2008/3/27 木曜日

ヒトゲノム解読の理研の科学総合センター解散へ かずさDNA研究所はどうする?!

カテゴリー: 活動日記

 26日昼、再減歩に伴うグラウンド工事が今月末に完了する県立土気高校を訪ね進捗状況をこの目で確認する。突然の訪問だったが、校長、事務長の方々にグラウンドまで足を運んで説明いただいた。行き交う生徒たちの挨拶が気持ちよく響く。

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dscf0148.jpg グラウンドの工事がほぼ完了した県立土気高校

 夜は、都内で毎月1回開催されるDNA問題研究会に久しぶりに参加する。
40万部売れたという福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書)の評価が今回の主題だった。福岡氏が掘り起こしたシェーンハイマーの「動的平衡説」~「生命とは動的平衡にある流れである」~の評価が話題となった。
「従来の技術が閉塞状態の中で、再生医療理論に上手くのった感がある」「消化理論をどうとらえるのか。たんぱく質、脂肪、炭水化物、水の中で、たんぱく質だけに触れているのは一面的」「生物の大きさは全体の生態系の中で決まるもの。たんぱく質やDNAできまる訳ではない。木を見て森を見ないのは福岡氏がよってたつ分子生物学の限界を示している」「エントロピーは熱力学の法則であり、生物に適用するのは拡大解釈だ。エントロピーを言うなら水に注目すべき」「動的平衡説にリサイクルの知見が見あたらない」
 などの意見がだされた。


 
  ● 10年間で1264億円投入した「理科学研究所ゲノム科学総合研究センター」解散へ

 23日の「毎日新聞」朝刊によれば、98年に発足し、チンパンジーやマウス、シロイヌナズナなどのゲノム解析で成果を挙げたという「理科学研究所ゲノム科学総合研究センター」が3月末で解散する。

「政府は02年度以降、遺伝子から作られるたんぱく質の立体構造を決めるプロジェクト『タンパク3000』に積極的に予算を計上した。センターを中心に約578億円をつぎこみ、4187個の構造を決定したが、期待されたほど医薬品開発に直結しなかった。成果は見えにくく、再び研究戦略が問われた。
 中村桂子・JT生命誌研究館長は『生物学は本質的に大型プロジェクトになじまない。ゲノム解読はプロジェクトに合う、まれな例だった。解読終了後は、それをどう展開するか考える必要があったのに、国際競争と称して学問的検討のないままタンパク3000などに資金を投じた』と指摘する。」(3月23日「毎日新聞」)
 
 結果として、10年間で1264億円を投入して政府の独立行政法人の合理化の対象となりセンターとしての幕をとじる。
ゲノム研究について、
「隅蔵(すみくら)康一・政策研究大学院大学准教授(科学技術政策)は『この分野の基盤は整備され、研究機関にとってゲノム解読装置やデータベースなどは普通のインフラになった。選択と集中の観点から発展的に研究体制を再編するのは妥当ではないか』と受け止める。
 確かに、解読装置の機能向上は著しい。00年ごろにはヒトゲノムを1台で解読するには4年以上かかった。それが今では25~40日で可能となり、10年にはわずか約2分に短縮される見通しだ。大量の機器を一研究機関に集中させる必要性は薄らいだ、との見方はセンター内にもある。」(同)
と報じられる。
 かずさDNA研究所も大幅な見直しが求められる。

2008/3/26 水曜日

暫定税率期限切れ間近 自公提出意見書への21日の質疑

カテゴリー: 県議会

 ガソリン暫定税率の維持を盛り込んだ政府の租税特別措置法改正案の年度内成立が困難な中、暫定税率が3月末で期限切れとなりガソリン1㍑25.1円の値下げの可能性が大きくなった。期限切れとなれば、国・地方あわせて年間2兆6000億円の税収減となり、千葉県の道路整備費は07年度612億円が08年度288億円と324億円の減額が見込まれる。

 21日に可決された県08年度予算の道路関係経費は、
歳入 1258億円
    一般財源:167億円、
特定財源:470億円(暫定税率分218億円)、
    国庫補助金:111億円
    地方道路整備臨時交付金:74億円
    地方自立活性化交付金:2億円
    その他特定財源(負担金等):90億円
    地方債:344億円
 歳出 1258億円
    道路新設改良:382億円
    直轄負担金:173億円
    街路・区画整理:174億円
    農道ほか:27億円
    公債費:501億円
である。
 歳入の4割約500億円を一般財源と借金で確保し、歳出で同額が過去の道路建設の借金返済に消えている。

地方自治体の財政難には、「政府は、バブル崩壊後の景気対策のため、地方には国の補助金を受けずに自治体が独自に行う事業を奨励した。事業費の4分の3を借金で賄い、それを返す費用の一部も地方交付税で補う仕組み。手元資金が乏しくても実施できるおいしい話だった。自治体は次々と飛びつき、各地に『ハコ物』が林立することになった。」(毎日新聞3月24日)という国の「オイシイ話」にのった地方の「モラルハザード」がある。

千葉県も92年から98年にかけて多額の建設地方債を発行し、この時期に1兆円借金を増やした。そのつけとも言える過去の道路建設の借金500億円、国主導の道路建設の負担金(直轄負担金)173億円で歳出の半分を占める。

 今後2020年までの道路予算の見通しはどうか。平成17年度の国土交通白書で示されている試算によれば、公共事業予算が国交省分毎年3%、地方分5%削減されれば、2020年には既存施設の維持更新すら賄えなくなるという。一方、道路をつくればその分維持管理・補修更新費は確実に増加する。

 千葉県における直轄道路事業負担金(平成20年度~10年間)の見込みは、
        圏央道    770億円
        外環道    490億円
        北千葉道路   80億円
        その他    460億円
         計     1800億円
 で年間180億円である。
 2008年度の歳出予算から公債費を除けば700億円、2020年には予算削減で400億円台を余儀なくされるとすれば、県管理分道路修繕費・安全対策・更新費、直轄負担金すら賄えなくなる可能性が大きい。
 10年先を見通して、暫定税率期限切れのこのタイミングで、圏央道、北千葉道路、外環道路、銚子連絡道路、酒々井ICなど高規格道路建設計画を抜本的に見直せばどうか。

● 道路特定財源をめぐる自民・公明会派への質疑

さて、21日の議会最終日には、自民・公明両会派提出の発議案「地方自治体の安定的財政運営と道路特定財源の確保を求める意見書」の質疑を行ったので以下に掲載する。
質疑に対するかみ合った答弁はなかったが、公明党議員の答弁要旨については当日傍聴した福谷章子千葉市議のブログに質疑答弁とも要領よくまとめられているのでそちらをご覧いただきたい。

  

(3月21日 県議会質疑)

・質疑1回目
千葉市緑区選出、市民ネットワークの川本幸立です。
発議案27号、「地方自治体の安定的財政運営と道路特定財源の確保を求める意見書案」について、質疑を行わせていただきます。
19日に福田首相は「全額一般財源化も視野にいれて検討していく」と表明しました。
この点も踏まえて、発議案提出者におかれましては率直な答弁をお願い申し上げます。

1.まず、17日の千葉日報は、共同通信社による世論調査で、ガソリン1㍑あたり約25円を上乗せしている揮発油税の暫定税率の撤廃賛成が61%、暫定税率継続が29%と報じています。
また、3日の毎日新聞朝刊が報じた世論調査でも、暫定税率撤廃賛成66%、継続が27%、10年間で59兆円を必要とする「道路整備の中期計画」に「賛成」19%、「反対」75%でした。
 そこで伺います。
 発議案がよって立つ立場は世論調査の結果と相反すると思われますが、この世論調査結果についてどう受け取っておられるのか伺います。

2.2点目に、中期計画の妥当性について伺います。発議案によれば「今後の具体的な道路整備の姿を示した中期計画において、真に必要な道路の整備・管理に必要な事業量を確保すること」とあります。02年の交通量の推計を基につくられた中期計画については、2030年の交通量について02年推計値より8.7%も減少するとした07年の推計値で見直すべきといわれています。また、交通量の減少により高速道路網187区間の内、68区間で経済効果が整備費用を下回る可能性を指摘する試算もあります。
 そこで、伺います。
 10年間59兆円の中期計画については、少なくとも07年3月の推計値や費用便益分析をめぐる議論を踏まえて、まず中期計画そのものを再評価する必要があると思いますが如何か。
 また真に必要な道路をどのように評価し判断するのかお伺いします。

3.3点目に、道路特定財源の利用実態とその妥当性について伺います。
発議案によれば
道路特定財源の利用実態を是とした上で、暫定税率の延長を求めているように読み取れます。
しかし、特定財源の支出実態について、数千億円単位の河川整備や地下鉄建設への転用、公務員宿舎の建設、レクレーション費用など国土交通省の裁量による流用が目立ち、国交省の都合のよい「財布」になっている実態が明らかになっています。
また、発議案にある「地方道路整備臨時交付金制度」は道路整備特別会計からの支出であり、この道路整備特別会計から国交省は自由に道路以外の公共事業にも支出してきました。そこで伺います。
道路特定財源といいながら国交省の「一般財源」となりさらに天下り先の確保などに使われているという実態をまず正すことを求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

4.4点目に、道路特定財源の一般財源化について伺います。
 発議案によれば一般財源化は考慮の外にあるようですが、2000年4月に施行した地方分権一括法で、地方自治体は各省大臣の下級機関という性格を払しょくしたはずです。地方分権の時代、当然、財源の使い道は自治体の首長と議会が決めるもので、『特定財源』として国から使い道を指定されないと駄目だというのでは、地方分権に逆行するものです。
そこで伺います。
地方分権の観点からも国に対しては道路特定財源の一般財源化をこそ求めるべきと考えますがいかがか。

5.5点目に先ほどの討論で触れましたが、「県都1時間構想」に基づき、千葉県では高規格道路の建設が行われてきましたが、この構想の妥当性についてどのようにお考えか伺います。

・2回目
 ご答弁ありがとうございました。
 2回目の質疑を行います。

1.世論調査結果についてどう受け取っておられるのか答弁がありませんでしたので、再度お伺いします。

2.暫定税率撤廃や中期計画反対の世論調査結果から読み取れるのは、払った税金の使途が不透明、不公正であるという不信感を多くの国民が持っていることです。
 福田首相も中期計画について「新需要予測データ等を基礎に計画の期間を含め見直す」意向を示しました。今、県民の中で何が何でも道路をつくれという世論が多数を占めるとは思えません。そこで伺います。
県議会として政府に求めることは、特定財源の維持や確保ではなく、国民の不信感を払しょくする施策や制度を実現することだと考えますがいかがでしょうか。

2.「暫定税率を延長すること」を求めておられますが、そもそも暫定税率はオイルショックの74年に2年間の臨時措置として導入されたもので、これを08年度からさらに10年間延長することの妥当性は乏しいものです。必要というのであれば本則の税率に変えなければならないと思います。
そこでお伺いします。
暫定税率の延長はいつまでなのでしょうか。

3.千葉県財政は将来とも厳しい状況にあります。福祉、教育、医療分野も予算が不足しています。平成19年第34回世論調査の「県政への要望」でも1位から5位は災害安全、福祉、医療、教育、であり、県民の県政に対する世論調査をみても、「道路の整備」は15番目です。道路だけを特別扱いする余裕はないと思います。
そこで伺います。道路も一般財源の中で地域のニーズに応じてまかなえば何の支障もないと思いますが如何か。

4.道路以外の物に使うと「受益と負担」の原則を崩すという議論があります。
 しかし、クルマ利用に伴うクルマの社会的費用を適切に負担していない。
     ほとんどの国民がクルマに乗り、また乗らなくてもタクシーの利用などで間接的に負担している。
 などを考慮すると、国民全体が負担していると考えられます。
道路特定財源を一般財源化しても「受益と負担」を崩すものではないと考えるがいかがか。

5.道路は地域を活性化するというが、地方を疲弊する要因ともなっています。
道路計画においてきちんと事業評価が必要と考えるがいかがか。

・3回目
 19日に福田首相は「全額一般財源化も視野に」「中期計画の見直し」「予算の厳格化、透明化」を表明しました。
 また分権化することと、特定財源を求めることは相反することです。
 こうした点でこのタイミングでこの意見書を県議会として提出することは好ましくないと考えるがいかがか。

2008/3/25 火曜日

沖縄の怒りと日米地位協定17条、一事不再理

カテゴリー: 活動日記

 24日の「毎日新聞」朝刊によれば、23日激しい雨の中、約6000人が参加して沖縄県北谷町で開かれた「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」(実行委員会主催)で、実行委員長の玉寄哲永・県子ども会育成連絡協議会会長は「日米地位協定の抜本的改正に向けて頑張ろう」とあいさつ。東門美津子沖縄市長は「事件がおきてもなすすべを持たない政府に憤りを感じる」、翁長那覇市長は「日米安保のひずみを沖縄が負わせられ続けることに満身の怒りを感じる」と訴え、米軍に優位性がある日米地域協定(PDF)の抜本的見直しが訴えの中心となったという。2月北谷町で女子中学生に米海兵隊の兵士が暴行した事件で、被害者の告訴取り下げで米兵は不起訴処分となったが、沖縄の怒りは激しい。

 横須賀市のタクシー運転手殺害事件をめぐり22日、米軍が米海軍横須賀基地の米兵の身柄を確保したが、日米地位協定第17条では、容疑者が米兵の場合、米側が先に身柄を拘束すると起訴まで拘束することになっている。日本側の捜査は米側の協力次第である。95年の沖縄少女暴行事件以降でも、98年の沖縄米海兵隊員による女子高生ひき逃げ事件、02年沖縄海兵隊少佐による女性暴行未遂事件では、日本側が起訴前の身柄引き渡しを求めたが米側が拒否した。(23日「毎日新聞」)

 地位協定17条の見直しとともに、犯罪の根絶のためには今や1年間の国防費が100兆円まで飛躍的にはねあがった軍産複合体国家・米国の侵略軍隊、侵略基地を撤去するしか方策はないと思う。
 ところで、憲法学者の水島朝穂氏も指摘しているが、ロス銃撃事件の三浦和義氏の逮捕をめぐり日米の「一事不再理」の原則の適用の有無が焦点となっている。この結果次第では、米兵犯罪者や地位協定にも跳ね返ってくる問題である。

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(写真はクリックすると大きくなります)

2008/3/23 日曜日

沖縄に学び、歴史の批判に耐えうる千葉県づくりを~自治体外交権と文化行政

カテゴリー: 活動日記

 22日午後は、今年1月17日~20日に県ネット平和部会で視察した沖縄の報告会が開催された。意外にも?31名も参加者があり、私は「沖縄視察報告書」(全32頁)に沿って読谷村の概要と役場での意見交換内容を報告した。

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読谷村の日本国憲法第9条のモニュメントである「平和の炎」(上の段左)
様々な「不戦の宣言碑」  (写真はクリックすると大きくなります)
 
 読谷村と言えば97年まで6期村長を務めた山内徳信さん(現参議院議員)の憲法9条と99条(公務員の憲法遵守尊重義務)の話が有名だが、基地の共同利用(村役場やソフトボール場を基地内に建設)や返還の取り組みの柱となった「民間外交」、「文化外交(対等な立場での外交)」の話も印象的だ。憲法92条(地方自治の本旨)で市民自治、団体自治とともに自治体の外交権も考えさせられた。

 耳を貸さない日本政府や米軍を相手にしていては駄目だと1977年当時、村長だった山内さんが当時のカーター大統領に直訴状を送った。その根底には「自治体の持つ理想や主張を実践することが地方自治の本旨であり、民主主義をつくること」だとする考えがある。また米政府要人や夫人を文化施設(やむちんの里、歴史民族資料館、村立美術館)に案内し、相互の歴史や文化、風土を知り、相互理解を進めてきた。この「文化外交」で政治的な課題解決の糸口を見つけてきた。

 一方、21日閉会した県議会でも、PAC3配備などについて問われた堂本知事は「防衛問題に関する事項は国の専管事項である」とする答弁を繰り返した。ニューフィル千葉や博物館など文化行政では予算の削減が著しい。読谷村の対極に千葉県がある。

 視察報告書の最後を私は次の言葉で締めくくった。
「住民の生命財産を守り、平和で安全な生活が脅かされない生活環境を確保することは自治体の一番の使命である。その使命を自治体自ら『防衛は国の専管事項』として放棄することは許されない。沖縄に学び、歴史の批判に耐えうる千葉県づくりに向けて私たち一人ひとりに『憲法を日々行使する』ことが求められている」

2008/3/22 土曜日

「県都1時間構想」の幻

カテゴリー: 県議会

 昨日21日に08年度一般会計予算案など計85議案を可決し、2月定例県議会が閉会した。2月議会の常任委員会で、請願者が参考人として意見陳述する場を持てたことは小さな前進(申請者6人の内3人しか認められなかったことは今後の課題)だが、「わからない予算書」「水面下の交渉での決着」「政務調査費の全面公開」などは今後の課題として残った。
さて、最終日は議案に対する討論、質疑ができるので少数会派の出番となる。私は、意見書の「新型インフルエンザ対策」「道路特定財源の一般財源化」について討論し、自民・公明が提出した「道路特定財源の確保」を求める意見書について質疑をした。
19日に福田首相も「全額一般財源化も視野にいれて検討していく」ことを表明したが、千葉県では「県都1時間構想」が道路整備の柱にすえられている。21日の県議会の討論でこの「県都1時間構想」が「まぼろし」であることを主張したので以下に紹介する。

(3月21日県議会 発議案21号)

発議案21号についての賛成討論を行います。

千葉県において道路特定財源の堅持を求める柱に「県都1時間構想」に基づく高規格道路網の実現があります。
 この「県都1時間構想」に基づく高規格道路が他の施策よりも優先して建設される明確な根拠があるのかを問いたいと思います。
  
 17日の常任委員会の質疑でこの県都1時間構想の達成度と今後の見通しについて尋ねました。答弁によると、
① 未達成の割合は県土面積で33%、人口で28%
② 構想完成時期は不明、おそらく県全域で実現することは困難であること。
③ 今後必要な建設コストは計画が認可された道路についてはトータル千数百億円であること。
④ 地域振興や環境への効果について詳細には検討していないこと
⑤ 最新の交通センサスでの評価はこれからであること
というものでした。
 
県都1時間構想、それに基づく高規格道路網の妥当性について、
①将来の建設、維持管理などのコストの見通し
②地域振興を含めた費用便益分析B/C
③環境への影響
の3点について最新の知見をもとに県民の批判に耐えうる評価を行う必要があると考えます。

① まずコストの見通しですが、平成17年度の国土交通白書は、公共事業予算を現在のように国の管理主体分を3%ずつ削減し、地方分を5%ずつ削減すると国交省所管施設で2020年以降、道路を含む既存施設の維持管理・更新費すら賄えなくなるという推計をしています。千葉県も同様ではないでしょうか。増大する既存道路の維持管理費、生活道路の整備、安全対策は手を抜くことができません。維持管理・更新費すら賄えない状態で新たな高規格道路の整備が可能でしょうか。不足分を教育・医療・福祉の予算を削って行うのでしょうか。

② 次に費用便益分析です。最新のセンサスでの評価、走行時間短縮便益の算定手法についてそれらを見直して評価することは当然です。高規格道路の建設は地域振興につながるのではなく、その逆にストロー効果による人口流出で地域の活力を奪い、疲弊させる例は県内でも見受けられます。中心市街地の疲弊はその地域が育んできた文化の衰退でもあります。こうした道路による地域の衰退を予防するためにも、従来の道路そのものを独立して評価する費用便益手法ではなく、土地利用や誘発交通、公共交通機関など考慮した交通の総合的な評価や経済評価が不可欠です。

③ さらに環境への影響です。道路やネットワークをつくれば渋滞が解消すると考えるのは実は「非常識」と言えます。国土交通省の国土交通政策研究所の2005年の「経済成長と交通環境負荷に関する研究」によれば、2030年までの首都圏3環状、9放射道路に第二湾岸の整備を前提に評価した結果、1995年と2030年との比較で「誘発交通の発生により自動車交通需要が大幅に増加し、交通ネットワーク全体として総所要時間が上昇する。その結果、17%近くCO2排出量が増加する」としています。
以上の3点をみても、「地方の活性化のためには高規格道路の建設が不可欠」とは言える実態にはなくまたその評価も行われていないこと、また、財政で高規格道路をつくり続けることは非常に困難であることが予測されます。
 少なくとも、県都1時間構想をタテに福祉や医療、教育よりも優先して高規格道路をつくる根拠を見出すことはできません。県都1時間構想の実現を理由として道路特定財源の堅持を訴えるその明確な根拠はないと言えます。

 なお、最後になりますが、上乗せ分の税率の撤廃により、国立環境研究所は短期では800万トン、長期では2400万トンのCO2排出増となること試算しています。
また、道路以外のものに使うと、「受益と負担の関係を崩す」という議論もありますが、クルマ利用による大気汚染、健康・生命の安全を脅かすことに対する適切な「社会的費用を負担」しているとはいえない現状にあります。
暫定税率分廃止に伴い、地球温暖化防止の視点、クルマの社会的費用の適切な負担の視点から、環境政策のための目的税とする議論を国民の世論に負託して進めることが不可欠と考えます。
 以上で発議案21号に対する賛成討論をおわります。
 ご静聴ありがとうございました。   

2008/3/19 水曜日

わからない予算書~議員は本当に予算内容を審査してきたのか?! 

カテゴリー: 県議会

県議会は、12~14日の予算委員会も終わり、17日は午前10時から8つの常任委員会が一斉に開催された。私が属する県土整備常任委員会の主な議題は、①新年度の予算案、②八ツ場ダム計画の工期5年延長案、だった。

実は、予算書(概要書、予算に関する説明書、議案説明資料)を受け取り驚いた。どこを開いても事業の項目と予算額、前年度との比較がわかる程度のもので、これだけではとても県民から付託された審査などできるシロモノではない。職員からヒアリングしても不十分で、どうも職員は事業毎に詳細に作成した「個票」と呼ばれるものを持っているようだ。
さっそく議会事務局の調査課を通じて情報提供を求めたが、書類量が膨大などという口実でなかなか出てこない。

そこで、委員会で私は質疑のはじめに、予算の編成の手法と議員への情報提供について問うた。

Q.私は12月議会の最終日の討論で、シーリングベースではなく、一つ一つの事業をゼロベースにして予算を組んだらどうか、という提言をした。この予算を見ると7%カットベースのシーリングで、国の補助金、交付金事業にあてはめながらつくられたという印象があるが、そういう組み立て方をしたのか?

Q.受領した予算書では、各事業の内容を理解したり、最少のコストで最大の効果のある予算が組まれているのかを読み取ることは不可能だ。予算編成の基礎データの提供を強く求める。

Q.各課が財政課に予算要求する段階から広く県民に公開することを検討すべきだ。

 情報提供と公開については、いずれもそれほど否定的な回答ではなかったが、議会のスタンスとしてきちんと請求してこなかったことこそ問われるべきだ。

●「トップは予算責任を明確にし、職員機構を補助補佐機構に純化する」

 2年前の2006年秋に、千葉市の徴税事務の不正を直接請求などで追及した「千葉市・納税者市民の会」の集会で、「市政改革への基本視点と展望」のテーマで講演した千葉大学法経学部の新藤宗幸さんは、予算書、編成のあり方、議会の役割などについて話をされた。その一部を紹介する。

・誰でもわかる予算書を 予算書を読める議員はいない

「予算書のことですが、正直言って予算書を読める議員はいません。今の予算書は地方自治法施行令で様式が決まっています。様式は施行令を改めなければ改めることはできませんが、少なくとも中学生でも読めるもう一つの予算書をつくることはいずれの法律も禁止してはいません。たとえば歳出面においても予算書をながめても計画道路の範囲や構造を読み取ることは不可能です。また学校給食など一食当たりがいくらなのかということなどもわからない、今の予算書を前提に要求しても明らかになりません。」

「要するに、政府の会計と家庭の家計の違いですが、歳出予算は何かに100万ついていたら100万まで使える権限を与えています。一方、歳入は見込み額です。だから見かけを良くしようと思えば税収を高めに見込んでおいて、年度途中になったら歳入が少ないことを理由に借金することも可能になります。誰でもわかる予算書をつくらせることによって、歳出の権限を与えていいのかどうか、歳入額(見積額)は妥当なのか、その根拠は何のかということを明確にさせる必要があります。」

・補助金による霞ヶ関の集権体制と地方分権一括法

「日本のすべての補助金について霞ヶ関の精巧な集権体制ができあがっています。我々市民のコントロールがまったくきかない政治や行政の意思決定の仕組みを明治近代130年の間につくってきたということです。」

「2000年4月の地方分権一括法の施行で、各省大臣の千葉市における下級機関という性格を払しょくしました。つまり昭和22年から続いてきた機関委任事務制度がなくなりました。この制度は、個別の仕事毎に法律あるいは政令で知事、市長、村長等を各省大臣の地方機関と位置づけて仕事を行なわせる処理方式のことです。」

「確かに建前上は千葉市長は政治的代表機関だったが制度上ではそうではなかったということです。私たちが地方自治や自治体の政治を考える時に、きわめて基礎的な話ですが、市長、県知事は何よりも市民の政治的代表機関なんだということ、制度的にもやっとのことで保障されたんだということを大前提にしておくことが必要です。その上で、首長がすべきことは、まさにそのことを前提にして予算責任を発揮することです。」

・一般財源化とトップのリーダーシップ

「職員たちは補助金があるから補助金を使わなければ損だという発想で市長や知事に進言する、議会のほうもなぜ補助金を使わないのかという話になる、最近でいうと学校の耐震工事やアスベスト工事はその典型です。補助金があるから使わなければ損、ないものについては発想が無いということで、これを多くの首長も受けてきて結構承認してしまうのです。そのことが職員の側からみるとそれによって組織が守られているんです。たとえば児童福祉課は、厚労省の補助金を使うことによって児童福祉課はなくならない。すべての国庫補助負担金約22兆円を一般財源化すれば、一番困るのは所管別の課です。」

「今、補助金を使うにしても全体的な政策の体系をまずリーダーシップを発揮して示して、なぜ使うのかを明らかにしていこうということです。鳥取の片山さんがやりだしたことは各課とのやりとりを全部公開していること、全面的にいつでも見たい人は予算査定のやりとりを見れる、このことで、予算責任を明確にし、職員機構を補助補佐機構に純化することが可能になります。」 

 

2008/3/11 火曜日

不明朗な県議31名の選挙カーの燃料代 ~上限額66150円に対し、川本の選挙カーは19702円

カテゴリー: 県議会

 8日の朝日、11日の毎日新聞は、昨年4月の県議選当選者95人の内、自民23、民主7、公明1の計31名(後日、訂正した5名を含む)が選挙公費負担のガソリン代上限額66150円(1日あたり7350円で9日間、但し選挙カー1台に限る)か上限に近い金額を申請したことを報じ、「政治とカネ」に対する議員の認識の甘さを問うている。
 私のガソリン代は19702円で上限額の3割である。毎日目一杯、広い緑区内を走り回った結果だ。その感覚からするとどう走れば上限額になるのか首をひねらざるを得ない。
 66000円を申請した公明県議の場合、選挙カーは小型乗用車であり、燃費1㍑あたり7㌔とすると毎日388㌔を走った計算になるという。1日10時間走るとして時間39㌔となるが、これでは車の速度が速すぎて街宣する意味がない。行政の税金の使途を厳しく監視する立場にある議員がこれでは、「おねだり=陳情」議会になるのも当然だ。

● H20年度舗装道路修繕、交通安全対策、橋梁補修事業の当初予算 

 道路財源問題が焦点となっているが、高規格道路の建設に重点がおかれ、既存道路や橋梁の改善、安全対策はそのしわ寄せをうけてきた。
 H20年度当初予算と各地域整備センターからの要望(カッコ内)の比較は以下の通りである。

・舗装道路修繕事業
    予算額        41億円(58億円)  
    予定箇所   302箇所(499箇所)
    予定延長    78.9km(125km)
・交通安全対策事業
    予算額        65億円(85億円)
    歩道等整備  101箇所(254箇所)
    交差点改良    39箇所(63箇所)
    道路案内標識      71基(135基)
    道路照明灯      188基(331基)
・橋梁修繕事業
    予算額         12億円(27億円)
    予定箇所       45箇所(117箇所

2008/3/9 日曜日

堂本知事 パフォーマンスだけのイベントはやめて失われた7年を取り戻すための実践を~G20ちば2008記念国際フォーラムを傍聴して

カテゴリー: 活動日記

 9日は、幕張メッセで開かれた県主催の国際シンポ「地球温暖化と生物多様性fromちば」を1日傍聴する。 
 印象に残ったのは、堂本知事と井戸敏三兵庫県知事の対談で、井戸知事が話した兵庫県の環境政策だ。
①温暖化防止は1990年と比較して2004年で0.1%減、2010年は11.8%減で目標を達成できる見通し。70%の排出量を占める産業部門とりわけ大規模事業者に排出量削減を強く求めた。
②瀬戸内海の水質改善のため、生活排水処理99%大作戦の結果、現在96%の公共下水道普及率にある。
③風力発電については、騒音や景観の問題や鳥類への影響もあるので「風力発電所環境配慮暫定指導指針」(PDF)を策定した。
④「コウノトリ野生復帰推進計画」を進める中で有機・減農薬米「コウノトリ米」に一般の米の1.6倍の価格がついている。

 話を聴いていて、どうも兵庫県の環境政策(博物館政策も)の方が千葉より進んでいるように感じる。
 シンポでは、いったい誰がどういう政策が千葉県の環境を破壊し、温暖化ストップに抵抗してきたのか、そういう肝心の議論がない。森林率31%、土砂採取事業、産廃処分場・残土処分場事業の推進、高規格道路ネットワークの「県都1時間構想」などは話題にものぼらない。
 
 シンポの最後に宣言文が採択された。
「私たちは人間の健康を害し、一次産業にも被害をもたらし、生物多様性を劣化させる原因になることが懸念されている化学物質や遺伝子組換え生物の利用、及び廃棄物の処分等において、適正な予防原則を適用し、管理体制の強化に協力していきます」
「私たちは、温暖化を防止し、生物多様性を保全・再生していくために、人間の多様性を認めることを基本に、地域の多様性や文化の多様性にも配慮していきます」

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 堂本知事!もうパフォーマンスだけのイベントはやめて、失われた7年を取り戻すためにこの宣言内容の実現に向けて具体的な仕組みをつくり現場で実践する時期ではないでしょうか?

2008/3/8 土曜日

産廃処分場計画を中止させた現場で市民の力で植樹祭開催~緑区小山町

カテゴリー: 県議会

 8日午前は、緑区小山町観音地の植樹祭(主催:千葉市板倉大椎土地改良区、共催:緑の環・協議会)に参加した。土地改良区の方が冒頭あいさつで「平成18年9月、水源涵養の為の緊急措置として産廃業者と競り合い落札した。地元の自然観察の関心が高く、無残な姿にある土地に植樹をして森林を復元したい」と語った。
  
   このイベントはG20のサイトイベントで、県、千葉市、ちば生物多様性県民会議、里山シンポ実行委員会が後援、苗や堆肥の提供、観察指導員派遣などの支援を受け、100名近い方が参加した。全国最低水準の森林率31%で、広大な土砂採取場を抱える県にとって森林復元は大きな課題である。しかし、地球温暖化防止や生物多様性などのキャンペーンや啓蒙活動には熱心だが、肝心の現場における森林復元の予算は数百万円規模でしかない。
 
    7日の県議会本会議で、森林の間伐事業予算との関係でこうしたキャンペーンや啓蒙活動の実効性を問われた堂本知事は、県の予算編成は縦割りであり細かいことまで知事は関与していないという驚くべき答弁をした。これでは知事は予算指揮権を放棄していると言われても仕方が無い。

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 dscf0133.jpg 緑区小山町の植樹祭の模様と周辺の谷津


● 県こども病院20周年記念講演
  
 8日午後は、千葉市内で開催された千葉県こども病院開設20周年記念講演会を傍聴する。クリニクラン(臨床道化師)の塚原成幸さん「すべての子供にこども時間を」、チャイルド・ライフ・スペシャリストの藤井あけみさん「こどもが主役の医療を求めて」を聴く。

「こどもの心を守る-気持ちはすべて尊重されるべき
          感情はすべて許される、行動は制限される
          怖い、いやだ、嫌いを大切に
          気持ちを否定すること=こども自身を否定すること
          否定的感情の時のこどもこそ100%受容する」
 子ども医療の現場だけでなく、学校現場、大人の世界にも共通するものだと思う。

 講演会の冒頭、子ども病院長が冒頭挨拶で紹介した「千葉県子ども病院の開設目的」の中の「千葉県こども病院の基本理念」に感心する。
-「私達は、県立の小児医療施設職員としての自覚を持ち、「児童の権利に関する条約」の基本理念のもと、すべてのこどもの基本的人権を擁護し、すべてのこどもが私達に実現可能な最高水準の医療と保健サービスを受けられるように日々努力し、未来あるこども達の心身の健全な育成をめざします」

 そうであれば、今後の20年を見据えて小児医療を取り巻く現状、医師不足が招く医療崩壊の現場、厚生労働行政の失政と県の医療行政の未来についても語り合うべきではなかったか。

2008/3/6 木曜日

木更津の談合事件から 

カテゴリー: 県議会

 県君津地域整備センター(木更津市)発注の「住宅市街地基盤整備工事」談合事件で、仕切り役に対して落札業者が「談合金(降ろし賃)」を払う独自のルールがあることが判明し、談合金は落札額の5%が相場で、毎回数百万円が支払われていたという。仕切り役は「議長」と呼ばれ、「予定価格事前公表」を悪用し、談合を調整したと報道されている。幹部が逮捕された「新興土建」「興和建設」が、談合があったとされる06年度に参加した県発注事業の73件の指名入札のうち、参加企業は計57社あったが、41社は1件も落札せず、新興が30件(計10億3600万円、平均落札率98.73%)、興和が7件(2億5000万円、同98.83%)落札した。県平均の落札率と比べ約4%高い。新興の07年度売上額の21億円の9割が官公庁発注事業、興和は約9億円の5割が官公庁発注。(毎日新聞2月26日~28日)
 
 06年度の君津地域整備センターの契約件数・契約金額は以下の通りである。
 平均では変更で当初契約から2%程度アップしているから、結果的には落札率は100%の可能性もある。君津の談合事件では最終の契約額も把握する必要があるのではないか。

             件数   当初契約金額   現在契約金額
 君津地域整備センター  113   1,844,789,520   1,882,337,520
 同 君津整備事務所      18    329,721,000    362,713,050
 同 木更津港湾事務所   34    858,637,500    870,317,700
    計                 165   3,033,148,020   3,115,368,270

● 千葉県の建設工事の落札率
         件数    落札率   予定金額     落札額
・06年度     
  一般競争    40    79.2%  27,287,328千円  21,603,803千円
  公募型指名  47    81.0%   8,416,783         6,813,602
  指名競争  3678    94.7%  78,042,349       73,924,406
  計         3765    90.0%  113,746,460      102,341,811 
・07年度
  一般競争    41    86.1%   13,612,835     11,723,851
  公募型指名  33    90.0%    5,642,145       1,075,760
  指名競争  3071    93.9%  69,958,214    65,696,053
  計         3145    92.4%  89,213,194    82,495,664

 指名競争入札には2つの問題がある。一つは入札資格業者に選ばれるために、政治家を介して資格業者にリストアップしてもらう、そこに政治と金の不明朗な関係が生まれること、もう一つは入札業者間の談合が生じることである。これに加えて最近続発しているのが官製談合事件である。(「新版 行政ってなんだろう」新藤宗幸著、岩波ジュニア新書) 
 一般競争入札を大幅に拡大(5千万円→1千万円)すれば数十億の建設工事の減額となると思われる。

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