第160回県都市計画審議会で「つくばエクスプレス沿線開発」に異論続出~都市計画決定への住民参加のルールづくりが不可欠、「機能不全」の県都市計画審議会改革を
30日午後は第160回県都市計画審議会が開催された。午前中は、議案の一つの五井駅前東地区の区画整理事業(50㌶、96億円、計画人口900人、事業期間H19年度~25年度)の計画地とその周辺を歩いた。
計画地は「駅前」を名乗るものの五井駅東口から歩いて7~8分のところにある農業振興地域だった広大な水田を埋め立てるもので、大規模な駐車場を備える年間1300万人の集客を見込むイトーヨーカドーを核とした「郊外型大規模開発」に他ならない。一方、東口周辺は空き地、駐車場が目立ち、まちづくりが途中で停止している印象だ。西口側でも区画整理事業が行われているが、イトーヨーカドー周辺を除き古くからの商店街も含め活気が感じられない。その西口側にあるイトーヨーカドーも今回の事業で閉店することは目に見えている。競争原理一辺倒で蘇我やおゆみ野など近隣に郊外型の大規模商業施設ができているがその影響も感じられる。地元の商工会議所も今回の事業計画について異を唱えたという。市原市の財政負担も大きいにもかかわらず市長が推進に熱心なようだ。
人口減少、地球温暖化防止(車依存の見直し)、高齢化、地域経済の将来の見通しの中で、「まちづくりビジョン」をどう描くかが問われているにもかかわらず、「近隣住区」への配慮すら感じられない開発だ。
午後の都市計画審議会の場で、これらを問いただした上で、私は、今回の当計画地域の用途地域の変更(第1種低層住居専用地域→近隣商業地域・第2種住居地域など)の議案に以下の理由を述べて反対した。
① 各地で中心市街地の衰退を加速させた郊外型の大型店計画に他ならず、06年都市計画法改正で目指す「まちなか重視のコンパクトシティ」の概念に反する。
② 西口、東口、計画地の3区域の一体的整備というが、それを保障する具体的な計画もなく、計画事業により西側中心市街地の疲弊をもたらすことは明らかである。
③ 大型店立地地域を「近隣商業地域」(近隣の住宅地、その住民に供する日用品を扱う商業の用途)に指定するのはミスマッチである。
④ 蘇我、おゆみ野などにある大型店と競合するもので、事業の将来性にも疑問が持たれる。
本議案審議後、隣席の鶴岡千葉市長が「県都市計画審議会の審議を聞いていていつも感じるが、地元市の意向が尊重されないのは問題である」旨の発言をして退席した。昨年度4回開催された県の都市計画審議会をすべて欠席した鶴岡市長がそういうのもおかしいが、多額の税金を投入するにも関わらず、この程度の質疑に言論による説得力ある応答ができないことが問題だ。まちづくりの哲学の欠如と民主主義の形骸化に気づいてもよさそうなものだ。
● 県都市計画審議会事務局が、住民からの口頭意見の申し出を拒否
今回の都市計画審議会では、つくばエクスプレス沿線整備の2事業(木地区、新市街地地区)の用途地域変更、同じく柏北部東地区の事業計画変更も議題となった。
私は、7月14日の視察(ブログ)を踏まえて意見を述べた。その結果、6名もの委員が柏北部東地区の事業計画変更に対する住民意見書の採択を求めた(結果は不採択)。
一方、都市再生機構(UR)が事業者の柏北部東地区事業について、一人の住民から県都市計画審議会の場で口頭意見の申し出があった。しかし、県の都市計画審議会事務局がそれを拒否したことから、私は以下の理由を挙げて異を唱えた。
①「住民から出された意見書について都市計画審議会の意見を聞く場」として審議会がある以上、審議内容を充実させる立場から口頭意見陳述の場を設けるのは当然だ。
②土地区画整理法、行政不服審査法などによっても、受け付けないという規定も申し出の期限の規定もない。
③県都市計画審議会条例第9条には、「この条例に定めるもののほか、審議会及び常任委員会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会にはかって定める」とあり、事務局が結論を出すことはこの規定に反する行為である。
結局、会長より県事務局に対して口頭意見陳述に対する対応を整理することとなった。URがらみの区画整理事業が多数ある中、平成25年には開発事業からの撤退を中期計画に掲げていることから、今後事業計画変更(中止・縮小など)の審査が増えることが予想される。
1999年に地方分権一括法で都市計画法が改正され、都市計画が自治体の自治事務となった。市民、企業、NPOにも提案権のある都市計画提案制度もでき、都市計画法17条の2を活用することで、自治体で都市計画決定のプロセスを見直すことも可能となった。
今回の機会を都市計画決定への住民参加のルールづくりのきっかけとしたいものだ。議員提案ができればと思う。