2008/7/31 木曜日

第160回県都市計画審議会で「つくばエクスプレス沿線開発」に異論続出~都市計画決定への住民参加のルールづくりが不可欠、「機能不全」の県都市計画審議会改革を

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 30日午後は第160回県都市計画審議会が開催された。午前中は、議案の一つの五井駅前東地区の区画整理事業(50㌶、96億円、計画人口900人、事業期間H19年度~25年度)の計画地とその周辺を歩いた。

計画地は「駅前」を名乗るものの五井駅東口から歩いて7~8分のところにある農業振興地域だった広大な水田を埋め立てるもので、大規模な駐車場を備える年間1300万人の集客を見込むイトーヨーカドーを核とした「郊外型大規模開発」に他ならない。一方、東口周辺は空き地、駐車場が目立ち、まちづくりが途中で停止している印象だ。西口側でも区画整理事業が行われているが、イトーヨーカドー周辺を除き古くからの商店街も含め活気が感じられない。その西口側にあるイトーヨーカドーも今回の事業で閉店することは目に見えている。競争原理一辺倒で蘇我やおゆみ野など近隣に郊外型の大規模商業施設ができているがその影響も感じられる。地元の商工会議所も今回の事業計画について異を唱えたという。市原市の財政負担も大きいにもかかわらず市長が推進に熱心なようだ。
人口減少、地球温暖化防止(車依存の見直し)、高齢化、地域経済の将来の見通しの中で、「まちづくりビジョン」をどう描くかが問われているにもかかわらず、「近隣住区」への配慮すら感じられない開発だ。

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五井駅前東地区開発事業計画地と周辺

午後の都市計画審議会の場で、これらを問いただした上で、私は、今回の当計画地域の用途地域の変更(第1種低層住居専用地域→近隣商業地域・第2種住居地域など)の議案に以下の理由を述べて反対した。
① 各地で中心市街地の衰退を加速させた郊外型の大型店計画に他ならず、06年都市計画法改正で目指す「まちなか重視のコンパクトシティ」の概念に反する。
② 西口、東口、計画地の3区域の一体的整備というが、それを保障する具体的な計画もなく、計画事業により西側中心市街地の疲弊をもたらすことは明らかである。
③ 大型店立地地域を「近隣商業地域」(近隣の住宅地、その住民に供する日用品を扱う商業の用途)に指定するのはミスマッチである。
④ 蘇我、おゆみ野などにある大型店と競合するもので、事業の将来性にも疑問が持たれる。

本議案審議後、隣席の鶴岡千葉市長が「県都市計画審議会の審議を聞いていていつも感じるが、地元市の意向が尊重されないのは問題である」旨の発言をして退席した。昨年度4回開催された県の都市計画審議会をすべて欠席した鶴岡市長がそういうのもおかしいが、多額の税金を投入するにも関わらず、この程度の質疑に言論による説得力ある応答ができないことが問題だ。まちづくりの哲学の欠如と民主主義の形骸化に気づいてもよさそうなものだ。

● 県都市計画審議会事務局が、住民からの口頭意見の申し出を拒否

今回の都市計画審議会では、つくばエクスプレス沿線整備の2事業(木地区、新市街地地区)の用途地域変更、同じく柏北部東地区の事業計画変更も議題となった。
私は、7月14日の視察(ブログ)を踏まえて意見を述べた。その結果、6名もの委員が柏北部東地区の事業計画変更に対する住民意見書の採択を求めた(結果は不採択)。

一方、都市再生機構(UR)が事業者の柏北部東地区事業について、一人の住民から県都市計画審議会の場で口頭意見の申し出があった。しかし、県の都市計画審議会事務局がそれを拒否したことから、私は以下の理由を挙げて異を唱えた。
①「住民から出された意見書について都市計画審議会の意見を聞く場」として審議会がある以上、審議内容を充実させる立場から口頭意見陳述の場を設けるのは当然だ。
②土地区画整理法、行政不服審査法などによっても、受け付けないという規定も申し出の期限の規定もない。
③県都市計画審議会条例第9条には、「この条例に定めるもののほか、審議会及び常任委員会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会にはかって定める」とあり、事務局が結論を出すことはこの規定に反する行為である。

結局、会長より県事務局に対して口頭意見陳述に対する対応を整理することとなった。URがらみの区画整理事業が多数ある中、平成25年には開発事業からの撤退を中期計画に掲げていることから、今後事業計画変更(中止・縮小など)の審査が増えることが予想される。
1999年に地方分権一括法で都市計画法が改正され、都市計画が自治体の自治事務となった。市民、企業、NPOにも提案権のある都市計画提案制度もでき、都市計画法17条の2を活用することで、自治体で都市計画決定のプロセスを見直すことも可能となった。
今回の機会を都市計画決定への住民参加のルールづくりのきっかけとしたいものだ。議員提案ができればと思う。

2008/7/29 火曜日

千葉県こども病院視察~今後の課題は、周産期医療展開のための施設整備と産科部門の配備、研修医の研究環境の充実など

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 28日朝は、JR鎌取駅前で6月県議会速報の配布を、福谷章子市議、市民ネットみどりの方々とともに行う。都市再生機構(UR)による広大な土地区画整理事業が行われた地域なのでマイクではURがニュータウン開発事業から撤退する「平成25年問題」、そして24日午前に会派で視察した鎌取駅近くにある「千葉県こども病院」の一層の機能充実を訴えた。

千葉県こども病院(千葉市緑区、敷地約4㌶、建設費112億円、病院延べ床面積19千㎡、病床数203床、内科系12科、外科系10科)は1988年開院というから今年で丸20年になる。24日は、伊達裕昭院長より病院の概要説明を受け、質疑応答後、院内を案内いただいた。今年度からチャイルドライフスペシャリスト職を県内ではじめて導入している。また隣接する県千葉リハビリテーションセンターとの連携・交流も頻繁に行われているようだ。

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千葉県の小児医療資源は人口10万対8.7人(全国平均11.5)、小児人口1万対6.4人(東京11.7)だが、乳児死亡率:出生1000対2.7(全国平均2.8)、周産期死亡率:出生1000対4.7(全国平均5.0)というから、医療従事者の努力で補っているようだ。子ども病院は、県内全域の小児三次救急と山武・長生・夷隅など県東部の二次救急医療の補完機能と、小児医療の中枢機関として調査研究と小児医療従事者の育成を目的とする。
昨年度は麻酔医不足で手術件数、入院患者数が平成18年度と比べて1割程度減少したという。(今年度は補充済み)
今後の病院の課題として、周産期医療展開のための施設整備と産科部門の配備、研修医の研究環境の充実などが指摘された。

明確な根拠のない「「県都1時間構想」により1kmあたりの事業費50億円~100億円の不要不急の高規格道路事業が計画建設され、それが今の財政危機の大きな要因となっている。それでも自民党議員からの「道路つくれ」の多数の「おねだり」が毎議会繰り広げられてきた。
千葉県の年間の道路事業費は1200億円(内700億円は借金返済など)だ。大規模道路事業計画などまずすべて一時中断して、今後、10年間は医療、福祉、教育、文化にまわすべきだと思う。また県立病院の統廃合計画を一旦完全に破棄すること、自治体財政健全化法の連結実質赤字比率等の連結指標の対象から病院事業を外すことも必要だろう。

今月18日に、福岡で全国市民政治ネットワークの全国集会が開催された折、北九州市の総合療育センターを視察し、8月後半には北海道子ども総合医療・療育センター視察を会派で計画している。
県こども病院の一層の機能充実は私の選挙公約でもあるので、さまざまな角度から取り組んでいきたいと思う。

2008/7/26 土曜日

「孫子の兵法とガンジーの教えに学び、闘わずして闘いに勝つことを考えた。私たち弱いものの武器は言葉だ」~25日、参議院議員・元読谷村長 山内徳信さん講演

カテゴリー: 活動日記

 24日から7月11日閉会した6月定例県議会報告の駅頭活動が始まった。24日朝は土気駅、25日は誉田駅で、「川本幸立のまちづくり通信」第11号を配布しながら通勤通学の人々にマイクで訴える。憲法(国民主権、92条・地方自治の本旨、99条・憲法遵守義務)に無知で使命を間違えた議員が多数を占める県議会の「愚かな実態」が話の中心だが、今全国で話題となっている「教員採用疑惑」をめぐり県教委からヒアリングした内容も話す。

この教員採用問題について「週刊金曜日」7月25日号で、「教育工場の子どもたち」の著者、鎌田慧さんの「全国に疑惑が広がるコネ採用の背景には、教育委員会の日教組対策があった。コネ採用なら過激な組合活動に走らないように人質にできる。日教組は弱体化したが、コネ採用の慣習は構造化、利権化した」という言葉が紹介されている。かつて千葉県は愛知県とともに「管理教育」で全国に名を知られた。今後の展開を注視したい。

● 山内徳信さん講演「なせばなる地方自治改革」から

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25日夜は船橋市内で、参議院議員で元沖縄県読谷村長の山内徳信さんの講演「地方自治の活性化は憲法を実践すること」(主催:市民ネットワーク千葉県)を聞く。
山内さんは16年間の高校教師を経て1974年当時村の4分の3を米軍基地が占める読谷村の村長となり以後1998年まで6期24年間務めた。村長時代、米軍基地のど真ん中に村庁舎や陸上競技場、国体のソフトボール会場などを米政府と直接交渉(カーター大統領に直訴状を送るなど)などにより実現させ、現在では基地の比率は36%(1261㌶)に減少している。
今年1月、沖縄県を視察した折、読谷村庁舎を訪問したが、この米軍基地返還の取り組みの根底に憲法92条の「地方自治の本旨」に基づく「自治体外交」と「文化行政」があることを知った。

印象に残った山内さんの言葉を以下に記す。
「日本国民は怒る勇気すら失ったのではないか。沖縄ではものを言わない県民市民は滅ぶといわれている。憲法が国民に要請する基本権を守るための「不断の努力」は国民の「抵抗権」を規定したものだ」
「地方自治法では自治体の行動を制限してはいない。何でもできる。国、県、市町村の間に上下関係はない。あるのは役割分担だけだ。ある国の官僚が市町村行政を「末端行政」と呼んだので、私は「先端行政」と呼ぶよう求めた」
「「ねじれ国会」は権力者が使う言葉。なわはねじれて正常になる。年金問題、医療問題、日米地位協定などクローズアップされたのは与野党逆転の「ねじれ国会」のおかげだ」
「読谷村の3.5万人が一致して闘ったら、世界一強い米国も(基地返還・使用で)言うことを聞かざるを得なかった」
「軍隊は国・政府を守るものであり、国民を守るものではない」
「日米政府を相手に闘うときは、既成概念を乗り越える闘いが必要だ。官僚には知識があるかも知れないが知恵はない。孫子の兵法とガンジーの教えに学び、闘わずして闘いに勝つことを考えた。私たち弱いものの武器は言葉であり、知恵を働かせ理論武装をした。」
「政治には国境はあるが文化には国境はない」
「無防備都市宣言の取り組みは平和憲法に合致した取り組みだ。」

昨年9月千葉県議会で、PAC3配備について「習志野基地への配備中止を要求すべきでは?」と問われた堂本知事は「防衛問題に関する事項は、国の専管事項である」と答弁した。また文化の面では「房総文化憲章」がありながらも行政改革の名で博物館をはじめ文化行政は縮小の一途にある。地方自治の本旨(92条、市民自治+団体自治+自治体外交権)に則った自治体運営への根本的転換が強く求められる。

2008/7/23 水曜日

これでは時間と人件費が無駄 政策評価は県民、NPOと進めるべし ~平成20年度第1回千葉県政策評価委員会を傍聴して

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 22日「毎日」朝刊の「みんなの広場」には、「教員採用汚職 私は驚かない」とのタイトルで大分の主婦の投書が掲載されている。「よく聞いた話が顕在化しただけだ」「進学希望の公立大学の教授から『50万で入れてあげられる』と言われたことがあった」とある。午後、教員採用の実態について小宮清子、大野博美両県議とともに県教委からヒアリングする。

22日午前は、県庁内で開かれた「平成20年度第1回千葉県政策評価委員会」を傍聴する。
途中で顔を出した堂本知事が挨拶で「これからの評価は量ではなく質の時代」と話した。
政策評価も5年目に入り、今後は「課の基本施策評価」を基本に、事後評価に重点を置いて職員の負担軽減と簡易化の方向に進むそうだ。
もっとも、森田委員長が発言したように、課の自己評価は課の必要性を前提とし、施策そのものの存在意義の見直しには目が向かない。上位の目的との照合、代替案との比較などがおろそかとなる。

今日の委員会を傍聴して感じることだが、委員たちが各分野の専門知識もなく政策評価手法のみの視点で、個別の事業の評価をすることに無理を感じる。表層的なチェックしかできない。
農林水産部の施策展開の柱「農業における環境対策の推進」で設定された検証の上位指標が「有害鳥獣による被害金額」、中間指標が「農業用廃プラスチックの処理量」とあることがおかしいことは誰でも指摘できるが、では何がいいのか提案などできない。
少し関心のある市民やNPOであれば、たとえば上位指標に「生物多様性の保全」を、中間指標に「有機農業の推進」「農薬散布の中止、減農薬」「遺伝子組換え作物指針の制定」などを提案するだろう。

県が進める政策評価の欠点は、評価基準の選定や政策評価を県民、NPOと進める視点が決定的に欠如していることだ。当事者の視点を欠いた職員が実施する評価を県民が信頼するはずはないし、「県都1時間構想」を根拠とする高規格道路建設、ムダな八ツ場ダムのような公共事業、各地の区画整理事業などの抜本的な見直しはとても期待できない。
公共事業は事前評価に重点を置くべきだし、中間評価、事後評価は県民参加でやればよい。
今のような政策評価は時間と人件費の無駄ではないだろうか。

2008/7/17 木曜日

千葉県でも深刻化する「都市再生機構・平成25年問題」つくばエクスプレス開発事業は都市計画法の基本理念に反するのではないか?!

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 「破綻必至の巨大開発」の現場として、常磐新線沿線開発予定地を見学したのは01年4月だった。その折の報告は千葉県自然保護連合事務局がまとめ、HPで公開している。

7月14日、県議会会派「市民ネット、社民、無所属」の視察で、このつくば沿線地区開発の現場を7年ぶりに訪ねた。7月30日に開催される第160回千葉県都市計画審議会で「流山都市計画用途地域の変更」「柏都市計画事業柏北部地東地区事業の変更」の2つの議案されることも視察の理由だ。

朝10時に南流山駅近くの千葉県流山区画整理事務所に集合し、午後5時まで、県施行の木地区(68㌶、施行期間H10~26、計画人口6800人、総事業費298億円、19年度事業費進捗率35.2%)、運動公園周辺地区(232㌶、H10~22、21400人、742億円、22.7%)、柏北部中央地区(273㌶、H12~22、26000人、963億円、22.3%)、都市再生機構(UR)施行の新市街地地区(286㌶、H11~30、28600人、1020億円、39.8%)、柏北部東地区(170㌶、H12~28、17000人、620億円、39.1%)をまわった。

県施行の運動公園周辺地区は、施行期間を平成34年まで延期し、保留地処分金も2万円/㎡程度値下げする見通しとのこと。調整池を仕様変更して保留地面積を増やしカバーするそうで、建物移転の進捗率は16%という。
H25年にはニュータウン事業からの撤退を表明しているURだが、担当者に聞くと平成15年には換地処分を終わらせるという。現況の事業の遅れと、地権者の強い反対の意思を考えると誰が考えても終わるハズがない。流山市、柏市の要請でURが事業をはじめたという説明を受ける。

ちょうど7月12日夜都内で開かれたシンポジウム「都市再生機構・「平成25年問題」を環上げる~機構施行のニュータウン区画整理はどこへ行く?」(主催:NPO法人区画整理・再開発対策全国連絡会議)に参加した。大都市圏でURがニュータウン整備中の事業は48地区、施行面積は9908㌶といい、千葉県内には10地区ある。
URが撤退を表明した大阪茨木市・彩都東部(367㌶)事業についても報告され、「平成25年問題」の先駆けをなすものと指摘された。スライドでは100円ショップですら撤退した大阪モノレール彩都西駅前の閑散とした様子が映し出された。

dscf0168b.jpg 7月12日のシンポジウム
都市再生機構・平成25年問題を考える
視察終了後、柏北部東地区事業の全面的見直しと大室字正連寺前地域の区画からの除外を求めて17年間反対運動してきた大室地区の住民の方々の声を聞いた。
30日の都計審の議案では、産廃処分場跡地の公園用地化、集合農地区計画の取りやめが提案されるが、これらは住民の方々が最初から指摘してきたことで、集合農地区計画はそもそも農業、農家への配慮も無く、土が生きていることすら知らない愚策だと厳しく批判された。

都市計画法第1条では都市計画は「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的」とするとされ、第2条では「農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする」とある。

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今回の視察の感想を以下に記す。
① つくばエクスプレス開発事業はこの都市計画法第2条の基本理念に合致するものではない。
② 10年を超える事業期間は、財産の維持管理更新、世代の交代などの点で住民の生活、生涯計画の面で、長すぎる。
③ URのH25年問題への対応を、自治体としてしっかり検討する時期である。下手をするとそのツケを自治体が負うことになりかねない。
④ 今後の人口減少社会、二極化、中間層の貧困化、地方財政を考慮すれば、抜本的な
見直しは不可避である。そうであれば見直しははやければ早いほど良い。地域コミュニティを破壊して進められてきた事業であれば、それらを修復する仕組みもあわせて配慮されねばならない

2008/7/16 水曜日

今日の漁業者の姿は明日の私たちの姿だ~グローバル経済の課題と向き合わなかったG8洞爺湖サミット

カテゴリー: 活動日記

 15日、燃油高で「赤字操業か廃業か」の危機にある全国の漁船20万隻が政府に緊急措置を求めて一斉休魚した。今朝の「毎日」朝刊は、銚子の底引き漁船の船主の「昨年は約1億2000万円の水揚げがあり2~3割の利益が出たが、今年は利益は出ないかも」という話を紹介している。
16日朝の「とけ・九条の会」の土気駅頭では、「燃油高騰 漁業補填しぶり、アフガン給油「支援」には600億円」を小見出しとする「会報21号」を通勤・通学の方々にマイクで訴えながら約400部配布する。

9日に終わったG8洞爺湖サミット(主要国首脳会議)では、温暖化問題とともに原油、食料の高騰、投機資金への実効性ある対応が期待された。しかし、温暖化問題では先進国のリーダーシップも問われず2020年の中期目標も設定されず、チェルノブイリの悲劇など眼中に無いかのように「原発」建設推進が叫ばれた。これ以上「負の遺産」である核廃棄物を増やすわけにはいかない。原発の燃料となるウラン資源も化石燃料と同様わずかしかいない。再生可能なエネルギーを効率よく利用するしか持続可能な社会は描けないハズだ。

世界経済に関するサミット議長総括(要旨)は「原油及び食糧価格の上昇、世界的なインフレ圧力の高まり、金融市場の安定性及び保護主義との闘いに取り組む必要性で合意した。原油価格の急激な上昇への対応で、透明性を向上させるための生産国及び消費国双方による努力及び対話を通じて需給バランスを改善することで合意」(7月10日「毎日」)とある。サブプライム問題などの投機、深刻化する飢餓や貧困への言及など無く、ただ「透明性の向上」がうたわれているだけだ。新自由主義政策の一層の推進をうたう一方で、グローバル経済の課題と向き合い姿勢も見えない。

エコノミストの水野和夫氏は、現在21世紀の「価格革命」が進行中だとし、その要因を「資源・食糧の価格が高騰するのは、10億人の先進国と30億人を超える新興国の市場統合が起きているからだ」と指摘する。そして「こうした歴史の断絶期に起きる過程で重要なことは、国家間の優劣以上に、新たな貨幣が誕生することで、資本を持つ者と労働を提供する者の差が決定的に開くことになる。いわゆる二極化であり、貧困化である」とし、この「二極化現象、さらには先進国における貧困化問題は、新しいルールを作った人とそうでない人の差であって、決して努力したかどうかの帰結ではない。既に日本の約6割を占める中小業・非製造業の一人当たり給与額は、1995年をピークに13.2%減少している(06年度287万円)。40年で半減するベースであり、16世紀(川本注:前回「価格革命」が起きた大航海時代)の倍以上の早さである。このまま市場の力に任すか否かで、日本の今後の100年が決まるのである」(「新しい貨幣の誕生と資源・食糧の高騰」フォーブス日本語版、08年7月)と主張する。

今後、限りある資源、食糧に投資が続き一層価格の高騰が予想される。漁業者の姿は明日の私たちの姿でもある。そこで期待されるのが政治だが、その現状が役人におんぶに抱っこの「道路つくれ、質問するな」では余りにも情けない。

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12日、九条の会千葉県議員ネットで講演する前岩国市長・井原勝介さん。
講演タイトルは「米軍再編をめぐる岩国の闘い~民主主義と地方自治の観点から」で、井原さんは労働省官僚と市長体験を踏まえ、「日本の政治は役人にのっかている」と厳しく議会、議員のあり方を批判された。

2008/7/14 月曜日

詳細審査が使命の常任委員会で「質問するな」と圧力をかける自民委員~「学芸会」の台本の漢字にはフリガナを忘れずに

カテゴリー: 活動日記

 6月議会から、今まで8つの常任委員会が同日に開催されていたのが、1日2委員会ずつ4日間にわたって開催されるようになった。これで、議員は所属以外の委員会の傍聴が可能となった。9月議会からは議事録の逐一筆記、議事録のインターネットでの公開もはじまる。今までと比較すると大きな前進だが、気になることがある。

それは7月8日に開かれた県土整備常任委員会で、自民会派の委員らが私に露骨に「質問するな」「個別に職員に聞け」などと迫ってきたことだ。もちろん事前の調査、職員からのヒアリングを踏まえて準備していた12項目について質疑は行ったが、思い出すたびに日に日に怒りがこみあげてくる。

議会運営のバイブルとも言われる「議会運営の実際」(自治日報社、野村稔著)によれば、本会議の下審査機関である常任委員会の長所と短所について次のように記している。
長所 ① 所管事項について専門的な審査を行う機関であること。審査は一問一答形式をとり、案件の内容について詳細に審査すること。
② 委員会固有の権限として所管事務調査権を持っていること。委員会は、能動的に所管事務について調査し、執行機関を批判監視するとともに、調査によって専門的知識を蓄積し、現状と問題点を把握しておき、これを基礎に付託案件の審査する。所属議員が中心となって独自の議案を提案できる。
短所 ① 執行機関の特定部局の利益代表的な役割を果たし、この結果、全体的な判断に欠ける例がみられること。
② 関係執行機関となれあいになるおそれがあること。
③ 本会議における論議が形式化してしまうこと。

これでいけば、私に圧力をかけてきた委員らが理想とするのは、関係執行機関となれあい、特定部局の利益代表的な役割を果たし、都合の悪い質疑が一切無い委員会ということになるのだろう。これでは議員は典型的な税金泥棒ではないか。

ちょうど7月13日の「毎日」朝刊千葉版で県議会が「学芸会」の緊張感すらないと酷評されている。9月からは今までと異なり逐一筆記で発言内容が注目される常任委員会だが、本会議の「台本」と同様、これからは常任委員会の質疑でも関係者が指南役を果たすのかもしれない。その折は「台本」の漢字にフリガナをつけることを忘れないようにしてもらいたいものだ。

【参考】緊張感なき議場~毎日新聞 7月13日千葉版

「地方議会は学芸会」。駆け出し時代に参加した日本記者クラブ研修会で、片山善博・元鳥取県知事から聞いた。当局と議員が事前に質疑内容を一言一句すり合わせ、本番では台本を手に棒読みする実態を皮肉った。
11日に閉会した県議会。ある議員の質問を聞き、久しぶりにこの言葉を思い出した。彼は国民皆保険を「こくみんみなほけん」、外環を「そとかん」と読んだのだ。
正解は「こくみんかいほけん」「がいかん」。県政関係者には基本の行政用語だ。渡された台本を事前確認する。わずかの労さえ惜しいのか。
ある市議会では議員の半数が質疑の最中に読書、居眠り、上の空。議員自身による議会軽視は目に余る。
学芸会でも一度は通し練習をし、仲間の発表をまじめに鑑賞する。学芸会の緊張感すらない議場は、民主主義の主戦場ではない。(中川聡子)

2008/7/12 土曜日

拉致問題の早期の解決のためには、経済制裁などの強硬政策を転換し、北朝鮮との対話、交渉を積極的に進める行動こそが要請される

カテゴリー: 県議会

昨日11日、県議会6月定例議会が閉会した。
米国が北朝鮮をテロ支援国リストから外す手続きを着手したことをめぐり、自民・民主が共同で「拉致問題の早期解決のため、北朝鮮に対する経済制裁の継続を求め、また、「核計画申告」の検証結果によってはテロ支援国家の指定解除の撤回を求める意見書」を6月議会に提出した。議会最終日は採決前に、議案、請願、意見書に関する討論が行われる。
私たちの「市民ネット・社民・無所属」はこの意見書について小宮清子代表が会派を代表して反対討論を行い、「拉致問題の早期の解決のためには、経済制裁などの強硬政策を転換し、北朝鮮との対話、交渉を積極的に進める行動こそが要請されるという立場」を表明し、意見書に反対した。

以下に紹介する。

● 自民・民主の意見書に反対(7月11日・県議会討論原稿)

発議案第一号「拉致問題の早期解決のため、北朝鮮に対する経済制裁の継続を求め、また、「核計画申告」の検証結果によってはテロ支援国家の指定解除の撤回を求める意見書」についての反対討論を行います。

私たちも、拉致問題の早期解決を求めるものであり、拉致問題の現在の最大の課題は、北朝鮮が拉致した人数、その状況、死亡したと言われる人々を含め安否を明らかにし、その解明のための再調査を実現することです。

さて、拉致問題は本発議案が求める「経済制裁の継続」で解決するのでしょうか。私たちは、当時の安倍内閣が2006年の北朝鮮のミサイル発射と核実験に対して実施した制裁措置が拉致問題の解決にほとんど効果を持たず、完全に行き詰まった事実を直視せねばなりません。

自民党の加藤紘一元幹事長は、「米国によるテロ支援国家の指定解除は、核問題の解決へ向けたよい展開につながると思う。そういう流れの中で、日本は核、拉致、ミサイルの問題を同時並行的に解決していくという考えを持たなければならない」とした上で、「拉致問題は圧力だけでは動かない」と語っています。

また、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」の元副代表の蓮池透さんも、「制裁をしていれば向こうが悲鳴を上げて日本にすり寄ってくるという話がありましたが、それはないと思う。やはり話し合いをしなければいけない」とし、拉致問題と国交正常化の2つの問題の同時実行型の交渉をやるべきだと主張しています。

核問題についても、「核計画の申告」の厳正で徹底した検証を関係国に強く求めるとともに、検証結果によって不十分な点があればまず対話・交渉による解決が図られることが最優先されるべきです。

以上を踏まえ、拉致問題の早期の解決のためには、経済制裁などの強硬政策を転換し、北朝鮮との対話、交渉を積極的に進める行動こそが要請されるという立場から、発議案第一号に反対します。

2008/7/9 水曜日

富津産廃処分場差止め確定判決を受けて、まず安定型産廃最終処分場の廃止など関係法令の抜本的見直しを~「当時、業者の代わりに県職員が住民のところに同意を取りに来た」! 

カテゴリー: 活動日記

 昨年11月30日のブログでも紹介した富津市田倉の安定型産廃処分場建設訴訟で、最高裁第二小法廷(津野修裁判長)は4日、業者(浅野商事・木更津市)の上告を棄却する決定を下した。
 これにより処分場の建設・操業の差し止めを命じた一審(PDF)、二審(PDF)の判決が確定した。

計画が持ち上がって20年、01年3月の242名による建設差止め仮処分申請から7年、7日午後に開かれた県庁での記者会見で原告住民の方々は、「これで健康被害におびえながらやっていかなくてよくなり安堵している」「長い長い闘いだった。このようなつらい苦しい思いを他の人や子どもたちにも味わせたくない」「運動をはじめた頃小さかった子どもも今は成人した。子どもにはさびしい思いをさせた」「当初、裁判でこの問題を解決しようとは思ってはいなかった。何十回も県にお願いに来た。井戸水で生活してきた人には直感で(有害物質)が漏れることがわかる。事前協議の段階で行政の手続きがまったく不十分だ」「一審、二審とも裁判官が現地を視察したが、行政は現地に来ようとはしなかった」などと語った。

 さて、これで「安定5品目の中には、有害物質が混入することは不可避である」「埋立量は大規模なものであり、たとえ微量であっても一箇所に集中的に有害物質が蓄積される」「地層中のクラックあるいは水みちを通じて処分場外へ拡散することが認められ、汚水が流れて井戸に混入すれば、飲料水の汚染により身体健康に被害が及ぶ」とした判決が確定した。
 日本弁護士連合会も07年8月、安定型最終処分場の廃止を求める意見書(PDF)を国に対して提出している。
これらを受けて、国、県は安定型最終処分場の廃止、水源地への処分場の立地規制、地元住民の合意などを定めた法令の整備をすべきだ。また、地方分権の時代、昨年9月14日のブログで紹介したように、千葉大学の新藤宗幸氏が提案した「国地方係争処理委員会」の活用もできるハズだ。
● 「当時、業者の代わりに県職員が住民のところに同意を取りに来た」!
 
 記者会見後の県産廃指導課との交渉で、県の担当者は、「法令受託事務として法令で定める手続きしたがって設置許可申請の受理をしただけ、今後設置許可の取り消しについては前例もないので環境省とも相談したい」などと答えた。一方、住民から、本来業者が集めるべき住民の同意書を、当時県職員が集めに来たという驚くべき話が出された。5~6人の職員が2回来たそうで、2回目に来たときは「もう処分場はできてしまう。残る道は差止め裁判しかない」と話していったという。

 千葉市緑区小山町産廃処分場計画問題でもそうだったが、行政の産廃指導課は処分場設置推進の立場から業者に「寄り添う」傾向にある。法令の不備をいいことに、現地にも足を運ばず、住民説明会にも同席しない。そこで、業者からの虚偽の報告もフリーパスとなる。
 7日の交渉の場で県担当者は、「住民と業者の間の行事役を県は果たしている」と話したが、地方自治体の使命に基づいた公正な行事役を演じてきたかが過去にさかのぼり厳しく検証されるべきだ。

2008/7/2 水曜日

堂本知事の三番瀬保全をめぐる公約違反~「合意形成」を隠れ蓑に三番瀬保全を放棄 議員(=非常勤の特別公務員)報酬とは何か?

カテゴリー: 県議会

 1日朝刊各紙は07年の県議の所得を報じた。私は昨年4月初当選だったので「対象外」となった。県議一人当たりの平均総所得(事業所得も含む)は1851万円で、一般県議職分の「給与」は1247万円とされている。

一方、「非常勤の特別公務員」という位置づけからすれば、本来生活費は考慮されないハズだ。福島県八祭町議会は日当制を導入し、議会開会日年間約30日×3万円/日=約90万円と試算している。しかし、千葉県の膨大な行政機構の税金の使途を監視し必要な場合条例など政策提案するという議員本来の使命を果たすためには生活費を稼ぐ為に時間を確保することはなかなか困難である。議員活動の定義・任務の再検討が必要だと思う。そのことにより部分(地元)益の代弁や水面下の口利きこそが使命と勘違いしている方々には退場を促すことができるだろう。

 私の場合は、県ネットとの契約で私が受け取る「代理人報酬」は年間380万円(内訳:320万円/年+就学中の子ども30万円×2人/年、但し税・社会保険料別)である。子ども2人の学費も含め家族が生活していくためには、別途、生活費を稼がねばならない。私にとってその時間を捻出することが課題だ。

● 次の選挙も三番瀬保全が争点?!

1日の一般質問で、民主党の田中明議員は三番瀬の保全に関する知事の姿勢について、「ラムサール登録は知事の任期内ではできない、船橋漁協が求める段階的なラムサール登録も前例がないという考え、三番瀬保全条例も議会に提案しない、将来にわたって漁協が漁業を続けられる恒久免許も出さない、何一つ三番瀬が残るという担保や根拠をみることができない。猫実川河口域の泥干潟を埋め立てるため三番瀬の白紙撤回の撤回を掲げて知事選に出ようという県議もいるようだ。そういう中で、知事は何をもって三番瀬を将来世代に継承していくつもりなのか、千葉県のリーダーが開発志向の人に変わったら今までの調査、会議は何だったのか」と問いただした。

これに対し、堂本知事は「県民が当時選挙の争点で保全を選んだと思う。次にリーダーとなる方が交代する時、保全か開発かが争点となった時、県民の選択に委ねられるとおもう。」と答えた。

 なぜ、知事自らの怠慢を棚に上げての何故県民はもう一度選択しなおさねばならないのか!堂本知事の7年前の当選時の一番の公約は三番瀬保全だった。今回の答弁は自らの「無策」と公約違反を認めるものだ。目的と手段(=合意形成の場)が逆転し、パフォーマンスが目的化している。理念も戦略戦術もなく、そこに何の苦悩も感じられない。7年前に「勝手連」で支持した一人として怒りを禁じえない。知事の答弁を聞いて「末期症状だな」と自民党のある中堅の県議が呟いた。

【参考】市民ネット千葉県情報誌57号(08年7月)「堂本県政を検証する」から
「まちづくり~大規模開発と車優先

 沼田県政時代の「県都1時間構想」「千葉県新三角構想」が見直されることなく継承された結果、大規模開発と車優先のまちづくりが推進されてきた。三番瀬の埋め立て計画は一旦白紙撤回されたが、ラムサール条約登録には県は消極的で、人工干潟化や第二湾岸道路建設容認の姿勢が  
垣間見られる。」

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