8月27日付けの「環境新聞」で、安定型最終処分場の有害物質混入の不可避を認めた富津市田倉の処分場裁判判決確定を受けて、環境省が「この秋にも学識者を中心とする検討会を立ち上げる。見直しでは安定型処分場の類型を廃止するか存続するか、存続の場合にどのような規制強化が必要かなどが論点になるとみられる。年度内に結論を得て政令等を改正したい考え。」ことを報じている。
さっそく、「環境新聞」の記事が「小櫃川の水を守る会」HPに掲載されている。(こちら)
安定型最終処分場の廃止、管理型処分場の立地規制、住民合意などをしっかり定めるとともに、地方分権に相応しく権限を地方に移す規定も必要だ。
● 「交雑は距離では防げない」~遺伝子組み換え作物

写真は左から、北海道庁、議会棟、議場
北海道議会の会派別議員数(定数105、欠員1)は自民・道民会議50(1)、民主党・道民連合40(6)、公明党7、フロンティア5、共産党2(2)
8月21日午後1時~4時半、北海道庁を訪問し議会委員会室で道の担当者より以下の項目についてレクチャーを受けた。
① 有機農業振興施策の取組(農政部食の安全推進局食品政策課)
② 減反政策の取組(農政部食の安全推進局農産振興課)
③ 農地・水・環境保全向上対策(農政部農村振興局農村設計課)
④ 北海道遺伝子組み換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例
(農政部食の安全推進局食品政策課)
⑤ 遺伝子組み換え作物の栽培計画に関する調査結果と今後の対応(同上)
⑥ 企業誘致の取組(経済部産業立地推進局産業立地課)
⑦ 中心市街地活性化の取組について
(建設部まちづくり局都市計画課、経済部商工局商業経済交流課)
⑤の一般作物との交雑や混入が生じないための隔離距離を確認する交雑試験で、農水省の指針の倍あるいはそれ以上の隔離距離を定めた北海道条例の数値をも大きくオーバーする結果が出たことについて、担当の方は、「交雑は距離では防げない」と語った。イネの花粉の寿命を5~6分とすれば、風速5mで1,5㌔、2~3日のトウモロコシは864㌔まで飛散してしまう。交雑の未然防止を前提とするなら、野外での実験は少なくとも原則禁止の「許可制」とすべきだと思う。
以下に、①②④⑤について報告する。
①北海道の有機農業振興施策の取組
H17年4月施行の「北海道食の安全・安心条例」に基づく施策の「安全で安心な食品の生産及び供給」に「有機農業の推進」が位置付けられている。H15年度から本庁農政部に専門職員を配置し、中央農業試験場に有機農業研究推進チームを設置した。H20年3月の「北海道有機農業推進計画」では有機JAS認定農家戸数をH17年度の331戸を25年度に1300戸にすることを目標としている。
②北海道における米の生産調整の取組状況
生産調整の達成率はH19 年度 101.1%、20年度見込み101.2%と生産者、農業団体、行政が一体となって生産調整を確実に実施してきた。生産調整率(転作率)はH20年 全国41.8%で北海道は55.4%、H15年 の転作実施面積は134千ha(内、麦類24%、大豆9%、そば4%、野菜6%、飼料作物23%)、H19年度からの「産地づくり助成金」(転作助成金、3年間)は416億円の配分を受ける。
水田作経営の状況(H18)は、北海道の農業所得(転作助成金、補助金含む)3430千円(全国386千円)、農家総所得5277千円(全国4872千円)、農業依存度75.1%(全国13.1%)、水稲作付面積561㌃(全国107㌃)、北海道米の価格は全国平均の8~9割の水準で、きらら397価格13297円(H18年度、60kg)。
④北海道遺伝子組み換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例(GM条例)
「食の安全・安心条例」で全国で初めて遺伝子組換え作物の開放系での栽培による交雑・混入の防止に関する措置を盛り込んだことから、GM条例がH18年1月施行された。その背景に、道内でGM作物栽培の動きがあり、それに対して消費者団体や生産者団体が40万署名を集めるなど、栽培の中止を求める活動を精力的に展開したことがある。
条例の目的は、「交雑及び混入の防止、生産上及び流通上の混乱の防止」によって、「遺伝子組換え作物の開発等に係る産業活動と一般作物に係る農業生産活動との調整」を図り、「道民の健康の保護並びに本道の産業の振興に寄与すること」である。商業栽培は原則禁止を前提とする許可制、試験栽培は届出制として、個別案件ごとに消費者、生産者、研究者等で構成する評価委員会の意見を聴いて、知事が必要な指示や命令ができる仕組みとした。条例の見直しについて3年を経過した後に、社会経済情勢の変化等を踏まえ検討を行うことが規定されており、今秋から検討作業に入る。
⑤遺伝子組み換え作物の栽培計画に関する調査結果と今後の対応
一般作物との交雑や混入が生じないための隔離距離は、農水省指針に安全率を考慮して設定された。この値は、H18 ~20年度の3年間の試験調査を踏まえ、交雑防止基準の見直しの中で検討することとしている。H20年度に距離による交雑確認試験を実施するのはダイズとテンサイのみ。