2009/11/30 月曜日

「坂の上の雲」テレビドラマ化で問われるNHKの歴史観

カテゴリー: 活動日記

腰痛のため、土日は鍼灸治療以外の外出を控えた。
30日夜はNHKテレビで司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」とETV特集「豊臣秀吉の朝鮮侵略」を観る。

 「坂の上の雲」のテレビドラマ化をめぐっては、司馬は「なるべく映画とかテレビとか、そういう視覚的なものに翻訳されたくない作品でもあります。うかつに翻訳すると、ミリタリズムを鼓舞しているように誤解されたりする恐れがありますからね」と語ったという。

司馬が映像化を欲しなかった理由について歴史学者の中塚明氏は、司馬の朝鮮認識が「坂の上の雲」で書いた「朝鮮自身の意思と力でみずからの運命をきりひらく能力は皆無といってよかった」ということから、その後の在日韓国・朝鮮人との交流の中でゆらぎがあったからではないかと推察している。(「司馬遼太郎の世界観」中塚明、高文研)

一方、NHKの企画意図は、「「坂の上の雲」は、国民ひとりひとりが少年のような希望をもって国の近代化に取り組み、そして存亡をかけて日露戦争を戦った「少年の国・明治」の物語です。
そこには、今の日本と同じように新たな価値観の創造に苦悩・奮闘した明治という時代の精神が生き生きと描かれています。
この作品に込められたメッセージは、日本がこれから向かうべき道を考える上で大きなヒントを与えてくれるに違いありません」というものだ。
 
 明治=「日清・日露戦争の時代」を史実に忠実に照らした時、「輝かしい」ものとして持ち上げ、「日露戦争」を「防衛戦争」といえるのか。

 〈輝かしい明治〉像を問い直すとした「日清・日露戦争」(原田敬一著、岩波新書)では、 
「日清戦争で台湾を清から奪い、植民地としたのは、この戦争の本来の目的ではなかった。日本単独か欧米諸列強との共同管理かは別として、朝鮮を支配下に置くことが戦争目的だった。日清戦争を経て、日本の圧力は強まるが、朝鮮王朝と政府は揺るがず、日本の支配許可に抵抗を続けて屈しなかった。日本は、朝鮮(韓国)における権益の完全な回収を求めて、多角的な外交運動を模索しつつ、最後に日露戦争を決断する。その勝利によって1910年に独立国である韓国は日本帝国に併合され、植民地となった。」
「日本の朝鮮支配は苛酷で、朝鮮民衆は鴨緑江を越えて中国東北部(いわゆる「満州」地域)に逃げ込んでいく。自立した朝鮮民衆が、「満州」から朝鮮へ働きかけることを阻止することが、日本の課題となった。満州に影響を拡大して、朝鮮支配を安定化させること、を追求することから、軍事的解決も選択肢に登場する。それが1920年~30年代の日本の姿になるだろう。
 そのような転換点が日清戦争であった。軍事力が国家と社会で大きな意味を持つようになるのも、したがって小さな国日本という社会が劇的に変化するのも、この時期であった。」

と記されている。

明治は日本が軍事国家に転換し、戦争に次ぐ戦争で1945年の破滅へとスタートを切った時代ととらえるべきだろう。姜徳相氏が指摘したように、その際、豊臣秀吉の朝鮮侵略が軍事国家化を正当化する根拠とされたのだろう。

東アジア共同体を展望し、来年は「韓国併合」から100年という時期に、私たちに求められることは史実に忠実に自らの朝鮮の認識を問い直すことだろう。

「「坂の上の雲」を考える全国ネットワーク」も立ち上がった。

2009/11/28 土曜日

第3回不正経理調査特別委員会に、招致すべき参考人、情報提供項目のリストを提出

カテゴリー: 県行政, 県議会

昨日27日に12月定例県議会(~12月22日)が開会した。
私は新たにリースした車椅子を使って(もちろん沢山の方々サポートを受けて)議会棟内を会派控え室、議場、委員会室と移動した。
 閉会後、午後4時前から、第3回不正経理調査特別委員会が開かれた。
今回は、「不正経理調査特別委員会の進め方について」が主な議題である。

 会派として、議事の進め方、調査・検証に不可欠な参考人及び情報を「要望書」(下記参照)として提出した。
 今回の委員会で確認されたことは、
 ① 各会派から出された「調査項目希望調査票」を整理した不正経理調査特別委員会調査項目(案)を調査項目とする。
 ② 「県の調査結果の検証・精査」を最優先する立場から、次回委員会より、調査項目の内、「県が行った調査手法等の検証について」「県庁における現金等保有について」「業者プール金について」をまず調査する。
 ③ そのために、関係する情報を県は「可能な限り」提供すること。
 ④ 次回委員会で、堂本前知事、特別調査外部審査委員の参考人招致を議題とする。
 ⑤ 参考人招致については、個々の調査を進める段階で個別に改めて検討する。
 ⑥ 次回(第4回)委員会は、12月2日(水)午後1時~、第5回委員会は12月11日(金)午前10時~(必要であれば午後も引き続き)とする。
 というもの。
 私は、前回の委員会で求めた、「職員聴き取り内容のすべて」「不正経理で有罪判決を受けた県職員の判決文書」などの情報提供を重ねて要望した。

【参考】議事の進め方、調査・検証に不可欠な参考人及び情報を「要望書」
2009年11月27日
不正経理調査特別委員会
  委員長 伊藤 和男 様

第2回不正経理調査特別委員会での確認内容に基づき、議事、参考人、情報提供について以下の内容を要望します。
ご配慮いただくようお願い申し上げます。
                 市民ネット・社民・無所属 川本幸立

1. 議事について

① まず、県経理問題特別調査報告書内容について検証、確認する。そのためにすべての不正経理関係文書を開示すること。
② 次に02年度以前を含む不正経理の実態解明の調査を実施する。
③ 以上を踏まえつつ、再発防止に向けた調査を行う。
という順序で進める。
なお、参考人招致、情報提供は議事に応じてタイムリーに行われること。

2.招致(聴き取り)する参考人

①03年度~07年度の不正経理について

・堂本前知事
・特別調査外部審査委員
・懲戒免職職員
・業者(02年度以前も含む)・・相手先に出向く
・監査委員(事務局含む)
・出納局(伝票の管理者)
・農林水産部、県土整備部の経理担当(プール金、預金、現金の扱い者)
・千葉県市民オンブズマン連絡会議
・その他、調査の過程で必要と思われる人

②02年度以前の不正経理について

・沼田元知事
・90年代の課長、副課長の歴任者で、現在の県幹部となっている方々
・・・・石渡副知事、依田部長、他
・97年内部告発時の関係者(県OBを含む)
・ 当時の監査委員と出納局
・ 95年教育庁高校教育課経理担当者
・ 預金通帳名義人と通帳管理者
・教育行政を『ただす』会(90年代、教育庁支払伝票などの開示請求者)
・その他、審査の過程で必要と思われる人

③ 再発防止策など
・必要な知見を持つ専門家

3.情報開示・提供項目

・不正経理に関係するすべての文書
・県職員ヒアリング及びアンケートなどすべての記録
・業者ヒアリングのすべての記録
・預金通帳
・県職員が有罪判決をうけた判決文書
・外部審査委員会の議事録(詳細)
・他自治体の不正経理に関する事例と比較(90年代も含む)
・監査基準・マニュアル
・その他、審査の過程で必要と思われる文書

4.その他

・委員会では委員が手分けして提供文書などの検討を行う
・情報の分析・検討では必要に応じ、専門家の支援を受ける
・委員会資料は、少なくとも前日配布とする
・調査・検討に応じて新たな参考人からのヒアリング、資料提供の必要が生じた場合は迅速に対応する。

2009/11/26 木曜日

ワクチン騒動、社会福祉制度など~個人が大切にされない管理社会

カテゴリー: 活動日記

昨日は県の第7回行革推進委員会を傍聴したが、政府のいわゆる事業仕分けもそうだが、事業を縦割りで遂行する立場を前提としている。しかし、地方分権、「補完性の原理」の立場からは、原点は「個の生活」であり、そこでは総合的な施策、ワン・ストップサービスが求められる。昨日のブログで紹介した柏廃材処理センターについての住民の方々からの被害の訴えに対する県の対応も同様だ。「個の尊重」という視点が欠如している。

そう思っていたところに、ニュージランド滞在中の私の知人が「ニュージランドの医療事情について~全国民を対象とした社会福祉制度と事故補償委員会(ACC)」というレポートを送ってくれた。
「個の尊重」を基本とした施策とは何か、社会権の観点から日本の制度と対比すると興味深いと思い、レポート内容を全文掲載する。

● 目に余るワクチン騒動~インフルエンザ・ワクチンの有効性、有害性について

新型インフルエンザのワクチン騒動が目に余る。これも糞バエ言論機関の犯罪ではないか。
個人の生命、健康の視点からウイルスの毒性、ワクチンの効果、副作用などがしっかり検証されるべきだが、感染症法改正時、人権よりも「バイオテロ対策」が優先された経緯もありことから、新型インフル対策ではこの機会に国家の「危機管理」としての「予行演習」としての側面が 強く押し出されているように思う。

 そうした中、厚労省が3700万人分購入する契約を結んでいた英国グラクソ・スミスクライン社の新型インフルエンザ・ワクチンにより、カナダのマントバ州で高い割合で副作用が報告され、同社は使用中止をカナダの複数の州政府に要請したことが報道されている。厚労省も現地調査団を派遣して詳細に実態を把握するという。

 そもそもインフルエンザ・ワクチンは百害(=副作用)あって一利なしではないのか。
 元国立公衆衛生院疫学部感染室長の母里啓子氏は
「インフルエンザ・ワクチンが効かないことは、ウイルス学者にとっては常識です。インフルエンザ・ウイルスは鼻やのどの粘膜で増殖します。ですから、血中にワクチンを打って血中で抗体値を上げても感染は防げません。しかもワクチンに使われるのは不活性ワクチンという、死んでしまったウイルス。体内に入れば一時的に抗体値は上がりますが、すぐに消えてしまう。いずれにしても、インフルエンザ・ワクチンは変異が早く、合うものは永久に作れません。ワクチンができた頃には、変異して、違うものが流行しているのですから。」(「週刊金曜日」09/11/20)

 バイオハザード予防市民センターの臼田篤伸代表幹事も以下のように話している。
「インフルエンザは風邪とは違うと恐怖をあおる風潮は、ワクチンやタミフルを売る意図によるもの。新型と言われているが、実際には50年前に流行したアジア風邪の一種と考えられる。季節性をあまりかわらない。」
「インフルエンザの死亡者の殆どは内臓の慢性疾患のあった人。タミフルの副作用の方が被害は深刻。ワクチンの安全性も確かではない。」
「風邪やインフルエンザの症状が重くなるのは主に「リンパ球のウイルスへの過剰防衛」によるもの。初期の段階で市販の風邪薬を飲めばリンパ球の反応は抑えられるので効果的。殆どの市販薬に含まれる「塩酸メチルエフェドリン」が有効、病院よりまずは家庭での「初期消火」が重要」
(「二木洋子とともに住民自治をすすめる会ニュース第42号「見直そう!インフルエンザの常識」より」

 「個の尊重」よりも「危機管理」を優先した国の政策に振り回されてはならない。
【参考】Yさんからの便り
「ニュージーランドの医療事情について
~全国民を対象にした社会福祉制度と事故補償委員会(ACC)」

ニュージーランドは福祉大国だと聞いたことがありますが、今回自分がけがをし、その恩恵にあずかることになったので、実情をお伝えしようと思います。
日本と最も異なる点は、ニュージーランド内で起こった事故に対し、誰に対しても(国籍・ビザ問わず)医療費やその後のリハビリなどに関して、ACCという組織から費用が支払われるというところです。スポーツ・交通事故・家でのDIY等、何をしているかに関わらず、医師が事故と判断し、ACCの審査が通れば、カバーされるのです。その代わり、例外を除き個人的に損害賠償の訴えを起こすことができません。ここで言う「事故」の中には、いわゆるけがだけでなく、仕事に関連した健康問題・医療過誤によるもの等も含まれます。

● 私のケース

「Land Yacht(sailing)」という、本来ならビーチで遊ぶ乗り物なのですが、知人が最近購入したので、私の帰国前に1度乗せてあげよう、と、近所の駐車場のようなところで試してみました。あまり風のない日でしたが、私は体重が比較的軽かったので、割とよく走りました。が、突然強風にさらわれ、コントロールを失い、道路の縁石で腰をかなり強く打ちました。事故直後は、痛くて自分では動けませんでした。
その場では救急車は呼ばず、しばらく様子を見ようと思い帰宅しました。しかし、あまりにも痛みが続くので、近くの総合病院の緊急病棟に行きレントゲンを撮ると、骨盤4か所にひびが入る大けがでした。手術の必要はなく、痛み止めを飲んで自然治癒を待つだけだったので、1日で退院しました。
今はクラッチと呼ばれる松葉づえ、トイレとシャワールームで使う補助いすを貸してもらっています。入院中にケアマネージャーが「家に階段はあるか?誰か家で面倒を見てくれる人はいるか?トイレやシャワールームの形状は?」などを質問し、介助用品レンタルの手配等をしてくれました。退院後、患者がなるべく自身で身の回りを始末できるようにするためです。実際、帰宅したらお願いした介助用品はすでに届いていました。さらに退院から数日後、ACCから生活状況について問合せの電話がありました。私が受けた処置の費用(入院費、検査費、介助用品のレンタルなど)はすべて無料でした。

● 補償制度の背景

こうした補償制度を樹立した背景について、ニュージーランド大使館ホームページは次のように説明しています。
「(ニュージーランドは)世界で初めて、全国民を対象にした社会福祉制度を創設したのです。現在にいたるまで、政府は、病気やけが、失業中の人々のための医療や福祉サービスに多額の予算を投入しています。制度の重点は、受給者が社会に復帰し自立する手助けにおかれています。」
「1900年代はじめ、わが国は職場での事故がもたらす社会的コストに目を向け、世界で最も早く、労働者災害補償制度を導入しました。1967年に政府に提出された報告書は制度拡大を提案し、事故現場がどこであれ、また誰のミスであれ、すべてのけがを補償するよう提言しました。報告書は最後に、事故の予防、けが人のリハビリ、損失補償という3つの分野での対策が必要であると締めくくっています。」
「事故でけがをした人々は、補助金、無料の治療、治療中に発生した所得損失の補償、リハビリへの援助を受けることができます。」

● ACCについて

こうしてACC「The Accident Compensation Corporation」(事故補償委員会)が1974年に設置されました。現在は「Injury Prevention, Rehabilitation, and Compensation Act 2001(外傷予防、リハビリテーション、および補償に関する法律)」に基づいて運営されています。事故補償制度の基本方針は、法廷訴訟を経ずに、けがの補償を提供することです。
身体上のけがだけでなく、事故・犯罪による精神被害の治療にも支払われますが、病気や加齢が原因によるもの(腰痛や歯が欠けるなど)は対象外となります。
ACCの運営資金は、労働者からの徴税・自動車登録料・ガソリン税・政府からの助成金・そしてそれらを基にした資金運用で賄われています。

●ACCでカバーされた他ケース

ACCにお世話になった知人のケースを紹介します。
あるガーデナーは、仕事中にひざにけがをし、勤務が難しくなったため、雇用主・ACCと3者で話合った。その結果、向こう半年の治療休暇を与えられ、休職中は生活資金として給料の80%をACC,残り20%を雇用主が負担することになった。ACCはひざの手術日を決め、術後2週間くらいからマッサージ、リハビリなどのメニューを開始。そして術後6週間後には職場に復帰。ちなみにリハビリメニューは、フィジオセラピストの監督のもと、週3回ジムに通い、1時間半でストレッチ、軽い筋トレ、エクササイクルをし、最後にマッサージを受けるという、スポーツ選手のようなメニュー。

交通事故の後遺症で、足を悪くして自由に動けない人は、退院後、リハビリ以外にも家政婦が週3回、掃除・洗濯・料理などの生活援助をしています。けがから2年以上経ちますが、まだACCの対象です。
以前大工でしたが肩を痛めてしまい、現在仕事ができない人には、継続的に注射等の治療が施され、生活資金が支給されています。資料によると、2週目以降で、最高事故前の平均給料の80%が支給されるそうです。

もっとも、補償に当たっては、ACC・医療関係者及び患者本人とで、患者の症状に関して定期的にアセスメントが行われ、無駄なく適正に支給されるようになっています。
最近はニュージーランドの経済状況が悪化していることや、医療費の増加などで、以前よりACCの支払い基準は厳しくなってきているようです。テレビでも、ACCの財政問題や、まだ処置が必要な患者なのに、ACCの給付金打切りにあってしまったケースもたびたび報道されています。
それでも、日本人の私から見れば、十分暖かい福祉で、これが本来の姿ではないのかなと、うらやましい限りです。

余談になりますが、私の場合、入院した翌週に帰国する予定でした。しかし、けがの状況から長距離フライトはやめたほうがよい、と担当医から移民局と航空会社・保険会社にあててレファレンスレターを書いてもらいました。現在移民局に滞在延長を申請していますが、2-3週間で許可が下りるだろうとのことでした。日本でけがをしたら、外国人はともかく、日本国籍があってもここまで面倒を見てもらえるのでしょうか?

2009/11/25 水曜日

野田市の住民が(有)柏廃材処理センターの焼却施設の稼働停止を県に求める

カテゴリー: 活動日記, 県行政

 24日午前は、(有)柏廃材処理センターの焼却施設により健康被害・環境被害を受けている野田市の住民の方々が県に「施設の稼働停止の申し入れ」(下記参照)をするのに同席する。

 プラスチックなどの焼却で発生した排ガスが近隣の人家、工場、農作物を襲っている様子が地元の方々が撮影したビデオに残されている。作物が枯れ、金属が錆び、野田市の健康調査(下記参照)では多くの人々がのどや目の痛み、鼻、咳や痰、息苦しさ、頭痛、はきけを訴えている。VOC(揮発性有機化合物)による公害が疑われる。

 申し入れでは、
・施設の稼働停止
・VOCの測定
・「千葉県廃棄物処理施設設置等専門委員会」を開催し原因を究明する
・県健康福祉部門も含めた全庁的な取り組みと野田市との連携による迅速な対応
  ・異常時の報告書を提出しない事業者に厳しく提出を求める。
  ・県保有の諸データの開示
 などを求めた。

 新潟水俣病確定判決では、生物・人体等に重大な危害を加える物質を発生させるおそれのある化学工場の操業にあたっては、最高の分析検知の技術を用いて調査する義務があり、「最高技術の設備をもってしてもなお人の生命、身体の危害が及ぶおそれのあるような場合には、企業の操業短縮はもちろん操業停止まで要請されることもある」「生命、健康を犠牲にしてまで企業の利益を保護しなければならない理由はない」としている。(新潟地判昭和四六・九・二九判時六四二・九六)
 公害は絶対的不可逆的損失であり、この判決に照らして、施設の稼働停止を求める住民の申し入れは当然である。

● 野田市が実施した「(有)柏廃材処理センター付近の健康調査実施結果」(10月28日)

1. 実施した時期
平成21年9月10日(木)市民105件訪問しアンケート用紙を配布
       9月11日(金)法人38社訪問しアンケート用紙を配布
       9月16日(水)市民・法人からアンケート用紙回収
2. 実施した範囲
 (有)柏廃材処理センターの半径500m範囲(煙突からの排煙到達区域)
3.回収したアンケート用紙の回答世帯数・回答社数の内訳
 市民 訪問件数  105世帯 配布枚数 339枚
    回答世帯   86軒 回答枚数  276枚(回収率81%)
              異常あり  117枚(回答枚数の内42%)
 法人 訪問社数  38社  配布枚数  935枚
    回答社数  31社  回答枚数  561枚(回収率60%)
              異常あり  118枚(回答枚数の内21%)
 全体の配布数 1274枚
 回収枚数    837枚(回収率65%)

4.異常あり235人の内訳
(1)症状内訳(複数回答のため合計は合わない)
  のどの症状  114(48%)  目の症状 95(40%)
  鼻の症状   86(36%)  せき・たん 81(34%)
  いきぐるしさ 47(20%)  頭痛    46(19%)
  はきけ    20(8%)
(2)医者に行ったかどうか
   行かなかった     166名(71%)
   行った         54名(23%)
   不明          15名(6%)
(3)現在の状況
   症状はまったくない  48名(21%)
   ときどき症状がでる  144名(61%)
   ずっと症状が続いている 28名(12%)
   不明          15名(6%) 

【参考】(有)柏廃材処理センターの稼働停止を即刻求める申し入れ(11月24日)               

千葉県知事 鈴木栄治 様
(有)柏廃材処理センター被害者の会
                 
(有)柏廃材処理センターの稼働による健康被害・環境被害は、平成19年5月に有害物質の塩化水素が基準値を大きく超える事故が発生し、喉が焼けつき息も出来ない状態で樹木が枯れるなどの被害が出て、平成19年10月には稼働停止と改善の勧告が出され休止していました。しかし、平成20年の3月には、県の稼働停止を無視して一方的に稼働を始めてしまいました。以来今日に至るまで頻繁な化学臭、刺激臭による喉や目の痛み、頭痛、体のだるさなどの被害に私たち地元住民は脅かされ、不安に陥っています。

7月30日、8月15日には施設内のゴミの一時保管場所付近から白煙がもうもうと上がり、11月14日に視界不良となるほどの異常な白煙で胸がしめつけられるような異臭が出て、動悸が2時間以上も続くなどの健康被害を訴える地元住民もいました。このうち2度は消防車が出動。度重なる事故にも関わらず、県の監視班は原因究明をしないまま、(有)柏廃材処理センターは依然として稼働し続けています。

野田市の健康調査では、地元住民の42パーセントもの人が、のどや目の痛み、鼻、咳や痰、息苦しさ、頭痛、はきけなどの異常を訴えています。この結果はすでに市が10月28日に県知事宛に提出し、指導強化を求めているのはご承知の通りです。
また、化学臭などによる被害は、野田市が調査をした半径500メートルの範囲を超えた住宅地の人にも及んでいます。

以上のような深刻な状況の中で、一刻も早く(有)柏廃材処理センターが稼働を停止するようお願い申し上げます。

申し入れ事項

① (有)柏廃材処理センターの稼働を即刻停止することを求めます。
② 「千葉県廃棄物処理施設設置等専門委員会」で早急に原因究明することを求めます。
③ 県健康福祉部及び野田市と緊密な連携をとり、迅速な対応を行うことを求めます。

2009/11/24 火曜日

県行革委員の呆れた発言「幕張メッセへの交通アクセス改善のため第2湾岸道路事業を」

カテゴリー: 県行政

 18日夜の「県民参加が危ない!緊急集会」にはNPO関係者、教員など30名を超える方が参加し、県が進めている県民不在の総合計画づくりや行政改革推進委員会、時代錯誤の「県教育を元気にする有識者会議」について意見交換した。今後、大いに県民に実態を知らせるとともに異議申し立てをしようということになった。

 翌19日午前、第6回県行政改革推進委員会を傍聴する。議題は「幕張新都心のあり方」「企業庁のあり方」だった。委員は以下の通りだが、発言の中身から推察するに、事前に資料をそれなりに理解・検討して委員会に臨んでいるのは会長の辻氏と若松氏の2人のようだ。

会長 辻 琢也   一橋大学大学院法学研究科教授
   鈴木 庸夫  千葉大学法科大学院教授
   赤田 靖英  (株)千葉日報社代表取締役社長
   石井 俊昭  千葉県法人会連合会会長
   片岡 直公  市川商工会議所会頭
   永吉 盛雄  弁護士
   若松 弘之  公認会計士

 幕張新都心に関する県の資料・説明によれば、就業人口は当初計画の15万人に対し現状は4万7千人、本社の誘致は困難で本社補完施設が大半であり、東京都心の低賃料が影響しているということだ。肝心のこれらの要因についての言及もなく幕張のテクノガーデンやビジネスガーデンなど空室率や賃料比較などの詳細なデータも示されない。

 もともと緻密な計画もない上に、局地バブル目当ての民間デベロッパー主導の「都市再生」(=「ゼネコン再生」と言う声もある)施策と政府による「都市再生特別措置法」(02年6月施行)で、「国土計画としては、東京一極集中の排除-首都圏では業務核都市の育成を柱とした多極分散政策が、全国レベルでは地方中枢都市や中核都市育成策」が、それぞれ有名無実化したからに他ならない。(「持続可能な都市」福川裕一他、岩波書店、28頁) 「業務都市」「新都心」そのものの見直しをすべきだ。

 幕張メッセについては、赤田委員の「もともと千葉市はメッセには反対だった。当時の沼田知事がニューヨークで松井市長に会って了解を取り付けた」「交通アクセス改善のために第2湾岸道路事業を進めるべき」などの発言に驚く。
 
政府の事業仕分け作業は財務省主導との指摘もあるが、県の行政改革推進員会は、県庁内会議で整理された個別検討項目に沿って進められており、県主導だ。庁内策定会議の議事録と配布資料の情報提供を議会事務局を通じて請求中だ。

2009/11/21 土曜日

30億円県庁不正経理問題で第2回県議会特別委員会開催 

カテゴリー: 県行政, 県議会

 11月初めに腰痛に起因する左足の痺れと痛みで歩くことも困難となり、なかなか快方に向かわない。整体や鍼灸に行く。整形外科でレントゲンやMRIによる診断を受けたところ、「腰部脊柱管狭窄症」ということだが手術をする程でもないということでホッとする。

横になって安静にしておればよいのだが、今週も27日開会の定例県議会の議案説明(18日)、土気東土地区画整理事業環境連絡協議会(18日)、総合計画策定についての「県民参加が危ない!緊急集会」(18日夜)、県行政改革推進委員会の傍聴(19日)、不正経理調査特別委員会(20日)、とけ・九条の会世話人会(20日夜)などで車椅子を車に積んで外出している。

腰痛そのものは軽くなり右足は痛みも痺れもないので車の運転はできる。もちろん車の乗り降り時や車椅子での移動では介助が必要で、様々な人々の心づかいに感謝する毎日だ。

 はじめての車椅子の利用で、車椅子対応のない銀行のATMや議会棟のエレベータ・トイレ、段差のある店舗入り口、段差はなくとも勾配の急なスロープ、床材料など「バリアーフリー」の観点で改めて気が付くことが多い。

● 再発防止策で徹底した情報公開と県民監視体制の整備を求める

 20日午後開催された第2回不正経理調査特別委員会の議題は、(1)予算執行や物品調達方法の現状と課題及び改善策の検討状況、(2)次回以降の議題、委員会の進め方など、の2点だ。
(2)については、議題とともに各会派で参考人、百条の付与、情報提供項目などについて検討し協議することとなった。次回の開催は11月27日(金)午後(県議会後)となった。

(1)について県の報告に対する私の質疑と県の対応を以下に記す。

① 徹底した情報公開と県民による監視体制を確保することが「自浄能力の欠如」した県職員に緊張感と責任感を植え付けるという立場から、県の「予算執行」「物品調達」の改善策には情報公開の視点がないことを指摘し、岐阜県の事例(年間約140万件の公金情報をインターネットで全面公開)を紹介しつつ、公金情報などの全面公開の検討を県に求めた。県は前向きな検討を約した。

② 物品調達をめぐり、「業者間で白紙の見積書をやりとりするのが普通」「県職員の指示で見積書偽造という官製談合の疑い」が報道(「朝日」9月11日)されているが、県は業者からのヒアリングを含めて調査していない。この件について調査を求めた。

 ③ 10月2日の一般質問で、1995年度県教育庁学校教育部高校教育課の需要費、食糧費及び使用料等に係る総額約240万円の「支出負担行為支出伝票」について指摘した通り、業者伝票と突合しなくとも厳格にチェックしておれば不正あるいはその疑いを感知することができるケースがある。支出負担行為の審査確認事項の見直しを求めた。

④ 職員及び業者からの聴き取り内容の全面公開を求めた。県は職員については了解したが、業者からの聴き取り内容を文書化したものは不存在と主張した。

⑤ 他府県の不正経理問題への対応、改善策事例などについても県が整理したものについて情報提供を求めた。

【参考】95年度県教育庁学校教育部高校教育課の食糧費の事例 

 97年に県民のN氏が情報公開請求内容として「平成7年度千葉県一般会計・特別会計歳入歳出決算説明書第6分冊の高校教育課分3ページ記載の第5目教職員人事費に関する説明「2.予算執行状況」のうち、人事管理費に関する全ての内訳別予算執行額を知りたい」
を求めたところ、支出負担行為支出伝票が開示された。

 食糧費の事例をこの支出伝票行為支出伝票から紹介する。

・人事異動対策会議後の懇談会(4月28日) 191,385円 委員20人、職員8人  
・人事異動対策会議後の懇談会(5月18日) 100,425円 委員10人、職員10人
・人事異動対策会議後の懇談会(7月20日) 109,592円 委員15人、職員5人
・関東地区人事関係研修会終了後の懇談会(8月3日) 77,572円
                 他県教育委員会6人、職員6人
・県立高校退職校長感謝状贈呈式に伴う昼食会(3月29日、ほてい家)
              216,000円 退職校長37人、職員17人  

2009/11/16 月曜日

「事業仕分け」を消費税増税の「口実」にさせてはならない!

カテゴリー: 活動日記

~財源確保は、基本税率を消費税導入前の水準に戻し、優遇税制を見直せば20兆円の税収増となる

 11日からはじまった政府の行政刷新会議の作業グループによる447事業を対象にした事業仕分けの様子が言論機関で大きく報じられている。①廃止②地方自治体や民間への移管③来年度の予算計上見送り④予算縮減⑤見直し、などを判定するという。

シンクタンク「構想日本」が関わっていると聞くと、堂本知事時代の県の事業仕分けで肝心の大規模公共事業には手をつけず文化行政などを標的としたことを思い出す。仕分け人が備えるべき「事業に対する深い見識」も感じられず、雑な作業だと感じたものだ。

今回の仕分け作業をみていて印象的なのは、仕分け人の質疑に対する各省の官僚の方々の言葉の多くが、議会答弁と同様、説得力を持たず、事業に対する熱意や使命感があまり感じられないということだ。財務省の誘導も指摘されるが、当事者の参加が必要だと思う

ともかく、こういう官僚の「言葉」の欠如は、長年の自民党政治の悪しき産物だと思う。

さて、鳩山首相は国会答弁で「歳出削減」後の消費税増税に積極的だ。
28日衆議院本会議では
「恒久的な財源とは、消費税増税を見通して言っていると思うが、国民に強いるには政治に対する信頼回復がされなければならない。その前に消費税増税を行う必要は無い。来年度はすべての予算を組み替えて新たな財源を見出す」
29日参議院本会議では、
「すべての国民が7万円以上支給される最低保障年金を創設し、その財源には消費税をあてることも党の約束としている」
と答弁している。(「毎日」10月29日、31日)

 しかし、神野直彦・地方財政審議会会長は、週刊「金曜日」(09/10/23)で以下のように述べている。
「日本は90年代に、資本所得への課税を重くすると、資本が海外へフライトして国際競争に勝てなくなる、資本所得への租税負担を軽くすれば日本に資本が流入して、経済は成長するとして、89年に消費税を導入したにもかかわらず、所得税の最高税率を89年の42%を99年には30%にまで引き下げた。
 しかし、実際は課税を軽減しても資本の海外への流出はとまらず、ただ税収だけが落ち込んだ。
 こうした教訓から財源確保のために必要なことは、増税などする必要はなく、法人税、所得税の基本税率を、消費税導入前の水準に戻すことである。それにより約6兆円、優遇税制を正せば約14兆円、合計で約20兆円の税収増となる」

「事業仕分け」を消費税増税の「口実」にさせてはならない!

2009/11/13 金曜日

明仁天皇の歴史認識 ~明治維新の1868年から1928年の間の60年間、そして韓国併合条約について

カテゴリー: 活動日記

腰痛より発した左足の痺れ痛みで歩行困難となって10日余りとなる。昨日は鍼灸治療を受ける。

 昨日12日は明仁天皇の「即位の礼」から丸20年となり、天皇即位20年記念式典が行われ、「毎日」朝刊には記者会見の要旨が掲載された。
 その中で、「過去の歴史忘れ去られていくことが心配」という見出しで、天皇の次の言葉が続いている。

「私がむしろ心配なのは、次第に過去の歴史が忘れ去られていくのではないかということです。
 昭和の時代は非常に厳しい状況のもとで始まりました。昭和3年、1928年、昭和天皇の即位の礼が行われる前に起こったのが張作霖爆殺事件でしたし、3年後には満州事変が起こり、先の大戦に至る道のりが始まりました。第一次世界大戦のベルダンの古戦場を訪れ、戦場の悲惨な光景に接して平和の大切さを肝に銘じられた昭和天皇にとって、まことに不本意な歴史であったのではないかと察しております。
 昭和の六十有余年は、私どもに、さまざまな教訓を与えてくれます。過去の歴史的事実を十分に知って、未来に備えることが大切だと思います。」

 また、今年4月10日の成婚50周年を前にした記者会見では次のように話している。
「顧みますと、私どもの結婚した頃は日本が多大な戦禍を受け、310万人の命が失われた先の戦争から、日本国憲法のもと、自由と平和を大切にする国として立ち上がり、国際連合に加盟し、産業を発展させて国民生活が向上し始めた時期でありました」
「なお大日本帝国憲法下の天皇のあり方と、日本国憲法下の天皇のあり方を比べれば、日本国憲法下の天皇のあり方の方が、天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇のあり方に沿うものと思います」

 04年の秋の園遊会では、東京都教育委員の米長邦雄氏の「日本中の学校で国旗を掲げ、国家を斉唱させるというのが私の仕事でございます」という言葉に「やはり、強制になるということでないことが望ましい」とこたえた。

 明仁天皇は、上の発言にみられるように1928年の張作霖爆殺事件から1945年の間は軍国主義の時代として批判しているようだ。しかしその前の60年間、つまり明治維新の1868年から1928年の間も日清、日露戦争など朝鮮、中国の植民地支配のため戦争、出兵が相次いだ。この時代を現在どう理解、認識しているのだろうか。
 
●韓国併合条約の法的無効について

来年で1910年の韓国併合から100年となる。
第134国会の参議院予算委員会(1995年10月17日)で、吉岡吉典氏が、当時の村山富市首相の「韓国併合条約法的有効」発言を追及している。

吉岡氏は「戦後五十年という節目の年に当たって侵略戦争と植民地支配をきっぱり反省することが必要だという立場から、植民地支配の反省というなら、南北朝鮮初め内外の厳しい批判を受けてきた、一九六五年の日韓条約国会以来、日本政府が繰り返している韓国併合条約は対等な立場、自由な意思で結ばれた条約であるという悪名高い認識、立場をはっきり改めることが必要」という立場である。

 追及の中で、韓国併合条約の法的に無効であることが明らかにされている。
 明仁天皇はこのことについてどう考えるのか?
 参議院予算委員会議事録から以下に抜粋する。

【吉岡吉典君】 今の舌足らずというような性質のものではないんですが、それはさておきまして、明治政府が朝鮮を保護国にし、植民地にしていたその目的は何だったと思いますか。外務省、これは例えば明治四十二年七月六日の閣議等でもきちっと書いておりますが、どういうふうに言っているか、まず紹介していただきたい。
【政府委員(加藤良三君)】 明治四十二年七月六日に閣議決定の韓国併合に関する件、その中で併合の目的について次のような記述がございます。
 適当ノ時機ニ於テ韓国ノ併合ヲ断行スルコト
 韓国ヲ併合シ之ヲ帝国版図ノ一部トナスハ半島ニ於ケル我実力ヲ確立スル為最確実ナル方法タリ帝国カ内外ノ形勢ニ照ラシ適当ノ時機ニ於テ断然併合ヲ実行シ半島ヲ名実共ニ我統治ノ下ニ置キ且韓国ト諸外国トノ条約関係ヲ消滅セシムルバ帝国百年ノ長計ナリトス
 以上でございます。
【吉岡吉典君】 お聞きになったように、韓国を帝国の版図の一部にすることが百年の長計であった、こう書いてあるわけです。こういう計画に沿って早くから明治政府は韓国への政治的、経済的、軍事的な進出の方針を決定していた。
 明治三十七年五月三十一日の閣議決定にもそれが極めてはっきり書かれております。時間がないから、項目だけで結構ですから報告してください。
【政府委員(加藤良三君)】 ただいまの明治三十七年五月三十一日に閣議決定いたしました対韓方針
に関する決定の前段部分ではなくて、対韓施設綱領決定の件の項目という理解のもとに申し上げます。
 その項目は以下のとおりでございます。「一、防備ヲ全フスルコト」、「二、外政ヲ監督スルコト」、「三、財政ヲ監督スルコト」、「四、交通機関ヲ掌握スルコト」、「五、通信機関ヲ掌握スルコト」、「六、拓殖ヲ図ルコト」、以上でございます。
【吉岡吉典君】 こういうふうに併合より六年前に韓国を軍事、政治、産業経済の全分野にわたって完全な日本の支配下に置こうとする方針、計画を決定していたわけです。
 外務大臣、そう思いませんか、今の報告で。
【国務大臣(河野洋平君)】 当時の閣議の文献その他を参照すればそのとおりだと思います。
【吉岡吉典君】 もう一つ、明治三十八年四月八日にも韓国保護権確立の件というのがありますが、これはもう完全に韓国併合を進める具体的なプランです。これも紹介してください。
【政府委員(加藤良三君)】 申しわけございませんが、ただいま御質問いただいた資料に該当する資料をちょっと手元に持ち合わせておりません。
【吉岡吉典君】 それでは、それはそれとして、問題は「帝国百年ノ長計」に沿ってのこういう条約がどういう方法で調印されたかということが問題であります。この「帝国百年ノ長計」に基づく日本の保護条約、併合条約へと進むそのやり方は、公文書を初め関係者の一連の文書ではっきりさせられております。
 その一つ、西四辻公堯という人の書いた「韓末外交秘話」、そういうものについてどんなことが書いてあるか、ちょっと報告してもらいたい。
【政府委員(加藤良三君)】 私ども、その西四辻公堯著「韓末外交秘話」というものを外務省の図書館あるいは国会図書館にてその検索に努めましたけれども、私たちとして、時間的制約もありましたので、原資料を見つけることはできませんでした。私たちが見出し得たものの中に、明治三十八年、伊藤博文復命書というものはございますけれども、その内容であればお答えできると存じます。
【吉岡吉典君】 それでは、それを報告してもらう前に、西四辻公堯という人は、子爵、陸軍少将、貴族院議員をやった人で、以下述べるのは余が責任を持って述べることだということで書いている、コピーを配っていますけれども。伊藤博文が韓国の閣議に乗り込んで、ぐずぐずするやつがいたら、だだをこねるやつがいたら殺してしまえとまで大声で言ったと、そういう状況下でこの条約の調印を迫ったと、そういうことが非常に具体的に書かれているわけです。
 じゃ、伊藤博文の報告をお願いします。
【政府委員(加藤良三君)】 この復命書によりますと、日韓保護条約の交渉経緯ということについて次のとおりの経緯があったようでございます。
 一九〇五年の十一月に特派大使に任ぜられた伊藤博文枢密院議長が韓国の皇帝に内謁見を求めまして、日本に外交権を委任する必要につき説明するということがありました。韓国皇帝は、こういう問題は政府に諮詢したいということを述べたとされておりますが、その際、伊藤大使から、
 之ヲ御承諾アルトモ又或ハ御拒ミアルトモ御勝
 手タリト雖モ若シ御拒ミ相成ランカ帝国政府ハ
 已ニ決心スル所アリ其結果ハ果シテ那辺ニ達ス
 ヘキカ蓋シ貴国ノ地位ハ此条約ヲ締結スルヨリ
 以上ノ困難ナル境遇ニ坐シ一層不利益ナル結果
 ヲ覚悟セラレサルヘカラス
と述べたと、こういうふうにされております。
【吉岡吉典君】 外務大臣、こういうやり方というのはこれは普通の外交のあり方ですか。
【国務大臣(河野洋平君)】 現場を見ているわけではありませんから、私がそれを直ちに云々というわけにはまいりません。何せ非常に古い文献でございますから、その文献の信憑性というものもまた確認しなければならないと思います。
【吉岡吉典君】 これは大変な答弁ですよ。日本外務省の編さんの外交文書の中に、天皇の命令によって韓国へ派遣されたその報告書ですよ。その信憑性だとすると、天皇に伊藤博文はうそをついたんですか。そういうことを言うんですか。
【国務大臣(河野洋平君)】 私が申し上げておりますのは、その文書自身を私が見ておりませんので、ここで確認をして申し上げることができないということを申し上げているわけでございます。
【吉岡吉典君】 もう一つ言います。
 この保護条約の調印者、林権助の「わが七十年を語る」というのがありますが、これは外務省、あるはずですけれども、どんなことを書いていますか。
【政府委員(加藤良三君)】 恐縮でございますが、昨日御質問の予告をいただいて私たちが調べた中に、林権助述「わが七十年を語る」という資料を検索することができませんでした。お手元の配付資料にあることは承知いたしております。
【吉岡吉典君】 私は、そういうのは本当に信用しがたい。これは古本屋にざら
に出ていた本ですよ。
 この本を読むと、調印者が、閣僚が調印前に逃げ出さないように憲兵に見張りさせた、あるいは自殺者が出ないように見張りした、判こを押すときに国璽がない、判こがないとぐあいが悪いのでこの判こを見張りさせた、そういう状況のもとで調印したと当事者が書いているんですよ。コピーを配ってあります。
 総理、こういう形で結んだ保護条約、併合条約の前の保護条約は自由な意思、対等な立場で結んだ条約と言えると思いますか。
【国務大臣(村山富市君)】 私は先ほどから答弁しておりますように、いろんな史実を記録したものはあると思いますが、今、委員が言われたことについてはこれは私も今初めて聞く話で全然見ておりませんから何とも言えませんけれども、しかし当時の状況から判断してみて、対等平等の立場で締結されたものではないというふうに私は考えております。
 そのことの是非はともかくとして、植民地支配をしてきた現実というものはこれはもう否定し得ない事実ですから、したがってそのことは率直に認めて、そして厳しい反省もしながらおわびするところはおわびをして、そして私は、戦後これまで築いてきた日韓の関係というものに水を差すような気持ちもないし、むしろ未来に向かってお互いに協力し合える友好関係というものは大事にしていかなければならぬというふうに考えております。
【吉岡吉典君】 過去のこういうとげを取らないで未来はないんですよ。今答弁を聞いていると、それは昔のことだから余りよくわからないとおっしゃるけれども、こういう日韓、日朝の間でこれだけ問題になっている点を外務大臣初め余り調べていない。だから、韓国、朝鮮で日本の歴史認識が問題になるわけですよ。やっぱり歴史をきちっと調べて責任ある対応をすべきだと、そう総理思いませんか。
【国務大臣(村山富市君)】 これは、私は五十年の節目に当たって八月十五日の総理談話でも明確に申し上げております。やっぱり過去の一時期に国策を誤って、そして日本の国民を塗炭の苦しみに遭わせると同時に、アジアの諸国の皆さん等々に耐えがたい苦痛と被害を与えたということについて厳しい反省をして、そして率直におわびもして、そしてこれからはひとつそういう立場に立って未来に向かって平和を築いていき、友好関係をつくっていくために努力しなきゃならぬということを申し上げておるのであります。
 私は、そういう過去の歴史というものを率直にやっぱり認め合うし、共通した理解と認識をしっかりお互いに持ち合うことは極めて大事なことだというふうに思っております。したがって、歴史書について共同で研究するようなものもつくっていこう、こういう提起もしているところでございます。
【吉岡吉典君】 今のような形で結んだ保護条約で韓国の実権は日本が全部奪った。この韓国の実態、併合条約直前、保護条約下の韓国の実態は独立主権国家と言えたかどうか、外務大臣。
【政府委員(加藤良三君)】 若干時系列で申し上げますと、明治三十八年、すなわち一九〇五年に第二次日韓協約というのが締結されまして、この条約によりまして日本は韓国の外交に関する事項を監理することとなったことは御承知のとおりでございます。
 それから、第三次日韓協約、明治四十年でございますから一九〇七年に署名されたわけでございますが、これは韓国の外政に加えて内政にも多大の影響力を行使することを内容としております。具体的な項目が幾つかございまして、例えば韓国施政の改善に関する統監の指導の権利等々が定められているわけでございます。それにあわせて若干の司法に関する覚書も交換されております。
 しかし、韓国の併合条約、すなわち一切の統治権を韓国皇帝が日本皇帝に譲与する条約、これは一九一〇年に成立しているわけでございます。
【吉岡吉典君】 日本が外交権も握ってしまった、韓国は日本の了解なしには条約も結べない、そういう国になった。これはもう独立主権国家とは言えません。その韓国と日本は軍隊を動員した状況のもとで併合条約を結んだわけです。
 ですから、併合条約というのは、日本の保護下にあった韓国、独立主権国家と言えない韓国とその保護国である日本との間での条約がそもそも普通の条約と言えるかどうか、こういう問題がまずあるわけです。しかも、その条約を軍隊を動員した戒厳下で結んだ等々から見て、これはどこからどう見ても自由ないし対等な立場で結んだ条約であるとを言えない。
 私は総理に、まず対等な立場、自由な意思で結んだ条約ではないということを明言する、そういうことをきちっとしなければならない。同時に、帝国主義侵略を正当化する法理と言われた伝統的国際法、旧国際法をよりどころにして、条約があるからということを理由に日本の朝鮮、韓国併合を正当化することはしない、こういうことをこの場できちっと言い、歴史を踏まえた本当の日本の植民地支配の反省ということの真を明らかにしていくという態度をとっていただきたい。最後に一括して総理の答弁を求めます。
【国務大臣(河野洋平君)】 先ほど来から総理が御答弁を申し上げておりますように、当時の状況にかんがみれば、対等平等な体制でこれが行われたということはないであろうということは、十三日以来総理が御答弁を申し上げているとおりでございます。そうした状況にかんがみれば、総理の御答弁のとおり我々も考えているところでございます。
【国務大臣(村山富市君)】 これは同じ答弁になりますけれども、八月十五日に私が出しました総理談話というのを率直に認めてもらいたいと思うんです。先ほど来答弁を申し上げておりますように、当時の状況から考えてみて、そして対等平等の立場で結ばれた条約とは私は考えておりませんと、現実に植民地支配というものは存在しておったわけですから。したがって、そういうものについて我々は厳しい反省の上に立って、そして謝るべきものは謝って、そして未来に向かってお互いにしっかり友好協力関係を築いていく、これが当面課せられた我々の役割ではないかというふうに考えております。

2009/11/12 木曜日

県30億円不正経理問題、問われる内部調査の信頼性

カテゴリー: 県行政

 昨日のブログで、県庁30億円不正経理問題で10日、県職員4人目の逮捕者が出たことに触れたが、そこで気になるのは、6月の内部調査で当人に「聴き取り」した折は不正経理と私的流用のいずれも「そうしたことはない」と否定したので表にはでなかったということだ。

 このことは職員への「聴き取り」だけで「不正はなかった」と結論づけることができないことを示している。今回の場合は、正規の手続きにより購入した回数券であったことから帳簿が存在したことで表に出たようだ。しかし、「裏金」の場合はそうはいかない。

 各課の課長、副課長の関与を含む指揮命令、プール金・現金・通帳の使用や引継ぎの実態、97年の内部告発をめぐる対応など今後解明すべきことだが、当事者の「言葉」(例えば「記憶にない」「思いいたらなかった」「気づかなかった」など)だけで「不正はない」「認識は無い」「関与は無い」と結論づけることはできない。

 公表済みの県の「経理問題特別調査結果報告書」(H21年9月9日)において、内部職員の「自主申告」や「聴き取り」だけで「不正はなかった」と結論付けたものについて具体的に把握し、その根拠を質す必要がある。

 また11日に公表された08年度の会計検査院の報告書(http://search.jword.jp/cns.dll?type=lk&fm=127&agent=11&partner=nifty&name=%B2%F1%B7%D7%B8%A1%BA%BA%B1%A1&lang=euc&prop=500&bypass=2&dispconfig=)によると、検査対象(農水省と国交省の国庫補助事業に関する事務費(需用費、旅費、賃金))の28府県市の不正経理額総額は約29億2700万円で、内千葉県庁分はその28%の8億2700万円を占める。その大半を占める需用費についてはすでに公表した約30億円に含まれるというが、その中には含まれない賃金、旅費についての指摘もある。(「毎日」11月12日)

 なぜ千葉県の不正経理額が多いのか。それは何度も指摘するが、沼田元県政時代の90年代、内部告発もあった官官接待(県県接待)、カラ出張などの不正に組織的に蓋をしたことによると思う。

一方、90年代の公費不正額は福岡県59億円、秋田県44億円、青森県31億円、山梨県24億円、福井県22億円、三重県15億円、大阪府13億円などで、それらの自治体の職員(OBも含む)は「返済」の責を負った。
 しかし、その責を問われず「痛い目」に会わなかった千葉県では、市民オンブズにチェックされてもわからないようにその仕組みは組織的に巧妙に温存された。

 千葉県市民オンブズマン連絡会議は11日、30億円不正経理事件で、需用費以外を含め過去10年間の調査と監査委員の辞任、監査制度の見直しを県に申し入れた。

2009/11/11 水曜日

県庁30億円不正経理問題、議会特別委員会で調査すべき項目

カテゴリー: 県議会

 今日の「毎日新聞」朝刊で、県環境政策課副主幹が昨日10日、業務上横領容疑で逮捕されたことを報じている。県管財課主査当時の05年8月頃、課で保管していた有料道路回数券約60冊(約50万円相当)を県の物品取引業者に横流しし、同額の現金に換えて自分の銀行口座に入金して横領した容疑という。

 また、9日開催された県議会決算審査特別委員会で、審査項目の一つである08年度の不正経理の調査結果がまとまらないとして、審議が12月県議会以降に延期が決まった。

 さて、県庁30億円不正経理問題について、県議会として「H19年度以前について、原因究明と再発防止に向けた、県の調査結果の精査や再発防止策の検討」をするため「不正経理特別委員会」が設置され、11月20日(金)には第2回目が開催される。

 この特別委員会で調査を希望する項目を10日までに議会事務局に提出することになっていたので、以下の調査希望項目を提出した。

●調査を希望する項目

1.県経理問題特別調査報告の根拠となる事柄についての検証、確認
・不正経理の違法性とその対象
・作業チームメンバーの妥当性
・A~G分類の妥当性
・業者プール金の実態
・預金通帳、業者帳簿詳細
・職員、業者の聴き取り詳細(対象、内容)・・指揮命令系統、手数料、「差し替え」、業者間での見積書の融通、「預け」のやりとりなど

2.02年度以前を含む不正経理の実態解明の調査
(いつから、指揮命令系統、不正額の規模、使途)
・不正経理の指揮命令系統の実態と責任(法的、道義的)の所在
・旅費及び賃金・報酬についての不正の有無
・交際費、需要費(食糧費)、使用料についての不正の有無
・役務費、委託料、使用料及び賃借料、備品購入費についての不正の有無
・預金通帳、プール金、現金の庁内の管理、使途、引き継ぎの実態
・97年の内部告発内容とそれへの対応について
・95年度県教委高校教育課の支出伝票内容
・不正経理で有罪判決を受けた県職員の判決文書
・90年代の官官接待、カラ出張、裏金などをめぐる他都府県における不正経理問題の事例

3.再発防止に向けた調査
・他自治体の事例
・監査委員が定期監査で見抜けなかった理由
・内部通報制度が有効に機能しない理由

4.その他
調査手法は、関係者からの聴き取り、一次資料の検討、アンケートなど書面調査の実施とする。必要に応じ、100条に基づく調査を実施する。

次ページへ »

HTML convert time: 3.027 sec. Powered by WordPress ME