2008/12/31 水曜日

川本幸立が選ぶ08年県政10大ニュース

カテゴリー: 活動日記


1.代表質問で堂本県政の2期7年半を問い、「八百長と学芸会」県議会の改革に向けて「3つの提言」(①水面下の根回しを行わず、オープンな議場で意思決定を、②予算編成過程と事業毎のデータの公表を、③教員採用事件を踏まえ「口利き」の文書化を)を行う。政務調査費の全面公開実施(09年度分から)決まる。

2.道路特定財源の一般財源化の中、高規格道路推進行政やまず。県民一人60万円の借金を抱える中、政府の補助金、交付金による誘導を拒否し、直轄事業負担金凍結を決断すべき。

3.県負担760億円(利息含む)の八ツ場ダム事業の超党派による徹底検証と見直しに向けて61名で1都5県議会議員の会が発足。裁判および議会で治水、利水上、ダムが不要であることが一層明白に。

4.九条世界会議、幕張で開催、県内の「九条の会」組織335に達する軍拡の連鎖を九条で断ち切ることが求められる。「サブプライムローン証券化」問題に端を発した金融危機・雇用問題の中、憲法25条、27条にも注目が集まる。

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5.迎撃ミサイル発射実験を終えた帰りの海上自衛隊イージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」に衝突・沈没させる。

6.三番瀬漁業補償で地方財政法3条違反の66億円支出を自公民が可決、「ラムサール登録」申請も見送る。

7.富津田倉産廃処分場差止め判決確定する。安定型産廃最終処分場の廃止など関係法令の抜本的見直しを求める。森林や景観保全がクローズアップされる中、「山が消える」富津・鬼泪山「国有林」の山砂採取の請願に自公が賛成、(株)ちばぎん総研の企業モラルと説明責任も問われる。

8.チッソ五井工場があり、昭和電工発祥の地である千葉県ではじめての水俣展=「水俣・千葉展」開催される。「社会的費用」を負担せずツケを国民にまわし公害を生み出した政財官一体構造は未だ変わらず。

9.5施設の機能を1箇所に統合する「総合医療センター構想」がようやく白紙に。今後、地方独立法人化検討で赤字病院の切り捨てに要注意

10.八千代西高校入学式排除問題起きる。千葉県検証改善委員会が学力テストの結果を踏まえて「3つの提言」(経済的に恵まれない地域、非通塾の生徒の多い学校、学力の低い層への行財政支援)を発表。浦安スクールセクハラ裁判、行徳高校裁判、特別指導による自主退学の強要問題などで学校現場の密室性の改善、一人ひとりと向き合う環境づくりなどの課題がクローズアップされる。教育委員の名誉職化と会議の形骸化を批判する。

2008/12/29 月曜日

「水俣・千葉展」おわる

カテゴリー: 活動日記

dscf0540.jpg  28日、「水俣・千葉展」が終わった。

「水俣・千葉展」を通じて改めて感じたことは、①「安全問題」を国に任せ企業は利益追求に没頭する政財官一体構造と、企業活動により「恩恵」を受ける多数の国民という構図、②被害の立証責任を被害者に求める司法の不条理、③未然防止に勝る公害対策はないことと科学の「未発達」、④副生した27㌧といわれるメチル水銀は未来永劫、地球の生命を脅かし続ける、⑤水俣病事件はおわってはおらず、被害の全容すら把握されていない、ということだ。公式発見から52年、何が解決し、何を教訓として学んだのか実に心もとない。このままでは被害を再び繰り返さないという患者の方々の願いを裏切ることになってしまう。
私は25日、27日、28日とボランティアとして展示説明、受付、チラシ配布などを担当した。JR千葉駅頭でチラシ配布をしながら改めてアジア系・南米系の外国人の多さに驚く。首切りの嵐は真っ先に彼らを襲っている。正規・非正規の枠のみならず国籍の枠を超えた取り組み(=底辺の底上げ)が不可欠だと思う。
 ルポライターの鎌田慧氏が12月16日の東京新聞に「現代の公害企業」というタイトルでコラムを書いている。「かつて公害企業は、自社の利益を確保するために、公然と海や川や空を汚染していた。(中略)『社会的費用』を自己負担せず、外の社会に押し付けて平然としていたのである。あたかもゴミを捨てるかのように、派遣労働者を吐き出し、『あとは野となれ山となれ』の冷酷さ。これから政府が瀬戸際にいる命を救わなければならない。しかし、会社と株主だけがちゃっかり利益を確保し、失業者救済のツケを税金にまわすのは許されない。厳しい発生源対策が必要だ。」
 「水俣・千葉展」の展示を見た人の感想に派遣労働者に触れたものが目に付いた。患者の方々の無念さと願いを常に思い起こしながら国、企業の不条理を糾していきたいと思う。

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今年61日の「水俣への旅」で故・川本輝夫さん宅にお邪魔しました


 

2008/12/26 金曜日

H20年度世論調査結果、浦安スクールセクハラ訴訟判決

カテゴリー: 活動日記

 26日の早朝は、冷たい強風の中、JR土気の駅頭で12月県・市議会速報を福谷章子市議と交互にマイクを握りながら通勤者に配布する。これで24日からはじまった12月議会報告の駅頭活動がおわった。
 この「県議会速報・川本幸立のまちづくり通信・第13号」の見出しは、「これが緊急予算?補正予算25億円の使い道の7割が圏央道などの建設推進に!」だ。さて、ちょうど、「H20年度、第36回県政に関する世論調査結果」(PDF)が公表された。県政への要望のベスト10は①高齢者の福祉を充実する(35.1%)、②災害から県民を守る(33.3%)、③医療サービス体制を整備する(30.9%)、④食品の安全を守る(24.2%)、④次世代を担う子どもの育成支援を充実する(14.3%)、⑥便利な交通網を整備する(13.0%)、⑦犯罪防止対策を進める(11.8%)、⑧自然を守り緑を育てる(11.0%)、⑨仕事と子育てが両立する働き方を実現する(9.6%)、⑩雇用の場を広げる(8.4%)だ。 

 県はなぜか災害対策として高規格道路事業を優先してきたが、「②災害から県民を守る」で県民が望む施策は「災害時の支援、救援活動」「危険箇所の事前解消」「災害対応マニュアルの作成・防災マップ等の公表」「避難場所・避難経路の整備」であり、明日起きるかもしれない大地震に備えて既存道路・橋梁、施設の整備、情報の徹底を求めている。
 気になるのは「⑤便利な交通網を整備する」だが、中身を見ると「電車の増便などの利便性の向上」「市内交通網の見直し」「バス増便と路線拡大、夜間延長」「バスと鉄道との乗り継ぎの円滑化」であり、公共交通機関の充実を求めるものである。一方、要望の⑯番目に「道路を整備する」(5.4%)が出てくるが、この内容は「交通渋滞対策」(32.3%)、「観光、買い物などを支援する道路の整備」(16.1%)、「自然災害に強い道路の整備」(12.6%)、「交通事故多発箇所の改修」(11.5%)である。
 こうした最新の世論調査結果からも、圏央道や北千葉道路などの高規格道路事業を他の事業より優先することを県民は望んではいない。

●公務員の個人責任を問うこと~浦安スクールセクハラ訴訟判決から

知的障がいのある少女が浦安の市立小学校の元教諭からわいせつ行為を受けたとして両親が元教諭、県、市に損害賠償を求めている「浦安スクールセクハラ訴訟」については今年5月22日のブログでも紹介したが、24日、千葉地裁(三代川三千代裁判長)は元教諭のわいせつ行為について一部を認める判決を出した。しかし、「公務員の職務行為に基づく損害は、個人は責任を負わない」との最高裁判例を踏襲し、元教諭に対する請求を棄却するとともに、原告が主張していた22件の性的虐待のほとんどは「長期間経過してからの被害の訴えは信用できない」などの理由で認定されなかった。(12月25日「毎日新聞」)

知的障がい者が被害者の場合、日時、場所など被害の詳細を話せないゆえに証言の信用性に疑問があるとして証言として採用されないようだ。この事件の刑事裁判でも千葉地裁は05年4月、「目撃者がなく、証言の信用性に疑問がある」として無罪とし、東京高裁も06年2月、「被害を受けたとの証言は疑問を差し挟む余地はないが、場所や日時の特定があいまい」として検察側の控訴を棄却している。(同) しかし、知的障がい者が「被疑者」となった場合、その「自白」内容はしっかり「採用」される傾向にある。この「被疑者」と「被害者」の立場の違いによる「証言」の信頼性をめぐる「落差」についてもしっかり検証されなければならないと思う。
元教諭に対する請求が棄却されたことも納得できない。これでは「公務員はやりたい放題」になってしまう。公務員の免責規定は法の下の平等を定める憲法14条に反するし、自らの責任で行動する個人の存在を前提とした近代市民法の考え方にも反する。最高裁判例は憲法や市民法の原則に反しているのではないか。「国賠法の制定と公務員の個人責任とは無関係であり、国賠法が制定されたからといって公務員の個人責任が免除されることは有り得ない。公務員個人もまた社会を構成する要因であるから、公務員の社会に対する義務(不法行為責任もその一つ)を免除することは間違っているのである。」(「官僚法学批判」吉永満夫著・花伝社、242~272頁)

2008/12/23 火曜日

持続「不可能」なまちづくり~幕張「新都心」住宅地区の容積率300%を考える

カテゴリー: 活動日記

 22日午後ははじめに「第28回千葉市都市計画審議会」を傍聴し、その後、高校進学を実現させる会の「第5回県教委(高校進学)交渉」に同席する。

 千葉市都計審では幕張「新都心」、蘇我「副都心」の用途地域の変更などの議案が審議された。幕張「新都心」では18.4㌶の文教地区(第2種住居地域)を住宅地区(4000戸・1万人)とするため第1種高度地区指定を廃止し、容積率も200%を300%にアップするものだ。企業庁マスタープラン作成段階での住民意見反映の状況、交通量の変化、中学校施設や福祉施設の計画状況、高層住宅(高さ100m程度まで可能)化による住環境への影響などが質された。
   
 今後15年ぐらいのロングスパンで考えるということだが、破綻確実の3都心構想、都市再生・業務核都市構想を前提とし、昨今の経済危機や今後の経済動向、人口減少化などについてしっかり検討されたようには見えない。今後のまちづくりは、コミュニティに依拠した再生・整備を基本とすべきだが、高容積の高層住宅はそれに反する。容積率を300%にアップする必要はない。実際、アメリカやイギリスでは公的な高層住宅を低層住宅へ建て替える事業が続けられているという。

 「わが国には、都市再開発(再生)=高層という図式があり、オフィスビルのみならず、住宅についても高層化さらに超高層化が当然のように期待・選択されている。その理由として一般に信じられているのは「土地の狭い日本、特に都心部では、高密度に土地を使う必要があり、そのためには高層化が必要」といおうものである。これがいわれなき神話であることは、容積率200%(200戸/㌶)程度までなら、3階建ての低層住宅群で十分で環境を保障した住宅地が可能であることが証明できる。さらに敷地外に悪影響を及ぼさず、かつ自らの環境を保とうとすれば、高層化しても、容積率の限度が200%程度である。高容積の超高層住宅が快適に見えるのは、多くの場合、それらが孤立して建っているからであり、早い者勝ちの論理によって周辺から環境を奪っているからである」(「持続可能な都市~欧米の試みから何を学ぶか」福川裕一、他著、岩波書店、289頁)とあるが、審議会委員である千葉大学教授の北原理雄氏は「ポジティブに見れば評価できる」として容積率アップ高さ制限撤廃に賛成した。ポジティブに見ることの妥当性こそ審査すべきだが、これではお話にならない。専門家と称する人たちの専門の「質」「理念」が問われている。

2008/12/22 月曜日

「居住権」は生存権

カテゴリー: 活動日記

 定例議会がおわるといつものことだが翌日から議会報告づくりで忙しい。それに加えて、来春出版予定の「(仮題)新しい環境保全のための闘い~バイオハザード裁判(高裁版)」の原稿提出が1ヶ月以上遅れており、電話が鳴るたびに催促の電話ではないかと思い落ち着かない。
 そうした中、20日午後は、「水俣・千葉展」のホールプログラムで、緒方正人さん(水俣病患者・漁師)と上田紀行さん(文化人類学、東京工大准教授)の講演と対談を聴く。タイトルは「水俣から考える-『生きる意味』」。緒方さんは、生物の生存の根幹は「食う」であり、そこには信頼の「信」が込められている、この「信」に毒が入っていた、「信」が裏切られたのが水俣病であり、ここに水俣病事件が現在に通じる意味(システム社会と「信」の葛藤と拠って立つ場)がある、と語った。21日夜、教育テレビでETV特集「水俣と向き合う~ドキュメンタリー映画作家・土本典昭の43年」を放送していたが、20日の講演での上田紀人氏の「人が死んでも、命の働きへの運動性を持ち続ける」「現代は本当にロングスパンの大きな働きの方が、決定的に忘れ去られている」などの発言を思い起こさせた。2人の著書を正月を利用してしっかりと読んでみたい。
 
 22日朝は土気駅前で毎月恒例の「とけ・九条の会」の活動を行う。通勤通学の人々に配布した会報24号の見出しは、「自動車関連企業10社・内部留保27兆円で派遣15000人削減計画~正社員が当たり前の社会を!大企業は無法な首切りを中止し、社会的責任を果たせ!」だ。
 今の言論機関で一番欠けているのは、①自動車や電機産業などの労働者の解雇の不法(労働契約法)・不当性(たとえば、トヨタは減益といっても年間6千億円の利益を見込み、株主への配当は8年間で5倍に増やし、今年の中間配当は2037億円、この配当金の5%分で雇用は守れる)を追及すること、②「正社員を当たり前」として労働者派遣法(=「ピンハネ・不労所得推進法」)の抜本改正を求めること(個人消費を刺激し地域経済の振興にも繋がる)、③憲法27条(勤労の権利)に照らして政府は生活の糧を得るための働く場を提供する義務があること(事業者に解雇の撤回を求める)、④住宅は「個人の甲斐性」や「経済振興」のためにあるではなく、居住権は生存と尊厳のためにすべての人に保障されねばならないこと(政府の景気浮揚策の根本批判につながる)、などだ。総じて「サブプライムローン証券化問題」で露呈した新自由主義への根本的批判がない。憲法感覚が薄いのもその要因の一つだろう。

● 「居住権」の保障に向けて県の住宅政策を見直す取り組み
 
 解雇で仕事と居住の場を失った非正規労働者を対象に、政府も15日からハローワークに相談窓口を設け、雇用促進住宅(空室約1万3千室)への入居など住宅支援をはじめ、県も県営住宅の提供(19戸)を決めた。この機会を利用して、日本でも居住権を確立する取り組みが進めばと思う。06年に日本で最初の住居法として「住生活基本法」が制定され、07年制定の「住宅セーフティネット法」では、第3条で「住宅確保要配慮者」に国及び地方公共団体は賃貸住宅の供給の促進を図るため必要な施策を講ずるよう努めなければならないと規定されている。「住宅確保要配慮者」にはホームレスやネットカフェを利用せざるを得ない人々も含まれる。12月県議会の県土整備常任委員会で私はこうした住宅困窮者への居住支援など居住の安定に向けた取り組みと市町村への支援を求めた。住生活基本計画の見直し作業が10年に行われるようなので、今後の県営住宅、県の住宅政策の在り方について政策提言していきたいと思う。

2008/12/20 土曜日

教育委員はなぜ責任を追及されないのか?!~県立高校校舎転落事故などから

カテゴリー: 県議会

 19日で12月県議会が閉会した。いつものように最終日は我が会派の出番だ。吉川洋県議が07年度決算審査について、大野博美県議が補正予算・請願について、小宮清子県議が意見書について討論で登壇した。
 私は、2名の教育委員継続人事議案について反対討論をした。2名の方の行ってきたことよりも、そもそも教育委員のコントロールの下で教育長が事務方を動かすという前提が成立しておらず、教育委員会システムの土台が崩れていること、それに教育委員会会議の閉鎖性、密室性などが悪い意味での相乗効果を及ぼしていることを指摘した。(下記参照)
 ちょうど、月刊誌「世界」09年1月号で片山善博・前鳥取県知事の「「『1日署長』内閣」に決別を」を見つけたので「1日署長」という言葉を拝借した。
 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に不参加の愛知県犬山市の地域や保護者も含めた「共に学び、共に育つ」学校改革が注目されている(「学びの学校づくり~犬山北小学校の改革への挑戦!」小学館)。「学びの保障」が教育の原点であり、「機会の平等」はもちろん「結果の平等」も求められる。校長・PTA・地域・子どもの4者一体の学校運営が行われなければ様々な課題(いわゆる「モンスターペアレント」問題も含む)は解決しないだろう。

【参考】 県教育委員会委員人事議案の反対討論原稿

市民ネット・社民・無所属の川本幸立です。
議案59号、60号、県教育委員会人事議案に反対の立場から討論します。

教育委員会は、合議制の行政委員会として、地方公共団体の長から独立した中立、公正な職務の執行を確保するよう配慮され、委員の合議により、大所高所から基本方針を決定しそれを教育行政の専門である教育長が執行するという、いわゆる「レイマン・コントロール」の下に運営されねばなりません、と県教委のHPに明記されています。

教育委員は「レイマン」であり、「レイマン」とは、単なる「素人」ではなく、一般的な学識、経験が豊かであり、人格が高潔な人であるが、教育の専門家ではないという意味で用いられているものです。
本議案の2名の方が、「レイマン」と呼ばれるにふさわしく過去4年間県教委をしっかりコントロールしてきたのかどうか、どのような教育理念を持ち今後4年間を務めようとするのか、そうしたことを踏まえた上で賛否を決めることは県民への説明責任を果たす上で不可欠なことです。

しかし、肝心のそうした情報は与えられてはいません。
そこで昨年度と今年度の教育委員会会議について、私も何回か傍聴しましたが、議事録からその実態を調査しました。その結果、今、国の内閣は人事も予算も役人任せであることから「一日署長」内閣~一日税務署長・一日警察署長などがありますが~と揶揄されていますが、教育委員会会議も「レイマン・コントロール」が形骸化した「一日署長」会議の実態にあり、その存在意義そのものが厳しく問われるべきと考えます。本討論では4点ほど、指摘します。

1点目は、昨年度13回、今年度9回の教育委員会会議が開催されていますが、150議案のすべてが、教育委員会事務方の意向に沿って何の異議もなく全員一致で採決されていることです。
その一方、県教育委員会会議規則第5条で委員の議案発議が認められていますが、少なくとも過去3年間1件も委員からの議案発議はありません。県教育をとりまく多くの課題が指摘され、発議する議案は数多くあるにもかかわらず、発議ゼロとは驚くべきことです。
このことは、教育長と事務方が教育行政を動かし、教育委員は名誉職化して意義を発揮しない存在になっていることを表しています。

2点目に、昨年度今年度の教育委員会会議150件の議案のうち、非公開とされたのが会議規則第13条第1項第4号「知事に対する意見の申出に関する事項」が33件、第1号の「人事に関する事項」が59件のあわせて92件であり、非公開の議案が約6割を占めることです。「知事に対する意見の申出に関する事項」は、条例の原案や本議会でも様々な問題点が指摘された指定管理者の管理についてであり、当然、公開すべきものです。この秘密性、閉鎖性、そして県民への説明責任を果たそうとしない姿勢は改めるべきであり、各委員の見識がとわれます。これは非公開で議事録もないという委員協議会についても同様です。

3点目に、議事録で発言者が無記名であることです。委員長、教育長以外の委員は誰がどういう発言したか不明です。これでは本議案の対象の2名の方が会議でどのような発言をしたのかわかりません。無記名か記名かの判断は会議の総意によるものであり、自らの発言に責任を負おうとしない委員の見識がこの点でも厳しく問われます。

 4点目に、この間議会でも取り上げられた県立高校校舎転落事故、高校グラウンド削減問題、県立高校入学式排除問題、中途退学と特別指導、学校施設基準、全国学力テスト結果に関する県検証改善委員会の分析結果、学校現場における子どもの人権などについての、教育委員会会議の審議実態です。

ここでは転落事故について触れます。
 県立高校校舎転落事故は、H11~16年10件、17年2件(2人死亡)、18年4件、H19年1件(1名死亡)起きています。しかし、この問題はH19年の9月、県立学校の「危険な場所」への安全対策に関する請願が出されてはじめて議題とする他人ごとの対応でした。
一方、県外の事故ですが、学校の天窓からの転落事故では去る17日、安全対策を怠ったとして校長などが書類送検になりました。安全管理を怠り少なくとも過去全国で10件は発生していた事故事例の把握もせず学校現場に生かさなかったことが指摘されています。この事故事例の情報が掲載されているのが日本スポーツ振興センター発行の「学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点」ですが、学校校舎からの転落事故も1985年~2005年の21年間で実に死亡者合計62名の事例が報告されています。まさに天窓からの転落事故件数の数倍の事例がありながら、事故事例から学ばなかった責任の一端を厳しく問われるべきではないでしょうか。このことは、去る12月5日辞職された白石真澄氏も含め教育委員全員にあてはまるものです。
 しかし、この転落事故のみならず教育委員はすべての業務について一切責任を追及されることがないようです。なぜ追及されないのか?人事も含めて実質的に「レイマン」としての仕事をしておらず、形式的なトップに過ぎないからです。ここにも会議の形骸化と教育委員の名誉職化をみます。
  
 以上指摘した教育委員会会議の密室性、閉鎖性、無責任性、情報に対する受動的・消極的な実態から、現在の教育委員会は「レイマン・コントロール」が形骸化し、委員は「一日署長」化しているといわざるを得ません。
 
以上指摘しまして、私の反対討論を終えます。ご静聴ありがとうございました。

2008/12/15 月曜日

指定管理者選定の不透明な審議実態

カテゴリー: 活動日記

 13日午後、「水俣・千葉展」の「ホールプログラム」で水俣病患者で漁師の杉本雄(たけし)さん(69歳)の話を聴く。添加剤のないイリコや無農薬の甘夏ミカンをつくり直売してきた杉本さん、小学生や中学生の頃、運動のバランスがとれない生徒(「見学者」と呼んでいた)がクラスに数人いたという。高校3年(1956年頃)の時、4~5歳の子どもがヨダレを流しながら道路で這って遊んでいるのを、病気がうつると思い口をふさいで通り過ぎたことを申し訳なく思うと語った。
なぜ、被害の拡大を止められなかったのかについては、「チッソは儲けのため、一方で人が死んでいるのに廃水を少しでも減らす努力をしなかった。当時、水俣市は国にチッソの廃水を絶対止めないよう陳情し、チッソがなければ市はつぶれる、だから犠牲者は黙れという姿勢を示した。人としてやってはいけないことだ。
報道機関も原因追求を止めていた。正確な報道をしなかった。水銀という字を抹消するために10人の学者を動員しさまざまな原因説を出し「水銀」を薄めた。その背後にはチッソがいた。」
と話した。

● 公正性、合理性を欠く指定管理者選定~「入札制度」として未整備
 
11日の県土整備常任委員会には、20の県有施設の指定管理者の議案が出された。20議案の内、財団、社団が候補者であるものが11議案、なかでも「県まちづくり公社」が7議案、逆転落札が11議案、提案が1者のみが6議案ある。候補者が作成した事業計画書と選定審査会の評価点の詳細を検討した。
常任委員会で、次の点を指摘した。
①客観的であるべき「見積額の評価」を含め審査項目の評価点の詳細基準が非公開である。
 (総合評価入札制度と同様の不透明性は官製談合の温床となる危険性がある。)
②審査委員の評価に合理性、公平性がないものが見受けられる。
・【38号議案:名洗港海浜公園、39号:興津港海浜公園】
具体的な記述を求められているのに事業計画書内容が抽象的でかつ見当違いの記述で事業計画書としての体をなしていない。「地域との協働」「自主事業」ではこれといった提案がないのにそれぞれ配点5に対して2.8ずつ評価している。また38号では「類似施設の運営実績なし」と明記されているのに10点満点で4.5と評価している。34号では一般管理費もなし、人件費(職員給料)なしなど首をかしげる内容だ。
・【40号:富津公園】
 プール管理運営を所掌する事業者の「プール事故」歴など負の部分の評価が不明。
・【41号蓮沼海浜公園】
自主事業が7.3と高く評価されているが、今回の事業期間であるH25年度までは自主事業は実態として何もなし。(収支計画書でも自主事業の収入はゼロ)
・【48号:北総花の丘公園】
経費の見積額の評価で、最も安いA社が1億円で25.0、公社が1億630万円で24.0、B社1億1200万円で18.0となっている。単純に考えると公社は3社の真ん中の費用だから21.5となるハズ。候補者である公社とA者との総合点の差は2.9点である。
・【50号:手賀沼自然ふれあい緑道】
「独創的で実現性の高い自主事業の提案」で自主事業が6.9と評価されているが、事業計画書ではこれといった自主事業の提案がされていない。次点候補との総合点の差が3点。

③適切な人件費を補償する観点からの評価が行われていない。(公的事業が不安定雇用やワーキング・プアを生み出してはいけない。)

④「県まちづくり公社」職員とその他の職員との人件費の格差が大きい。
所長、副所長らは公社職員の指定席となるようだ。
・【40号:富津公園】
所長55歳が1千万円、43歳職員880万円これが「まちづくり公社」の職員
 一方、その他で20-40歳職員535万円、20~50歳企画運営等の常勤マルチスタッフ2名588万円、20~50歳園地清掃常勤スタッフ8人で2100万円。
・【44号館山運動公園】
所長894万円、主任700万円、主任525万円、マルチスタッフ5名1242万円
・【45号青葉の森公園】
所長945万円、副所長900万円、主任550万円、スタッフ常勤22名で5300万円
・【46号幕張海浜公園】
所長41歳790万円、副所長33歳666万円、
・【47号柏の葉公園】
所長38歳844万円、副所長34歳661万円、主任34歳735万円、チーフスタッフ8名2260万円
・【48号:北総花の丘公園】
所長45歳868万円、副所長36歳745万円、チーフスタッフ30~50代4名1362万円
・【49号:長生の森公園】
所長37歳695万円、副所長35歳649万円、スタッフ6名1737万円

2008/12/13 土曜日

「水俣・千葉展」はじまる 文教常任委員会での自民議員の「道徳教育」発言を考える

カテゴリー: 活動日記

● 「道徳教育」が必要なのは企業経営者。子どもたちには憲法・法を駆使して「生きる術」を!

 11日から県議会常任委員会が始まった。補正予算と指定管理者が主な議題だ。11日の県土整備常任委員会で私は指定管理者の不透明な審査実態を具体的に指摘した。それは別途報告したい。12日の文教常任委員会では、自民党の宇野県議が、道徳教育で規律を守ることを教える意義を産業振興の面から盛んに強調していた。
ところで、12日夜はPARC自由学校で弁護士の宇都宮健児さんの「クレサラ金融道―お金で死なないための術」を聴く。国内の消費者金融の利用者は少なくとも1400万人、多重債務者は200万人~300万人と言われる。学校の入学金や給食費が払えないことと多重債務の問題は無関係ではない。弁護士会や司法書士会に相談すれば借金問題は解決するのに、それを知らずに業者に追い詰められた末、多重債務で自殺者が続出する悲惨な状況がある。家族を巻き込むケースも多い。宇都宮さんは、マジメで無知な人が多重債務に陥る現実があるとし、憲法25条は教えても生活保護の申請方法は教えない、利息制限法を超える金利(年15~20%)分を払う必要はない、労働基準法上「天引き」は許されないことなど「肝心の「生きる術」を教えない教育の現状を厳しく批判し、「金融経済教育の強化」を訴えた。ヨーロッパは「民」が「官」をコントロールするために法律があるが、日本は「官」が「民」をコントロールするために法律があり、しかも肝心なことは議会の審査の及ばない官僚の「通達」で決められている、市民の監視の目も育たず、民主主義が未熟だとも指摘した。
 道徳教育は今や一部上場企業に「成長」したアコム、武富士、レイクなど貸金業者やまともなに取り締まろうとしない警察、セーフティネットを整備しようとしない行政官僚、議員に対して強調されるべきであり、子どもたちには法を駆使して「生きる術」を教えるべきだろう。

● 近代化とは何かを考えさせる「水俣・千葉展」はじまる
 
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 10日から千葉県労働者福祉センターで「水俣・千葉展」(~28日まで)がはじまった。
10日朝のオープニング・セレモニーで水俣フォーラムの栗原彬代表が、「全国各地で開催してきたが、今回が20回目の区切るとなる展示だ。平和に暮らしていた人々を襲ったこの不条理な受難の背景には日本の近代化がある。水俣病は近代化の負の遺産だ。この受難は今も続いている。認定申請者は6千人を超える状況にある。一方、水俣の人々の生き方、闘いの中に「共生」という正の遺産がある。これから生まれてくる人々に2度と同じ被害を繰り返させない、環境と人間、人間と人間、加害者と被害者、こうした関係に「共生」という関係をつくりたい、そういう思いが患者さんの中にある。広くこの思いを伝えることで、実りある水俣展にしたい。」とあいさつした。
患者で車椅子のOさんは、「なんで私がこんな目にあわなければならないのかという思いが強かった。自殺を何回かはかった。」「11人子どもを産んだが、皆障がいを持って生まれた。水俣病はどこが原因か私もわからないし、チッソの人も罹っていた。湯堂はほとんど全世帯被害を受けた。」「世の中便利になるのがいいのか?化学物質の中で人間が暮らしている今がいいのか、昔のままがいいのかわからない。もし自分の子どもが水俣病になったらという気持ちで展示を見てほしい」と語った。
千葉にはチッソ五井工場があり、第二の水俣病の原因企業である昭和電工の事業所もある。高度経済成長とは何だったのか、改めて考えてみたいと思う。

2008/12/8 月曜日

犯罪報道への疑問~東金女児遺体遺棄事件

カテゴリー: 活動日記

 5日は本議会後、夜、千葉市内で開かれた憲法集会(主催:千葉県憲法会議他)で明治大学・山田朗さんの「武力による国際紛争の解決はない~戦争の歴史から見た教訓と「田母神論文」の危険性」を聴く。主催者挨拶で高橋勲代表幹事・弁護士が、県内の「九条の会」は335に達したこと、また約3万人の雇用危機に触れ、国民の勤労の権利を保障する憲法27条は生活保障と職場の提供を国の責務と定めていると話した。
山田朗さんは、「田母神論文」の真の危険性として、自衛隊内における「軍隊化」を求める“マグマ”の上昇を指摘し、1978年の栗栖弘臣統幕議長の「超法規発言」が有事法制研究表面化の呼び水になったように、自衛隊内における危険な動きの“前兆”ではないかと話した。自衛隊のイラクでの活動を違憲(憲法9条1項)及びイラク特措法違反と判断し「平和的生存権」の具体的権利性を認めた名古屋高裁判決(確定判決)と憲法9条を生かして、市民が軍事を監視しコントロールする力をどう強めていくかが課題と指摘した。
迎撃ミサイルの実験失敗も、専用の軍事衛星の所有、先制攻撃論に繋がりかねない。自国を「守る」為の日本の軍拡→中国→インド→パキスタン→中東諸国へと世界の軍拡に繋がる。9条でこの連鎖を断ち切らねばならない。習志野自衛隊基地のPAC3配備や弾薬庫計画問題でも名古屋高裁判決をもっと生かしたいものだ。

 6日午前は、大藪池谷津で採れた餅米で「プロジェクトとけ」主催の年末恒例の餅つきをNPO法人緑区こどもサポートセンターの20数名の子どもたちと一緒に行う。
午後は都内で開かれたシンポジウム「バイオテクノロジーと実験施設の危険性」(主催:バイオハザード予防市民センター)で「カルタヘナ国内法の問題点」について報告する。藤沢・鎌倉の武田薬品研究所、武蔵村山の感染研P4施設、東京・府中の国立食品衛生研計画、豊島区の学習院などバイオ施設に対する住民の異議申し立てが相次いでいることを反映して、参加者からの質疑が絶えない熱いシンポジウムとなった。夜は、DNA問題研究会との合同の望年会で天笠啓祐さん、安田節子さん(ビジョン21 代表)、野上ふさ子さん(地球生物会議代表)らと懇談し元気をもらう。

● 東金女児遺体遺棄事件の容疑者逮捕報道への疑問
 
 7日「毎日」朝刊は東金女児の遺体遺棄事件の容疑者逮捕を報じている。
見出しは、「21歳男『遺体置いた』」(1面)、「懸命捜査実り 住民安堵」(千葉版)、「逮捕の瞬間『うん』」「事件前日に退社」(社会面)とある。この報道でまず気になるのが、裁判で判決もでたわけではないのに実質「有罪」と断じていることだ。次に実名と精神発達遅滞であることを報じ、写真も掲載していることだ。「捜査本部は当初、容疑者の氏名を匿名の「甲男」と発表。理由について「精神発達遅滞という診断のため」と説明した。しかし、「事案の重大性をかんがみ、後は報道各社の判断で」と住所・氏名を発表した」とある(同「千葉版」)。しかし、犯罪報道は匿名を原則とすべきで、精神発達遅滞は症状を表すに過ぎず、報じる必要は無い。また 退社したことをことさら取り上げる必要もない。
 要するに警察の発表を鵜呑みに報じているのではないだろうか。警察と言論機関が組めばなんでもありの世界となることを記者は自覚すべきだろう。

2008/12/5 金曜日

2兆円で失業者生まぬ仕掛けを~票を税金で買う定額給付金をやめさせよう

カテゴリー: 活動日記

 1日は議会控え室で質問準備作業の後、夜は新習志野の茜浜ホールで開かれた信州・安曇野在住で旧友の木工作家・大竹收氏(大竹工房主宰)の作品展に顔を出す。4、5年前に北アルプスの爺ヶ岳からの下山時に工房を訪ねて以来だ。

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121日の展示会場でケーナの演奏を披露する木工作家・大竹收氏

 2日から12月県議会の質疑が始まった。3日午前の公明党の藤井県議が代表質問で冒頭、2兆円の「定額給付金」を自画自賛した。
ちょうど、毎日新聞が「2兆円あったら?」(12月2日~4日)を特集している。
①妊婦が受け入れられない事態をなくし安全なお産を実現する
                                                                  ・・年3429億円×6年
②移動困難者(120万人・週1回)の通院・買い物に送迎サービス
                                                                  ・・年1800億円×11年
③「トライアル雇用」奨励金で安定雇用(222万人)の促進・・年6600億円×3年
④保育所、学童保育の待機児童の解消と妊婦検診の無料化・・1.5兆~2.4兆円
⑤後期高齢者医療制度の75歳以上の人の保険料を2年間無料に・・2.2兆円
⑥65歳以上の人の介護保険料を1年間無料、介護報酬8%引き上げ・・2兆円
⑦公立小・中学校の耐震化で緊急性の高い1万棟分・・1兆円
⑧消費税を1年間5%から4%に引き下げ・・2.3兆円

景気悪化を理由に期間・派遣社員約1万2千名が解雇されるという。失業者を生まないための人づくりにデンマークは対GDP比1.04%、ドイツは0.5%で日本はわずか0.04%、ドイツ並みに引き上げるには2.5兆円必要という。(12月2日「毎日」『人づくりに投資 失業者生まぬ仕掛けを』)
それでも自民・公明は1人1万2千円の定額給付金に固執する。票を税金で買い、あとで消費税を取り立てる、実にタチが悪いと思う。

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