2009/12/29 火曜日

12月22日県議会本会議、不正経理問題緊急質疑報告

カテゴリー: 県行政, 県議会

12月22日の12月県議会最終日の不正経理問題緊急質疑の模様を県議会HPの議会録画(県議会HPが開きます)で観ることができる。

 以下に質疑、答弁の詳細を報告する。

●12月22日不正経理問題緊急質疑

【川本】 市民ネット・社民・無所属の川本幸立です。
 5人目ですので、すでに質問した項目を省いて質疑します。
今回の追加調査結果について、県民から「とかけの尻尾切り、これは本当の調査ではない」「官官接待などが皆無とは信じられない。県幹部は潔癖なのか」「外郭団体の委託料、補助金の使途を厳しくチェックすべき」などという声が各方面から寄せられています。

実際、18日に配布された詳細資料に照らしても内部調査で「適正」と判断されたものの中に、起票日と伝票番号との照合での不自然なもの、ハイウェイカードの扱いについても同一人物が納品・使用管理をしており使用簿は廃棄されカードもない、あるいは使用簿の記載もないものなどが相当数見受けられます。

 内部調査には一般に身内とりわけトップをかばうという限界が指摘されますが、今回の業者への「気配り」は異様とも言え、97年に内部告発で官官接待カラ出張などで50億円を優に超えるとも指摘された不正経理には蓋をしようとする姿勢からは、県民と向き合い40年間とも言われる不正経理のウミを出し切るという決意は伝わってはきません。

 知事は18日「今日を境に千葉県庁は生まれ変わる」と言われましたが、文字通り「生まれ変れるかどうか」の検証作業が、実質的に今日から始まったというべきです。
「いつまでもうしろむきではダメ」「一刻も早くくぎりをつける」などという言葉で蓋をすることを県民は望んではいません。
県議会として、県民に向き合い説明責任を果たす立場から、以下質疑します。

・不適正な経理処理の要因について

【川本】最初に、不正経理に関係する法令とそれへの抵触の有無、及びその根拠について明らかにしていただきたい。また、不正経理に協力した業者の法的な責任についてどのように考えているのか伺う?

【小宮総務部長】地方公務員法第33条の信用失墜行為の禁止、「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」に抵触するものと考えています。
 また、今回特に悪質な行為者である職員を、刑法上の業務上横領罪又は盗品に関する罪で告訴いたしました。
 なお、不正経理は、業者との癒着の中で発生していることを考えれば、業者側にも一定の責任はあるものと考えますが、その一義的な責任は県職員が負うべきものと考えます。

【川本】2点目に、不正の要因について、堂本前知事、沼田元知事、関係する県幹部の方々へのヒアリングを実施したのかどうか?

【小宮総務部長】前知事、元知事については、ヒアリングを行っておりません。県幹部については、納品や使途の確認など、必要に応じてヒアリングを行っております。

【川本】3点目に、要因として、
①90年代の官官接待、カラ出張などの不正に千葉県では蓋がされ不正体質が温存されたこと、
②当時、全庁的に経理担当者に「情報公開でばれるような裏金づくりはするな」と指示があり、不正の発覚を避けるため「預け」に移行したと県庁OBが語っているように、上司の命令つまり「課長→副課長→経理担当者」の指揮命令系統で組織的に行われたこと、 の2点と密接に関係すると考えるがどうか?

【小宮総務部長】平成9年の内部告発文書について、当時真摯に対応していれば、今回のような事態は回避できた可能性はあるのではないかと考えております。
 今回の不正経理問題に関し、県庁の組織全体で、長年に渡って見過ごしてきた組織責任について、本庁課長級以上の職員全てに戒告処分を行い、その責任を厳しく問うこととしました。

・2002年度(平成14年度)以前の調査について

【川本】今回の不正経理は03年度に突然始まったものではなく、02年度(H14年度)以前から継続的におこなわれてきたものと考えるのが自然だと考えます。
そこで伺う。そもそも02年度以前から行われていたと認識しているのか。

【小宮総務部長】平成15年度当初からプール金が存在することからすると、14年度以前から不正経理が行われてきたものと推測しています。
 
【川本】次に、全庁的に経理担当者に「情報公開でばれるような裏金づくりはするな」と指示があり、不正の発覚を避けるため「預け」に移行したという県庁OBの指摘について調査したか。

【小宮総務部長】ご指摘の点については、調査はしておりませんが、長年に亘る慣習と、内部けん制機能が働かない土壌であったと考えます。

【川本】さらに、OBを含め当時の課長、副課長、経理担当者など職員や業者に対し、どのような調査を行ったのか、その詳細について伺う。

【小宮総務部長】OBを含めた当時の職員に対しては、納品や使途の確認など、必要に応じて聴き取りを行っております。
 また業者に対しても、県の支出伝票と業者帳簿の突合において、不明な点があった場合など、随時聞き取り調査を実施いたしております。

【川本】ところで、報告書では、「客観的な証拠書類等をもとに職員への確認調査ができないため、全庁的な調査を行うことは困難であると判断せざるを得ない」とし、02年度以前の調査を拒否しています。
9月県議会、12月県議会の一般質問で、わが会派は岐阜県で06年に不正が発覚した折、客観的な証拠書類がなくとも経理担当職員約850名へのアンケート調査を実施し、推計作業なども含めて92~03年度の15年間の不正経理額に利息を加算した返還総額約19億円の返還を決めたことを紹介した。そこで以下伺う。
 最初に、私たちのこの指摘をどううけとめたのか。また、全庁調査は困難と判断した合理的理由、根拠について伺う。
 2点目に、証拠書類がなくても岐阜県では実施した。岐阜県でできて千葉県でできないと考えたのはなぜか?
 3点目に、たとえ一部であろうとも保存のある書類について不正の有無を検討すべきと考えるがいかがか。
また、報告書では、「今後、不適正な経理処理をしていた事実が判明し、明確な証拠がでてきた場合には、特別監察室において確認調査を実施し、適切な対応を図ることとする」とある。
これは、自ら調査するつもりは皆無で、文句を言うなら証拠を出せということに等しい。これは、13年前の内部告発を黙殺した理由と同じだ。どこが違うのか伺う。

【小宮総務部長】平成14年度以前の調査については、
①県の財務データが14年度以前は現存しておらず、県の支出に係る全体像が把握できないこと
 ②支出証拠書類の保存期間が3年又は5年であること
 ③14年度以前の業者帳簿の提出について、業者帳簿がないとの理由により業者から協力を得られる見込みが無いこと
 などから、客観的な証拠書類等をもとにした職員への確認調査が実施できないため、平成14年度以前の全庁的な調査は困難であると判断せざるを得ませんでした。
 ただし、今後、不適正な経理処理をしていた事実が判明し、明確な証拠が出てきた場合には、特別観察室において確認調査を実施し、適切な対応を図ることとしています。

【川本】業者には02年度以前の業者帳簿を保管の有無について確認した結果、保管ないということだが、これは電話で問い合わせたとのことである。業者からしっかり聴き取りをして不正額を明らかにすることも可能だ。今後、業者から聴き取りしないのか。

【小宮総務部長】プール金のある上位10業者について聞き取りを行ったところ、帳簿が無いなど、業者から協力が得られる見込みが立っていません。

【川本】02年度以前の不正経理についての明確な証拠は今まで一つもないのかどうか伺う。

【小宮総務部長】現時点において、明確かどうかは不明ですが、新聞報道のあった教育庁の支出伝票については、追跡調査の必要があると認識しており、今後、教育庁において調査するよう指示しております。

【川本】12月4日の毎日新聞が県教委の95年度支出伝票4件について「伝票の作成に関与した当時の複数の職員のうち、取材に応じた全員が不正を認めた」と報じている。
これは明らかに不正の証拠ではないのか伺う。

【鬼澤佳弘教育長】新聞報道直後、当時の担当者で、現在在籍している者に状況を再度聴取したところ、14年も前のことであり、記憶があいまいであることから、不正経理があったという確認はできませんでした。
 今後、退職をした当時の担当者に聴取するとともに、必要に応じて現在の在職者にも、更に聴取するなどして、可能な限り確認をしてまいりたいと考えております。

・「預け」、業者プール金について

【川本】各業者のプール金の各年度収支で各支出分のすべてを把握し、業者帳簿との照合は全て実施したのか。またプール金の支出金の内、使途が不明のものはなかったのか。

【小宮総務部長】入手した業者帳簿には、県からの入金状況及び県への納品状況、プール金の残高が記載されているものが多く、その内容については、全て確認作業を行いました。
 その中で、使途不明なものについては、県独自の納品ベースのg分類ア、イとして整理しております。

【川本】委託料調査で25所属、60件が調査されているが、すべての委託料の総額と件数はどのくらいあり、今回調査した割合はどの程度か?委託料調査は少なすぎるのではないか?

【小宮総務部長】委託料調査については、1件500万円以上の調査委託業務のうち、同一所属において複数年度同一業者に委託しているもの、又は、同一所属において単年度に複数事業で同一業者に委託しているもの等の不正の可能性が高い基準により対象所属・業者を抽出し、実施いたしました。
 委託料のうち500万円以上の調査委託費の総額は約130億円、総件数は1039件であり、、今回抽出した調査件数の割合は、金額ベースでは約7%、件数ベースでは約6%となっておりますが、今後、随時実施する特別監察の中で、委託料についても引き続き調査を行ってまいります。

【川本】公社など外郭団体の調査は「今年度末を目途に取りまとめる」ということだが、すべての団体について調査するのか。また委託料についても調査すべきと考えるがいかがか。

【小宮総務部長】公社等外郭団体については、千葉県公社等運営協議会を構成する団体及び県が25%以上出損又は出資している団体、合わせて41団体に対し、県の調査に準じた需用費調査の実施を依頼しております。
 また、委託料につきましては、需用費の調査の後に、対応を検討したいと考えています。

・通帳内容について

【川本】通帳について関係職員への聴き取り調査結果の詳細な情報提供を求める。情報提供するか。

【小宮総務部長】預金通帳の記載内容の使途が確認できないものについては、通帳管理者等に聴き取り調査を行い、調書を作成しておりますが、その調書については、全て警察との情報交換の中で警察に提出させていただいております。
 したがって、聴き取り調書の内容を明らかにすることによって、今後の捜査に支障を及ぼす可能性があることから、提出することは差し控えさせていただきたいと思います。

・職員処分・返還金について  

【川本】課長以上一律「戒告」処分とは、調査が全く不十分であることを示していると考えます。不正経理にまったく関わっていない管理職も役職に応じて一律に返還を求められます。きちんと調査できていれば、おのずから、指揮命令がはっきりとし、罪の軽重(けいちょう)で処分が変化すると考えるがいかがか。

【森田知事】調査については、使途が不明な物品等をはじめ、帳簿の再確認や追加の聴き取り等、可能な限り行いました。
 今回確認された不適正な経理処理は、県庁の組織全体で、長年に渡って行われていたことから、組織責任として、幹部職員を戒告処分にしたところです。

【川本】内部けん制機能が働かないということから、管理職が管理職としての役割を果たしてこなかったことを問うのであれば、管理職手当て及び期末の役職加算を過去にさかのぼり全額返還すべきと考えるがこれについて検討したのか。

【小宮総務部長】管理職の責任を問うための方法として、管理職手当及び期末の役員加算を全額返還させるというような検討は行っていません。
 なお、返還金については、何よりも管理監督者の責任が重いと考えられることから、役職に応じた区分によって管理職が重い負担をすることとしております。

・再質問

【川本】業者の法的責任についてはどのように考えるのか。

【小宮総務部長】不正経理は業者との癒着の中で発生していることを考えれば、業者にも一定責任があると考えますが、一義的には職員が責任を負うべきものと考えております。

【川本】堂本前知事にヒアリングもせずに1000万円の負担を求める理由は何か。

【小宮総務部長】調査結果の全体像を見て、総合的に判断した結果であります。

【川本】幹部職員から聴き取り調査をおこなったとのことだが、その結果を情報開示いただきたい。

【小宮総務部長】聴き取り調査の結果については、報告書の中に記載があります。また、配布した関連資料の中で、可能な限りの全ての情報を提供しております。

【川本】鍵を握る業者からは業者帳簿の写しをもらっただけで、何の聞き取りをしていない。すしを食べた、約40年前から不正はあると報道されている。
 なぜ鍵となる業者に02年度以前の不正も含めてしっかり聴き取りをしないのか。
 県民の疑惑に答えるためにも聴き取り調査をしっかりすべきではないか。知事答弁ください。

【小宮総務部長】平成15年度以降については、可能な限り、業者帳簿を提出してもらい、聴き取り調査を実施しております。平成14年度以前につちえは、業者帳簿がないため、協力をしていただけないということであります。

【川本】業者のプール金の返還について、県は職員や業者どちらにも返還を請求できる立場にある。少なくとも、職員が返還しきれない場合、当然業者に請求すべきと考えるがいかがか。

【小宮総務部長】プール金については、業者に早期に返還を求めてまいります。

【川本】秋田県では90年代、約44億円という多額の不正経理が明らかとなり、そこで徹底した対策がとられた。一方、千葉県では13年前に内部告発で50億円を楽に越えると指摘された官官接待やカラ出張などの不正に蓋がされた。千葉県のこの不作為の責任は重大だと考えるが、知事どう思われますか、お答えください。

【小宮総務部長】過去その時点で調査をしていれば、明らかになったものと考えます。

【川本】管理職が管理職としての職責を果たさなかったというのであれば、戒告処分など軽い処分ではなく、H20年度で約13億円という管理職手当ての過去にさかのぼっての返還を求めるべきと考える。戒告処分は6千万円程度に過ぎない。知事、なぜ管理職手当ての返還を求めないのか納得できる説明を求める。

【小宮総務部長】幹部職員については、懲戒処分を行い、かつその職責に応じた返還額を求めることで対応したいと考えております。

・再々質問

【川本】県警本部長に伺うが、業者がプール金を持っていることに関する法的責任はどうか。

【五十嵐警察本部長】業者がどういう形でお金を受けたのかなど、具体的なことが判らなければ、法的な責任について申し上げることは難しいと思います。

【川本】岐阜県でできて千葉県でできないことはない。02年度以前について不正経理額を推定の上、県民への道義的責任と損害賠償を果たすべきだ。知事が徹底的にウミを出すとい決意が本物であれば、職員アンケート、業者への聴き取りをすべきと考えるがどうか。知事に返答を求める。

【小宮総務部長】知事の命により今回の調査を実施し、調査結果を報告し、協議した上で、このような形での報告をさせていただいております。

2009/12/27 日曜日

県土整備常任委員会報告② 八ツ場ダムの減電補償・治水効果

カテゴリー: 県議会

 10年間の基本構想と3年間の実施計画を定めるという県の「総合計画」原案のパブリックコメントの締め切りは明日28日だが、この「総合計画」の体を成していない原案の中で、推進が明記されている事業の一つに八ツ場ダム事業がある。

 「千葉県総合計画原案」103頁「安定した水源の確保」では、「八ツ場ダムについては、国において行われる治水・利水についての再検証にあたり、また、湯西川ダム、霞ヶ関導水及び思川開発事業については、国におけるダム事業の見直しの中で、関係都県と連携を図りながらその必要性を訴えていくとともに、早期完成に向けた取組を進めます」とある。

 利息を含め県負担約760億円と言われる八ツ場ダム事業について、県は国の言い分を鵜呑みにするだけで、治水・利水・事業費・工期などについて国に明確な根拠となる情報の提供も求めず、独自に調査・検証する姿勢は皆無、その結果、中央官僚・利権集団と歩調を合わせて事業を推進してきた。

12月4日の県議会一般質問で、市民ネット・社民・無所属の吉川洋県議も取り上げているので一部を紹介する。

【吉川】八ツ場ダム事業の再検証は、基本高水22000㎥を冷静に、客観的に見直すことから行うべきではないか。
【橋場県土整備部長】利根川の治水計画では、カスリーン台風時の被害を踏まえ、これと同規模の洪水に対し、首都圏を含む流域全体の安全性の確保を目標として、H18年の河川整備基本方針の策定時に、社会資本整備審議会の意見を聴いて、基本高水を毎秒22000㎥と定めています。
 関係1都5県知事は、国が実施する再検証において首都圏の重要性を考慮すると、目標の前提となる基本高水流量を安易に見直さないように申し入れているところです。
 今後、国が設置する再検証の場において、客観的・科学的に再検証が行われると考えています
【吉川】県の分析能力について、昨年2月の予算委員会では八ツ場ダム事業による千葉県の治水効果は分からないと答えており、国から情報をもらっていないのではないか。
また1都5県に分析能力はないにもかかわらず、なぜ八ツ場ダムが必要と言えるのか。
【橋場県土整備部長】従来から、必要なデータは、国から入手して検討分析しています。
国における今後の再検証にあたりましても、利根川の治水・利水計画に係るデータを要求することとしており関係都県と連携して、その内容について適切に検討してまいります。

 一方、自民党の瀧田敏幸議員は、八ツ場ダム事業の進捗率、治水効果、減電補償、地すべり対策を一般質問で取り上げ、ダム事業反対派の主張を「現実を全く理解しない無責任な話」と批判した。県議会で多数を占め、「事業のムダには目をつぶる代わりに、おねだりのごり押し」路線の自民党ならではの「八百長と学芸会」県議会を象徴する質疑だった。

そこで、16日の県土整備常任委員会で、私は八ツ場ダム事業の減電補償と治水を取り上げた。質疑・答弁の詳細を以下に報告(文責:川本)する。

● 八ツ場ダム事業・減電補償

【川本】総合計画原案で治水、利水上、八ツ場ダム事業の必要性を訴え、早期完成に向けた取り組みを進める、と明記されている。
そこで、一般質問の減電補償と治水についての県当局の答弁内容について伺う。
「H16年度の第2回基本計画変更時の時に、東電の積算による補償費が、すでに現在の総事業費に計上されている」との答弁について、第2回基本計画変更時とは、事業費が2110億円から4600億円に倍以上増加した時だが、そもそもこの減電補償の額は現在いくら計上されているのか?またその計算根拠は何か?
 第2回基本計画変更時に初めて計上されたのか?それとも最初から計上されていたのか?
【荒木河川整備課長】減電補償額は、発電力の減少量、その期間、既存発電所など施設の状況を総合的に勘案して決めるものです。
 東京電力に対する減電補償額の見込み額については、「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」などに基づいて算出しており、特殊補償費217億円の中に全て計上されていると説明を受けています。
 なお、減電補償額については、個別企業等に関する情報であることから、具体的な数値について国から説明を受けていません。
【川本】国と地方は対等なんだから数値を請求すべきではないか?今国に求めている検証の中に入るのか?
【荒木河川整備課長】国に聞いたが、H16年の質問主意書に対する小泉内閣の回答にもあるとおり、「個別企業の経営上の問題にかかわるものであることから、具体的な数値をお示しすることは差し控えたい。公表している「特殊補償」の額には、東電に対する減電補償の見込み額も含まれている」とのことです。
【川本】東京電力は公益企業であり、かつ税金の支出であることから「個別企業の経営上の問題」を優先することは許されないことだと考える。
 減電補償は工事中の補償と完成後の補償があると思うが、4600億円の中には完成後の減電補償分も含まれているのか?
受領した事業費変更対照表では「特殊補償」は37億円が217億円に増額となっているが、変更内容欄には「代替地確定による発電導水管対策の増」という記載しかなく、減電補償という言葉は無い。そもそも減電補償が含まれているということの根拠は何か?
【荒木河川整備課長】特殊補償には、発電導水管の補強対策、工事中の減電補償、及び工事完成後の減電補償費が入っていると説明を受けています。
【川本】国の言うことを鵜呑みにしているだけだ。
減電補償という項目が含まれていることと、適正な額が考慮されていることの2つが確認されねばならない。
 H20年の質問主意書の「「減電補償については、今までの支払額について説明があり、確認した」という記述があるが、これは、代替地造成に伴う発電用水トンネルの補強工事の際に減電となった分の補償であって、八ツ場ダム完成後に起きる永続的な減電とは別物と推測されるが、この「減電補償の今までの支払額」の内容を明らかにされたい」に対し、政府は、「減電補償の見込み額及び支払予定時期については今後、任意による交渉を経て契約に至らねばならない」と答えている。
 質問主意書への答弁では完成後の減電補償は含まれると断定はできず、額も定まっていないと解されるがどうか?
【荒木河川整備課長】国に対して、特殊補償の額には、東電に対する減電補償の見込み額も含まれていることを確認しています。本年6月25日に開催された「八ツ場ダム建設事業のコスト管理等に関する連絡協議会」において、現段階における事業費の増額はないと聞いています。今後、この協議会において、特殊補償についても注視してまいります。
【川本】「特殊補償」の217億円の内、「代替地確定による発電導水管対策」の金額はいくらか。
【荒木河川整備課長】特殊補償の内訳については、個別企業等に関する情報であることから、具体的な説明を受けていません。
【川本】減電補償を含め、特殊補償の内訳を国に求め議会に示すことを強く求める。

●八ツ場ダム事業・治水対策

【川本】今議会の一般質問で、吉川県議が基本高水毎秒2万2千㎥の見直しを求めたのにたいして、県は基本高水流量を安易に見直さないよう申し入れていると答弁した。
県は国に対し治水関係の基本高水のデータなどを請求したのか?
【荒木河川整備課長】利根川の治水計画は、カスリーン台風時の被害を踏まえ、これと同規模の洪水に対する安全性確保を目標として、社会資本整備審議会の意見を聞いて、基本高水を毎秒22000㎥と定めています。
【川本】カスリーン台風洪水時の推定値は毎秒1万7千であり、1980年の利根川水系工事実施計画で、2万2千に引き上げられたが、5千増えたことについて「カスリーン台風当時は上流で氾濫が生じたが、それ以降上流部の河川改修が進み、開発が進んだので今同じ雨が降ると流量が大幅に増加する」がその理由として説明した。
これに対応するために八ツ場ダムが必要とされたが、カスリーン台風後、1951年に10500があり、それ以降50年以上、1万を超えていない。
2万2千は現実離れした数字であり、固執する根拠はない。ましてや県が見直さないよう申し入れる根拠もない。22000に県が固執する根拠は何か。
利根川の河川整備方針では毎秒5500をダムで調整し、残りの16500を河川改修で対応するとしている。しかし、既設6ダムの洪水ピーク流量削減効果は毎秒1000でこれに600の八ツ場を加えても1600で残りの3900どうするかの見通しはなく、そもそも河川整備方針は実現性がないと考えるがどうか。
【荒木河川整備課長】基本高水22000㎥は、カスリーン台風と同規模の降雨があった場合、基準点の八斗島上流の河道が整備されたという条件で算出されたものであり、これを、下流の河道で16500㎥、ダム等洪水調整施設で5500㎥を受け持つこととなっています。これらは社会資本整備審議会の意見を聞いて、定められています。
 また、ダム等洪水調節施設で受け持つ5500㎥のうち、既設6ダムで1000㎥、八ツ場ダムで600㎥を受け持つこととなっています。
【川本】残りの3900㎥をどうするのか。
【荒木河川整備課長】残りの3900㎥については、河道の有する遊水機能の一層の増強、また。既存ダムの再編事業として、治水・利水容量の振替、既存ダムの嵩上げ、洪水調節方式の変更による対応、更に、気象予測・情報技術の進展を踏まえた洪水調節機能を最大限に活かす操作ルールへの変更など、既存施設の徹底的な有効活用を図ることにより、対応していくと聞いています。今後、策定が進められる、河川整備計画の中に反映していくこととなります。
【川本】残り3900㎥をいつまでに整備するか、具体的になにをするかが現時点で何も定まっていない。基本高水22000による河川整備方針は実現性がない。
 次に、八ツ場ダムの治水効果について問うが、まず、カスリーン台風洪水に対応しての八ツ場ダムの洪水調節洪水はゼロであることは政府も認めている。そして、07年9月の八ツ場ダム集水域を直撃した台風9号は、9月5日からの3日間の雨量は、単純平均で356ミリだった。国の計画では、100年に一回と想定する354ミリが降ると毎秒3900トンが吾妻川を流れ、それを八ツ場ダムで2400トンに調整し、1500トンを下流に流すというものだったが、実際の流量は3900トンの3分の一以下の1100トンしかなかった。八ツ場ダムはいらないことが実証された。これについてどう考えるか。
【荒木河川整備課長】河川の洪水流量は、その時の雨の強さや降り方によって決まってくるもので、総雨量によって決まってくるものではありません。H19年9月の台風9号は、吾妻川の八ツ場ダム建設予定地上流では、流域平均3日雨量で300ミリを超えましたが、少雨量が長時間継続する降雨であったことから観測された洪水雨量も少ないものとなりました。また、カスリーン台風でも八ツ場ダム建設予定地上流の雨は少ないため効果は無いが、過去に発生した31洪水の降雨パターンで検証すると、八ツ場ダムは、31のうち29の洪水で効果が期待されます。
【川本】昨年議会答弁で、県は八ツ場ダム事業による千葉県の治水効果は分からないと答えている。橋場部長は一般質問に対し、「必要なデータは、国から入手して検討分析しています」と答弁しているが、答弁と実態が異なる。これについて部長の答弁を求める。
【荒木河川整備課長】治水・利水上必要なデータについては、国から入手しています。
【川本】千葉県にとって八ツ場ダムの治水効果に関する必要なデータを国に求め、県として公開して議論すべきではないか。
【荒木河川整備課長】治水効果は、関係都県全体について得ております。都県ごとには特に求めてはいません。
【川本】「必要なデータは、国から入手して検討分析しています」という部長答弁に反する。県として必要なデータを国に求めていないことを明確に言っておきたい

dscf1001
我が家の2匹のオス猫(6ヶ月の「黒丸」と4ヶ月の「くるみ大福」)

2009/12/26 土曜日

県土整備常任委員会報告①

カテゴリー: 県議会

 16日の常任委員会では、総合計画策定が拙速すぎることを住生活基本計画、アクアライン社会実験、維持管理・更新費について明らかにしたが、質疑・答弁の詳細を以下に報告する。

●住生活基本計画

【川本】住生活基本計画は来年度H22年度で5年目となり、今度5年間に向けて見直しの年となる。この間、住宅セーフティネット法などの福祉部門との密接な連携が求められる法整備が進んでいる。そこで伺う。
千葉県住生活基本計画の課題についてどう認識しているか。
 また、来年度の見直し作業にあたりどのような体制で取り組もうとしているのか?
【酒井住宅課長】住生活基本計画は、来年度見直しを行う予定でいます。今年度は人口、世帯等の動向、住宅ストックの状況、住宅に対するニーズの把握など、住宅を取り巻く状況を的確に捉えるための基礎調査を実施しており、情報の収集・整理を行っています。その調査結果や現行計画に位置づけた成果指標の達成状況などから、来年度に現行計画の評価を行い、その上で、社会情勢の変化、セーフティネット法などを踏まえまして見直しを行う予定としております。
【川本】今後取り組むべき課題として、居住のセーフティネット、分譲マンションの維持管理計画、公共団地ストックの改善、高齢社会に向けた住宅の確保、ホームレスを課題と位置づけること、などが挙げられる。 
 そこで、見直しにあたり、基本計画策定時と同様、県民にオープンで様々な分野の専門家、NPOなどの委員と一緒に見直し県民とともに作業を実施すべきと考えるが如何か。
【酒井住宅課長】現行計画については、学識経験者、NPO法人等の民間有識者、公的機関からなる検討委員会を設置して行っています。今回も、前回を参考に検討を進めていきたいと考えています。
【川本】一方、今年度中に策定するという総合計画の原案では、「活力ある交流拠点都市・基盤づくり」の「人にやさしく美しいまちづくりの推進」で「豊かな住生活の実現」をうたっている。しかし、総合計画の策定が拙速で、私が今示した課題も含めて検討する時間がないのではないか。こうした中で、住生活基本計画を来年度見直すとなると総合計画との整合性をどうはかるつもりなのか?
【大竹県土整備政策課長】総合計画については、策定中で、現在原案段階のものをお示ししておりますので、パブリックコメントなどでご意見を伺いながら、それをどういう形で議案としてお示しするか、現在作業中で、その中で検討していきたいと思っています。

● アクアライン社会実験

【川本】アクアライン社会実験中だが、10月19日の第3回「東京湾アクアライン料金引き下げ社会実験協議会」でも、交通渋滞、バスやフェリーの公共交通機関の経営の圧迫など、プラス、マイナスの両面が指摘されている。協議会では、社会実験を評価するための「調査対象」の選択をしている。
前回の常任委員会で、渋滞の緩和、湾岸部からの転換、大気環境の改善などについて目標値を設定することを求めたが、このことも含めて協議会では、どのようなものを評価、調査対象として設定しているのか
【金谷道路計画課長】社会実験を夏休みにスタートしてから、お盆、シルバーウィーク期間に渋滞が多く発生しており、バスの定時性が確保できないという指摘がありました。現に我々がバス会社にヒアリングを行った時にもそのような傾向があると聞きましたが、10月、11月になり、定時性が確保できないことは幾分か治まってきているようです。
 「海ほたる」では、ネクスコがいろいろな渋滞対策を実施しています。具体的には、上下線別の駐車場のリバーシブル運用や駐車場に入る進入路の2車線確保などの対策を実施しています。
 社会実験の評価の項目として、湾岸部の交通の転換状況、地域の活性化の面で観光客や企業の動向などの分析を行っています。
 現在、ETCデータの集計を行っているところであり、アクアラインの利用のされ方、湾岸部からの転換状況などについて調査をしているところです。
 今後、社会実験協議会の中でこれらの調査とアンケート調査、既存の統計調査などを合わせながら、プラス面、マイナス面の効果、影響の把握を行っていきたいと考えています。
【川本】社会実験の現状での評価と調査対象に基づく結果はいつ頃でてくるのか伺う。
【金谷道路計画課長】現在、データなどは集計を行っているところです。統計資料などは年度末でまとめられるものもあるため、一部遅れるものもありますが、年度内に効果、影響の把握が可能なものについては極力、中間とりまとめを行っていきます。
 来年度は、引き続き、データの蓄積を行いながら、調査分析をさらに深めて総合的な検証を行った上で、最終とりまとめを考えています。
【川本】12月11日つけの「東京湾アクアラインの交通量(速報値)及び南房総地域観光入込状況について(11月分及び社会実験開始後の累計)」によれば、11月は前年同月比で、交通量は4割増加しているが、入込数は2割減だ。交通量と入込数の傾向が異なる。これについては今後分析されるだろうと思う。
 総合計画原案では、「アクアラインによるポテンシャルの開花」で、戦略的な観光振興、金田地区区画整理事業などがうたわれている。
 この金田地区区画整理事業について、原案では「アクアラインの着岸地としてのポテンシャルを生かした土地利用の促進が図れるよう、土地区画整理事業により都市計画道路をはじめとする公共施設などの基盤整備を推進します」とあるが、今までの施策に加えて具体的に何をしようとしているのか。
【松井都市整備課長】今回の値下げをきっかけとして、金田地区に対する注目や関心度は高まりつつあります。
金田西土地区画整理事業については、現在策定中の総合計画のほか、アクアライン活用戦略本部で戦略的に取り組むとしており、羽田空港や横浜、東京にも近いという着岸地としての立地条件を活かし、早期に土地利用が図れるよう事業を推進していきます。
 今までと異なった別のものを考えているかとのご質問ですが、広域性の高い交通利便性を活かした商業・業務や流通機能などの集積する拠点の形成を図る地区と位置づけしているところであり、このような土地利用が図れるよう区画整理事業を進めてまいります。
【川本】総合計画は、本来、社会実験の調査結果と財政的な裏づけをもって策定すべきだが、順序が逆になっている。新政権の道路政策も見極める必要がある。総合計画は県政策の最上位に据えられるものだが、社会実験結果との整合性をどうはかるつもりなのか。
【大竹県土整備政策課長】総合計画に関しては、本会議でもいろいろご指摘がありましたが、財政健全化計画と一体的に策定して、3ヵ年の財政見通しを踏まえたものとしていくということでございます。個別の施策の進捗の状況とは、どこかですり合わせをしなければいけませんが、可能な限り、並行して取り入れていくことになると考えております。

● 維持管理・更新費

【川本】税収減時代のインフラ整備のあり方を考える必要がある。
H17年度「国土交通白書」によると、公共事業予算を3%ずつ削減していくと国交省所管施設で2020年以降、既存施設の維持管理・更新費すらまかなえないという国交省自らの推計がある。
総合計画は財政推計をきちんと踏まえなければ絵に描いた餅になるのは明らかだ。そのためには、県土整備部所掌の道路、下水道設備、県営住宅、河川・港湾施設の改修・保全の試算が不可欠だ。
今年2月の予算委員会でも維持改修・更新費の試算を求める質疑したが、現在の試算状況はどうか伺う。いつ結果がでるのか。
【大竹県土整備政策課長】維持管理は重要であり、それぞれの施設ごとに、長寿命化計画として取り組んでおります。それぞれの策定の年度については、それぞれの年度が異なっており、一度にできるということではありません。H26年度とか、H24年度までかかるというものもあり、策定途上のものもございます。
【川本】これからは、既存施設・設備の維持管理・更新を最優先し、またリニューアルで既存施設を活用する、その上で、余裕があれば新しい施設をつくる、こういう考えで総合計画をつくる時代だと考える。財政推計を踏まえるべき総合計画案が今度の2月議会に提示されるが、それに間に合わない。整合性をどうするつもりか。
【大竹県土整備政策課長】総合計画は3ヵ年計画であり、長寿命化計画は将来を踏まえたさらに長いものになると思います。双方のすり合わせについては、3ヵ年の制約の中でできないことについては、もう少し長いスパンで考えていくということになると思います。
【川本】今年度中に総合計画を策定するといいながら、その前提となる財政面、事業の調査や検討作業がまったく追いついていない。
 総合計画の策定は拙速であることを指摘する。

2009/12/25 金曜日

自己保身のため「ウミを出し切る気」はサラサラない県幹部と森田知事

カテゴリー: 県行政, 県議会

 21日からようやく杖なしで生活できるようになった。今後、減量と筋トレに励みたいと思う。
12月県議会が22日に閉会した。午前中は、18日の千葉県不正経理問題追加報告書の公表を受けて、緊急質疑が行われた。
2月議会は2月19日~3月19日の予定だが、其の間に、不正経理問題の特別委員会と不正経理調査の関係で開催が延期されていた08年度決算審査特別委員会が開催される。

しっかり対応しようとすると議員は正月どころではない。私も県土整備部の関係書類の大きなファイルを2つ持ち帰った。もっとも、県政の問題には目をつぶるかわりに自分たちの「おねだり」をゴリ押しすることを最優先する自民党会派の方たちは、まともに審議することを最初から放棄しているのでそんなことはないのだろう。

23日は風邪気味だったので自宅で「静養」し、24日午前は決算審査委員会、午後は「県立高等学校再編計画」の報告があるというので教育委員会会議を傍聴する。教育委員会会議では報告事項の中に「12月県議会報告」のないのが気になった。22日の緊急質疑で不正問題で関係する県幹部には聴き取り調査をしたという県答弁があったので、その報告書を議会事務局政務調査課を通じて情報提供を求めた。

● 22日の不正経理緊急質疑の感想

さて、22日の千葉県不正経理問題の緊急質疑では、市民ネット・社民・無所属会派から私が質疑した。

その様子を報じた23日朝刊の一部を以下に紹介する。
質疑、答弁の詳細については後日、報告するが、感想を思いつくままに記す。

(1)千葉県の多額の不正と根の深さの要因は、不正の人脈・体質の温存

①90年代に全庁的に組織的に行われていた官官接待、カラ出張などの不正の真相解明がなされず、「不正の人脈と体質」が温存されたこと
②不正行為として「預け」への移行が全庁的な指揮命令系統で実施されたことは明らかだろう。
97年の内部告発に蓋をしたことによる「不作為責任」を当時の幹部はまず問われるべきだ。

(2)自己保身のため「ウミを出し切る気」はサラサラない県幹部と森田知事
県調査は「トカゲの尻尾切り」「本当の調査ではない」という言葉がピッタリ

① 不正の要因について堂本前知事、沼田元知事に聴き取りもせず、02年度以前の不正については経理担当者からの聴き取りも行ってはいない。最初から02年度以前について調査する気などサラサラない。

 ② 幹部職員は不正を一切知らず、各課の経理担当者の引き次ぎだけですべてが実行さ れていたなどというのは無理なシナリオだ。その結果、課長級以上幹部職員全員の処分という横並びで出世には影響の無い処分となる。本当に責任を問うつもりはないから「戒告」処分(総額約6千万円)としている。本来は、管理職が管理職としての役割を果たさなかったのであるから管理職手当及び役員加算を全額返還(年約13億円)とし、それも過去に遡るべきだが、その検討すらしていない。

③ 県は、カギを握る業者には業者帳簿の写しを求めただけで、いつからどの程度の規模で「預け」、「プール金」がはじまったのか、業者帳簿にそもそも信頼性があるのか、などの肝心なことは何一つ聴き取りをしていない、という。
民事では県は職員、業者どちらにも返還を求めることができるが、業者がプール金を返還できない場合は、職員があくまでも返還すべきとし、結果として業者の責任を不問にする姿勢だ。業者へのこうした「気配り」は異様である。

(3)90~02年度の不正分も自浄作用による自主申告で返還させるべき

 不正は03年度から突如始まったものではない。
今のままでは、内部告発で官官接待、カラ出張などで50億円を楽に超えるという90年代(96年度以前)の不正が不問とされ甘い汁を吸ったものは1円も払わず逃げのびることになる。また、少なくともこの03~08年度の6年間以上に「預け」が行われていたことが確実な97~02年度についても「証拠がない」ことを口実に同様の事態となってしまう。
県は、県民の利益を最優先し、少なくとも道義的責任をきちんと果たさねばならない。
岐阜県では06年に不正が発覚した折、客観的な証拠書類がなくとも経理担当職員850名へのアンケートを実施し、推計作業を含めて92~03年度の15年間分について返還を決めている。岐阜県でできて千葉県でできないことはない。

(4)不正に蓋をしたいとあせる自民党

 ここは真相解明に向けて議会の出番だが、県官僚と持ちつ持たれつで「行政監視という議会の役割」を放棄している自民会派が抵抗勢力だ。今回の不正の根が5期20年の沼田県政時代に由来することが明らかになったとたん、自民会派は不正に蓋をする姿勢を明確にしている。97年の内部告発にあるように「議会工作」などで美味しい思いしてきたのではないか。

(5)内部調査の杜撰さに迫る~「適正」と判断したものに「不適正」を見つける

報告書を見て感じるのは、20年度分も含めて「使途が確認できないもの」について、安易に需要費の分類の出現率により「推計」をしていることである。その妥当性の根拠を示せなければ、100%返還と判断すべきである。

今後は、
・内部調査で「適正」と判断したものに「不適正」なものはないか?
・不適正分類でa~cと分類したものに、d~g分類はないか?
・02年度以前の不正の証拠となるものはないか?
・97年の内部告発に蓋をした当時の県幹部の道義的責任を問う。
・関係者からの聴き取り
などがポイントとなる。

 
【参考】
 ●読売新聞12月23日朝刊千葉版
県不正、97年内部告発文書 総務部長「対応していれば回避も」
 
 県が不正経理問題の追加調査結果を公表したのを受け、県議会は定例会最終日の22日、各会派が緊急質問を行った。小宮大一郎総務部長は、1997年に不正経理の方法を明らかにした匿名の内部告発文書があったことを認め、「当時真摯に対応していれば、今回のような事態は回避できた可能性はある」と述べた。
 
 川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)の質問に答えた。文書は県職員を名乗る匿名の人物が書いたもので、「公費の乱用、使い込みの手口は(中略)各課の庶務主任が課長補佐と庶務係長の指示を受け、旅費、時間外、物件購入のカラ伝票を切り、裏金を作ります」などと具体的な方法が説明されている。さらに、「(裏金は)現在の硬直化した予算、財政システムでは支出の困難な事務経費に使われる」などと、今回判明した不正経理の実情と一致する記述もある。

 当時、この文書の内容について、共産党の議員が県議会で事実関係をただしたが、県側は告発者が匿名であることを理由に調査を見送った。小宮部長はこの日、「匿名通報も可能である部分も含め、内部通報制度の周知徹底を図る」と再発防止に力を入れるとした。

 一方、県慶の五十嵐邦雄本部長は、「県警では国費支出等について独自に調査をしており、来年2月上旬の公表をめどにしている。職員の処分はその結果を踏まえて対応する」と述べた。

●「朝日新聞」12月23日朝刊千葉版(抜粋)
前知事らに調査せず 知事減給は継続審査

 県の不正経理についての追加調査を受け、県議会で最終日の22日に緊急質問が行われ、議員から調査の甘さや処分の不公平さなどに厳しい指摘が相次いだ。返還金のうち1千万円の負担を求める堂本暁子前知事に対しては、返還額の説明とは別に、不正経理の中身についてのヒアリング調査をしていないなども明らかになった。県議会の反発を受け、森田健作知事と副知事の減給についての条例案は継続審査となった。

処分基準に批判も

 県議会の緊急質問は1991年の2月議会以来。この日は各会派から一人ずつと無所属議員の計6人が質問した。

 堂本前知事や沼田武元知事らへのヒアリングの有無については、川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)が質問した。小宮大一郎総務部長は、2人にヒアリング調査を実施していないと答弁。また関係する県幹部には「納品や使途の確認など必要に応じて行っている」とした。堂本前知事に求めた1千万円の根拠について「調査の全体像を総合的に判断した」と述べた。
 
 県は97年の内部告発文書について「当時真摯に対応していれば今回のような事態は回避できた可能性があるのではないか」との見解を示し、また2002年度以前について「03年度当初にプール金が存在したことから、02年度以前から行われてきたものと推察している」と答えた。

 調査期間の本庁の課長級以上の幹部職員全員を戒告処分としたことについて、湯浅和子議員(民主党)は「実際に不正に関与した人とそうでない人に差がないのは公平性を欠かないか」と指摘。県は「組織全体で長年の慣例や前例踏襲があり、幹部職員が把握是正していなかったことが大きな原因」との答弁に終始した。

2009/12/20 日曜日

22日10時から37億円不正経理問題で本会議質疑

カテゴリー: 県行政, 県議会

 19日午後は、私も幹事に名を連ねる「バイオハザード予防市民センター」の幹事会に杖をついて久しぶりに参加する。電車に乗るのも都内に出かけるのも10月以来で少々不安だったが、無事に帰宅することができた。些細なことだが、JR錦糸町駅の階段では冷たい金属製手すりに手がかじかんでしまった。一方、小田急のある駅の手すりは表面が樹脂製のため手がかじかむことはなかった。

さて、幹事会の話題の一つは、新型インフル・ワクチン、タミフルだった。同センター主催で12月5日に開かれたシンポジウム「インフルエンザワクチン接種とタミフル投与の危険性」には、各地の医療関係者をはじめ母里啓子さん、浜六郎さんも来られ盛況だったという。
 
新井・臼田両代表幹事から、インフルエンザ由来の高熱は何も心配する必要はないこと、タミフルの副作用~脳中枢への直接的作用による呼吸抑制、体温低下、これらが引き金となる睡眠中の突然死、急性心配停止、肺水腫(非心原性)、異常行動死~によるインフル死の新たなパターンが生まれていることなどが話された。

センターの今後の取り組みとして、ワクチン禍など薬害について厚生労働省、国立感染症研究所に対し国家検定のあり方を質していくことを確認した。
  
● 37億円県不正経理調査報告で、02年度以前の不正調査実施を「文句があるなら証拠を出せ」とばかりに拒否を表明

 19日、20日の「毎日」朝刊は、18日午後に発表された県不正経理特別調査の追加調査結果(PDF)を大きく報じている。
18日は、「千葉県職員2245人処分、不正経理さらに7億円、4人横領容疑告訴」「広がりどこまで、不正経理37億円に、県、県警と蜜に情報交換」「幹部全員を戒告」「需用費以外も1億円超、県立校でも2億7200万円」「職員、業者、10億5100万円返還要請」「森田知事『これを機にウミを出す』」
19日は「『預け』犯罪の温床に」「有罪・告訴・処分の大半に絡む」だ。

dscf09891  dscf0990
dscf0991  dscf09921
12月4日の「毎日」朝刊が「県職員、不正を認める」の見出しで報じた県教委95年度支出伝票4件の写し。

ところで、調査報告書では「平成14年度以前の調査」(31頁)について、「客観的な証拠書類等をもとにした職員への確認調査が実施できないため、全庁的な調査を行うことは困難であると判断せざるを得ない」とし、多数の関係者から「事情聴取」「情報収集」できるにもかかわらずまともな調査もしないで97年の内部告発時と同様、「臭いものに蓋」をすることを実質的に宣言している。

 10月2日の一般質問で私が取り上げ、10月3日の「朝日」朝刊が「カラ出張90年代まで横行、発覚避けようと「預け」に、県OB本紙に語る」と見出しで大きく報じたように、90年代後半に各地で公費不正支出が発覚後、公文書で裏金作りが発覚しないよう、カラ出張などは激減したが、当時、全庁的に経理担当者に「情報公開でばれるような裏金作りはするな」と指示があったという。
 「預け」が増えたのは、公開請求されても、業者の持っている帳簿との突合せは困難で、ばれないからだとOBは語っている。

報告書では「今後、不適正な経理処理をしていた事実が判明し、明確な証拠がでてきた場合には、特別監察室において確認調査を実施し、適切な対応を図ることとする」とある。自ら調査するつもりは皆無で、文句を言うなら証拠を出せというものだ。これは、13年前の内部告発を黙殺した理由と同じだ。

 13年前の内部告発を黙殺し、「ばれない裏金作り」を指示した者の責任は重大だ。これらを不問にして「県庁は生まれ変わる」と言っても県民は信じるハズはない。

 さて22日午前10時から各会派10分の持ち時間で、不正経理問題の質疑をすることとなった。(20~30分の時間を求めたが自民が反対した)。市民ネット・社民・無所属からは私が質疑する。6人の質疑者の5番目なので早くても11時過ぎからになりそうだ。

【参考】千葉日報12月19日
 13年前の内部告発黙殺~「うみを出していれば」

 総額36億円を超える不正経理が明らかになり、2200人余りの処分者を出した千葉県。調査中、約13年前の内部告発が黙殺されていた事実が明るみに出た。「あの時にうみを出し切れていたなら・・」。県幹部は悔しさをにじませた。

 「公費の乱用、使い込みの手口は各県と同じ。旅費、時間外、物件購入のカラ伝票を切り、裏金をつくります。」
 11月下旬。不正経理を調べる県議会の特別委員会で、1997年初めに内部告発する文書が県に寄せられたことが明らかにされた。告発人が匿名だったことを理由に県は調査を見送っていた。不正が漫然と放置され続けたことに、委員たちは言葉を失った。

 調査は県庁の全部署で行われた。「『差し替え』したことを覚えているか」。同時期、副課長の一人が部下の経理担当者を呼び出し、県の伝票と業者の帳簿との食い違いを問いただした。1件でも“自白”すれば、担当者だけでなく、決済した課長、副課長も処分する徹底ぶりだった。
 不正とみなされたら、管理職は自ら判を押していない「代理決裁」でも処分対象に。幹部の一人は「『疑わしきも罰する』雰囲気だ」と漏らす。

 別の幹部は振り返る。「かつて官官接待が問題になったが、県は『ない』と言って終わらせてしまった。それが今回の遠因だ」

2009/12/18 金曜日

愚かな提言が目立つ千葉県の教育を元気にする「有識者」会議

カテゴリー: 県行政, 県議会

 今週14日~17日、8つの常任委員会が開催された。
16日の県土整備常任委員会で私は、八ツ場ダム事業の減電補償費、治水問題を取り上げ、本会議での県答弁が明確な根拠のない国交省の主張の鵜呑みに過ぎず、何ら県としてその妥当性を検証していないことを明らかにした。来年度見直しが行われる住生活基本計画、アクアライン800円化社会実験、県土整備所掌の下水道・道路・県営住宅・港湾施設などの維持更新計画・試算の状況について質し、それらと照らし合わせて県総合計画を今年度策定しようとしていることが拙速であることを批判し、少なくとも策定スケジュールを1年延期することを主張した。
 この質疑・答弁については後日紹介したい。

 さて、17日午後は「第4回千葉県の教育を元気にする有識者会議」が開催され、「有識者会議提言案」の討議の様子を傍聴した。
 教育基本法「改正」と学習指導要領改訂を策定動機とし、「元気」「ポテンシャル」「チームスピリット」という言葉が散りばめられた提言案内容で気になる点のいくつかを指摘しよう。

① 「国を愛する心」「国旗、国家の意味や大切さを教える」
 →「愛国心を強制」する側の考えは、過去の侵略戦争の美化、歴史改ざん、教育勅語賛美、トップダウンの管理教育、新自由主義的な競争原理の肯定・エリート主義などに連なる。東アジア共同体などは眼中になく、排外思想を植えつけ国際的孤立の途を歩みたいと言うのだろうか。

② 「異文化を理解」する「国際人」を育てるため小学校からの「英語教育」を推進する。
 →なぜ言語なのか、「異文化の理解」には例えば神話に基づくものではなく古代からの中国・朝鮮半島と日本との交流の歴史の正しい事実を知ることが基本となる。
 また、なぜ英語なのか?そもそも「提言案」には「語学哲学」が無い。だいたい「愛国心」を主張する方々が日本文化の基本である「母国語」を軽視し、かつての「敵国」の英語~英国の植民地支配と米国の世界支配によって広まった帝国主義的言語~を賛美するのは、その薄っぺらさの証明だろう。
 斎藤兆史氏が指摘するように、「学校教育で実践的な英語運用能力を日本人全員が身に付けるという、無理な目標設定があるから破綻する」「学校教育でできることは何か、それは、小・中・高校段階では母語能力に立脚した言語能力を身につけさせることであって、その基礎の上で、英語を使う必要がある人には、個人に努力をさせるような制度を用意すべき」だ。(「「英語が使える日本人」は育つのか?」斎藤兆史他著、岩波ブックレット」
 まさに天下の愚策だ。

③ 道徳意識を高める実践的人間教育を推進する。
 →「あいさつ」「約束を守る」「勤勉に働く」という改めて明記する必要もないことを羅列する一方、「目上の人に自ら敬意を払う心」という一つ間違えば年功序列と問答無用の世界となる言葉が目に付く。真理探究の学問の世界に権威の押し付けは無用だ。「人への思いやり」という一言で済むのではないか。
 また、「いじめの根絶のために、こども同士のかかわりを重視し、実体験を通して自分もまわりの人も大切にする心を育てる」とあるが、これには「ひとは皆同じ」「ひとは皆違う」という憲法で定める「個の尊重」を基本に据える必要がある。しかし、憲法は頭の片隅にもなく「個の尊重」を否定する立場の「有識者」の方々はその矛盾を感じすらしていないようだ。

 県議会一般質問で同じ主旨の主張をした自民党県議らと同一組織の意向を受けた百地章氏(日本大学法学部教授)のジェンダーフリー教育の見直しと男女混合名簿の廃止の主張は極端な例だろうが、「有識者」の多くは現場を知らない、言語哲学はもちろん文化の意味や学力テスト結果で示された千葉県の教育の課題なども関心の外のように見受けた。

 宮本みち子氏のような的を得た発言者は少数で、あらためて「有識者」会議を行う意味はなかったといえよう。愛国心と道徳、英語教育の推進を提言の柱に据えようとしているこの会議は、「有識者会議」ではなく「愚人会議」と名称を変えるべきだ。

2009/12/13 日曜日

秋田県と千葉県の不正経理額の違いは90年代の不正問題への対応の違い

カテゴリー: 県行政, 県議会

 11日に5回目の議会不正経理調査特別委員会が開かれた。午前10時からはじまり、当初は必要に応じて午後も開催しようということになっていたのでそのつもりで臨んだが、委員長ら数名の委員が別の用事があるとのことで結局午前中だけの開催となった。

 当初の主要な議題は「国庫補助制度について」「監査委員制度について」だったが、私が主に発言しようと考えていた「監査委員制度については」は次回以降となった。

 議会閉会中ならいざしらず、12月県議会開会中という議会活動を最優先すべき期間の委員会の開催である。にもかかわらず個々の委員の所用を優先するのは県民から「議会軽視」と批判されても仕方ないのではないか。

 さて、11日の委員会で、小宮総務部長は質疑に対する直接の答弁を留保し「12月18日の報告書に盛り込むよう努める」という発言を何回も繰り返した。

 さて、委員会での私の主な発言概要は以下の通り。

●H20年度会計検査院による会計実地検査の結果について

【川本】「賃金、旅費」については9月9日の県報告書には不正なしと報告(3㌻)されているが、検査院の報告では需用費のみならず「賃金、旅費」についても不正が指摘されている。これは9月9日の報告書内容の信頼性に関わることではないか。
【県担当者】9月の報告書は、カラ出張やカラ雇用がないことを確認したもので、国庫補助事業としての使い途の是非を確認してはいない。
【川本】9月の報告書では「賃金、旅費」について「カラ出張やカラ雇用などの不適正な経理処理は確認されなかった」と記載されており、これでは国庫補助事業としての使途の妥当性についてもチェックしたと受け取るのは当然だ。
 また報告書では、旅費については各職員への「聴き取り」などにより確認したとあるが、今回の不正全般は業者帳簿との突合で判明したものであり、「聴き取り」の結果で不正はなかったと言えないのではないか。
【小宮総務部長】「聴き取り」の問題については、外部審査委員からも厳しく指摘されている。
【川本】県の資料では、不適正な経理処理の事務が少なかった県として集中調達機関を設けている秋田県(注)の例が報告されているが、秋田県ではいつからこうした機関が設けられたのか。
 (注)不適正経理の国庫補助金相当額は秋田県は約1800万円、千葉県は3億9千万円
【県担当者】そこまで調査していない。
【川本】秋田県では90年代、多額の不正経理が明らかとなり、そこで徹底した対策がとられた。一方、千葉県では不正問題に蓋がされた。その差が今回の額の差であることを指摘したい。

●その他

【川本】18日の報告書には、02年度以前の調査に対する方針が明記されるのか?
【小宮部長】その予定だ。
【川本】愛知県では、不正経理調査で、県の会計書類の保存年限が5年ということで当初03年度~07年度を対象としていたが、取引業者の帳簿類の保存年限が7年であり、5年を超えて支出証拠書が残っている機関についてはすべて調査を実施すべきとの外部委員会からの助言があり、01年度及び02年度についても調査対象とした経緯がある。千葉県でも同様の措置をとるべきと考えるがどうか。
【小宮部長】その点も含めて検討する。
【川本】18日に報告書が出されるが、内容の検証のためにはその報告内容の根拠とされるすべての情報の開示が求められる。伝票など閲覧できるようにしてもらいたい。
【小宮部長】趣旨に沿ってできるだけ開示したい。
【川本】すべての情報の開示を求める。

dscf0989 dscf0992
12日の年末恒例の「プロジェクトとけ」の餅つき19名の子どもたちが参加

2009/12/9 水曜日

工業団地造成を求める安易な県議会質疑

カテゴリー: 県議会

 県議会で、企業誘致のため新たな工業団地造成を求める自民会派の質疑(「おねだり」)が目立つ。聴いていて安易だと思うのは私だけではないと思う。
 土地があって、補助金・助成金・税減免など優遇措置があれば必ず誘致できるものでも、自治体財政にプラスになる訳でもない。
 こうした誘致策は「進出する企業からすると『あるにこしたことはない程度』(尼崎市担当者)であり、『企業が立地判断する決定要素ではない」」(「地方自治体と企業誘致」(社)大阪自治体問題研究所他編、せせらぎ出版)

 地域資源を生かした長期的な地域振興の在り方や、税の減免やインフラ整備に値するかどうかを含めた精緻な検討が必要であることは言うまでもない。
 それらを検証するのも議会の役割である。

8日の一般質問では館山市選出の秋山議員が雇用確保のためオーダーメイド型の館山工業団地(30.3ha、企業庁)の造成を求めていた。

 行革推進委員会に配布された資料「企業庁、公社等の土地造成事業」によれば、県内の計画面積・当初面積6748haの内、残面積は1399haという。
 内、工業団地で残面積のあるものは、館山工業団地を含めて以下の12団地で残面積は433.5haである。
・富津地区(企業庁)残面積:58.1ha
・【未造成】袖ヶ浦椎の森工業団地(企業庁)残面積48.1ha
・かずさアカデミアパーク(組合)残面積89.2ha
・【未造成】いすみ工業団地(企業庁)用地取得済27.5ha引合いなし
・【未造成】館山工業団地(企業庁)用地取得済30.3ha引合いなし
・【中止・未造成】長南西部工業団地(企業庁)用地買収途中で中止、面積41.3ha
・【中止・未造成】茂原にいはる工業団地(土地開発公社)事業中止、用地取得済25.2ha
・千葉土気の森工業団地(土地開発公社)残面積38.6ha
・あさひ新産業パーク(土地開発公社)残面積29.6ha
・【中止・未造成】成田国際物流複合基地(北側)(企業庁)用地買収途中中止、面積18.9ha
・【中止・未造成】佐原工業団地(企業庁)用地買収途中中止、面積21.6ha
・成田新産業パーク(まちづくり公社)残面積5.1ha

 新たに工業団地を造成するのはこれらの土地を処分してからと考えるのが普通だろう。

 8月初めにパナソニックプラズマディスプレイ工場(敷地面積約31.8ha、1~3工場投資額計約4850億円)を誘致した尼崎市の産業立地課を訪問し、パナソニック立地の要因についてお話を伺ったことはすでにブログ(http://ken-net.gr.jp/kawamoto/?m=20090807)で紹介した。
 
敷地は新たに造成したものではなく、関西電力火力発電所跡地に関電が誘致したものだ。パナソニックは大阪府茨木工場で拡張の余地がないことからすぐ近くで探していたという。電力、工業用水、道路インターのインフラも整備されていた。「1年間で対応できるか」と言われ、尼崎市は産業立地課5名体制でワン・ストップ・サービスで対応した。

 予め提出した税収、雇用、経済効果についての質問内容に、尼崎市の担当者は文書を準備してくれた。下記を参照いただきたい。

【参考】09年8月視察時、尼崎市産業立地課より受領資料
パナソニックのプラズマディスプレイパネル工場の誘致と市にとってメリット

1.3棟の工場建設事業費として合計4850億円の投資
(第1棟950億円、第2棟1800億円、第3棟2100億円)
土木建設工事への投資は公共投資と同等の波及効果がある。
(1)第2棟の場合、建設工事の下請として市内業者への発注 約50社
(2)生産機械設備の部品等の加工・組立として市内業者への発注(間接的効果)
  ・実態把握が難しいが、市内業者への発注が見込まれる
(3)第2棟の建設作業員としての市内雇用
  ・建設工事の最大時約1200人、設備工事の最大時約1000人が作業しており、尼崎市、大阪市等の地元調達が大部分

2.生産活動にかかる効果
(1)工場内関連業務の従業員の市内雇用(清掃業務、食堂運営など)
(2)市内企業の取引高の増加
(3)市内製造品出荷額の倍増が見込まれる(「ものづくりのまち」としてのステ-タス)
  ・1兆5704億円(18年)から2兆円超への増加を想定
(4)工業用水使用収入、下水道使用収入(第3棟)の増加

3.税収の増加・雇用の創出
(1)パナソニックからの固定資産税・都市計画税、事業所税、法定市民税の増収
  個別の企業の税額は非公開であるが、企業立地促進制度の認定事業(新設・増設・建替等)においては1/2軽減後であっても新たに入ってくる固定資産税、都市計画税、事業所税の収入額は、平成19年度実績においては28事業で約7億1900万円、20年度実績においては37事業で、約11億8900万円となっている。また、法人市民税もここ数年増加傾向にある。
(2)市内雇用(従業員)の増による税収
 ・第1棟及び第2棟の従業員数約2600人のうち市内雇用が約600人(23%)
  (第3棟は、その生産能力から第1・第2棟の2倍程度の増加が想定される)
(3)市内転入の従業者からの税収(固定資産税、市民税、地方消費税の増収)

4.取引企業の新規立地が数社ある
 生産システム工業用ガス、生産システムメンテナンス、パネル梱包

5.他業種への効果
(1)市内ホテルへの宿泊客の増加(ホテル業界の稼働率の上昇)
 ・阪神尼崎駅付近のビジネスホテルA(稼働率約7%増)他ホテルも高い稼働率を維持
 ・全国から取引関係者(主にメーカー)のパナソニック来訪、全国系列販売店の工場への招待等
(2)タクシー利用率の上昇(昼間のタクシーの利用率が高い)
 ・取引メーカー等の関係者のパナソニック来訪

6.尼崎市のイメージアップ効果、企業立地のPR効果
(1)企業立地の促進(立地促進条例認定企業56事業、21年3月末現在)
(2)公害都市からの脱却(火力発電所からデジタル家電へ)
(3)新聞等への取り上げ(「ものづくりのまち」としてのアピール、イメージアップ効果)

2009/12/8 火曜日

普天間基地移設問題は憲法の「地方自治の本旨」から結論をだすべき

カテゴリー: 活動日記

 米軍普天間基地移設問題の結論を越年させる方針を米国に通告したところ、ルース駐日米大使は人払いして、岡田克也外相、北沢俊美防衛相に「本国は怒っている」と詰め寄ったという。(「毎日」12月7日) これを受けて自民党や糞バエ言論機関の論調は、肝心の「県外・国外移設」の声を度外視して米政府の顔色を伺い「年内決着」を強く求めているように見える。

 この問題は、まず憲法を踏まえて決定することを米政府に通告すべだ。外交防衛問題は政府の専管事項なのか、自治体、住民の意向は二の次なのか、そうではない。憲法13条では、個人の尊厳と生命・幸福追求の権利を定め、第8章「地方自治」の第95条ではたとえば沖縄だけに適用される法律を国会が作る場合、国会の決定に加え、沖縄の住民投票で過半数の賛成が必要となることが定められている。

 私は、昨年9月の県議会代表質問で、パトリオット・ミサイル配備の問題に触れて「防衛問題と地方自治の本旨について」を取り上げた。
 そこでは、「政府の行為によって戦争を起こさせないために国民主権とした憲法前文、特別法に関する憲法95条の規定を踏まえれば、たとえ防衛や安全保障などの重要問題であっても、住民が自ら意思表示できることは憲法の地方自治の本旨に合致するものだといえます」との見解を表明した。

 普天間基地移設問題は憲法の「地方自治の本旨」から結論をだすべきだ。

【参考】08年9月県議会代表質問より

【川本】
去る7月28日の防衛省施設内で行われた迎撃ミサイルのパトリオット・ミサイル移動展開訓練では、自衛隊習志野基地のいわゆるPAC3システムが用いられました。しかし、地元自治体の船橋、習志野、八千代市、それに千葉県には何一つ連絡はありませんでした。習志野市長はこのことについて議会で不快感を表明しています。海外ではミサイルの誤射も報道されています。
今回のPAC3システムの展開訓練について、地方自治を無視する防衛省の姿勢に対して県として国に抗議すべきと考えるが如何か。

また 知事は、必要であれば防衛省にも情報提供を求めていくと答弁したが、必要を感じないのか、知事の所見を伺う。

【堂本知事】
防衛については、国の専管事項と考えております。しかしながら、県としても、今後とも、必要に応じて関係市町村等と連携を図りながら、適切に対応してまいります。
 平和を望まない県民はいないと思います。私どもがこうした自衛隊のPAC-3システム展開訓練というようなことに関わることはないかもしれませんが、そうではなくて、もっと違った形での平和の構築というのはもちろん市町村、県のレベルでもやっていくことが当然だと思っています。
 自衛隊の車両のうち、総重量などが一定の重さ、長さを越えているものの場合には、道路を通行するには、道路管理者に車両通行の事前の通知が必要です。
 今回の習志野駐屯地からのPAC-3システムの移動に際しては、事前に県に対しての通知がございました(注)

【川本】
パトリオットミサイルの配備をめぐる議場の質問について、知事及び県当局は一貫して「国防に関することで、国の専管事項」としてその是非に関する答弁を回避してきました。
 政府の行為によって戦争を起こさせないために国民主権とした憲法前文、特別法に関する憲法95条の規定を踏まえれば、たとえ防衛や安全保障などの重要問題であっても、住民が自ら意思表示できることは憲法の地方自治の本旨に合致するものだといえます。そこで伺います。 
 憲法には防衛・安全保障問題では政府に盲従するなどとは一言も書いていない。「防衛問題は国の専管事項」というその根拠を伺う。

【堂本知事】
国と地方公共団体の役割分担、これは仕事の役割分担ですが、役割分担については、地方自治法で「国際社会における国家としての存立にかかわる事務」を「国が本来果たすべき役割」と定めておりまして、外交や防衛に関する事項については、国の専管事項であると認識をしております。
 先ほど議員がおっしゃったように、今も申し上げましたが、県民も議員も平和を願わない者はないと思います。したがって、盲従するというようなつもりは全くございません。千葉県民は平和を願っている県民だと私は確信しております。

(注)公道を車両が通行する事前届出があったに過ぎない。

2009/12/6 日曜日

90年代、五〇億を楽に超える公費が乱用された?~97年内部告発文書を委員会で配布

カテゴリー: 県行政, 県議会

 昨日5日午後の「不起訴は許さない!市民集会」(主催:森田健作氏を告発する会)には50名を超える方が参集した。詳細は大野博美県議のブログを参照いただきたい。

 さて、2日開催された第4回不正経理調査特別委員会の議題は、「職員の意識改革について」「内部通報制度について」「県が行った調査手法等の検証について」の3つだった。

 冒頭、私があらかじめ委員長に依頼していた「97年1月6日付内部告発文書」「朝日新聞01年10月3日記事」が全員に配布された。
 前回11月27日の委員会で、県当局より配布された資料の中で、97年の内部告発文書について「文書の存在が確認できておらず、文書の内容や性格が分らない」とされていたので、それではと私が保有している当の告発文書の写しの配布を依頼したわけだ。
 受け取った県職員の人々の反応は、はじめて見る文書というものではなかった。

告発文書「沼田知事の5選に反対し、情報公開を進める県職員の会」(1997年1月6日)
の概要は以下の通りだ。

(1) 公費の乱用、使い込みの手口は、基本的に各県と同じで、各課の庶務主任が課長補佐と庶務係長の指示を受け、旅費、時間外、物件購入のカラ伝票を切り、裏金をつくる。
(2) 裏金には4つの使いみちがあり、第一の使いみちは「課長本人の自己接待」、第二の使いみちは「議会工作費」で有力議員を接待したり、贈り物に使われる、第三の使いみちは「人事工作費」で部長や知事側近の有力幹部、場合によっては知事自身を招いての接待が行われる、第四の使いみちは現在の硬直化した予算、財政システムでは支出困難な「事務経費」に使われる。
(3) 重要なポイントは、第四の使いみちを隠れ蓑あるいは口実に裏金が作られ、その結果として第一から第三の使い込みが行われている。
(4) 硬直化した予算、財政システムが改善されれば裏金を作る口実がなくなり不正な使い込みがしにくくなる。
(5) 千葉県においては、おそらく秋田、福岡の例からいっても五〇億を楽に超える公費が乱用され、幹部職員の飲み食いに消えていることだろう。
(6) 県職員すべてが腐敗しているわけではない。しかし上司に命じられればニセの伝票でも書かなければならないのが職員の立場だ。

2日の委員会で私は以下のことを指摘した。

(1)職員倫理条例、倫理憲章の制定を考える必要があるのではないか。
(2)全庁的、組織的な不正行為の場合、例えば総務部の幹部が不正を行った場合でも、有効に機能する仕組みが求められる。内部告発文書にも「上司に命じられればニセの伝票でも書かなければならないのが職員の立場」とある。告発者が完全に保護されねばならない。

(3)内部告発者は、異端者となり昇進や人事異動で差別的扱いを受ける恐れがある。県当局に対しても匿名性の確保が必要。そのためにはコンプライアンス委員会の第三者性が担保され、外部委員に調査権限や是正勧告する権利が与えられる必要がある。

(4)不正経理でa、b分類の区分けの根拠は事業者帳簿との突合の結果というが、事業者帳簿の「正確さ」の根拠はどこにあるのか。伝票情報などのすべての開示

次ページへ »

HTML convert time: 1.023 sec. Powered by WordPress ME