2008/1/31 木曜日

道路経費を圧迫する膨大な借金、それを一般財源でまかなう県財政

カテゴリー: 活動日記

問われる「県都1時間構想」の道路行政~県の道路関係経費1200億円(18年度決算ベース)の歳入の4割強は一般財源、歳出の4割強は借金返済 

 道路特定財源の暫定税率をめぐり「つなぎ法案」が「年度内で一定の結論を得る(=従来の審査の慣例に従う)ものとする」という衆参議長のあっせんで「取り下げ」となった。与党は租税特措法改正案の年度内採決は約束されたと判断したという。(1/31毎日新聞朝刊)

 31日午後、県土整備部より道路特定財源および暫定税率廃止の影響についてヒアリングした。県から「道路特定財源について」の説明を受けた後、約2時間質疑応答した。県内各地の市民ネットから13人が参加した。
 質疑応答で理解したことは、
① H18年度決算によると道路関係経費は1200億円、内道路特定財源はその半分強で700億円弱、支出ベースでみると、道路新設・改良費542億円と街路・区画整理費140億円を足したものが道路特定財源分に、公債費500億円分が一般財源に相当する。
② H18年度決算を別の角度からみると、歳入で360億円借金し、歳出で500億円借金返済にあてている。膨大な借金こそが道路経費を圧迫している。そもそも借金を生み出し他道路事業(高規格道路)に焦点を当てる必要がある。
③ 暫定税率が廃止されると、H19年度当初予算ベースの道路特定財源が612億円→288億円で324億円の県の歳入の減収となり、道路関係経費総額はH18年度決算ベースでは1200億円→900億円に75%となるというが、一般財源で4割強をカバーしている状況から一般会計(約1兆4千億円)の約2%の減収となることから出発すべきであること。
などである。

 県土整備部に対して以下の資料を後日提出することを求めた。
 ・道路関係経費の詳細な内訳(H18年度決算の歳出、H19年度当初歳出)
 ・「踏み切りによる事故・渋滞対策」「交通渋滞対策」「交通安全対策」「道路のバリアーフリー化」「橋梁の維持管理」「橋梁の耐震化」「舗装道路の修繕」「広域ネットワークの整備」に要する各事業費と当初の推進計画と暫定税率廃止による遅延などの影響
 ・県内の道路の国、県の建設費用、維持費用の負担実態(延べ道路距離とともに)
 ・交通安全対策レッドゾーン1431箇所のリスト
 これらの資料が提示された段階で、暫定税率、特定財源問題について言及したいと思う。

 また野田からの参加者から「踏切による事故・渋滞対策」の連続立体交差事業が必ずしも必要と思えないところで実施されていることも指摘された。市民も参加して交通実態、財政状況など総合的に道路事業計画(公共事業そのもの)をオープンに評価するシステムを導入する時期だと思う。

2008/1/29 火曜日

真喜志好一さんのお話と沖縄ジュゴン訴訟で日米の自然保護団体勝訴

カテゴリー: 活動日記

 26日の「毎日新聞」朝刊は、2面で小さく「沖縄振興に予算95億円」「普天間アセス再提出へ」「ジュゴン影響考慮を」という見出しの3つの小さな記事を掲載した。
 3番目の記事は以下の内容である。

 「■ジュゴン影響考慮を
  米軍普天間飛行場移設先のキャンプ・シュワブ(沖縄県名護市)沿岸部に生息するジュゴンの保護を求め、日米の環境保護団体が起こしていた訴訟で、米サンフランシスコ連邦地裁は24日、米国防総省に対し、移設に際しジュゴンへの影響を考慮するよう要請。同省にジュゴンへの影響を評価する文書を90日以内に提出するよう命じた」

95年9月4日の少女暴行事件をきっかけにSACO(日米特別委員会)で米軍基地の「整理・縮小」ではなく「統合・強化」が合意された。普天間基地移設を口実に名護市辺野古沿岸部に新基地を建設することもその一つである。この海域は日本の文化財保護法で天然記念物に指定されるジュゴンが餌となる海草を食べる場所であることから、2003年9月、日米の自然保護団体は、米国防総省とラムズフェルト国防長官を相手に、ジュゴンの保護を求めて裁判を起こした。
沖縄視察中の19日の夜、この「ジュゴン裁判」の中心メンバーで著名な建築家でもある真喜志好一さんと那覇市内で懇談した。以下にその一部を紹介する。

●真喜志好一さんのお話
 dscf0102a.jpg 真喜志好一さん

・基地の縮小移転ではなく近代化強化に他ならない

ホームページは読み応えがあり読んでいただきたい。基地の整理縮小がすりかえられて基地の近代化強化策となったことを米軍のHPや米軍の1960年代の文章から読み解いた。1965年に辺野古の海を調査した文書を見つけ出し、その文書内容を通して1966年の図面から当時長さ3000メートル幅60メートル2本の滑走路と大浦湾に軍港をつくるという計画があったことがわかった。少女レイプ事件後、米側はこの計画をどう実現するかをディスカッションしている。当時の米国政府のNO1にこの図面を見せて確認したところ「ベリーファミリアー」(とっても慣れ親しんでいる)という返事があった。テーブルの上で、その図面を広げながら実現に向けて検討していた。

やんばるの森の高江にも、米軍は新しい機能をもったヘリパットがほしかった。新しいものをつくるというと100%反対されるので、北半分を返還することにしてそのかわりという口実にした。辺野古も同じで、普天間返還は口実だ。
現在の辺野古のV字型計画案は1966年に海兵隊が描いた埋め立て基地計画の2つの滑走路の変形である。

dscf0068.jpg dscf0075.jpg dscf0086.jpg 
辺野古の風景(クリックすると大きな画像が見られます)

・米国のジュゴン裁判について

米国の「国家歴史遺産保存法」は米国が国外で行う活動について当事国の法律を守れというもので、犯した場合は、何人も米国を訴えることができるというもの。そこで、ジュゴンが住んでいる海に米軍のための滑走路をつくることはどういうことなのか、ジュゴンの保護策を示せという裁判を起こした。
米国側は、1972年5月の施政権返還後は日本政府の問題であずかり知らぬとして門前払いを主張した。私はそれを聞いて奮い立った。1966年作成の計画と現計画の連続性が証明できるからだ。米連邦地裁も私たちの主張を支持した。
その裁判のプロセスで日本政府がリーダーシップをとっていることを証明するために日米政府が秘密裏に相談していることを証拠としてだしてきた。その「証拠」から滑走路をV字型にして陸上を飛ばせないなどということがウソであることを暴いた。信頼のできる野党議員にそれらの情報を提供した。勝つために前進している。 

・環境影響審査会では傍聴者も発言する

環境アセスの方法書には、どのような飛行機をどのような頻度でとばすのか、埋め立ての土はどうするのかなど肝心なことが記されていない。この審査会では傍聴席から発言している。新石垣空港をとめるための活動の時に、審査会の初回に傍聴席から発言した。民主的制度は住民が勝ち取らねばならない。そうすると委員長が「発言があれば要請文をだしてくれ」と言い、そこでその場で書いて出した。審議が進むと、先ほど出した要請文の審議はどうなっていますか?と尋ねる。傍聴席からのヤジ的発言はしない。委員長が「誰か発言はないか?」と問うた時にすかさず傍聴席から「会長」と発言を求め、会長も、つい指名する。
方法書には購入土砂を使うとあるがどこから買ってくるのか?沖縄県の海砂を購入するとある。その量は1700万立方メートル、延長距離にすると170キロメートルとなる。これほどの砂を取るのに、そのアセスをしないのはなぜか?通常、沖縄で1年間でとる砂は13万立方メートルで、これだと100数十年間分とることになる。環境審査会がどこからとるのかを明記しろとなり、月曜日にこの方法書について知事意見もでるはずだ。アセス法28条の規定により変更がある場合は方法書からやり直すことが必要となり、また私たちの意見をいうことができる。

・運動の方法 

 運動は野球のルールでやるとまける。日本労働運動がつぶれたのは攻撃と防御が分離した野球的運動をしたからだ。サッカーやラクビーのようにピンチをチャンスにすることが肝要だ。我々はチームプレーも個人プレーもできる。国家権力に縛られずに動きができる。国家は組織プレーでしかできない。
アセス方法書の件では、県の審査会の先生方を味方につけるため、野次をとばさない、不快を与える言動は慎んだ。事務局に対しても同様だ。アセスという手続法で、法律の厳正な手続きを求める。アセスなど勉強会を適宜組織して積み重ねてきた。我々はミスを犯さない、相手のミスを見逃さないという姿勢でやってきた。
                             (文責:川本)

2008/1/24 木曜日

道路特定財源、暫定税率の問題は、「交通まちづくり」の視点からも考えよう~腑に落ちない県土整備部の主張

カテゴリー: 活動日記

 1㍑あたり25円の道路特定財源の暫定税率の堅持を訴える文書が、千葉県県土整備部道路計画課より出されている。見出しは「道路は県民生活の基盤です」で、暫定税率が廃止されると県の歳入が324億円の減収になると試算している。しかし、その必要性を訴える説明が腑に落ちない。

 まず、「千葉県では『交通事故件数ワースト4位』『バリアーフリー化率31%』で安全・安心をお願いします」とあるが、暫定税率とは関係なしに既存道路の補修や交差点の改修、信号機の設置などの交通安全対策を後回しにしてきたことをどう説明するのだろうか。

続いて「渋滞損失時間全国ワースト7位」「ボトルネック踏切対策箇所133箇所ワースト5位~踏切による渋滞解消を」とあるが、そもそもこれらに要する総額はいくらで、もともとどのようなスケジュールで「改善」するつもりだったのか不明だ。渋滞云々をいうならクルマ増を前提にするのではなくクルマ中心のまちづくりの見直しこそ不可欠である。

また「県政世論調査1位『災害から県民を守る』」とあるが、高規格道路を含む大規模公共事業に税金を投入してきたことが莫大な県財政の赤字を生み出し06年の世論調査「県政への要望」トップの「高齢者の福祉」、2番目の「医療サービス体制」、3番目の耐震対策などの「災害対策」、4番目の「次世代の育成支援」が二の次になったのではなかったか。

さらに「首都圏中央連絡自動車道、東京外環道路、北千葉道路などの広域ネットワークの完成が大幅に遅れます」とあるが、実はこれがさまざまなシガラミ、利権の面から暫定税率撤廃反対の本音ではないかと思われる。これらは無駄な公共事業の典型であり、人命、災害に関わる施策が後回しになった主要な要因の一つである。

新聞テレビの報道をみても、「道路」は話題にするが、「クルマ社会」の見直しと「公共交通の充実」の視点に立つものは皆無に等しい。欧米では道路特定財源は「公共交通」に投入されているという。道路特定財源や暫定税率の問題は、「クルマ中心のまちづくり」から「福祉のまちづくり」への見直し、公共交通の充実、クルマの社会的費用の視点からも検討されるべきと考える。

(参考)07年12月議会での大野博美県議の
「道路特定財源の道路整備への重点投資並びに確保に関する意見書」への反対討論
 クルマ中心社会は、私たちの生活の利便性を高める一方で、さまざまな弊害を及ぼしてきました。深刻化する地球温暖化、大気汚染や振動騒音による道路公害、毎年多数の命を奪う交通事故、景観破壊、郊外の無秩序な開発と中心市街地の空洞化など、枚挙にいとまがありません。高規格幹線道路の建設は地方財政危機の原因の一つとなっています。また、高齢者にとっては買い物も病院も車でしか行けないまちづくりより、歩いて行けるコンパクトなまちづくりや、バスなどの公共交通を充実させることのほうが望まれています。
 こうした弊害があるにも関わらず、道路建設が強行されてきた背景にあるのが道路建設に自動的に公費が振り向けられる道路特定財源の制度です。
 この道路特定財源を一般財源化するメリットとして次の点が挙げられます。
① クルマの「社会的費用」としての応分の負担を求められること。
② 透明性が確保されることにより採算の合わない道路をつくることへの抑止効果が期待できること。
③ 過度なクルマ中心社会を見直すことで持続可能な社会に向けた公共交通の充実や環境整備が促されること。
などです。
 実際、ヨーロッパや米国では、都市が“無秩序に拡大”していくスプロール化現象が問題になっており、車社会に過度に依存した都市政策の見直しが始まっています。その一環として、ガソリン税などは道路特定財源とすることなく公共交通の拡充に使われています。
 なお、暫定税率を本則税率に戻すことは、一層自動車利用を促すことにつながり、地球温暖化など環境面の負荷を増大させることにもなります。本来は、環境志向の新しい税制へ移行することを検討すべきだと考えます。
以上の理由により、道路特定財源の一般財源化を支持し、本意見書には反対し討論を終わります。
 

2008/1/23 水曜日

未来のない都市再生機構の郊外型区画整理事業

カテゴリー: 活動日記

 22日は資料請求などのため県議会控え室に顔を出した後、柏市内で開かれた区画整理・再開発対策全国連絡会議主催の「都市再生機構はどこへゆく」情報連絡会に参加する。都市再生機構(UR)は平成25年度(2013年度)で郊外型開発事業から撤退するとしているが、事業が未完のところはどうするのか、赤字は誰が負担するのかなど大きな課題がある。参加者から、URの区画整理事業の赤字分を地方自治体が負担するよう国が働きかけた事例があること、国鉄の民営化時、自治体に買い取らせた国鉄用地が今、各地で再開発として利用されており、UR撤退にともない国鉄民営化時と同様、自治体にそのツケをまわされる危険性が高いなどの発言があった。

 私は、URが進める郊外型区画整理事業がたとえ順調にいったとしても、大型店立地による中心市街地の疲弊・コミュニティ破壊、中心部地価下落などによる税収減による自治体財政への圧迫、一方、郊外の開発地域ではスプロール化が進み、クルマ公害が激しくなり、販売優先による住環境破壊施設の誘致、少子高齢化社会での将来の疲弊化は目に見えていると思う。いずれにしてもURの郊外型開発事業に未来はない。
歩いて暮らせるコンパクトでコミュニティを大切にする既存の市街地改善を柱にしたまちづくり、まちづくり条例制定による開発規制などを対置させることが不可欠と思う。

● 土気高校グラウンド4分の3の買取で合意、しかし・・・

 こちらは民間が進める土地区画整理事業に関係するが、土気東土地区画整理事業の不振による再減歩を巡る県立土気高校のグラウンド削減問題で、県教委と事業者(土気東土地区画整理組合)が合意したことが17日の朝刊で報じられている。県は削減対象の4分の3にあたる約6000㎡を改修費を含め1億9千万円で買い取るという。
 昨年の6月議会で一般質疑で取り上げた問題だが、県教委に問い合わせたところ、テニスコート4面を3面にし、フェンスを移築する工事は今年度内に完成の予定という(写真参照クリックすると拡大します)。

dscf0001.jpg  土気高校グラウンドの買取予定地と減歩予定地

 そもそも高校用地という性格を盾に最初の減歩時にこれ以上の減歩には応じないということを事業者との間で確約しておればこうした問題は生じなかった。事業区域編入の経緯、事業者から再減歩申し入れ後約1年間放置し、突如昨年の選挙前に再減歩に応じると回答した経緯など不透明で不可解な点もある。学校現場と県教委の意思疎通、教育委員会会議のあり方など教育行政が抱える課題も浮き上がった。問題が生じた要因は改められていない。

2008/1/22 火曜日

戦争、軍事基地そのものが最大の環境破壊だ~沖縄視察から

カテゴリー: 活動日記

 22日の「毎日新聞」朝刊に、環境省まとめに基づく「全国の環境破壊・東日本編」の特集がある。千葉県については、不法投棄の産廃残存量は全国一の397万㌧(2位は宮城の118千㌧、06年3月末の全国総計1565万㌧)、土壌汚染の基準超過件数(91~05年度)は110件、73年に成立した公害健康被害補償法(88年に改悪=大気汚染の指定解除)の認定患者数は06年度末(全国48689人)で千葉市で大気汚染関係349人とある。千葉については「全国初の産廃処分場取り消し判決」と「産廃」に重点を置いた紹介がされているが、記事内容は氷山の一角に過ぎない。山が消える「土砂採取」、残土処分、ダイオキシン汚染、航空機騒音、土壌汚染、地下水汚染、旧軍毒ガスなどあげればきりがない。千葉県全域の環境汚染を網羅するマップをそれに対する県民の取り組みとともにまとめることができればと思う。
 
 さて、1月17日~20日、県ネット平和部会の沖縄視察で、宜野湾市、読谷村、「米軍再編」・基地反対運動の現場(東村高江ヘリパット、辺野古)を訪ねた。行政の方々には国民保護計画に対するスタンス、米軍基地対策や将来のまちづくりビジョンなどについて、市民団体の方々には運動の現況、取り組みの基本姿勢について伺うとともに現地を案内いただいた。
188種の絶滅のおそれのある種を含め約4000種を超える野生生物が記録されている沖縄本島北部に位置する山原(やんばる)の森は、国指定の天然記念物「ヤンバルクイナ」も生息している。しかしこの地域は1960年はじめより米軍が訓練場として使用し、枯葉剤も使用した訓練も行われ、県民の水源である新川ダムなどでは1万数千発のペイント弾が発見されているという。そこに「米軍再編」の一環として米軍のヘリパットが建設されることから、隣接する東村高江地区の住民の方々を中心に座り込みなどの反対運動が行われている。戦争そして軍事基地の存在そのものが最大の環境破壊であることを実感した視察だったが、2月中旬には視察報告会を開催し、報告書もまとめる予定だ。

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米軍の廃棄物を引き受けている民間の処分場(医療廃棄物を含め分別は不十分とのこと)

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ヘリパット建設が行われる山原(やんばる)の森と建設のための取り付け道路工事の様子
 

2008/1/17 木曜日

県文化行政を象徴するニューフィル千葉の施策~房総文化憲章の精神はどこへ

カテゴリー: 活動日記

 15日、16日は午後から議会控え室へ行き、視察の申し入れ、資料の請求、図書の返却をし、2月4日の県都市計画審議会の議案説明を受けた。

さて、日本音楽家ユニオン関東地方本部ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉(略称:ユニオン・ニューフィル千葉)より、「ニューフィル千葉の存続・充実へのご協力のお願い」というタイトルの文書を受け取った。ニューフィル千葉については私は昨年6月の一般質問で取り上げた。しかし、文書によれば、その後経営は好転することなく昨年12月7日には財団から「契約制・出来高制」の提案が楽団員になされ、その折財団は「12月7日の提案を最終提案とする。請負契約で合意ができなければ県は来年度予算をつけない。今後団体交渉は行わない」と言ったという。楽団の平均所得は、平成17年度は年間約430万円、平成18年度は約350万円、平成19年度は約260万円と激減し、財団の事務局長より「ワーキングプアは社会情勢である」という発言まであったという。

財団には21人の理事がいるが、経営のプロでもなんでもない県のOBである常務理事と県から派遣された事務局長の2名が実質の経営責任者であり運営責任者である。自らの責任に向き合うことなどなく堂本知事の文化行政軽視路線に忠実なだけなように見える。

 昨年10月、千葉県音楽文化振興方針検討会が4回の検討会を踏まえ「千葉県の音楽文化振興方針に関する提言」を堂本知事に提出した。その中でニューフィル千葉について次の4つの提言をしている。

① 地域のニーズに合ったコンサート企画や学校での音楽を楽しむ会を実現するための体制強化
② 事務局と楽団員が一体となった営業活動
③ 楽団員への有期契約制、出来高払い制の導入
④ 音楽の方向性を確保し、仕事をとれる音楽監督あるいは常任指揮者の設置

 この内、③についてはその論拠に説得力がなく県の顔色を伺いながらつくられた観があるが、①②④は妥当である。16日午後、さっそく県文化振興課の担当者からヒアリングしたが、提言の③だけつまみ食いして①②④は先送りという印象を持った。房総文化憲章の精神が感じられない。
 
 ユニオン・ニューフィル千葉の文書の最後に次の2つの要請事項が記してある。
 ①ニューフィル千葉の平成20年度県補助金を確保するようはたらきかけてください
 ②千葉県の音楽文化振興のため、ニューフィル千葉を存続充実させていくための県の施策について、貴職でも議論してください。
 私も大いに関係者と議論し意見交換していきたい。

2008/1/14 月曜日

新成人 連帯して生存権を勝ち取る闘いに立ち上がろう

カテゴリー: 活動日記

 14日午前、千葉ポートアリーナで行われた「千葉市成人の日を祝う会」に「来賓」として参加した。新成人人口は千葉市全体で9329人で私の次男もその一人だ。
「誰もがホームレスになる時代」と言われる。「市民としての権利、消費者や賃借人、労働者としての権利、そういうことを教育現場で最低限学ぶことが大前提」だが、若者たちは「社会で生き抜いていく知恵というのをまったく身につけないまま、いわば丸裸で社会に出ている状態」(「ビッグイシュー日本版84号」“ホームレスに陥る罠”を知る、湯浅誠)である。

 市長、教育委員会委員長、市議会議長は自らの責任に無知なまま「自己責任」論を柱にすえた挨拶をしていたが、湯浅誠氏が指摘するとおり何も知らないまま社会に出た若者を待ち受けているのは、生活困窮者をターゲットにした「貧困ビジネス」である。
 教育課程審議会会長当時の三浦朱門は「平均学力が下がらないようでは、これからの日本はどうにもならんということです。つまり、できんやつはできんままで結構。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神を養ってもらえばいいんです」(斉藤貴男「機会不平等」)と語った。私は、自民党と文科省が推進するテストの点数と競争による差別と選別のニセ教育の中で、自らを見捨てることなくよくぞ成人を迎えたことをまず祝福したいと思う。
 
 「競争をやめたら学力世界一~フィンランド教育の成功」(福田誠治著、朝日新聞社)でフィンランドの教育が日本の教育の対極にあることを知った。フィンランド教育の特徴は「『いやがる者には強制しない』で、あの手この手で促しはするけど、本人のやる気が起きるまで待つ」ことであり、土台には「学力を社会に出てから活きてくるものととらえ直し、教育の目標を遠くに定めて育てていく教育観がある」という。(同書5、6頁)

ビッグイシュー日本版84号での「フリーターと正社員、かたやホームレスかたや過労死~社会保障制度、人生前半期へのシフトを」の宮本みち子さんと雨宮処凛さんの対談の中で紹介されているが、そのフィンランドでは、学校と企業世界の中間の世界として全国200箇所に若者を対象とする「ワークショップ」があり、うまく雇用に乗れなかった人たちの職業訓練の場であると同時にミュージックやアートやスポーツ活動による自己実現の世界であり、働く場でもあったりするという。酒を飲んで騒ぐよりも、「競争ではなく連帯」を求め、当事者として生存権を政府や行政につきつけ社会保障制度の充実を勝ち取る行動に立ち上がって欲しいと思う。

2008/1/13 日曜日

「九条の会」交流集会 憲法99条、13条と千葉地裁の裁判官たち

カテゴリー: 活動日記

 12日は朝から千葉大学西千葉キャンパスで開かれた「第2回千葉県内『九条の会』交流集会」に参加した。雨が降る寒い天候だったにも関わらず会場(けやき会館大ホール)は満席で立ち見もでる程だった。昨年11月段階で全国に6801の九条の会が結成されているそうだ。こうした草の根の運動が、安倍路線批判の大きな世論を作り出し、昨年の参院選挙で自公を大敗北に追い込んだ。

 12日の「毎日新聞」一面見出しは「新テロ法が成立 衆院57年ぶり再可決 月内鑑船派遣 小沢代表は棄権」だった。参院選で示された世論に背を向け「新テロ法」に反対ではなく棄権し、憲法改悪のための大連立を策動する小沢一郎には即刻、政界の舞台から去っていただきたい。最近改めて読み直した「新保守主義~小沢新党は日本をどこへ導くのか」(浅井基文著・柏書房、1993年)で批判された小沢一郎のスタンスは15年後の現在も何ら変更されてはいない。「毎日新聞」3面では、57年前に再可決された法案は「競艇の実施主体を地方自治体として国が管理」する内容の「モーターボート競走法」で、参議院で「賭博行為の弊害」で反対されたものだったと報じている。

dscf0019.jpg  dscf0018.jpg 千葉県内「九条の会」交流集会の様子

12日の交流集会であいさつした九条の会事務局長の小森陽一さんは、朝鮮戦争最中のこの「モーターボート競争法」についてA級戦犯容疑者で釈放された笹川良一が右翼の資金源として米国を支援するために安倍晋三前首相の祖父でA級戦犯の岸信介と共謀して強引に成立させたものだと話した。57年前の衆議院議院委員長は小沢一郎氏の父親・小沢佐重喜、今回は笹川良一氏の次男・笹川尭である。某国を上回る世襲と売国政治を象徴している。

● 県立高校での用務員パワーハラスメント「放置」裁判を傍聴

 12日の交流集会で講演した伊藤塾塾長の伊藤真氏は、冒頭で「法曹人と医者は他人の不幸を飯の種にしている。従って厳しい職業倫理が求められる。一人ひとりを大切にする、個人として尊重することが求められる。そのことは憲法の根本に定められたことである。」と語った。
 11日午後、県立高校の現場で教師に対する用務員の「パワーハラスメント」を訴えた裁判で原告と被告本人への尋問が行われているということで急遽千葉地裁の裁判を傍聴した。驚いたのは2人裁判官の尋問だった。服装について「学校長つまり上司の希望(業務命令ではない)になぜ従わないのか」と詰問口調で原告に迫り、被告が「わからない」と言っているにも関わらず原告に不利な証言を露骨に誘導しようとする。「すべて国民は個人として尊重される」(憲法13条)、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重する義務を負う」(憲法99条)はまったく眼中にないように見られる。

   伊藤真氏は「現代の憲法は、多数は、強者に歯止めをかけて、少数派、弱者を守るためのもの、多数派にとってはイマジネーションが不可欠」と指摘したが、2人の裁判官はそうしたイマジネーションなど持ち合わせていないようだ。気になるのはこの裁判官の中に八ツ場ダム訴訟を担当する裁判官がいたことだ。裁判官はますます「情けない職業」になりつつあるようだ。

2008/1/9 水曜日

都市計画審議会改革 城山三郎氏の本から日本の戦争責任を考える

カテゴリー: 活動日記

 8日午前、県ネットの運営委員会に出席した折、偶然に事務所の蔵書の中から「季刊まちぽっと」12号(東京ランポ)の特集「都市計画審議会改革」をみつける。
「現状の都計審の課題として、①担うべき機能が不明確、②審議会としての活動に対する評価がされていない、がある」
「長の付属機関に議員が入っているのは二元代表制のもとではイレギュラー」、
「地方自治法96条2項を活用し、条例で議会の議決事件としても支障はないのではないか?」
「毎回事務局のシナリオ通りに審議が終始するのであれば審議会はいらない」
「都計審からすればすべての手続きが終わったあとに突然意見を聴かれても、否定しようもないし、修正意見を出しようもない」
「専門性を重視するのであれば、もっと早い段階から都計審が関与する仕組みが必要となる」などの指摘はもっともである。

 都市計画は地方自治体の「自治事務」であり、都市計画法17条の2の「条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない」ことから、改善への第一歩として現行の「千葉県都市計画審議会条例」を「市民参加型」「じっくり検討型」にすることを検討する時期ではないかと思う。

● 日本の戦争責任を考える 城山三郎氏の本を読んで

 最近はほとんど小説を読まないが、年末に故城山三郎氏の本を土気の「ブックオフ」で手当たりしだいに買ってきた。「『カネと組織』直視、指導者像を示す」と佐高信氏が評した城山氏の本を読んでみたいと思ったからだ。その本の中から1月4日~6日に「わしの眼は十年先が見える~大原孫三郎の生涯」、「指揮官たちの特攻~幸福は花びらのごとく」、「落日燃ゆ」、「一歩の距離~小説予科練」を読んだ。

 なぜ、日本はアジア諸国を侵略し米国と戦争したのか?戦争責任はどこにあるのか? 国防力の拡大強化を要求する荒木陸相、大角海相に対し東京裁判でA級戦犯としてただ一人文官として処刑された広田弘毅(1933年当時外相)は「開戦の危機というが、いったいどこに戦争の危険性があるのか、軍部は最悪の場合のみ考えすぎる。むしろ問題は、どうしたら、最悪の場合を来させずにすむかに在る。つまり外交が先決であり、何よりも外交的努力に力を傾注しなくてはならない」と主張した。しかし、「長州がつくった憲法」に基づく「統帥権独立」の名の下に、「軍部は独走し、外交や行政はふりまわされ、あるいははねとばされた。また同じ軍部内でも、陸軍と海軍は対立し、さらに陸軍内でも、参謀本部と陸軍省が対立していた」中で、「閣議や連絡会議、あるいは御前会議など、会議は数多く開かれたが、それは積極的な形で共同謀議というより、その場その場での意志統一の趣が強かった」その「積み重ね」の結果が、侵略戦争への突入になったとある、ましてや南京大虐殺など戦地での残虐行為など文官の大臣たちまで「共同謀議」することなどありえない。(「落日燃ゆ」)

 大日本帝国憲法の致命的欠陥、軍の暴発性、人権思想の欠如などとともに国民一人ひとりのレベルからの戦争責任を見据える必要があると思う。

2008/1/4 金曜日

八ツ場ダム事業と学識経験者、NPOの役割

カテゴリー: 活動日記

 元旦朝、体を少し捻った拍子に腰に激痛が走り、立つことも座ることもできなくなった。
今日4日、ようやくホンダのロボットのような姿勢で家の中をソロリソロリと歩けるようになったが、三が日は文字通り「寝たきり」となり、読書、ビデオ、箱根駅伝TV観戦で過した。家族のサポート、手すりの有難さを実感する。

 おかげで、年末からの読みかけの本ばかりだが、①「戦後日本は戦争をしてきた」(姜尚中・小森陽一著、角川書店)、②「競争やめたら学力世界一~フィンランド教育の成功」(福田誠治著、朝日新聞社)、③「交通まちづくりの時代~魅力的な公共交通創造と都市再生戦略」(市川嘉一著、ぎょうせい)、④雑誌「世界」1月号、⑤建築ジャーナル2008年1月号を読んだ。

 アジアでの戦争に寄生した日本の戦後の経済成長を日本人自ら問うこと、「主体者」は子ども、教師は「支援者」と位置づけるフィンランドの統合教育とその対極にある日本の教育、クルマ利用の抑制と公共交通の充実をまちづくりの中核に位置づける意義と日本の時代遅れの道路交通政策、消費税増税不可避論が跋扈する中で法人税減税と金持ち優遇税制の抜本的見直しの必要性など、どの本も私にとっては刺激的な内容だった。

 関東地方整備局事業評価監視委員会は監視評価に値するか?

 昨年12月、国土交通省は八ツ場ダム建設事業の工期を5年間延長することを表明した。
ところで、4日の毎日新聞朝刊の社会面で、「群馬・八ツ場ダム予定地 水没で移転の小学校 7年で廃校12億円無駄に」という見出しで、八ツ場ダム建設(総事業費4600億円(内2900億円投入済み)、15年度完成予定)で02年に移転した長野原町立第一小学校が児童数減少(02年度52人→07年度31人→09年度見通し23人)による学校統合で来春に廃校となることを報じている。事業費12億円(町8億円、文科省補助金2.45億円、利根川下流都県の水源地域整備事業交付金約1.56億円)とは別に学校周囲の砂防ダム整備などに国土交通省は約13億円を投じた。工事や代替地整備の遅れを人口流出の一因と考える住民も多いという。記事は、法政大の五十嵐敬喜教授の「ダム工事に時間がかかるのは想定できたはずで、結果的には明らかな無駄遣い。公共事業を定期的にチェックするシステムをつくる必要がある」というコメントを紹介している。

 八ツ場ダム事業の延長に伴う事業再評価のため関東地方整備局事業評価監視委員会)が12月21日、報道機関以外には非公開(運営要領第10条)で開催され原案通り事業継続が「承認」された委員会の委員はそもそも対象となる事業についてどの程度の知見を有したのだろうか、またなぜ会を非公開とする運営要領を定めたのか、なぜさまざまな立場の参考人を招致しなかったのか。12名の委員の内、10名は大学教授の肩書きを持つ「学識経験者」であり、その他は日本経団連の委員とNPOサポートセンター理事長の山岸秀雄氏である。都市計画審議会と同様、監視委員会の存在価値とともに学識経験者の「学識の質」が問われる。

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