2009/5/30 土曜日

29日臨時県議会開催、北朝鮮核実験実施についての幻の討論と決議案

カテゴリー: 県議会

  29日、臨時県議会が開かれ、午後は6月定例県議会(6月11日~7月8日)の会派への議案説明(補正予算案5議案、条例一部改正案36議案)が行われた。
 臨時県議会では、25日の北朝鮮の核実験について意見書「北朝鮮の地下核実験及び弾道ミサイル発射を糾弾する意見書について」が全会一致で採択され、森田知事が声明を読み上げた。

この意見書については、事前にわが会派「市民ネット・社民・無所属」以外が合意した案が提示されたが、①「わが国独自のあらゆる制裁措置等を併せて実施すべき」となっており、軍事的対応も含めて政府に白紙委任するものととらえられかねない、②制裁措置を求めることに重点がおかれ、肝心の「対話と交渉」の視点が弱い、などの問題があった。会派として、①については「あらゆる」の文言の削除を求めること、②は議会運営委員会でその旨を主張し記録に残すこととし、①が了承されない場合、反対討論を行い、独自の決議案を出すこととした。以下に幻の「反対討論」と「決議案」の草稿を示す。

 また、森田知事の核実験に対する「声明」については、その内容に「軍事的対応」を求める文言があれば直ちに「緊急質問」を求めることとしていたが、それには及ばなかった。

● 北朝鮮核実験意見書案に対する「幻の討論」

北朝鮮の地下核実験及び弾道ミサイル発射を糾弾する意見書案について、北朝鮮の核の脅威を完全に除去するという目標達成を真に実現する立場から不十分であると考え、反対討論します。なお、北朝鮮の核実験については、この討論とは別に、後ほど会派として決議案を提出し、趣旨説明をさせていただきます。

25日の北朝鮮の核実験は、「いかなる核実験または弾道ミサイルの発射もこれ以上実施しないこと」を求めた2006年の国連安保理決議1718違反であり、「一切の核兵器および現在の核計画を放棄」すると合意した2005年の6か国協議の共同声明に違反するものであり、許しがたい暴挙であることは言うまでもありません。
そして、オバマ大統領の核廃絶政策の提唱をはじめ、世界が核廃絶に向けて動き始めたこの時期に核実験するという、まさに国際世論を踏みにじるものであり、本意見書案が言うとおり、どのような口実によっても正当化されるものではありません。

そのことを踏まえた上で、意見書案について、2つの点について指摘します。
意見書案では、「我が国独自のあらゆる制裁措置等を併せて実施すべきである。」としています。
制裁を独自で進めてきた日本政府内では「あの手この手でやっても、北朝鮮は無視する」との徒労感も聞こえると報じられています。外務省の藪中三十二(みとじ)事務次官は会見で、「今までの日本外交が機能しなかったという面が結果としてあるかもしれない」と述べ、日本の独自の制裁が機能していない現実を認めました。

一方、この機に乗じて、政府が年末に改定する「防衛計画の大綱」に向けて、自民党国防部会の防衛政策検討小委員会が26日、敵基地先制攻撃論や武器輸出三原則の見直し、巡航ミサイルの導入などの提言案をまとめたことが報じられています。「攻撃は最大の防御」とばかりのこうした動きは、アジアに不安定要因をつくりだし軍事的な緊張を強めるものに他ならず、外交カードを何枚も失う結果になります。

意見書案の「我が国独自のあらゆる制裁措置等を実施」することによって、新たな軍事的緊張を生み出してはなりません。私たちは、「あらゆる制裁措置等の実施」を求めることにより政府に白紙委任状を与えてしまうことを危惧します。

2点目に指摘したいことは、核の完全廃棄とミサイルの脅威の除去を現実のものにするには、北朝鮮との対話、交渉を積極的に進める行動こそが要請されるということです。拉致問題をめぐる日朝協議は昨年8月以後は開催されず、6カ国協議も昨年12月の会合を最後に空転が続いています。対話と交渉を通じた核の緊張の解消や朝鮮半島の平和体制への転換こそが、協議に参加する6カ国はもちろん世界の多くの人々が共感する解決方向です。しかし、意見書案では「最大限の外交努力」を要望しているものの、この肝心な点が明記されていません。北朝鮮の脅威を除去するためには、日朝両政府間に正確な情報を交換するチャンネルがない現状をまず改める必要があります。

以上、2点ほど、北朝鮮の核の脅威を完全に除去するという目標達成を真に実現する立場から本意見書案内容では不十分であることを表明し、討論をおわります。

● 北朝鮮の核実験に対する決議案草稿

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核実験に抗議し、同時に世界からの核廃絶を求める決議(案)                

 朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)政府は5月25日、2006年10月9日以来、2回目の核実験を行った。
 北朝鮮の地下核実験は、朝鮮半島及びアジア全体に対して脅威を与えるのみならず、地球市民がめざす世界の非核化に逆行する行為であり許されることではない。この度の北朝鮮による核実験はいかなる理由によっても正当化できるものではありえない。私たちは北朝鮮の核実験に強く抗議し、同国が核兵器を放棄し、一切の核の軍事施設及び関連実験施設を放棄するよう、要求する。 
核兵器と人類は宇宙空間においても、この地球上においても決して共存はできないことは自明であり、世界の全ての核保有国は核兵器を廃絶すべきである。いま、求められているのは世界的な非核・平和の確立であり、そのための真剣な対話と協議である。
従って、北朝鮮政府はただちに「6カ国協議」に復帰し、東北アジアの平和のために各国政府との対話をすすめるべきである。また、日本政府はそのための政治的リーダシップを発揮すべきであり、世界最大の核保有国の米国政府と足並みをそろえて制裁を強めるなど、いたずらに北朝鮮を敵視し、東北アジアの緊張を激化させる行動をとるべきではない。  
世界平和の達成という人類の崇高な願いは、対話を通じた平和的及び外交的解決によってのみ為されるものと確信する。 
よって、千葉県議会は北朝鮮の核実験に強く抗議すると同時に、米国等の世界のすべての核保有国に対しても、北朝鮮への要求と同等の平和への取り組みと核廃絶を要求し、ここに決議する。

                  2009年5月29日
                 千葉県議会 
                 提出者
                「市民ネット・社民・無所属」
                 大野博美
                 川本幸立
                 小宮清子
                 吉川 洋

2009/5/27 水曜日

千葉市長選、告示5日前に突然、共産党が候補擁立を表明 ~誰にとって頼りになる「野党」か?!

カテゴリー: 活動日記

 告示5日前となった26日、共産党が千葉市長選挙(31日告示、6月14日投票)に前回の市長選で最下位で落選した元市議の出馬を表明した。共産党は、今回、市民団体「市民の千葉をつくる会」に参加し共闘に向けた話し合いを継続していた。5月初旬に「つくる会」が市議の熊谷俊人氏(民主党を離党し無所属)の推薦(民主、市民ネット推薦)を決定、共産党市議らは熊谷氏と面談し、「政策的に違和感はない」として支持する方向で検討していた。しかし、民主党が衆議院選候補者とセットのポスターが張り出されると、「民主党丸抱えの候補を支持することはできない」として不支持を決め、「つくる会」からも離脱していた。(「毎日新聞」5月27日朝刊)

 26日の出馬会見で共産党の松田義明・県中部地区委員長は、「候補者を出さないという選択肢はなかったのか」との質問に、「市長逮捕の原因究明という一番重要な問題を、他の候補者は強調していない」と主張したというが(同)、とんでもない話だ。

市民ネットと熊谷氏との間で締結した13項目の政策合意の一番目に、
「今回の収賄事件について、市独自に第三者機関を設置し、千葉市民への説明責任を果たすこと。政治倫理条例、職員倫理条例を制定すること。口利きの文書化と脱・談合の徹底、議会や有力者への根回しはやめ、政策決定過程・合意形成過程をオープンにすること」をうたっている。
さらに、私自身、熊谷氏の街頭や駅頭演説に付き合う機会が何度かあったが、熊谷氏が最も力を入れて主張していることの一つが「収賄事件の原因究明」である。共産党地区委員長の立場にある者が事実をネジ曲げる発言をしてはいけない。そして、この政策合意を超える「原因究明」「再発防止」施策を是非示していただきたい。

 共産党候補擁立について「つくる会」の舘正彦理事長は抗議声明を出し、
「自民・公明両党が推薦する林候補を助ける利敵行為であり、結果として鶴岡市政が継承されることになりかねない」
「国政選挙をにらんだ党利党略とのそしりを免れない」
「平和と生活を守るために活動を続ける市民運動への支援こそが貴党への市民の期待」として軌道修正を求めた(「毎日新聞」同)という。 同感だ。
 
【参考】熊谷俊人氏と合意した「市民ネットワークちば」よりの13項目の政策提案
1.今回の収賄事件について、市独自に第三者機関を設置し、千葉市民 への説明責任を果たすこと政治倫理条例、職員倫理条例を制定すること
口利きの文書化と脱・談合の徹底、議会や有力者への根回しはやめ、政策決定過程・合意形成過程をオープンにすること
2.市役所職員の意識改革、能力の向上に努め、地方分権を担う意欲に燃えた組織づくりを進めること
3.二元代表制(憲法93条)を徹底し、市民に直接、説明責任を果たすこと
4.予算編成過程に市民の意見を反映させる仕組みを作り、お金の使途を市民生活優先に変えること
5.大型公共事業については、市民を含む第三者の評価機関を作り、見直すこと
6.個人の尊重(憲法13条)、生存権(25条)の保障を基本に、福祉・保健・医療の連携でセーフティネットを充実させ、子どもからお年寄りまでの、住み慣れた地域での暮らしを支える地域ケアを確立すること
7.教育行政の中立、公正を守り、行財政的な支援をすすめること
8.市民自治を育てる仕組み作りをすすめること
 ・「参加と協働に関する条例」の見直し
 ・区の権限強化で 自治体内分権を進める
 ・まちづくり区民会議、タウンミーティング、市民提案制度、住民投票制度の創設等
9.補助金のあり方・使途を市民で構成する第三者機関で定期的に見直すこと
10.谷津田・里山をはじめ、市内に残された緑の保全や緑の創出、地下水の保全・涵養に力を注ぐこと
11.地産地消をすすめ、市内農業の振興をはかること。遊休農地活用のために人材の育成や支援をすすめ、市民の農業への関心を深めたり参加する仕組みをつくること
12.脱焼却・脱埋め立てのごみ行政をさらに推進し、市民を巻き込んでごみ処理基本計画を実行し、清掃工場の2工場体制を実現すること
13.モノレールの延伸計画を中止し、バスなどの身近な公共交通機関を充実させること

2009/5/25 月曜日

熱狂を煽るマスコミの犯罪~新型インフルエンザ報道から

カテゴリー: 活動日記

 4日間の韓国滞在中は新型インフルエンザのことはすっかり忘れていたが、相変わらずのNHKをはじめとする国内マスコミの「新型インフルエンザ」バカ騒ぎ報道には呆れる。効果の程が不確かなマスクに我勝ちにとはしる「国民性」も同様だ。

「社会的インフラが桁違いに改善され、下水道をはじめとする衛生状態、栄養状態も良くなっている現代と、90年以上前の時代を同一線上で論じる根拠は何なのか。さっぱり分かりません」(週刊「金曜日」5/15、バイオハザード予防市民センター代表幹事・新井秀男氏)という発言や、マスク着用に関して「健康な人の場合、マスクを着けて感染を防ぐ効果は、正しい着用法が徹底できれば多少あるかもしれない程度だ。マスクを着けて暑くなり、口や鼻を余分に触れば感染しやすくなる恐れさえある。オーストラリアで風邪の子供を看護する家族にマスクの着用を指示し、着用しない場合と比べた研究では、着用した方が感染がやや多かった。中央病院では5月中はマスク入荷が見込めない。そこで米、英、カナダのいずれも健康な人のマスク着用効果を認めず、マスクの着用を勧めていないことを院内メールで知らせ、必要な場合に限った使用を呼び掛けた」(「毎日新聞」5月24日朝刊、国立がんセンター中央病院・院内感染対策チームの責任者、森慎一郎医長の話)という見解は見向きもされない。

 ところで、1941年の英米との開戦に果たしたマスコミの働きについて、田中優子氏は次のように述べている。(週刊「金曜日」5/1、「風速計」)
「新聞は明らかに人々の戦意を煽った。それは「戦争を煽ってやろう」という意図によるものではなく、単に販売部数(テレビでは視聴率)を伸ばそうという意図にしか過ぎない。しかしそれが結果的に開戦への世論を生み出した。興奮したがる人間の心理は内容を問わない。スポーツの熱狂と戦争の熱狂は同じなのだ。それを煽って部数と視聴率を稼ぐのがマスコミの市場システムであるなら、それもまた戦争への道筋である。
(中略)人々を興奮させる(面白がらせる)言動は取り上げられ、戦争を回避しようとする冷静な言動は報道されない。」

北朝鮮「人工衛星」発射報道と「新型インフルエンザ」報道は同レベルにあると感じていたが、熱狂を煽ることで販売部数と視聴率を伸ばすことに夢中になる今の日本のマスコミはすでに「戦時下」にあると言えるのではないか。

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韓国視察2日目の20日朝、李 明博・現大統領がソウル市長時代に高速道路を撤去して復元した清渓川沿いを散策した。

2009/5/24 日曜日

05年盧武鉉大統領3・1演説

カテゴリー: 活動日記

 「市民自治と平和の創造」をテーマにした韓国視察(18日~21日)を終えた。
その2日後、約5億7千万円の不正資金疑惑で追及されていた盧武鉉前大統領の自殺という報に接した。
毎日新聞(24日朝刊)によれば、「長期化する捜査でさらし者になった盧氏は、大統領経験者としての誇りが傷つけられたと韓国メディアは分析する。(中略) 韓国では、大統領の退任後、不正を摘発されることが繰り返されてきた。大統領に強大な権限が集中し、家族も強い影響力を持つ。このため利権を求める勢力との癒着を生みやすい。指導者が強大な力を持ち、批判を受け入れない「権威主義」と言われる韓国独特の権力構造は、儒教思想を背景に、軍人出身の朴正熙、全斗煥、盧泰愚政権が続く中で形成されてきた。」とある。 
 人権派弁護士として権力と対決してきた盧武鉉氏にして、権力構造の呪縛に捉えられてしまったということか。

 「韓国併合100年市民ネットワーク」(http://www.nikkan100.net/)の共同代表の増田都子さんから、
「盧武鉉前大統領の自殺という報道に接し、改めて05年3月1日の盧武鉉演説全文を見てみました。不正資金疑惑はとても残念なことで、やはり、国民の信望を失っては生きていけない、ということだったのでしょう。でも、この3・1演説はとても格調が高く、韓国の歴代大統領の中で大統領在職中に、これだけ率直に日本人に対して「両国民が真に和解するために、どうしたらいいかを考えてほしい」と呼びかけられたのは盧武鉉氏だけだったのではないでしょうか。(中略)
私が中学生の教材として歴史の授業で使い、生徒とともに「両国の真の和解のためにはどうしたらいいか」を考える良い資料となった(そして、都教委による私の「公務員不適格」としての分限免職に至る端緒となった)05年盧武鉉大統領3・1演説をご紹介します。」
とのメールをいただいた。
 前大統領のご冥福をお祈りするとともに、この3.1演説を一人でも多くの人に読んでいただきたいと思う。
 
さて、今回の韓国視察の目的は、
①韓国の地方自治、市民自治の現況を知る。
②国境を超えた市民自治(平和、外交も含む)の取組の可能性と今後について率
直な意見交換をする。
③日本の戦争犯罪を考える
の3つだ。
 視察先は、①②については、京畿市民社会フォーラム、自由研究空間スユ+ノモ、(財)希望製作所、京畿道議会、ソウル市議会、平和博物館(ローソク集会一周年展示会)の6箇所、③は、安重根義士記念館、韓国挺身隊問題対策協議会、日本大使館前ハルモニの水曜集会、西大門刑務所歴史博物館と独立公園の5箇所だ。
 京畿道市民社会フォーラムでは、数十名の市民、学生が傍聴する中、道議員、市議、大学教員らのフォーラム会員と私たち千葉県視察団との2時間を越える「市民自治・地方自治と平和づくり討論会」を設けていただいた。
 今後、何回かに分けてこのブログでも報告し、6月議会終了後の7月10日(金)には報告会を開催する予定だ。

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 写真は、韓国視察で20日午後、京畿道水原市で行われた京畿市民社会フォーラムと千葉県視察団の「地方自治と平和づくり」の討論会の様子

【参考】05年盧武鉉大統領3・1演説

 尊敬する国民の皆さん、独立有功者と内外貴賓の皆さん。
 86周年3.1節記念式を、ここ柳寛順(ユ・ガンスン)記念館において持つことになったことをうれしく思います。あの日の感動が、より生々しく感じられるようです。3.1運動は、まさに誇らしい歴史であります。人間の自由と平等、国の自主と独立の権利を闡明(せんめい)した3.1精神は、今も人類社会と国際秩序の普遍的な原理として尊重されています。また、上海臨時政府から今日の参与政府に至る大韓民国の正当性の根となりました。

 このような3.1運動の偉大な精神を受け継ぎ、二度と再び100年前のような過ちを繰り返さないことが、愛国先烈に対する道理であり、3.1節に思い起こす私たちの誓いであります。国のために犠牲となり、民主主義と繁栄の礎石を据えてくださった愛国先烈の皆さんに頭をたれて敬意を表します。独立有功者と家族の皆さんに深い尊敬と感謝の言葉を贈ります。

 国民の皆さん。 私は去る日曜日、独立記念館を訪れました。旧韓国末期に開化を取り巻き、意見の差が論争を超えて分裂に至り、ついには指導者たちが国と国民を裏切った歴史を見ながら、今日、私たちが何をすべきかを深く考えてみました。併せて、わが国土で日本と清国、ロシアが戦争をおこなった状況の中で、力無き私たちがどちらかの側に立ったとしても、何が変わったのかを考え、国力の意味を再び思い起こしてみました。

 そして、今日の大韓民国が本当に誇らしく思われました。もう私たちは、100年前列強の狭間で何ら変数にもなれなかった、そんな国ではありません。世界に遜色の無い民主主義と経済発展を成し、自らが守り得る豊かな力を持っています。東北アジアの均衡者としての役割を担うことのできる国防力を育てています。先烈の皆さんも今、私たちの姿に感心されていることでしょう。

 国民の皆さん。今年は韓国と日本の国交正常化40周年となる特別な年であります。一方では、韓日協定文書が公開され、未だ解決されていない過去問題が蘇り、また違った難しさが提起されています。この間、韓日関係は法的にも政治的にも相当な進展を成してきました。95年に村山日本総理は、《痛切な反省と謝罪》をおこなったし、98年には金大中大統領と小渕総理が新韓日関係パートナーシップを宣言しました。2003年には私と小泉総理が、《平和と繁栄の東北アジア時代のための共同声明》を発表しました。

 韓日両国は、東北アジアの未来を共に切り開く共同運命体であります。互いに協力しながら、平和定着と共同繁栄の道を歩まなければ国民の安全と幸福を保障することのできない条件の上に立っています。法的、政治的関係の進展だけでは両国の未来を保障することはできないでしょう。もしそうであるならば、やるべきことをすべてやったとは言うことはできません。それ以上の実質的な和解と協力の努力が必要であります。真実と誠意を持って、両国の国民間を塞いでいる心の障壁を崩し真の隣人として生まれかわらなければなりません。
 
 フランスは反国家行為をおこなった自国民に対しては、峻厳な審判を下しましたが、ドイツに対しては寛大に手を繋ぎヨーロッパ連合の秩序を創ってきました。昨年シラク大統領は、ノルマンディ上陸作戦60周年記念式に初めてドイツの総理を招待して、《フランス人は貴方を親友として歓迎する》とし、友情を表しました。

 わが国民もフランスのように寛大な隣人として、日本と共になりたいという願いがあります。この間わが政府は、国民の怒りと憎しみを煽らないように節制し、日本との和解協力のために積極的な努力をおこなってきました。実際にわが国民は、よく自制して事理をわきまえ分別を持って対応していると思います。私は、この間の両国関係進展を尊重し、過去史問題を外交的争点として捉えないと公言したことがあります。そして、この考えは今も変わりはありません。過去史問題が提起される度に、交流と協力の関係が再び止まり、両国間で葛藤が高まることが未来のためによくないと思ったからであります。

 しかし、私たちの一方的な努力だけでは解決できることではありません。両国関係の発展には日本政府と国民の真摯な努力が必要です。過去の真実を糾明し、真心を持って謝罪して、賠償することがあれば賠償し、そして和解しなければなりません。これが、全世界がおこなっている過去史清算の普遍的な方式であります。

 私は、拉致問題に因る日本国民の怒りを充分に理解しています。同じように、日本も立場を代えて考えて見るべきです。強制徴用から日本軍慰安婦問題に至るまで、日帝36年の間に数千、数万倍の苦痛を受けたわが国民の怒りを理解すべきであります。

 日本の知性に再び呼びかけます。真の自己反省の土台の上で、韓日間の感情的わだかまりを取り除き、傷を癒すことを進んでおこなうべきであります。これこそが、先進国であることを自負する日本の知性らしき姿であります。そうしなければ、過去のくびきから逃れることはできません。いくら経済力があり軍備を強化しても、隣人の信頼を得て国際社会の指導的国家となるには難しいでしょう。ドイツはそうしました。そして、ふさわしい待遇を受けています。彼らは自ら真実を明らかにし、謝罪して補償する道徳的決断を通じてヨーロッパ連合の主役となることができました。

 尊敬する国民の皆さん。韓日協定と被害補償問題に関しては、政府も不足な点があったと思います。国交正常化自体は、やむを得ないことだったと思います。いつまでも国交を断絶しているわけにもいかず、私たちの要求をすべて貫徹できない事情もあったでしょう。しかし、被害者としては国家が国民個々人の請求権を一方的に処分したことを納得するのは難しいと思います。遅くなりましたが、今からでも政府はこの問題を解決することに積極的な努力をするでしょう。

 国民皆さんの意見を集め、国会と協議して適当な解決策を模索していくでしょう。すでに、総理室に民官共同委員会を構成して、いくつかの法案を検討しており、より包括的な解決のために国民諮問委員会の構成を準備しています。併せて、請求権問題の他にも未だ埋もれている真実を明らかにして、遺骸を奉還することなどを積極的におこなうでしょう。日本も、法的問題以前に人類社会の普遍的倫理、そして隣人間の信頼の問題という認識を持って積極的な姿勢を見せるべきであります。

 国民の皆さん。3.1運動の精神を思い起こして、先烈たちが夢見た先進韓国の未来に向かい力強く進んでいきましょう。日帝の銃剣に立ち向かい立ち上がった先烈たちの勇気と、すべてを乗り越え一つとなった大同団結の精神が私たちの前途を導いてくれるでしょう。(蔡鴻哲訳)

2009/5/17 日曜日

千葉市長選、熊谷俊人氏の事務所開き ~不正に蓋をしてきた「天下り市長」ノーを!

カテゴリー: 活動日記

 14日夜は、千葉市長選(31日告示、6月14日投票)に立候補表明した熊谷俊人・市議(31)(民主党を離党し無所属)の事務所開きに出席した。公共工事を巡る収賄容疑で逮捕・起訴された前市長と同じ中央官僚の天下りでその前市長が「後継者」と指名した林孝二郎・前副市長(63)(自民・公明推薦、連合推薦)と一騎打ちになる公算が大だ。
 庁内の官製談合の存在も疑われる。林氏は都市行政担当の助役だったから、この汚職事件に無関係とはいえまい。自らの潔白と責任を明らかにすべきだろう。そもそも林氏に立候補する資格があるのだろうか。

 今回の汚職事件が起きたのが05年、ちょうどその頃、つまり鶴岡市長、林副市長時代だが、千葉市が絡んだ不正事件の真相解明を求める市民運動(「千葉市納税者市民の会」で全国初の事務監査請求を実現)に私は関わっていた。一つは市の公共事業を牛耳っていたと言われた県議による税金不正免除事件に絡んだ市の徴税事務の実態を把握する取組であり、もう一つは緑区小山町の産廃処分場計画許認可業務での個人情報漏洩問題である。市職員の関与のみならず組織ぐるみが疑われたことから、第三者による調査機関設置を求めた。しかし、市長らはそれを拒否したため、結局、庁内の組織的な問題にまで追求が及ばなかった。

 それどころか、「千葉市納税者市民の会」の立場で文書で説明責任を求めたのに対し、鶴岡市長は議会に説明しているからという理由で拒否した。憲法第93条に規定する地方自治の二元代表制に基づけば、首長は議会と競い合って市民に説明責任を果たさねばならない。鶴岡氏はこの基本的なことすら知らなかったのである。
 鶴岡氏は中央官僚の施策を忠実に遂行するために千葉市に送り込まれた「天下り市長」だったと言えよう。その結果、3都心構想、モノレール事業など大規模公共事業を推進し、莫大な借金を千葉市民は抱え込んだ。林氏も同じ任務を与えられた「天下り市長」であり、それ故、鶴岡氏は林氏を「後継者」と呼んだ。

 さて、市民ネットは熊谷氏と13項目の政策について合意し、推薦を決定した。
その1項目目は
「今回の収賄事件について、市独自に第三者機関を設置し、千葉市民への説明責任を果たすこと。政治倫理条例、職員倫理条例を制定すること。
 口利きの文書化と脱・談合の徹底、議会や有力者への根回しはやめ、政策決定過程・合意形成過程をオープンにすること」
とある、
 自民・中央官僚に忠実な「天下り市長」候補である林氏には、これはできないし、実際、すでに指摘した通り「くさいものに蓋」をしてきた。

 これ以上、子どもや孫たちにツケを回さないためにも、「天下り市長」にノーを突きつけよう。

【参考】熊谷俊人氏と合意した「市民ネットワークちば」よりの13項目の政策提案
1.今回の収賄事件について、市独自に第三者機関を設置し、千葉市民 への説明責任を果たすこと政治倫理条例、職員倫理条例を制定すること
口利きの文書化と脱・談合の徹底、議会や有力者への根回しはやめ、政策決定過程・合意形成過程をオープンにすること
2.市役所職員の意識改革、能力の向上に努め、地方分権を担う意欲に燃えた組織づくりを進めること
3.二元代表制(憲法93条)を徹底し、市民に直接、説明責任を果たすこと
4.予算編成過程に市民の意見を反映させる仕組みを作り、お金の使途を市民生活優先に変えること
5.大型公共事業については、市民を含む第三者の評価機関を作り、見直すこと
6.個人の尊重(憲法13条)、生存権(25条)の保障を基本に、福祉・保健・医療の連携でセーフティネットを充実させ、子どもからお年寄りまでの、住み慣れた地域での暮らしを支える地域ケアを確立すること
7.教育行政の中立、公正を守り、行財政的な支援をすすめること
8.市民自治を育てる仕組み作りをすすめること
 ・「参加と協働に関する条例」の見直し
 ・区の権限強化で 自治体内分権を進める
 ・まちづくり区民会議、タウンミーティング、市民提案制度、住民投票制度の創設等
9.補助金のあり方・使途を市民で構成する第三者機関で定期的に見直すこと
10.谷津田・里山をはじめ、市内に残された緑の保全や緑の創出、地下水の保全・涵養に力を注ぐこと
11.地産地消をすすめ、市内農業の振興をはかること。遊休農地活用のために人材の育成や支援をすすめ、市民の農業への関心を深めたり参加する仕組みをつくること
12.脱焼却・脱埋め立てのごみ行政をさらに推進し、市民を巻き込んでごみ処理基本計画を実行し、清掃工場の2工場体制を実現すること
13.モノレールの延伸計画を中止し、バスなどの身近な公共交通機関を充実させること

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毎年恒例の大藪池谷津での田植え(5月9日)

2009/5/11 月曜日

新型インフルエンザ と署名活動とシール投票

カテゴリー: 活動日記

●ここまで必要?新型インフルエンザへの異様な対応 

 新型インフルエンザ患者が国内で初確認され、感染者の周辺にいた人は10日間、個室「停留」という。報道も北朝鮮「人工衛星」発射時を思わせるような過熱ぶりだ。これには首をかしげる。
本来、注目すべきは病原性の程度であり、なぜメキシコに死者が多いのかその要因をハッキリさせることだと思う。
いつものようにバイオハザード予防市民センターの新井秀雄さんにご意見を伺うと、このインフルエンザの症状は軽症で、普段冬に流行するインフルエンザとさしてかわらないように思える、栄養と休息をしっかりとっておれば心配は無い、なぜこんなに大騒ぎするのか、というお応えだった。

● 「完全無所属」のウソに、県民の怒りはますますおさまらず

10日の「毎日新聞」朝刊の川柳欄に「さわやかな言い訳うさん臭い知事」「元気でてますます軽くなる総理」を見つけた。週刊金曜日5月1日号のマンガ「ピョンタ君の楽しい戦争」(石坂啓)では、「愛と青春熱血ドラマ、俺は自民だ」「夕日に向かって意味無く叫ぶ!リニアモーターカー!!」などとある。
さて、10日午後は、JR船橋駅前で「森田健作氏を告発する会」の20名による署名活動とシール投票を2時間行った。
その結果は、自主的辞職を求める署名は233筆
シール投票「モリタはウソつきだ」・・・総数354
       そう思う   ⇒ 311(赤)  88% 
       そう思わない ⇒  43(緑)  12%
と、県民の怒りはますますおさまらない。

20090510kawamoto

 考えてみれば「政党より県民第一」というスローガンも奇妙である。大体、県民といっても利害関係はさまざまで1つではない。また、ある利害関係にある人々が政党をつくり選挙に出るが、県民と政党とは2者択一の関係ではない。しかしこのスローガンは、県民と政党を対立するものととらえ政党政治そのものを否定しているように見える。これは国家を絶対的なものとするファシズムにもつながる考えだ。(「テロリズムの罠」右巻、佐藤優著、角川学芸出版、4.5頁) 森田氏にそこまでの考えがあるのか?一度尋ねてみたいと思う。

それはともかく、 森田氏の問題点は、①当選するためには「二枚舌」も「虚偽表示」も何でもあり、②「県民第一」「夢と希望」も「虚偽表示」であり、実体は中央や県の行政官僚の言いなりと丸投げ、③「政治とカネ」をめぐる不明朗さ、の3つだ。

2番目に挙げた「官僚の言いなり」の典型的なものが八ツ場ダム事業推進表明であり、リニア構想もそもそもJAPICが20年前に唱えたものだ。
森田氏は「成田-羽田間のリニアで採算がとれるとは思っていない。千葉が主導してやることが重要なんだ」(「産経」5月8日)と発言しているが、なぜ、莫大な借金を抱える千葉県が県民多数が求めてもいない3兆円と言われる事業を主導しなければならないのか何の説明もない。「夢と希望」という言葉が中央の政財界が求める旧来型の大規模公共事業であることを隠すために使われている。
実際、「4月5日の知事就任後、県政の主要事業について、幹部の“ご進講”が続いたが、知事は聞き役に徹し、具体的な指示はほとんどなかったという。“丸投げ”の懸念もあるが、幹部の一人は「まだ1ヶ月だから仕方がない」と理解を示す。」「森田知事は職員を信頼し、任せてくれていると感じる」と前向きに受け止める職員も少なくない。」(「読売」5月8日)という実態だ。
そもそも職員から「まだ1ヶ月だから仕方ない」と言われるようでは知事として失格だ。本来、憲法、地方自治法に定める二元代表制の下、知事は議会と競って直接、県民への説明責任を果たさねばならない。「夢と希望」ではなく「悪夢と絶望」を県民に運んでくる前に、辞職願いたいものだ。

2009/5/3 日曜日

「安倍元首相らの右派的路線は、日本の孤立を招くだけ」

カテゴリー: 活動日記

ソウル視察(4/22~25)報告③~韓日100年平和市民ネットワーク創立総会とシンポジウムから

 3日の朝刊は憲法特集をしている。ファッショ的な強行採決を繰り返し、対北朝鮮施策でも何の進展も得られず、政権を放り出した安倍晋三元首相が、改憲に向けた「党のリーダー」の役割を強調するコメントも掲載されている。(毎日新聞) 本来、政界を引退すべき人物だ。「彼にはハジと反省の文化がないのか」とつぶやいたら、「他に居場所が無いんじゃない」という隣人の言葉が返ってきた。

 2日午後、習志野文化ホールで開催された「5.2憲法九条の集いin千葉」(主催:九条の会・ちばけん、九条の会・千葉地方議員ネット)で、高遠菜穂子さんと奥平康弘さんの講演を聴く。
 高遠さんは、週刊金曜日(09.1.30)で「軍は国民を守れない。イラクもアメリカも人々は傷ついているだけだ。戦場に勝者はいない。銃を持った手で人の命は救えない」というイラクの最激戦地を生き延びたカーシム・トゥルキが出した「結論」を紹介している。
「テロとの闘い」の最激戦地であったアンバール州のラマディは、今地元民によって夜11時でも子どもたちや高遠さんが歩けるほど治安が管理されているという。そこに九条の価値を感じた高遠さんは、「今こそ外に向かって九条をもっと発信することが必要」と強調した。
 奥平さんは、九条は「ユートピアではなく、リアル・ユートピアである」と述べた。
 九条を輸出する、「九条の会」を世界化するというグローバル化の時代が到来したことを感じる。

● 「安倍元首相らの右派的路線は、日本の孤立を招くだけ」

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 23日午前、ソウル市庁舎横の国家人権委員会学び舎で、韓日100年平和市民ネットワーク創立総会とシンポジウムが開催され、日本側から私も含め7名が参加した。総会はイ・テス京畿市民社会フォーラム運営委員長の司会で行われ、日本100年ネット共同代表の増田都子さんが祝辞を述べた。
総会後のシンポジウムでは、
報告1:「韓日100年、反省と和解、東アジア平和作り」-チャ・ミョンジェ(東国大学)
報告2:「日本100年ネットの経過と運動方向」-嚴敞俊(日本100年ネット事務局次長)
特別報告:「歴史偽造主義者との闘い」-増田都子(日本100年ネット共同代表)
事例紹介:「冨川と川崎の交流活動」-ユン・ビョングク(冨川市議会議員)
アピール:「在日コリアンの生活」宋富子(日本100年ネット共同代表)
が行われた。

【参考】報告:日本の状況~「日本100年ネットの経過と運動方向」-嚴敞俊(日本100年ネット事務局次長)より抜粋
 
 来年は日本帝国主義が強要したいわゆる「韓国併合条約」が100年を迎える節目の年である。しかし、日本は未だ韓国を始めとしたアジア諸国との関係を正常化できずにいる。それだけではない。朝鮮のロケット打ち上げをあくまでもミサイル発射と規定し、要撃云々しながら、準戦時体制を整え、独自の制裁方針も明らかにしている。産経や読売はもとより、朝日や毎日新聞ですら毅然とした表情を装い、朝鮮を叱咤することに少しも遠慮がない。考えれば、関東大震災時の雰囲気は今と似ていた。「不逞鮮人が襲来する」「井戸に毒を入れている」当時も政府がデマを流布させた。「ミサイルが落ちてくるかも知れない」「要撃しろ」「在日朝鮮人を取り締まれ」今、東京で起きている実際の状況である。この根深い差別意識と主客転倒の被害妄想から、いつになれば、日本人は解放されるのだろうか。

 日本の右派と「平凡な」日本人たちは~韓国とはそれでも1965年の条約があり、「完全に最終的に」解決したと強弁もできるが~朝鮮とは何一つも解決されたものではないという基礎的事実を完全に忘却している。一方、田母神俊夫前航空自衛隊幕僚長は「日本が侵略国家だというのは濡れ衣だ。米国と中国の罠に嵌っただけだ」と歴史を捏造しているが、問題は月に20回も講演会に呼ばれるほど、大変な人気を博しているということである。
 攻撃の対象は決して「不逞鮮人」に止まらない。彼らの差別意識と被害妄想の矛先は日本の歴史認識を改め、謝罪したいという「売国的非国民たち」にも向かう。日本100年ネットの増田都子共同代表はまさにその証人であろう。よりによって、靖国神社とは目と鼻の距離にある九段中学で歴史を教えていて免職された。歴史をまともに教えることが罪とされるのが今日の日本である。

 だからといって、希望のかけられるところがまったくないわけではない。
 第一に、国際的連帯の力がある。日本軍「慰安婦」問題は今や世界的共通課題となった。狭まってくる包囲網を前に、日本の市民も立ち上がり始めた。宝塚市議会、清瀬市議会、札幌市議会、そして福岡市議会で「慰安婦」決議または意見書が採択された。札幌と福岡は大都市である。日本各地から宝塚に学ぼうと、市民運動が展開されている。
 第二に、右派的路線の限界が明確化したことである。それが日本に一体どんな未来を約束するというのか。2007年に日本は国連安保理の常任理事国入りに総力戦を展開したにもかかわらず、韓国と中国の支援を受けられないことは当然としても、ASEAN諸国など、むしろアジアで惨敗を喫した。アジアに友のいない日本の現住所、日本の暗澹たる未来を如実に示してくれたものである。小泉と安倍元首相の露骨な右派的路線は、韓中の反発はもちろんのこと、とうとうアジア太平洋戦争の解釈をめぐり、米国との衝突も避けられないことをはっきりと示した。中国が大国化し、アジアが成長した中で、右派的路線は日本の孤立化を招くだけだという事実が明確化している。

 日本の政治家も国益のためにはこのままでは駄目だという問題意識ぐらいはもっている。岡田副代表、鳩山幹事長など、民主党の良心的幹部は、政権を取れば歴史問題とかかわるすべての情報の公開を明言している。日本共産党と社民党はいつでも真摯な歴史清算に乗り出す用意をもっている。次期衆院選では、いつの時よりも政権交代の可能性が高いと見られている。
 日本100年ネットワーク、つまり「韓国併合」(日帝強占)100年市民ネットワークはこのような時代状況の下、昨年10月25日京都で発足した。

2009/5/2 土曜日

「思想も戦略もなく行動に走る日本政府」には憲法九条が不可欠~対北朝鮮政策に思想も戦略も無いことを露呈した麻生首相の中国での発言

カテゴリー: 活動日記

 27日のブログでバイオハザード予防市民センターの「新型インフルエンザ問題に対する見解」(2009年2月20日)を紹介したが、この間の豚インフルエンザ問題を巡ってもこの見解の的確さが指摘できると思う。
 SARS問題の折は、情報を積極的に公表しなかった中国政府に非難が集中したが、今回は最も迅速、詳細に把握されるべきメキシコの実態がハッキリつかめていないようだ。メキシコ政府の公衆衛生対策や情報公開の不備など様々な課題が今後指摘されるだろう。
 
一方、ウイルスの毒性については、田代真人・国立感染研インフルエンザウイルス研究センター長が28日の記者会見で、今回のウイルスが強毒性のH5N1型鳥インフルエンザが新型に変異した場合に比べ、遺伝子解析の予備的データの結果、「弱毒性」(=①呼吸器感染にとどまり全身感染を起こさない、②感染者に生態防御の過剰反応(サイトカインストーム)を起こさない)との認識を示している。(「毎日新聞」4月30日朝刊)

 さて、1日は、午前10時から開催された県議会健康福祉常任委員会協議会を傍聴する。4月30日現在、世界で患者257人、内死者7名(WHO 及びCDC報告)という新型インフルエンザ(インフルエンザA(H1N1))対策について県当局の報告と質疑応答が行われた。
 県の報告によれば、
① 原因ウイルスは、A型インフルエンザウイルスで、亜型はA/H1N1
② 県では28日にWHOが警戒レベルをフェーズ3から4に引き上げたことをうけて知事を本部長とする千葉県健康危機管理対策本部を設置し、保健所に「発熱相談センター」を、11の指定医療機関に「発熱外来」を設けている。
③ 感染予防は、マスクの着用、手洗い、うがい、できるだけ外出を控える。
④ 抗インフルエンザウイルス薬のタミフルの備蓄量は県49.6万人分、政府49.6万人分、流通備蓄(中外製薬が備蓄)20万人分であわせて県人口の23%分を確保している。
⑤ 「新型インフルエンザ対策」行動計画によれば、最大で千葉県の感染者150万人、発症は120万人、1日最大入院者数は4780人であり、現在病院の協力で2000床確保している。
というものだった。

この中で、タミフルの備蓄は、政府の「タミフル一辺倒」施策に基づいたものだが、新型インフルエンザの実態が未確認なままでその有効性は不明であり、大量投与は耐性ウイルス作り出す危険性がある。調査検討中のタミフル薬害の問題もある。一方、タミフルやリレンザ以外に、新薬が開発されつつある。タミフルに固執する事情はない。(「タミフル薬害~製薬企業と薬事行政の責任と課題」桐書房)

● 「思想も戦略もなく行動に走る日本政府」には憲法九条が不可欠

 麻生首相が29日、公式訪問した中国で音家宝首相と会談し、6カ国協議の再開に向け「北朝鮮に大きな影響力を持っている中国が役割を果たして欲しい」「北朝鮮に対し、過剰に反応することなく、抑制的に対応することが大事だ」と述べたと報道されている。(「毎日新聞」4月30日朝刊)
 この麻生発言と北朝鮮「人工衛星」発射の折の政府の平和憲法の下で初めての軍事出動(「破壊措置=迎撃」対応)や「迎撃だ」「制裁だ」と「過剰に反応」し騒ぎ立てたことを考え合わせた時、独自に道を開く外交、先を読んだ外交が出来ない日本政府の未熟さを痛感し、滑稽さすらおぼえる。(「先制攻撃論」や「核武装論」の愚かさは「北朝鮮・中国はどれだけ怖いか」(田岡俊次著、朝日選書)に詳しい。)

 北朝鮮政府は29日に、「追加的な自衛的措置」として2度目の核実験や大陸間弾道弾(ICBM)実験を実施すると表明した。日本政府が固執した国連安保理の北朝鮮非難決議が、瀬戸際外交にかける北朝鮮の「強硬策」を呼ぶことは容易に予想できることだ。
 一方で独自の交渉ルートを確保しつつ一方で強硬姿勢をとっているのかと思いきや、麻生発言に見られる通り何の策も無かった。これでは日本外交は「あとは野となれ山となれ」路線をとっているように見える。
 
 言論機関は麻生発言を受けて、米国、中国に「おんぶに抱っこ肩ぐるま」路線の日本外交の未熟さを批判すべきだが、そうした論調は見られない。

昭和の悲惨な戦争を起こした当時の日本外交について、保阪正康氏(ノンフィクション作家・評論家)は、次にように述べている。
「戦争を避けるためにどのように有効な外交交渉を用いるか、どういう政治目標を立てるかといった姿勢が、当時の指導者にはありませんでした。つまり、すべてが対症療法だったのです。それはこの国の政治システムが変調を来たしたがゆえのことなのか、それとももともとそのような思想も戦略もなく、まずは行動に走るというのがこの国の抜きがたい体質なのか、そのことが問われているということになるでしょう。私たちは改めてそのことを自問してみる必要があるのです。」(「若い人に語る戦争と日本人」保阪正康著・ちくまプリマー新書、119-120頁)

 対北朝鮮政策に思想も戦略も無いことを露呈した麻生発言だが、日本の言論機関の論調、民度を観察していると「熱しやすくさめやすい忍耐力に乏しく駆け引きに疎い日本は、戦争なぞもっての外である」(同書、179頁)ことに同意せざるを得ない。 

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