面としていこうと考えた。それを何年かけてでもいいから地元資本の力だけでや
ろうとした。なぜ地元でやろうとしたかというと大資本と連携した投資は大資本の企業論理だけで平気で撤退してしまう。そして幽霊屋敷が残るだけ。今度の改
正で大資本の社会的責任がうたわれ撤退した跡の店舗活用に責任を持つことがうたわれているがあれは行政指導でしかない。地元がしっかりしなければならな
い。 プランをつくるだけなら専門家をいれればどこでもできる。しかし、プランを実現しようとしたら地元の人々の夢を掘り込んでいかねばばらない。だから
議論を徹底的にしなければならない。人々を本気にさせるためにはプラン具現化の仕掛けも必要。・・・」
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