大規模改修が必要な県立学校
「県有建築物の耐震化状況」(千葉県、07年11月)によれば、07年4月1日現在の県有建築物(特定建築物及び応急活動拠点となる建築物等)の総棟数は2214(耐震化率75%)である。耐震化率がいつも話題となるが、施設を安全で快適かつ有効に利用し県民財産を次世代に引き渡すためには耐震化とともに老朽化した施設の改修、維持管理が不可欠である。この改修維持管理について、道路や橋梁は議会でも取り上げられ注目されるようになったが、917棟(総棟数の41%)を数える県立学校施設についてはそれほどでもない。
本来、施設をつくる場合、将来にわたる維持管理更新などライフサイクルコストと財政状況を検討することが当たり前だと思うが、どうもそうではないようだ。屋根防水、外壁塗装・補修、埋立地の地盤沈下対応などの大規模改修の時期がとっくに過ぎているのに教育庁自体の予算がないため手がつけられない県立学校施設が数多くあるという話を聞いた。
そこで、H21年度施設整備事業計画調の記載内容から3つの県立高校(築25年~35年)を選び、29日丸一日かけて現地を視察した。仕上げ材(防水、塗装など)の維持管理が不十分な現状では、耐用年数は大きく落ち、コンクリート片の落下も心配だ。地盤が大きく沈下した施設は、地震時に杭頭が破壊され施設全体に大きな被害が及ぶ可能性もある。
こうした既存施設の維持管理をしっかりやるとすれば、それだけでも借金しなければならない財政状況ではないだろうか。「選択と集中」の観点から、新規の高規格道路ではなく、教育施設の維持管理や保健室などのクーラー設置にこそ予算を振り向けるべきだろう。地場の建設業者や設備業者の受注の機会も増える。これらを公約に掲げる知事選候補者が出て欲しいものだ。