2009/2/28 土曜日

教育委員会会議の形骸化と浦安小強制わいせつ事件

カテゴリー: 県議会

~2月17日の予算委員会質疑より

●教育オンブズパーソン制度

【川本】まず、教育オンブズパーソン制度について伺います。
5日の代表質問で会派の吉川県議が浦安小学校における教員による児童への強制わいせつ事件との関連で、「教育の現場において、児童・生徒・保護者の訴えを公正・公平に受け止めて、迅速な対応を行うことができる教育オンブズパーソン制度を設置すべきだ」と質した。
この事件は、保護者から訴えがあっても県教委は市教委まかせで市教委の言い分をうのみ、市教委は学校まかせ、学校は教員を守る、という構図の中で、保護者の方はやむにやまれず裁判に訴えたものだ。児童生徒保護者の訴えを真摯に受け止める仕組みがあれば裁判に至らなかったと思う。

また、昨年9月議会の代表質問で私は、県立高校の特別指導中、教員が密室で生徒を恫喝しそれによる中途退学に至った問題を取り上げた。この被害を受けた子供の保護者らも安心して訴える場がない。

吉川県議の質問にたいし、教育委員長は、「相談できる環境づくりに努める、職員を指導助言してまいります」とし、オンブズパーソン制度の設置は不要とした。
しかし、そうした環境がない実態があるから制度の設置を求めたもので、教育現場の現状に無知な答弁だ。

改めて伺います。
セクハラ問題や特別指導中の不適切行為などを踏まえ、教育オンブズパーソン制度等の設置に向けた検討が必要と考えるが如何か。

【答弁】佐藤教育長
 セクハラ問題については、各学校にセクハラ相談員を置き、児童・生徒がどんなことでも相談しやすい環境づくりに取り組んでいるとともに、教職員及び児童・生徒のセクハラに対する認識を一層深めるため、県立学校の全教職員と生徒を対象に、セクハラ実態調査を実施しているところです。

 また、特別指導は、生徒に深く反省を促し、再び健全な学校生活に戻れるようにすることが大きな目的であり、その過程でやむなく進路変更にいたる場合もあるものの、各学校においては、家庭と十分連絡をとりながら、教職員が粘り強く生徒の立ち直りに努めているところです。

 いわゆる地教行法の改正では、効果的な教育行政の推進や住民への説明責任等の観点から、教育委員会が自ら点検・評価を行い、その結果を議会に提出し、公表することとされました。これを受けて、教育委員会は外部の学識経験者の知見を活用しつつ、点検及び評価を行っており、現段階においてオンブズパーソン制度の設置については考えていないところです。

【川本】職員が対応するといっても、それには子供、保護者と学校との間に信頼関係が不可欠だが、そもそも問題が生じるところはそうした信頼関係がない。また担当する職員は保護者らにとって公正中立な第三者的な立場ではありえないし、こうした問題に対応するには法律家、医師、学識経験者、子どもの人権関係の専門家などの知見が不可欠だが、教員は子どもに学力をつける専門家ではあってもこうした専門家ではなく、また多忙な日常業務を持つ。専門家でもない職員に適切な対応などできるはずがないがどう考えるのか。

【答弁】和田教育総務課長
 先ほど答弁したとおり、教育オンブズパーソン制度の設置については考えていないところですが、教育行政における課題が多様化している現在、適切な生徒指導を含めた充実した教育を推進していく上で、学校を支援していく仕組みにつちえ、国や他県と連携して研究してまいります。

【川本】浦安の強制わいせつ事件の控訴を検討した1月21日の教育委員会会議の議事録によれば、一人の委員の「今後は、ぜひ被害をきちんと述べることができない人に対するこのような事件が二度と起きないよう、県の教育委員会として、いろいろと工夫をこらして、再犯予防に努めていただきたい」という発言もある。
県教委は校長以下教職員の評価と人事の責任が問われるという点で公正中立な第三者ではない。教育オンブズパーソン制度等の設置に向けて検討をすることを重ねて求める。

●教育委員会会議の在り方

【川本】次は、教育委員会会議の在り方について伺います。
去る1月22日、大津地裁で、行政委員に月額報酬を支給しているのは「勤務日数に応じて支給する」と規定した地方自治法に違反しているとし、滋賀県に支出差し止めを命じる判決が出された。今後、行政委員の業務実態に応じた報酬のあり方という点で議論になることと思うが、これは教育委員会の委員についてもあてはまる。
教育委員会会議は月1回2時間程度開催されているが、県民が注目するのは県教育行政の責任者と位置付けられている教育委員がその使命をきちんと果たしているのかというものだ。

しかし、本議会の議案で出されている浦安市立小学校における教員によるセクハラの損害賠償請求事件の控訴手続きに際し、会議も開催されず事後報告で済まされ、後に開かれた教育委員会会議は控訴を疑問視する意見が多数を占めたものの控訴済みということで安易に追認された。これでは教育委員として県民が望む実態がないといわざるを得ない。
 1月21日の会議議事録によれば、一委員は「一個人の意見としては、本当はこのまま終結した方がのぞましかったのではないか」と発言し、別の委員は「個人的な感想としては、この程度の重さで判決がおりているのであれば、早くきとんとしてあげた方がいいと思うので、県、市側がこのまま受け入れてもよかったのではないか」と発言している。

そこで、こうした実態を踏まえて、行政委員の月額報酬に関する大津地裁判決と県教育委員会会議の形骸化についてどのように考えるのか。

【答弁】同
教育委員は、議案等に関して、委員会会議における審議のほか、様々な視点から、事務局に説明を求めたり、地域住民等との意見交換会や委員協議会、委員勉強会を頻繁に開催して、状況把握や調査・研究に努めているところです。

それを踏まえ、教育委員会議において、教育行政の基本に属する需要な事項について、大所高所から、審議・議決を行っているところです。

【川本】浦安の事件の控訴手続きについて多忙を理由に集まれないような方々を委員に任命するのが間違いではないか。
そもそも、教育委員会は、自治体の長から独立し委員の合議により、大所高所から基本方針を決定しそれを教育行政の専門である教育長が執行するという、いわゆる「レイマン・コントロール」の下に運営されねばならない。しかし、昨年の12月議会で教育委員の人事案件の討論で私が指摘したとおり、
・事務局の提案する議案のすべてを何の異議もなく全員一致で採決
・少なくとも過去3年間1件も委員からの議案発議はありません
・議事録で発言者が無記名であり発言に対する責任意識が薄い
・県立高校校舎転落事故、県立高校入学式排除問題、中途退学と特別指導、学校施設基準、学校現場における子どもの人権などについての、教育委員会会議の無関心な実態がある。

教育長と事務方が教育行政を動かし、教育委員は名誉職化して意義を発揮しない存在になっている。そこで伺う。

レイマン・コントロールに向けた教育委員の意識改革の取組と県民への説明責任を果たす必要があると考えるがどうか。

【答弁】同
 教育委員は、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、知事が議会の同意を得て任命しています。

 教育委員は、基本的かつ重要な方針や施策等の策定に当たって、市町村教育委員会や他の幅広い分野の方々との意見交換を実施したり、学校視察やミニ集会、タウンミーティング等に積極的に参加したりして、地域の教育ニーズの把握に努め、県民の意向を施策に反映させているところです。

 さらに、今回の法改正に伴い、先ほど答弁した教育委員会活動の自己点検・評価の中に、教育委員自らの活動の取り組みを記載し、議会に報告するとともに、県教育委員会ホームページに掲載し、広く県民に公表したところです。

【川本】そもそも5人の委員は県教育行政の責任者と位置づけられているにもかかわらず、教育長を除き、教育委員長をはじめ4人の委員が非常勤で良しとしていることが問題。その結果、教育委員会会議の形骸化が進み、事務方が実質的にすべてを取り仕切ることになる。本来、「教育再生」というならこの点が真っ先に改革されるべきものだった。
レイマン・コントロールが機能する教育委員会会議の再生の取り組みを是非新年度は実施することを求める。

●教育委員会の障害者雇用

【川本】次に、教育委員会の障害者雇用について伺います。

一昨年の12月議会で小宮清子議員の一般質問で、障害者雇用の法定雇用率の達成に向けて、厚生労働大臣からの勧告を受けてH20年には法定雇用率を達成できるよう3年計画を出したと答弁している。そこで伺う、
障害者雇用に向けて法定雇用率2.0%達成に向けた取り組みと達成状況はどうか。

【答弁】同
 障害者の雇用は、平成17年度の169人、雇用率1.12%から、平成20年度には229人と60人増加し、雇用率も1.48%に伸びたところですが、残念ながら法定雇用率の2.0%には達していない状況です。

 このため平成18年度から教員等を対象とした身体障害者特別選考を実施しているほか、中央図書館において、知的障害者を嘱託職員に雇用するなど障害者の雇用促進を図ってきたところです。

 さらに、平成20年12月に教育庁内にプロジェクトチームを設置し、新たな職域の開拓や採用等に向けた広報・啓発など具体的方策の研究を進めているところであり、引き続き、法定雇用率の達成に向け努めてまいります。

【川本】応募者が少なければ、職域を広げる、学校で教職をとる段階から障害をもった方にもきちんと広げる、施設整備など学校側の受け入れ態勢を整える、などハード、ソフト両面の整備を求める。

●博物館行政

2002年に出された行財政改革の結果、01年と09年の比較では予算ベースで35.5億円が21.2億円と4割減と大幅に削減され、博物館員も01年146名が08年ベースで108名と約3割減と予算、人員が大幅に削減されている。
 
県立博物館予算削減のなかで、生涯学習、地域文化創造の中核拠点施設として機能を発揮できる保証があるのか。

【答弁】佐藤教育長
 千葉県には、中央博物館や美術館など6つの県立博物館があり、様々な分野の専門職員が配置され、また収蔵している資料にも貴重なものがあります。専門的学術団体から一般県民までが幅広く集い活動する場を提供しています。

 今後も、一人ひとりの職員が様々な工夫やアイデアを出しながら、博物館に蓄積されている専門的知見を最大限活用して、より開かれた博物館を目指していきたいと考えております。

2009/2/26 木曜日

地域のセーフティネットの整備を

カテゴリー: 県議会

~2月16日・17日の予算委員会で雇用対策、ホームレス自立支援を質す

 25日早朝は、毎月恒例の「とけ・九条の会」の土気駅での駅頭活動。配布する会報26号の見出しは、「ヨーロッパは日本と大違い 政治は誰のためにあるのか」だ。教育、雇用、医療で差がある。財源をどうするか?不公平税制の是正、法人税・所得税の税率改正で国税・地方税の増収合計は21兆円という試算(「不公平税制をただす会」)があり、低所得者に大きな負担を強いる消費税の増税は不要だ。
 さて、県議会予算委員会での「雇用対策・ホームレス自立支援」についての私の質疑、県当局の答弁の詳細を以下に掲載する。

●県内のホームレス者数、「派遣切り」の実態

【川本】年末年始にかけて年越し派遣村が大きな話題となりました。
厚生労働省は1月31日に、昨年10月から今年の3月末までに職を失う非正規労働者が約12万5千人と発表しました。労働者をしっかり守るルール、制度をつくることとともに、その背景にある格差社会、経済危機に目をやり、個人消費の拡大で地域でお金がまわることが地域経済の立て直しの最大の要素とする的確な施策が求められる。そのためには、格差社会の克服、セーフティネットの充実こそが地域経済振興の柱に据えられる必要があります。
そこで伺います。
県内のホームレス者数、「派遣切り」「非正規切り」の被害者の数の現状と今後の予測はどうか。

【答弁】大熊雇用労働課長
県内のホームレス者数は、厚生労働省の「ホームレスの実態に関する全国調査」によると平成20年1月現在で524人です。
また、国から調査結果は公表されていませんが、平成21年1月の調査状況を見ても減少傾向にあります。
非正規労働者の雇い止めについては、千葉労働局が実施した1月30日発表の「非正規労働者の雇い止め等の状況調査」によると、実施予定も含め、本年3月までに県内では22事業所、938人の非正規雇用の方が雇い止めになる見込みです。
雇い止め状況は、調査開始時点の11月から月ごとに増加しており、今後さらに深刻化することが懸念されるところです。

●総事業予算の拡充を

【川本】しかし、新年度当初予算では、中小企業などへの支援と比較してホームレス自立支援事業は前年度より100万円減、ジョブカフェ総事業費も約3300万円の減となっている。
ホームレス自立支援事業、ジョブカフェ総事業の予算を含めた拡充をすべきではと考えるがどうか。

【答弁】同
ホームレス自立支援事業については、市町村が、地域の実情に応じまして、巡回相談事業や自立支援ハウス事業などに取り組んだ場合に、事業費の補助をしております。今後とも市町村への事業実施を働きかけまして、ホームレス対策の充実を図ってまいります。
ジョブカフェちばの事業費は 経済産業省関係の予算が今年度限りということですので、次年度予算については県費で約4000万円の増額により対処しようとしておりますが、総予算額としては減少する見込みであります。
しかし、できるだけ現在のサービス水準を維持する必要があると考えております。そこで、一層の事業の効率化を図るとともに、今後、ふるさと雇用再生特別基金事業の活用の検討など、新たな予算確保に努めてまいりたいと考えています。

●長期的な雇用の保障

【川本】緊急雇用創出事業として6月補正予算が成立するまでの間の必要な事業費として5億円が組まれている。安心して生活するという点から、将来的にも長期的な雇用を保証するものにつなげていく必要がある。
 緊急雇用創出事業は長期的な雇用=安定雇用につながる方策をすべきだがどうか。

【答弁】同
今回、国の第2次補正予算で措置された雇用関係の基金事業には、離職者に一時的な就業の機会を提供する「緊急雇用創出事業」のほかに、中長期的に安定的に雇用機会をつくりだそうとする「ふるさと雇用再生特別基金事業」があるので、これを十分活用できるよう検討を進めていきます。
また、「ジョブカフェちば」や「ちば仕事プラザ」での就労支援事業も活用し、安定的な雇用につながるよう、一層の就労支援に努めていきます。

【川本】そのひとつの提案として、公共事業の発注の要件に、雇い止めにあった非正規労働者の雇用を加えることなどを検討すべきではないか。

【答弁】石井建設・不動産課長
現在、緊急雇用創出事業の中で、道路維持修繕や河川環境整備などにつきまして雇い止めにあった非正規労働者その他の求職者の雇用創出に取り組んでいるところでございます。
今後とも、このような業務について、雇い止めにあった非正規労働者などの雇用創出等に努めてまいります。

●自立支援計画の策定

【川本】2002年の「ホームレス自立支援法」、2003年の「ホームレス自立支援基本方針」を踏まえ2005年1月に策定された「千葉県ホームレス自立支援計画」では、知事の「はじめに」で
「ホームレス問題は、福祉だけでなく、住宅、就労、健康、施設管理など、さまざまな切り口からの対応が必要です。しかし、これらの対策を個別に並べるだけではなく、一人一人の実情やニーズにあった対策を有機的に結び付けていかなくては、せっかくの施策も有効に生かせなくなります」としている。
千葉市、船橋市所管の施設を除き、県内には昨年6月末現在で25の施設、定員あわせて1144名の無料低額宿泊施設があるという。
 無料低額宿泊施設入所者で自立した人数を把握しているのか伺う。

【答弁】平井健康福祉指導課長
 各施設に調査を実施したとこえ、平成19年度中に就労等により施設を退所し自立している人は114名である。

【川本】県の自立支援計画では、入所者に対しても一人一人に応じた就労支援を行うと規定されている。市町村をサポートして自立支援を実行することが必要だ。
そのためには、自立支援計画作成を市町村に促す必要があると考えるがどうか。

【答弁】同
 県内のホームレス者数は、市町村によって大きく異なっていることが、平成20年1月時点でホームレス状態にある方が確認された。県の所管する25市町において、自立支援計画をまとめることが望ましいと考えている。
 自立支援計画を策定した市町村は、市川市の一市であり、今後、関係市長に対して、計画の策定を促すとともに、特に、ホームレスの多い東葛飾地域を中心とする都市部に対しては、早急に作成するよう働きかけてまいりたい。

●一体的政策と総合窓口の設置

【川本】中途解約を禁じた労働契約法や借地借家法などに基づき、企業の社会的責任を厳しく問うとともに、今後予想される3月末の有期契約雇用の満期雇い止めに備え、一層のセーフティネットの拡充が不可欠だ。
その場合、居住、就労、その他生活支援などの対策を個別に並べるだけではなく、一人一人の実情やニーズに合った対策を有機的に結び付けなければ有効な施策とならない、
居住支援と就労支援の一体的政策と関係部局やNPOの連携が必要だがどうか

【答弁】同
 ホームレス問題は、福祉、健康、住居、就労、安全対策など、多方面にわたることから、行政機関が相互に連携を図るとともに、民間の支援団体やボランティアと協働して、ホームレス一人ひとりの実情を踏まえた自立支援を進めていく必要があると考えている。
 市川市においては、県から事業費の助成を受けて、市の関係部局と支援団体が協働で支援事業を実施し、巡回相談から借り上げアパートへの入居、さらには就労支援へと結び付け、大きな成果を上げている。
 今後とも、ホームレス状態にある方が確認された市町村に対してホームレス自立支援事業の実施を働きかけていく。

【川本】そのためには、当事者がハローワーク、住宅供給公社、福祉事務所の窓口などを訪ね歩かなくてよいよう、居住、就労、生活保護などの総合窓口の設置が必要と考えるがどうか。

【答弁】同
 ホームレスの方の相談窓口は、各市町村の福祉部局となっており、来庁した方の相談に応じるとともに、必要に応じて関係機関等と連携、調整を図っている。
 今後とも、市町村に対し、関係機関等と連携を図り、民間の支援団体・ボランティアの協力を得て、ホームレスの方々の実情を踏まえた支援を行うよう働きかけていく。

【川本】関係組織の連携や窓口の設置は今からしっかり準備していただきたい。
また、ホームレス自立支援計画については、新年度見直しが行われるということなので、現状の検証を踏まえ関係者、県民の意見をしっかり取り入れ実効性のあるものを作成することを求める。

2009/2/25 水曜日

政治が問われる県有施設の維持管理や老朽住宅の耐震化の放置

カテゴリー: 県議会

~2月13日の予算委員会で公共事業の転換を求める

●県有施設・財産の維持管理

【川本】1月末に私は、昭和49年~51年に建設されたといいますから、築35年近く経過した県立高校を数校、視察しました。
一般に建築物は、鉄筋コンクリート造の場合、耐用年数60年とされ長寿命化のため外壁塗装や屋根防水の全面更新は少なくとも15年~20年で行われるもので、30年経過すれば大規模な改修が必要とされます。
私が訪ねた県立高校は35年近いにもかかわらずそうした更新は一度も行われず、鉄筋の錆が外壁に浮き出、壁や梁のクラックも目にし、埋立地にある学校は地盤が1メートル近く沈下し杭で支えられた構造物と地盤との間の隙間が観察されました。
これではコンクリート破片落下による事故、雨漏り、大地震動時における液状化や杭の破壊による上部構造物の大規模な被害が危惧されます。
改修できない理由は財源がないということでした。
そこで県有施設全体について伺います。

床面積ベースで約395万㎡の県有施設の4割が築30年以上経過し、10年後には8割に達する。これらの大規模改修に要する費用の総額はいくらか。新年度予算案ではどの程度実施されるのか。

【答弁】松原総務部長
 本県では、首都圏に位置するということから、高度成長期の人口急増に伴う行政需要に対応するため、学校をはじめとする様々な公共施設の整備を行ってきました。
 今後、これらの施設の改修や改築の需要が増加すると見込まれることから、将来の財政負担の抑制と平準化が重要な課題と考えています。
 このため、行政改革推進本部の下に設置した「県有財産活用戦略会議」で検討を加えながら、県民ニーズの変化をを踏まえた県有施設の見直しを図るとともに、建物の長寿命化や利活用の一層の推進に努めるために、その方針を策定したいと考えています。
 大規模改修に要する費用の総額については、
 ・今後、施設の統廃合などにより施設数が変動すること
 ・施設の劣化状況がそれぞれに異なること
などから、現段階では試算することは困難であると考えています。
 なお、21年度の予算につちえは、緊急に対応すべきものについて、主に予算計上しているところです。

【川本】一方で借金し、大規模な公共事業を推進しながら今後の県財政負担のシュミレーションに不可欠な大規模改修費の試算をしていないとは驚くべきことです。また、新年度予算の数値は耐震改修によるものが大部分と思われますから実質的にはほとんど考慮していないということです。本来予算に計上すべき項目が入っていないということですから、財源不足の規模はさらに大きくなるハズです。それがどの程度なのか、以前、議会答弁で県は、「築40年で建て替えをすると今後30年間で1兆円以上の費用が見込まれる」としている。単純に平均すると年間400億円前後の財源が必要となる。建て替えではコストがかかるということで長寿命化への取組が各地方自治体で行われている。そこで伺う。
 温暖化防止策にも配慮した県有施設の維持管理・長寿命化計画の策定状況はどうか。

【答弁】同
 先ほども答弁したとおり、今後、「県有財産活用戦略会議」でその方針を策定することとしています。
 その間、地球温暖化防止に配慮することは、大変需要であると考えているところであり、環境の視点も重視していきたいと考えています。

【川本】青森県では2003年に今から6年前にすでに「ファシリティマネージメントを活用した県有施設の効果的な管理運営手法の導入に関する調査研究」が実施されている。財政負担のシュミレーションとともに県有施設の温室効果ガス削減も位置づけられている。そもそも県有財産を財源を確保しながら安全に維持管理していくことは県の使命であるが、千葉県で検討が遅れたのはなぜか。またいつまでに財政負担のシュミレーションを実施するつもりなのか。

【答弁】同
本県では、高度経済成長期の人口急増に対応するために施設整備を行ってきましたが、そのピークが昭和50年代半ばとなっており、先進的に取り組んでいる青森県などと比べると5年程度遅くなっている状況にあります。
また、自治体ごとに、保有する施設等の状況や県民ニーズも千差万別ですが、先進的自治体の取り組みを参考にしていきたいと考えています。
現在、建物の利活用状況や劣化状況の把握を進めているところであり、その結果を踏まえた県有財産の転用や共用、売却、貸付などの利活用に係る見直しの方針の方向性については、21年度後半には取りまとめたいと考えています。

【川本】毎年の予算に反映させる必要があるのにいつまでに財政負担ニシュミレーションを実施するか決まっていないのはこれにも驚きます。
今年1月に出された「未利用地県有財産の管理についての行政監査結果報告書」では、監査対象財産の約6割で測量経費等を要するとの理由で境界確定がされていないことが指摘されている。これらを考え合わせると、県有財産を維持管理するという姿勢に乏しいと言わざるを得ない。
 先ほどの青森県の報告書では面積ベースの規模は千葉の約半分だが、長寿命化費用は30年間の累計で3200億円としている。その倍の規模では30年間で5000億円~6000億円となり年平均200億円程度となる。千葉県でいうと道路直轄事業負担金が180億円程度ですからその程度かかるということです。
 そこで伺うが、県有施設は本来毎年数100億円規模の維持管理更新費用が必要ということ、07年度決算で経常収支費率が100%を超えたこと、さらに流域下水道施設の今後の更新費などもあわせて考慮すると、千葉県は高規格道路や大規模開発など新たな公共事業を行う財政的な余裕などないのが実態だと考えるがどうか。

【答弁】同
財政状況が厳しいことは事実ですが、厳しい中にあっても県民が真に必要とする事業については、予算措置していかなければならないと考えています。

【川本】だからこそ一刻も早く財政負担のシュミレーションを実施すべきなのです。
最初に指摘した学校施設の状態は財源不足で放置されている。1校1億円費やせば当面の処置ができる。無駄な酒々井IC事業に4億円投入する余裕はないはず。事故が起きれば管理者はその責任が問われることになる。
 既存道路の問題も同様だ。道路環境課所掌の県単の交通安全事業は各事務所からの要望225か所39億円に対して新年度の骨格予算案では約17%の6.9億円、舗装修繕は125㎞67億円に対して30%の20億円しか組まれていない。そこで伺う。
 県単の道路舗装修繕費、交通安全対策費は、県民生活の安全対策として骨格予算で必要な全額が計上されるべきものと考えるが如何か。

【答弁】橋場県土整備部長
 骨格予算では、道路舗装修繕費用については、早急に工事を実施する必要な箇所を計上している。交通安全対策費につちえは、継続箇所のうち、交差点改良や年度内に完了する箇所を計上している。この二つの事業については、6月補正予算において、更なる事業予算の確保を図ってまいります。

●老朽住宅の耐震改修

【川本】 大地震がいつおきてもおかしくないと言われる。そこで学校施設をはじめとして耐震改修がおこなわれている。しかし、阪神淡路大震災の内、地震の直接の被害者5502人の88%は老朽住宅の倒壊による「住宅災害」だったという教訓から学ぶなら、老朽化した住宅の耐震性を確保することが最優先の緊急の課題の一つであることは明らかだ。そして高齢者、障害者、低所得者など社会的弱者に被災が集まります。そこで伺う。
 県内の昭和56年以前に建てられた耐震不足の戸建て老朽住宅の棟数、新年度予算の耐震補強予算と棟数について伺う。

【答弁】同
 平成15年の住宅・土地統計調査によりますと、本県における昭和56年以前に建てられた戸建木造住宅は、約45万戸となっております。
 このうち、耐震性のないものは、国の算定方法に基づき、約40万戸と推計しております。
 また平成21年度当初予算における戸建住宅の耐震改修補助につちえは、1700万円、約340棟分となっております。

【川本】国の調査では、県内の戸数40万ということから、これでは10年間続けても1%もカバーしないことになる。
 1戸わずか5万円、対象戸数340戸で1700万円の新年度予算額では、阪神淡路大震災の「住宅災害」の教訓を学んだと言えない。そもそも建築基準法の主旨は憲法25条「国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を守るための最低限の基準を定めたものだ。しかしそれに反して日本の住宅政策は自助努力に委ねられた。これでは命を守れない。建築基準法の原点に立ち戻り、「住宅災害」を防止する施策を推進するため、耐震補強予算を大きく拡充することが不可欠だと考えるがどうか。

【答弁】同
 耐震改修事業につきましては、市町村が主体的に行い、それに補助をする制度であるため、市町村の耐震改修事業の拡大を指導してまいりたい。

【川本】建物は社会資産でもある。40万戸すべてを対象に5万円計上すれば200億円、5年計画とすると毎年40億円だ。ちょうど成田新高速の整備推進に新年度41億円がつけられていますがそれにあたる額です。地域の中小の工務店を中心に産業振興にもなる。
 建築部門が福祉という視点が持ちにくければ、福祉部門との連携が必要だと思う。
私はだいぶ前ですが、都内で高齢者のバリアーフリーなどの住宅改善に関わったことがある。高齢者も地域で安心して住み続けるという観点から、高齢者などに向けたバリアーフリー化とセットで簡易耐震改修の住宅改善補助制度を検討すべきと考えるが如何か。

【答弁】同
県の耐震関連補助事業は、住宅や建築物の耐震化を促進することを目的に、現行の建築基準法の耐震基準を満たさない住宅等の耐震改修等を対象に補助を行っているものです。
また、県は、高齢者などに向けたバリアーフリー化等を目的とした居室の増改築等に対する融資制度を実施しているところです。
したがって、バリアーフリー化と連動して耐震改修等を実施する制度については、今後制度上の課題を含め、連携方策のあり方等について、検討していきたいと考えております。

【川本】是非、検討いただきたい。この老朽住宅の耐震化問題は、阪神淡路大震災の教訓を生かすという意味で、政治が問われる。「住宅災害」という人災の予防という面で、全庁的で計画的な取り組みを求めたい。

●公共事業の転換

【川本】既存県有施設の維持管理の充実、老朽化住宅の耐震化促進は県民財産の管理や生命の安全の上でまったなしの状況だ。本議会の質疑で不足しているのは「何をやらないか」という議論です。
公共事業で何を優先し何をあとに回すかということです。
 H20年度、第36回県政に関する世論調査結果によれば、①高齢者の福祉を充実、②災害から県民を守る、③医療サービス体制を整備、④食品の安全、⑤次世代を担う子どもの育成支援、だ。
こうした県政世論調査結果からも、圏央道や北千葉道路などの高規格道路事業を他の事業より優先することを県民は望んではいない。そこで伺う。
県政世論調査結果、県有施設の長寿命化を優先し、道路直轄事業などの高規格道路や酒々井IC事業を凍結・中止すべきと考えるが如何か。

【答弁】知事
県ではこれまで、超寿命化対策として、県有施設の耐震対策や補修などを実施してきたところです。
一方、地域経済の活性化や成田空港のアクセス強化、及び観光立県千葉の実現をめざすため、県土の道路網の骨格をなす圏央道、外環、北千葉道路など、高規格な道路の整備も重要と考えています。
そこで、厳しい財政状況の中ではありますが、これらの高規格な道路等の整備もバランスをもって進めてまいりたいと考えています。

2009/2/24 火曜日

きなだ山山砂採取事業は、不可逆・非循環・持続不可能な事業

カテゴリー: 県議会

~2月16日の予算委員会でちば銀総研「調査報告書」を質す

●土石採取対策審議会の委員構成

【質問・川本】この事業は、富津市にある国民、県民の共有財産である104、105林班と名付けられた国有林を伐採するというのはほんの入り口に過ぎず、今後50年間で約1億立方メートルの山砂を採取し文字通り「山が消える」事業です。
数百万年の営みで出きた山をわずか50年で消すという2度と山は復元されない「不可逆的」かつ「非循環事業」であり、50年後にはとりつくしてしまうという「持続不可能な事業」でもあります。
山砂業者の組合である「きなだ国有林同業会」からの請願と県議会での採択を受けて、1月27日に土石採取対策審議会が開かれ、新年度から実質的な審議が行われるようです。
この県議会での請願採択の唯一ともいえる根拠ともなったのが千葉銀総合研究所がH20年2月づけで作成した「国有林104・105林班開発事業に関する検討調査」調査報告書と名付けられた文書です。
その報告書の柱となるのが「年間の経済波及効果51.9億円、雇用効果284人」という推計であり、報告書では「山砂の採取事業は、必然的に自然環境に影響を及ぼす行為であり、そうした観点からみると積極的に肯定できるものではないが、104・105林班の開発事業は、その必要性等を総合的にかんがみて事業化はやむえをえない」と結論づけていることです。
この「非循環、持続不可能な事業」については、5日の代表質問で会派の吉川議員が取り上げました。その折の県当局の答弁を踏まえて伺います。

ちば銀総研作成の「調査報告書」の産業連関表を用いた経済波及効果分析の妥当性、今後のコンクリート骨材需要、あるいは地下水への影響、第三者による調査の必要性、地域振興の在り方、温暖化防止、景観への影響などについて今後検討することが不可欠だが、土石採取対策審議会はそれらを検討するに相応しい委員構成になっているのか。

【答弁】商工労働部 石井保安課長
土石採取対策審議会は、学識経験者として鉱物学、地盤工学、植物生態学、林学を専門とする委員や運搬関係、農業、漁業の団体の代表者など幅広い分野から、多様な意見が聴けるような委員構成になっていると考えております。
さらに、必要な事項があれば、外部委託により調査するなどして審議会に反映されるものであり、それらは、現在進めている審議会に反映されるものであり、それらは、現在進めている審議会において検討されるものと思われます。
【質問・川本】少なくとも経済波及効果や地下水、景観に関しての専門家はいない。すでに15名中7名は事業推進側の委員だ。委員構成は専門分野をきちんとカバーできることと、県民からみて公正・中立な審査を行うという2つの要件を満たすことが求められる。
この2つの要件を満たしていないじゃないですか、お伺いします。

【答弁】同
千葉県行政組織条例で委員構成が定められていて、それに基づいて選任いただいております。多様な範囲で選任いただいておりまして、地元の代表として県議会の議員など、いろいろな方に適切に審議していただけると考えております。

●ちばぎん総研の調査報告書

【質問・川本】審議会で結論をだしても公正、中立などその実態がなければ、そもそも信頼性がないのではないか。委員構成の再検討を求めます。
ちば銀総研の報告書ですが、市民団体である「きなだ山国有林の山砂採取に反対する連絡会」が報告書内容について24項目の質問事項を添えて率直な意見交換を求める要望書を昨年末、ちばぎん総研及び請願者である同業会にだしましたが、いずれも拒否された経緯があります。ちば銀総研の報告書は1月27日に開催された審議会でも添付文書として配布され公文書ともいえるもの。
 県として、ちば銀総研あるいは請願者に、「調査報告書」の内容について県民に対し積極的に説明責任を果たすことを促すべきと考えるがいかがか。

【答弁】同
この調査は、請願者であるきなだ国有林同業会がちばぎん総研に委託し、その契約に基づいて調査が行われたものであり、県が両者に対して、説明責任を果たすように促す立場にないと考えております。

【質問・川本】市民団体の要望書には、
・報告書の「産業連関表を用いた年間50億円という経済波及効果分析」は根拠があいまいで強引に導き出された数値であること、
・地域振興についても一次産業や観光産業を育てることによる地域活性化や地域福祉につながる可能性は一切考慮されていないこと、
・コンクリート骨材の将来需要についても公共事業の転換、施設の長寿命化、再生事業の拡大などにより骨材需要が今後も継続することに何の根拠もないこと、
・各数値の出典も明記されず、報告書の名に値しない
との指摘もされています。
これらの点については審議会の審議の中で説明責任を果たされると考えてよろしいか。

【答弁】同
審議会の中で、調査報告書については十分審議されるものと考えております。

●地下水への影響調査

【質問・川本】地下水の件ですが、すぐ近くには富津市民の生活用水の約36%をまかなっている取水口があり、この事業が地下水源に深刻な影響をもたらすことが心配されています。
代表質問でも吉川議員への答弁で、「地下水への影響については調査を十分」実施するとしています。
 地下水への影響調査の詳細は何か。

【答弁】同
地下水への影響は、大変重要な問題であり、十分検討すべき事項と考えております。地下水への影響調査については、今後の審議会で調査項目や調査方法など詳細が検討されるものと考えております。

●全庁的な対応

【質問・川本】請願者の方が常任委員会で審査を折、地下水などについて環境アセスメントを実施するから問題ないという趣旨の発言をされましたが、既存の井戸の水位などの観察でお茶をにごしてきたアセスメントではまったく意味をなしません。
地下の水の移動ルート、水量、水質を調査するには地層のみならず土の中の圧力関係も影響する。現況の調査だけでも何年もかかるもので、事業による影響を予測するとなると膨大なシュミレーション作業が求められる。
そこで、提案ですが、地下水への影響や生物多様性面での評価の際、生物多様性センターなどの県機関が関わることが望ましいと考えるがいかがか。

【答弁】同
地下水への影響や生物多様性などの課題については、審議会から要請があれば、関係機関と連携し、資料収集や意見聴取などをしてまいりたい。

【要望・川本】
商工労働部局だけの取り組みではなく、全庁的な対応を強く求めたい。

2009/2/22 日曜日

「食の安全」を脅かすクローン家畜食品

カテゴリー: 活動日記

 20日に私の所属する県土整備常任委員会の審議でとりあえず一息ついた。
 そこで最近特に感じるNHKニュースの提灯報道ぶりについて一言述べたい。
 
 ヒラリー・クリントン国務長官と小泉元総理に対するマスコミの土下座報道が目に付く。とりわけNHKニュースにおいて著しい。まず、ヒラリーが就任初の訪問国に日本を選んだことでハシャグその幼児性だ。「テロとのたたかい」「間違っていたイラク戦争」に日本を引きずり込んだこと、貧困ビジネス=サブプライムローンで世界経済を危機に陥れたことについて、ヒラリーには謝罪をこそ求めるべきだった。クリントン政権時代に金融危機の原因をつくりだした元財務長官ルービンはオバマの経済政策顧問となり、金融派生商品の規制に反対したサマーズは国家経済会議委員長になった。

一方、簡保の宿など国民財産のたたき売りの郵政民営化を強行し、オリックスの宮内を総合規制改革会議議長に推し、年金や医療制度改悪を強行採決した張本人は小泉元総理だ。その小泉が麻生を批判したと持ち上げる。年末年始の「年越し派遣村」を報道したのなら、米政府による「改革要望」そのままの市場原理主義、規制緩和を進めた小泉の責任を問うことがマスコミの役割だろう。小泉の麻生批判は、このままでは次男が落選しかねないと危機感を持った親バカとみる方(週刊金曜日2/20、「佐倉奏の政治時評」)が正しいように思える。

 飛騨牛のクローン誕生をめぐる正月のニュース報道もそうだ。「食の安全」で大騒ぎしたのに、クローン誕生を朗報と信じて疑わないにこやかな表情で原稿を読むNHKアナウンサーをみていると風刺や批判精神を欠いた「お笑い芸人」が跋扈するテレビ界の痴呆化を感じる。

● クローン家畜食品に関する内閣府食品安全委員会の審査の実態

 2月18日夜、都内で開かれたDNA問題研究会で、このクローン家畜食品の安全性について天笠啓祐さんの報告を聴く。

米国FDAはクローン家畜食品を昨年1月に承認、昨年9月にはクローン牛の子や孫に当たる後代牛が出回っていると発表した。もちろん表示の義務づけもなく判別も困難だから日本に入っている可能性もある。

そこで厚生労働省は内閣府食品安全委員会にクローン家畜食品の安全性について諮問し、昨年5月に新開発食品専門調査会ワーキンググループ(WG)で審議が始まった。そして、今年1月に新開発食品評価書(案)「体細胞クローン技術を用いて産出された牛及び豚並びにそれらの後代に関する食品」(PDF)が出された。
クローンについては、①倫理、②生物多様性、③動物福祉、の面からも検討が不可欠だが、これらについては審議されず、その上、WGの委員にはバイオテクノロジーやクローンに関する専門家はいない。その結果、WG評価書は①都合の悪いデータは採用を控える、②国内で誕生したクローン家畜の分析が少ない、③実質的同等の考え方を取り入れて「みなしの論理」を採用している、④200日以上経過した牛や後代牛は問題ないとする評価、などの「特徴」がある。

米国のオバマ政権の農務長官になったアイオワ州前知事のトム・ビルサックは「モンサントの友人」とも呼ばれるそうで、農業のハイテク化やバイオ燃料の推進者でもあるから、クローンで日本に圧力をかけてくることは必至だ。米政府の圧力とWG評価書を受けてクローン牛の食品流通が年内にも認められる可能性も指摘されている。

そもそも体細胞クローン家畜の問題点は、①死産・生後直死の多さ、②病死の異常・多さ、③後代家畜への影響、④過大死、⑤ミトコンドリア混在、⑥テロメアの短縮、⑦母体への影響、⑧遺伝子の異常の多さ、⑨エピジェネティック異常、が指摘されているが、WG評価書は①②は一定期間(200日)過ぎれば問題なし、③は問題なし、④は一定期間すぎれば(早く死んでしまう)ので問題なし、⑤は「有害だという証拠」はない、⑥⑦⑧はふれず、⑨は成牛は差がなく後代牛はリプログラミングされるので問題ない、としている。

ともかく危険極まりないクローン牛が市場に出回れば、牛肉は益々食卓から排除され、飛騨牛などブランド牛の価値の低下は壊滅的なものになると思われる。

(資料)「家畜クローン研究の現状」(農水省)~天笠啓祐氏作成資料より

 体細胞クローン牛         557頭誕生
       死産          78頭
       生後直後の死亡     91頭
       病死等        136頭
       事故死         8頭
       廃用          11頭
       試験屠殺       151頭
       研究機関で育成・試験中82頭
       受胎中         14頭
            (2008年9月末現在)
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写真は、1994年末に締結された協定書に基づき、21日午後開催された昭和電工(株)研究開発センター(千葉市緑区)と地元町内自治会の第16回環境安全協議会で、環境安全資料を閲覧中のもの

2009/2/16 月曜日

千葉県の09年度当初予算(案)道路関係経費は1022億円 歳出の3分の2が公債費(500億円)と直轄事業負担金(170億円)

カテゴリー: 活動日記

 13日の予算委員会1日目の夜は、PARCの最終講義の日で、未来バンク理事長の田中優さんの話を2時間しっかり聴く。本当に望ましい社会は正社員になれる社会か?と問い、会社にぶら下がるのはリスクの高い生き方だ、自分らしく生きることができる社会、お金に頼らなくても生活できる「生活の百姓」になること、そのために自分を多様化し、収入や資産を多様に持つことで安心感ある生活が可能になる、という。私が思い描く「理想の生活」と一致する。近い将来、国の借金が個人の貯蓄を上回り、カネを工面できなくなれば、魅力のない日本の国債の買い手などいないから円は暴落し冬の灯油も買えない時代が来る、2025年には所得の71%が公金にとられるという予測もある、お金で世界を眺めれば、日本の米軍への思いやり予算3000億円をゼロにすれば、米国は沖縄を含め日本から基地を撤去せざるを得ない、政権交代が確実視される中、千載一遇のチャンスだという。ともかくお金の流れから世界を見ること、貯蓄や支払った金がまわりまわって何に使われているかに鈍感であってはならないと思う。

 14日午後は、九条の会・千葉地方議員ネット主催の講演会で神戸大学の二宮厚美氏(産業社会論)の講演「格差社会に生きる憲法9条プラス25条」を聴く。米国の格差社会が金融危機の根底にあり、真の経済回復には格差の是正が基本となること、日本のサラリーマンの年収のピークは1997年の467万円が2006年には435万円に減少(500兆円のGDPに対し雇用者報酬は97年280兆円で06年は260兆円と20兆円減少)し、上下の格差が広がったこと、道州制の根底にある分権国家構想は生存権(憲法25条)を国家の責務からはずすなど貧困な国家観の上にあること、などこちらも興味深い話の連続だった。講演後の懇親会での二宮さんによる経済学者、エコノミスト、政治学者の「酷評」も興味深かった。

 15日は花粉症の兆候が出始めたため、終日16日、17日の予算委員会の準備で時間をつぶす。

● 千葉県の09年度当初予算(案)道路関係経費は1022億円

 歳入102,229百万円
   内訳 一般財源     55,625百万円→54%
             (内、道路特定財源分44,587百万円→43%)
      国庫補助金                       6,920百万円
      地方道路整備臨時交付金 3,759百万円
      地域自立活性化交付金        309百万円
      その他特定財源                  6,521百万円
      地方債                          29,061百万円→28%
 
 歳出102,229百万円
   内訳 道路新設改良          21,364百万円
      直轄事業負担金               17,420百万円→17%
      街路・区画整理                 11,608百万円
      農道他                        2,501百万円
      公債費                       49,336百万円→48%

 特徴として
 ①道路特定財源分に相当する費用が公債費として歳出されている。このことは一般財源化されても道路予算に割り当てられないと県の道路会計は破綻することを示している。
 ②歳出で公債費と直轄事業負担金を除けば3分の一しか残らない。圏央道などの高規格道路の建設が優先されることにより、道路の修繕、安全対策費、橋梁の補修など既存施設の維持管理や安全施策が削られることになる。
 ことが指摘できよう。

2009/2/14 土曜日

県民財産(県有施設)の維持管理をサボる千葉県

カテゴリー: 県議会

圏央道、成田新高速、酒々井ICをつくる財政的余裕はない、
~予算委員会初日、国への道路直轄事業負担金(年170億円)などの凍結・見直しを求める

 13日から県議会予算委員会が17日までの日程で始まった。10時半から本会議場で一問一答方式で行われたが、会派の議員数によって時間が割りふられ数が多い順に質疑するため、私は16時10分頃から20分間の質疑となった。3項目(①県有施設・財産の維持管理、②老朽住宅の耐震改修、③公共事業の転換)を取り上げたが、20分間には県当局の答弁も含まれるため、その答弁が簡潔でなかったこともあり、結局用意した8つの質問のうち6つしかできなかった。

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 ともかく、質疑から
 ①床面積ベースで約400万㎡の県有施設の4割が築30年以上経過するように、少なくとも大改修のため毎年数百億円規模の支出をすべきところ、その財政負担のシュミレーションすら行わず、当然大規模改修も行わず、高規格道路、拠点開発に税金をつぎ込んでいること。
 ②大地震動がおこれば確実に生命の危険にさらされる耐震不足の老朽住宅は県内に40万戸と推測されるが、その耐震改修の県の助成費用は新年度1700万円(対象340戸、5万円/戸)しかない。阪神淡路大震災の教訓である住宅災害=人災の予防という視点が生かされていない。
 ③県政世論調査結果や、県有施設の長寿命化を優先し、道路直轄事業事業(年170億円)などの高規格道路や酒々井IC事業を直ちに凍結・中止すべきもの、
 であることが明らかになった。

 答弁で県は、県有財産の財政負担のシュミレーションを含めた維持管理計画を新年度末までに策定するとし、耐震化については、「高齢者などに向けたバリアーフリー化とセットで簡易耐震改修の住宅改善補助制度を検討すべきでは」との問いに、前向きの姿勢を示した。

 学校施設を含め県有施設の維持管理、老朽住宅の耐震化は今後の私の取り組む課題としたい。

2009/2/12 木曜日

予算委員会

カテゴリー: 活動日記

 準大手ゼネコン「西松建設」やコンサルタント会社「大光」らの裏金事件は、総選挙が近いこともあり、捜査の行方が気になる。
 県議会では13、16、17日の3日間、予算委員会が開催される。今年は会派から私が質疑する番だ。質疑項目と要旨は通告済みだが、少ない持ち時間(県当局の答弁も含めて各日20分)でいかに中身の濃い質問をするかで11日は丸1日頭を悩ます。
 質問項目とポイントは次の通り。

 13日(金) 
①県有財産・施設の維持管理  
②老朽住宅の耐震対策
  ③公共住宅の転換

 16日(月) 
①鬼泪山の山砂採取事業
②ホームレス自立支援・雇用対策

 17日(火) 
①教育オンブズパーソン制度
  ②教育委員会会議
  ③教育委員会の障がい者雇用
  ④県立博物館
 
開会時間は午前10時半~午後4時半頃で私の出番は午後3時半以降だ。
千葉テレビと県議会HPのインターネットで中継される。   

      
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28日に開催された毎年恒例の大椎台自治会の文化祭の「プロジェクトとけ」の展示の様子。緑区の大藪池、村田川で生息する沢蟹、ホトケドジョウ、メダカなどを展示した。もちろん生物は展示後、元の場所に戻しました。

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