昨日は県の第7回行革推進委員会を傍聴したが、政府のいわゆる事業仕分けもそうだが、事業を縦割りで遂行する立場を前提としている。しかし、地方分権、「補完性の原理」の立場からは、原点は「個の生活」であり、そこでは総合的な施策、ワン・ストップサービスが求められる。昨日のブログで紹介した柏廃材処理センターについての住民の方々からの被害の訴えに対する県の対応も同様だ。「個の尊重」という視点が欠如している。
そう思っていたところに、ニュージランド滞在中の私の知人が「ニュージランドの医療事情について~全国民を対象とした社会福祉制度と事故補償委員会(ACC)」というレポートを送ってくれた。
「個の尊重」を基本とした施策とは何か、社会権の観点から日本の制度と対比すると興味深いと思い、レポート内容を全文掲載する。
● 目に余るワクチン騒動~インフルエンザ・ワクチンの有効性、有害性について
新型インフルエンザのワクチン騒動が目に余る。これも糞バエ言論機関の犯罪ではないか。
個人の生命、健康の視点からウイルスの毒性、ワクチンの効果、副作用などがしっかり検証されるべきだが、感染症法改正時、人権よりも「バイオテロ対策」が優先された経緯もありことから、新型インフル対策ではこの機会に国家の「危機管理」としての「予行演習」としての側面が 強く押し出されているように思う。
そうした中、厚労省が3700万人分購入する契約を結んでいた英国グラクソ・スミスクライン社の新型インフルエンザ・ワクチンにより、カナダのマントバ州で高い割合で副作用が報告され、同社は使用中止をカナダの複数の州政府に要請したことが報道されている。厚労省も現地調査団を派遣して詳細に実態を把握するという。
そもそもインフルエンザ・ワクチンは百害(=副作用)あって一利なしではないのか。
元国立公衆衛生院疫学部感染室長の母里啓子氏は
「インフルエンザ・ワクチンが効かないことは、ウイルス学者にとっては常識です。インフルエンザ・ウイルスは鼻やのどの粘膜で増殖します。ですから、血中にワクチンを打って血中で抗体値を上げても感染は防げません。しかもワクチンに使われるのは不活性ワクチンという、死んでしまったウイルス。体内に入れば一時的に抗体値は上がりますが、すぐに消えてしまう。いずれにしても、インフルエンザ・ワクチンは変異が早く、合うものは永久に作れません。ワクチンができた頃には、変異して、違うものが流行しているのですから。」(「週刊金曜日」09/11/20)
バイオハザード予防市民センターの臼田篤伸代表幹事も以下のように話している。
「インフルエンザは風邪とは違うと恐怖をあおる風潮は、ワクチンやタミフルを売る意図によるもの。新型と言われているが、実際には50年前に流行したアジア風邪の一種と考えられる。季節性をあまりかわらない。」
「インフルエンザの死亡者の殆どは内臓の慢性疾患のあった人。タミフルの副作用の方が被害は深刻。ワクチンの安全性も確かではない。」
「風邪やインフルエンザの症状が重くなるのは主に「リンパ球のウイルスへの過剰防衛」によるもの。初期の段階で市販の風邪薬を飲めばリンパ球の反応は抑えられるので効果的。殆どの市販薬に含まれる「塩酸メチルエフェドリン」が有効、病院よりまずは家庭での「初期消火」が重要」
(「二木洋子とともに住民自治をすすめる会ニュース第42号「見直そう!インフルエンザの常識」より」
「個の尊重」よりも「危機管理」を優先した国の政策に振り回されてはならない。
【参考】Yさんからの便り
「ニュージーランドの医療事情について
~全国民を対象にした社会福祉制度と事故補償委員会(ACC)」
ニュージーランドは福祉大国だと聞いたことがありますが、今回自分がけがをし、その恩恵にあずかることになったので、実情をお伝えしようと思います。
日本と最も異なる点は、ニュージーランド内で起こった事故に対し、誰に対しても(国籍・ビザ問わず)医療費やその後のリハビリなどに関して、ACCという組織から費用が支払われるというところです。スポーツ・交通事故・家でのDIY等、何をしているかに関わらず、医師が事故と判断し、ACCの審査が通れば、カバーされるのです。その代わり、例外を除き個人的に損害賠償の訴えを起こすことができません。ここで言う「事故」の中には、いわゆるけがだけでなく、仕事に関連した健康問題・医療過誤によるもの等も含まれます。
● 私のケース
「Land Yacht(sailing)」という、本来ならビーチで遊ぶ乗り物なのですが、知人が最近購入したので、私の帰国前に1度乗せてあげよう、と、近所の駐車場のようなところで試してみました。あまり風のない日でしたが、私は体重が比較的軽かったので、割とよく走りました。が、突然強風にさらわれ、コントロールを失い、道路の縁石で腰をかなり強く打ちました。事故直後は、痛くて自分では動けませんでした。
その場では救急車は呼ばず、しばらく様子を見ようと思い帰宅しました。しかし、あまりにも痛みが続くので、近くの総合病院の緊急病棟に行きレントゲンを撮ると、骨盤4か所にひびが入る大けがでした。手術の必要はなく、痛み止めを飲んで自然治癒を待つだけだったので、1日で退院しました。
今はクラッチと呼ばれる松葉づえ、トイレとシャワールームで使う補助いすを貸してもらっています。入院中にケアマネージャーが「家に階段はあるか?誰か家で面倒を見てくれる人はいるか?トイレやシャワールームの形状は?」などを質問し、介助用品レンタルの手配等をしてくれました。退院後、患者がなるべく自身で身の回りを始末できるようにするためです。実際、帰宅したらお願いした介助用品はすでに届いていました。さらに退院から数日後、ACCから生活状況について問合せの電話がありました。私が受けた処置の費用(入院費、検査費、介助用品のレンタルなど)はすべて無料でした。
● 補償制度の背景
こうした補償制度を樹立した背景について、ニュージーランド大使館ホームページは次のように説明しています。
「(ニュージーランドは)世界で初めて、全国民を対象にした社会福祉制度を創設したのです。現在にいたるまで、政府は、病気やけが、失業中の人々のための医療や福祉サービスに多額の予算を投入しています。制度の重点は、受給者が社会に復帰し自立する手助けにおかれています。」
「1900年代はじめ、わが国は職場での事故がもたらす社会的コストに目を向け、世界で最も早く、労働者災害補償制度を導入しました。1967年に政府に提出された報告書は制度拡大を提案し、事故現場がどこであれ、また誰のミスであれ、すべてのけがを補償するよう提言しました。報告書は最後に、事故の予防、けが人のリハビリ、損失補償という3つの分野での対策が必要であると締めくくっています。」
「事故でけがをした人々は、補助金、無料の治療、治療中に発生した所得損失の補償、リハビリへの援助を受けることができます。」
● ACCについて
こうしてACC「The Accident Compensation Corporation」(事故補償委員会)が1974年に設置されました。現在は「Injury Prevention, Rehabilitation, and Compensation Act 2001(外傷予防、リハビリテーション、および補償に関する法律)」に基づいて運営されています。事故補償制度の基本方針は、法廷訴訟を経ずに、けがの補償を提供することです。
身体上のけがだけでなく、事故・犯罪による精神被害の治療にも支払われますが、病気や加齢が原因によるもの(腰痛や歯が欠けるなど)は対象外となります。
ACCの運営資金は、労働者からの徴税・自動車登録料・ガソリン税・政府からの助成金・そしてそれらを基にした資金運用で賄われています。
●ACCでカバーされた他ケース
ACCにお世話になった知人のケースを紹介します。
あるガーデナーは、仕事中にひざにけがをし、勤務が難しくなったため、雇用主・ACCと3者で話合った。その結果、向こう半年の治療休暇を与えられ、休職中は生活資金として給料の80%をACC,残り20%を雇用主が負担することになった。ACCはひざの手術日を決め、術後2週間くらいからマッサージ、リハビリなどのメニューを開始。そして術後6週間後には職場に復帰。ちなみにリハビリメニューは、フィジオセラピストの監督のもと、週3回ジムに通い、1時間半でストレッチ、軽い筋トレ、エクササイクルをし、最後にマッサージを受けるという、スポーツ選手のようなメニュー。
交通事故の後遺症で、足を悪くして自由に動けない人は、退院後、リハビリ以外にも家政婦が週3回、掃除・洗濯・料理などの生活援助をしています。けがから2年以上経ちますが、まだACCの対象です。
以前大工でしたが肩を痛めてしまい、現在仕事ができない人には、継続的に注射等の治療が施され、生活資金が支給されています。資料によると、2週目以降で、最高事故前の平均給料の80%が支給されるそうです。
もっとも、補償に当たっては、ACC・医療関係者及び患者本人とで、患者の症状に関して定期的にアセスメントが行われ、無駄なく適正に支給されるようになっています。
最近はニュージーランドの経済状況が悪化していることや、医療費の増加などで、以前よりACCの支払い基準は厳しくなってきているようです。テレビでも、ACCの財政問題や、まだ処置が必要な患者なのに、ACCの給付金打切りにあってしまったケースもたびたび報道されています。
それでも、日本人の私から見れば、十分暖かい福祉で、これが本来の姿ではないのかなと、うらやましい限りです。
余談になりますが、私の場合、入院した翌週に帰国する予定でした。しかし、けがの状況から長距離フライトはやめたほうがよい、と担当医から移民局と航空会社・保険会社にあててレファレンスレターを書いてもらいました。現在移民局に滞在延長を申請していますが、2-3週間で許可が下りるだろうとのことでした。日本でけがをしたら、外国人はともかく、日本国籍があってもここまで面倒を見てもらえるのでしょうか?