2010/1/28 木曜日

プール金の庁内「上納システム」を指摘し、金融機関への通帳情報の請求を求める

カテゴリー: 県行政

 27日午前は、9時半から不正経理調査特別委員会で、プール金、預金通帳について質疑する。その後、商工労働部から第3セクター(株)かずさアカデミアパーク(91年設立)の民事再生申し立てについてヒアリングする。

 民事再生に伴う県民の負担(県損失)は、約60億円(出資金35億円、貸付残高約17億円、損失補償約8億円)となる。県が地権者から借りた土地の上に、第三セクターがホテル、スポーツ施設を建設したが、地代の約8割を当初から県が負担し、建設費百数十億円の施設は昨年3月末で19億円と評価されている。

 それでも県から毎年3億~5億円を借り入れないと経営が困難ということは、私たちが一貫して指摘してきたように、県が1千億円以上を投入してきた「かずさアカデミアパーク」(278㌶・第一期地区)全体の計画がきわめて杜撰だったことを明確に示している。

 もともと「かずさアカデミアパーク」計画自体が、土地を買い占めていた新日鉄の子会社J・D社(ジャパン・デベロップメント)の救済策と批判された経緯もある。
良識ある県庁内の批判を封じ込めて進めてきた歴代県幹部の責任は重い。地方自治法、地方財政法などに照らして、「コンプライアンス」(法令遵守)の観点から「かずさ」60億円県損失問題として調査を実施すべきだろう。

 再度指摘するが37億円不正経理問題と「かずさ」60億円県損失問題の根は同じだ。「八百長と学芸会」県議会の水面下で跋扈する県官僚と自民議員の姿を県民の前に明らかにしたいものだ。
 60億円あれば、すべての県立高校にエレベータを設置することができた。

● 27日の不正経理問題報告~職員、業者を擁護する県幹部と自民会派

 「県職員も一所懸命調査しているので、ほどほどに」「あとは警察に任せては」という発言が自民委員から出た。公務員としての道義的責任を問い県民への説明責任を果たすという議会の基本任務を放棄する発言だ。
年明けから会派控え室に連日通い、膨大な資料を一枚一枚調べてきたが、さらに解明するには「帳簿の写し」「様式3」が不可欠だ。重ねて情報提供を求めた。

 さて、27日に私が指摘したことは以下の点だ。
 
(1)業者プール金について

 ① 課の枠にとらわれないプール金のやりとり
懲戒免職された職員の状況から、プール金のやりとりは、課の枠にとらわれることなく、会計担当者であるかどうかに関係なく、業者と職員の「顔」のつながりで行われていた。こうした実態が解明されていない。
例えば、A氏はH15年度~17年度に道路計画課にいたというが、当時は会計担当者ではない。また、B氏は、下水道課ではH15年度では会計担当者ではないのに関わり、100万円図書カードを納品させている。H17~19年度は下水道課から離れている。

 ② 「預け」だけを「専門」とする業者がいる。
「様式1」をみると、県土整備部道路環境課でA業者の場合は3年間(17~19)で1500万円、取引のすべて預けにしている。16年度以前は支出伝票、業者帳簿がない。
B業者は2年間(18~19)で1200万円をほぼすべて預け。しかも年末一括したものではない。15~16年度を「不明」としているが、これは17~19年度から推測するとすべて「預け」の可能性がある。
 経理担当者の判断だけで、これらの「預け」を行うのは不可能。トップダウンによる明確な指揮命令系統がないとできない事例だ。
下水道課はA業者が15~19年度で総額1040万円の支出すべて、「預け」。
B業者も15~19年度全部「預け」で総額1040万円
C業者17年度は帳簿なし、18~19全額預けで757万円、
D業者は17、18年度ですべて預けで104万円である。

 ③ 「管財課つけかえ」とは、プール金の上納システムではないか?
 「様式1」で道路環境課をみると備考欄に「管財課預け」とある。
これは「預け」を管財課の指示のもと総務部管財課に「上納」させていたことを意味する。
つまり、「各課の課長→副課長→経理担当者」の指揮命令系統以外に、総務部管財課の明確な指揮命令系統があったということになる。
 管財課によるこうした行為は、架空の伝票を作成、業者に架空の見積書、請求書を出させていたことの容認の上に成り立っており、虚偽公文書作成罪(刑法156条)、及び同行使罪(同158条)が成立する可能性がある。

 ④ 業者を通じて金融機関から02年度以前の口座の情報を入手すべきだ。
 
(2)預金通帳
 
 「徹底してウミを出す」という言葉が真実なら、当事者として、預金通帳の有無、情報提供を金融機関に求めるべきだ。金融機関は口座の記録を少なくとも10年間保管している。
 「14所属で20通帳しかない」ことは誰が考えてもオカシイ。農林水産13課で通帳ゼロで、出先28で通帳6か所とある。通帳ゼロとは考えられない。396所属なら、500以上の通帳があったと考えられる。
 

2010/1/26 火曜日

かずさアカデミアパーク破綻

カテゴリー: 県行政

25日、県開発の拠点の一つ「かずさアカデミアパーク」でホテル、スポーツ施設など中核施設を経営する第三セクター「かずさアカデミアパーク」(91年設立)が破綻した。
今朝の「毎日新聞」千葉版見出しは「バブル期の計画 甘さ露呈」「税金穴埋め途絶え」「借金体質克服できず」とある。

前回の県議選後の07年の「千葉日報」に掲載された「私の目指す千葉県像」で、私は以下のように記した。

「県基本施策で一番に是正すべきものとして、幕張・上総などの「外来型の拠点開発」と県都1時間構想による「高規格道路ネットワーク」事業が挙げられます。これらは県財政の2兆数千億円にのぼる借金の主要な要因の一つとなり、後者は「ストロー効果」による地域の疲弊を加速します。国の補助金目当てに開発型公共事業を推進する県行政、それらに依存する地方、という構図ではいずれ破たんすることは明らかです。」

今朝の「毎日新聞」は、アクアライン800円化社会実験について、県内のホテル関係者の「800円化以降、都心からの旅行客が日帰りできるようになってしまい、宿泊客が減った」という声も紹介している。

次の見直しは、かずさDNA]研究所、幕張メッセ事業、各地の区画整理事業の番だろう。不正経理問題といい「かずさアカデミアパーク」といい、根は5期20年の沼田県政時代にある。議会としてのまともな審議を放棄して県官僚と手を組んできた自民会派の責任も大きい。ここでも県官僚体質、「八百長と学芸会」議会の改革が喫緊の課題であると指摘されよう。

2010/1/21 木曜日

八ツ場ダム住民訴訟千葉地裁判決で問われる裁判官の精神的自立度と職業倫理の確立度

カテゴリー: 活動日記

 19日午後、千葉地裁が八ツ場ダム住民訴訟で住民の訴えを却下・棄却する不当判決を下した。判決文は、さすがに治水・利水面でダムは必要とは言えないことから、「不合理な推計であるとは認められない」「不合理であることを推認させるような事情は認められない」「明らかに不合理であるとはいえない」「裁量を逸脱していると認められるような事情はない」などとまわりくどい言葉が羅列している。

rimg1077

 判決後の集会で指摘された通り、治水面では、河川法63条で規定する都道府県が負担金を支払う「著しく利益を受ける場合」という要件が、利水面では水道料金事業として地方公営企業法第3条の「常に企業の経済性を発揮する」という「経営の基本原則」が考慮されていない。
 抜け穴だらけの砂上の楼閣のような「理論」の上に組み立てられた判決であり、控訴審で維持することは困難だろう。

 県立高校パワハラ裁判での同じ裁判長の驚くべき言動を目にしているので、この判決には何ら驚かないが、判決文が東京地裁判決をそのまま引き写した判決で、これなら一日で作成できたハズという指摘には、「裁判官という職業」もそこまで堕ちたかという思いを新たにした。

●新藤宗幸氏の「司法官僚~裁判所の権力者たち」(岩波新書)から

 集会では、東京地裁の判決を下した裁判長が直後に、最高裁判所事務総局情報政策課長という「司法官僚トップへの道」がほぼ約束される役職に栄転しており、千葉地裁の裁判官たちはこれに逆らうと自らの出世に響くことを危惧して、東京地裁のコピー判決となったのではないかとの指摘もあった。

 新藤宗幸氏の「司法官僚~裁判所の権力者たち」(岩波新書)に次のような一文がある。

「これらエリート職業裁判官集団のなかでも司法官僚の幹部への道を決定しているのは、事務総局の官房系部局(総務局、人事局、経理局)の課長職に就任し、さらに事務総局直轄組織である三課(秘書課、広報課、情報政策課)の課長に就任することのようだ。実際、事務総局の局長ポストをみても、官房系局長はいずれも課長時代に、官房系部局の課長職を経験している」(110頁)

「職業裁判官としての経歴を持つ秋山賢三が、『裁判官はなぜ誤るのか』(岩波新書)において語っているように、戦後司法改革によって裁判官は司法行政の担い手となり、裁判の独立を全うする制度的保障を獲得した。だが、『最高裁は、戦後も、裁判官に対しては、市民との同一性の側面を強調して裁判官の一市民としての自由を保障する方向ではなく、従前と同じく裁判官に国民の上にたつ者としての『エリート意識』を鼓舞し、むしろ国民とは隔絶した特権官僚としての意識を醸成することに意を用いてきた』。 その結果は、司法行政機構の集権化であり、個々の裁判官と裁判所の『格付け』がすすんだ。また、人事や判決内容、裁判所運営などについて『上命下服』といってもよい司法の官僚制化が色濃くなった。

行政機構の改革についてもまったく同じだが、職業人としての公務員の『精神的自立』の保障のないところには、課せられた職業倫理が十全に発揮されることはない。ましてや社会のさまざまな係争に権力的な判定を下す裁判官には『精神的自立』が求められよう」
(188頁)

 ジャーナリスト・本多勝一氏の一文に「裁判官という情けない職業」というのがあったが、八ツ場ダム住民訴訟千葉地裁判決は裁判官の「精神的自立」「職業倫理の確立」が緊急課題であることを改めて明らかにした。
 これらは不正経理問題の県官僚、職員にも共通するものだ。

【参考】
・河川法第63条
国土交通大臣が行なう河川の管理により、第60条第1項の規定により当該管理に要する費用の一部を負担する都府県以外の都府県が著しく利益を受ける場合においては、国土交通大臣は、その受益の限度において、同項の規定により当該都府県が負担すべき費用の一部を当該利益を受ける都府県に負担させることができる。

・地方公営企業法
(経営の基本原則)
第三条  地方公営企業は、常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。

2010/1/18 月曜日

県が25~5%という業者「手数料」について把握していないというのは本当か?!

カテゴリー: 県行政, 県議会

 14日の不正経理調査特別委員会で、私の質疑に対し県は「業者の手数料収入については、県は年度別、業者別の額など一切把握していない」と答弁した。
しかし、昨年の新聞をひもといてみると、業者側への「手数料」として購入額の25~5%を渡していたことが県行革室のコメントと共に、報道されている。(「毎日新聞」9月11日朝刊)
業者の責任を問わないという県の立場からすれば、手数料、プール金額について「不正経理への協力を求める県職員」からの「指示」がなければ業者は動けないハズだ。
しかし、不可解なことにこの金、モノの流れの具体像について把握していないと県は答える。
業者帳簿情報や聞き取り内容の隠ぺいと同様、個々の職員の責任が明確になるから「知らない」と言い張るのではないかと考えてしまう。

【参考】14日の県37億円不正経理調査特別委員会の新聞報道

・「毎日新聞」1月15日朝刊千葉版
「県庁不正経理聞き取り調査、業者証言メモせず、信ぴょう性疑う声も」

 総額37億円に上る県庁不正経理問題で、県職員の架空請求に基づく「預け」に協力した業者が県に聞き取り調査を行った際、業者の証言をメモするなど記録に残していなかったことが分かった。森田健作知事は「調査ですべての膿を出し切る」と強調してきたが、記録がなければ県が業者に何を聞き、どういう証言を得たのか後から検証することは困難だ。県のずさんな調査手法に14日の県議会で批判が相次いだ。(倉田陶子)

 同日の県議会不正経理調査特別委員会では、「預け」により業者の口座に不正にプールされた県費約4億1800万円について質疑応答があった。この中で、川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)は、業者への聞き取り調査時のメモの有無を質問し、「あるならば開示してほしい」と要望した。

 これに対し、佐藤忠信行政改革監は「調書は残っていない」と答弁。川本議員は「聞き取りのメモを残していないことは、とんでもない話。情報を共有しながら調査を進めていたのではないのか。まともな調査が行われていないということだ」と批判した。

 民主党の県議からも「調査が不十分」「そもそも調査していないのではないか」などと信ぴょう性を疑う声が出た。佐藤行政改革監は「プール金の聞き取りはしっかりやったつもりだが、そういったメモは残してない」と述べ、記録をとっていなかったことを改めて認めた。

 一方、議員側は、県が調査の際、職員が作成した支出伝票との突き合わせに使ったとする業者の帳簿を開示するよう要求した。小宮大一郎総務部長は「県の調査以外には使用しないということで業者に協力してもらった」と答弁、県議会への開示を拒否した。

 川本議員は「(非開示が)知事の意志ならば、知事に(その理由を)説明いただきたい」と述べ、森田知事の参考人招致を求める考えを示した。 

・「東京新聞」1月15日朝刊千葉中央版
「聞き取りメモはない、県、議員からの開示要望に」

 県議会の不正経理調査特別委員会が14日開かれ、県は業者などに行った聞き取り調査について「メモはない」と答弁、議員側が「調査が不十分だ」と詰め寄る一幕があった。

 委員会では、架空請求などにより業者側に預けられたプール金の使い方をめぐり、川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)が、聞き取り調査のメモの開示を要望。県は、「調査はしっかりやったが、メモは残していない」と答弁した。

 さらに、川本議員は「県の調査を検証するため」として、業者側の帳簿の写しなども提出するよう要請した。だが、県は「県執行部の調査以外には使わないという業者との約束に反する」として応じなかった。

 一方、業者へのプール金が最も多かった漁港課について、県は「事業費が多い上に不要な予算の減額処理を怠り、年に4、5百万円ぐらいをプール金化していた」と説明した。

 委員会後、県行政改革推進室の担当者は聞き取り時のメモについて「業者には(帳簿の)確認作業などを行ったが、メモとしては残してない。職員への聞き取りは調書にしてある」と話した。(小川直人)

2010/1/17 日曜日

インド洋の海自撤収と憲法9条と言論機関の責務

カテゴリー: 活動日記

アフガンでの「不朽の自由作戦」という「テロとの戦い」の一環として01年12月に開始された海上自衛隊のインド洋給油活動が15日で幕を閉じた。新テロ特措法の期限切れに伴うもので、12カ国の艦船に対し、938回、計約51万㌔㍑(総額244億円)を提供した。

 17日の「毎日」朝刊は、インド洋の海自撤収について6紙の社説を紹介している。給油活動を一定評価する一方、「実効あるアフガン政策」を主張しながらも肝心の憲法九条からの視点は見受けられない。

 タリバン政権崩壊後、アフガンの復興プロセスについて国連の仲介で開かれた会議(01年12月、ボン)に基づく「ボン合意」で、日本は「武装解除」を担当した。軍閥が跋扈するアフガンで対タリバン・アルカイダ戦を戦った「北部同盟」の武装解除と軍事監視の責任者となり、ついでにカルザイ政権の国防省改革も行ったのが伊勢崎賢治氏(現・東京外大教授)である。

 その伊勢崎氏は「自衛隊の国際貢献は憲法9条で~国連平和維持軍を統括した男の結論」(かもがわ出版、08年3月)で次のように述べている(67~69頁)。

「アフガニスタンの軍閥は、われわれが行くと、例外なく言う。『日本だから信用しよう』と。アフガニスタン人にとって日本のイメージは、世界屈指の経済的な超大国で、戦争をやらない唯一の国というものだ。」

「これは、日本が国際紛争に関与し、外交的にそれを解決する上で、他国には持ち得ない財産だといえる。そういう日本の特性のおかげで、僕らは、他国には絶対できなかった事をアフガニスタンでできたのだ」

「以上の事実があるから、実はアメリカは日本に対して非常に感謝している」

「DDR(武装解除)と国防省改革がなかったら、カルザイ政権は、形をなすことはなかった。日本のおかげで、アメリカの対テロ戦の地上戦が一応、今のところ維持できているのである。
 テロ特措法の延長が大きな問題となってきたが、自衛隊を派遣しないと国際貢献ではないという議論は、対テロ戦を非常に表面的にしか見ていない。日本は、アメリカに対して最大の貢献を、それも軍事的な貢献を、自衛隊を使わずにしたのである。
 それは、アメリカの軍事関係者が一番よく知っている。ブッシュさんが何と言おうと、軍事関係者は一番よく知っているのである」

「ただし、最初から言っているように、これは美しい話ではなく、『誤解』なのだ。そこに悲しさがある。
 日本は好戦国アメリカの同盟国である。海上自衛隊をインド洋に出動させ、アメリカの手助けをしている。ところが、アフガニスタンでは、その事実が知られていない。アフガニスタン人は誰も自衛隊のインド洋上活動について知らなかった。カルザイ大統領も2003年9月の時点まで、つまりテロ特措法が施行されて2年間、こちらが言うまで、このことを知らなかった。パキスタンのムシャラフ大統領も、元防衛相の小池さんのパキスタン訪問(2007年)までは知らなかったと思う。自国が戦場になっている状況で、戦闘に直接関与している当事者は、後方支援の貢献に注意を払うほど暇ではない。給油活動は、誰でも、民間業者にもできることなのだから」

「この誤解を維持するかどうかは、今後の日本の生き方を左右する問題である。日本は瀬戸際に立っている。」

 言論機関のよってたつ「米政権へのご主人様視点」とともに、「対テロ戦への活路」についての深い思慮もなく、世論・国民感情を煽ることが目的化したかのような報道が、インド洋海自撤退でも目立つ。これは普天間基地問題・グアム移転や北朝鮮の拉致問題などにも共通するものだ。

2010/1/16 土曜日

37億円不正経理問題で求められる県官僚改革と「八百長と学芸会」県議会改革

カテゴリー: 県行政

 15日は午前から県議会08年度決算審査委員会(教育庁、県土整備部)の傍聴後、午後5時半から「平成21年度 第1回千葉県コンプライアンス委員会」を傍聴する。傍聴者は私以外に市民ネット関係2名、オンブズ関係1名だった。

 弁護士3名と公認会計士1名の計4名で構成されるコンプライアンス委員会の「取組の趣旨」は、配布された資料によれば、「不適正経理発生の主な原因は、コンプライアンス意識の欠如であり、『リーガル・リスク・マネージメント』を充実し、コンプライアンス(法令遵守等)意識を高めていく必要がある」としている。

 リーガル・リスク・マネージメントとは「法令違反のリスクを事前に把握して回避する(予防法務)とともに、リスクが顕在化した場合の対処のための取組」という意味だそうだ。意見交換の様子から、「内部統制」の効率性や有効活用の面から法令のみならず経理や会計などの基準レベルも含まれる気配だ。

 しかし、どう考えても疑問なのが、こうした「型」「手順」という外形的な縛りで、組織内部を変えることができるのかということだ。
本来、明確な指揮命令系統で動く組織の中でなぜ「コンプライアンス意識が欠如」したのかという「組織内民主主義の欠如」「専制支配」の観点からのアプローチや、監視機能を発揮すべき県議会がその責務を果たさず機能不全状態になっている「八百長と学芸会」審議の実態にまで踏み込む必要がある。(そもそも議会が機能不全でなければ「コンプライアンス委員会」などという組織を新たに設置する必要はなかっただろう)

● 県官僚と癒着の産物、審議の放棄が目立つ自民会派

現在開かれている決算審査や不正経理調査に関する委員会審議をみても、圧倒的多数を占める自民会派の質疑数・内容は実に乏しい。決算審査でも自ら予算に賛成したことを頬被りして、前知事の施策だからと「難ぐせ」をつけている。また不正経理調査委員会でのある自民委員の発言内容は「臭いものに一刻も早く蓋をしよう」という姿勢が露骨にみられる。

「毎日新聞」1月10日社説「2010年再建の年「地域主権」~地方議会も変化の時だ」も次のように指摘している。
「自治体の定める条例など政策立案は首長が優位に立ち、多くの議会は執行部側の提案する議案が素通りし、片山善博前鳥取県知事がかつて『八百長と学芸会』と評したような審議がまかり通っている。
一方で、会計検査院がこの2年間に検査した道府県市のすべてで、不正経理が発覚した。裏金などの問題が再三、指摘された中で議会の監視はいったい、どうなっていたのか」

なぜ、こうした「八百長と学芸会」議会になり下がったのか、それは地方議会で多数を占める自民会派と自治体幹部の癒着に他ならない。
月刊誌「世界」1月号で片山善博氏が国会議員たちの予算統制が効かないことについて次のように記している。
「自民党政権時代の与党の国会議員たちが、国会の場で予算案をまともに審議することはなかった。彼らは既に党内手続きの過程で予算案を了承し、これを『無傷』のまま成立させるのを任務としていたからである。議員は党内手続きでは意見を言うが、そのほとんどは歳出予算に付け加えよというものばかりで、官僚たちが作った予算案の中にムダを見つけてそれを除去せよというものではなかった。むしろ、官僚たちが拵えたムダには目をつぶってやるので、自分たちの要求には快く応じよ、という持ちつ持たれつの間柄にあったと言えばわかりやすいだろう」
地方議会も変わりはない。

●90年代不正経理で「おいしい」思いをした県議

97年1月の内部告発文書では「裏金」の第二の使いみちとして「議会工作費」を挙げ次のように指摘している。
「第2の使いみちは議会工作費です。多選を有利に運ぶため議会のまる抱えが知事周辺によって進められ、オール与党化が進んでいることもあり、有力議員を接待したり、贈り物に使われます。各課で直接行う場合と各部の主管課でプールして行う場合もあります。これだけ接待攻勢を受けている議員に公費の乱用を問題にすることができないのは火をみるより明らかです。」
議員も「おいしい」思いをしていたことになる。
●県幹部人事に介入する自民県議

組織改革では、当然県官僚の資質は重要だ。本当に優秀な人物が幹部に登用される仕組みになっているのか。
97年の内部文書では、「情実人事とことなかれ主義が県庁に横行」し、裏金の「第3の使いみちは人事工作費です。情実人事が広く行われていることから、部長や知事側近の有力幹部、場合によっては知事自身を招いていの接待が行われています。知事自身が部課長の公金による接待、贈り物を受けていてどうして職員の監督ができるでしょう」とある。
となるとプール金づくりの上手な職員が評価されることになってしまう。

さらに県幹部人事に県議の介入がないかということだ。
少し古くなるが、1983年2月1日付の「読売新聞」(千葉版)は次のように記している。「この人事に、県議が口をはさむ。しかも、人と人との結びつきが強い郡部の県議ほど注文が多い。たとえば、『あいつ、そろそろどうだい、支庁長にしてやってくれよ』と、くる。人事の基準では、本庁の課長を経験しなければ、支庁長にはなれない。その県議が持ち込んだ人事案は、まだ課長未経験の職員。ルールに従い、支庁長にはしなかった。が、県議の押しで課長に昇格させたそうだ。・・・人事の介入。なぜ、県の幹部はそれを許すのか。OBの一人はこう語る。『課長になったら、政治色をつけろってこと。先生と仲良くしなきゃ、通したい議案も廃案になる』。・・・逆に、無色の人は出世コースからはずれがち、ともいう」。

1985年1月6日付の同紙は次のように記している。
「『彼が部長とはねえ』とOBがタメ息をついた例も聞く。さらに自民党県議の後押しで、ぐんぐん出世した幹部もいる、との指摘もある」
 
「プール金づくりと人事工作」「自民議員の後押し」が要件であれば、骨のある人材が幹部に登用されることは困難だと思うのは私だけではないだろう。

今、こうした人事介入はなくなったという話はきかない。
今回の不正経理問題を、「コンプライアンス」という言葉で語るのではなく、県官僚改革、県議会改革につなげていく必要がある。そのためにはこうした実態を県民に広く知らせるという地道な取り組みが求められる。

2010/1/15 金曜日

14日の不正経理調査特別委員会報告~業者聴き取り調査の杜撰さ明らかに

カテゴリー: 県行政, 県議会

 14日午前10時~12時に、県議会不正経理調査特別委員会が開催された。前回の8日に引き続き、「業者プール金」の質疑に終始した。

 一連の質疑の中で、2つの問題が鮮明になったといえる。
一つは、「一次資料」である「業者帳簿」の写し、及びこの業者帳簿内容を県作成の書式に整理しなおした「様式3」の情報提供を県が拒否していることに何の道理も根拠もなく、議会軽視と情報隠ぺいに他ならないこと。
二つ目は、今回の問題のルーツである02年(H14年)度以前の不正経理(返還額は数十億円と推測される)及び内部告発(97年)に蓋をした不作為責任について、県民に対し道義的な面も含めて責任を果たすという姿勢が見られないこと。
これらの背後に、業者及び業者帳簿を隠れ蓑にした県幹部の「自己保身」の姿勢がチラホラする。

●14日の質疑で、明らかになったこと

私の質疑の中で、以下の4点が明らかになった。

(1) 12月18日付の追加報告書の31頁には、「平成14年度以前の業者帳簿の提出について、県のプール金額の上位10社に確認を行ったが、書類が保存されていないなどの理由により、業者から協力が得られる見込みがないこと」とあるが、この02年度以前の業者帳簿、プール金に関する調査の実態は、業者に対して電話一本で済ませたもので文書による調査協力依頼もなければ、業者の対応についてメモ一つ残っていないことが判明した。まともな調査を実施していない。
(2) 業者の手数料収入については、県は年度別、業者別の額など一切把握していない。
調査の不備である。
(3) 業者にプール金返還を求める根拠は、法的責任よりも道義的責任に基づくもので、職員の肩代わりによるプール金の全額返還が終わっても、県として未返還の業者には請求を求めていく。
法的責任などを明確にして返還を強く促すなどということは頭の片隅にもないようだ。業者「擁護」の姿勢は異様である。
(4) 業者帳簿写しを委員会に情報提供しないこと、02年度以前の不正についてこれ以上調査せず「蓋をする」ことを知事も了解している。
 
●14日の委員会で求めたこと
前回までの委員会とダブルが、私は改めて次の4点を求めた。

(1) 業者帳簿の写し、及び様式3を委員会に情報提供すること
(2) 前項について、(今までの県の業者への対応上必要なら)情報提供にあたって、業者に県から一言ことわりをいれること。
(3) 02年度以前も含めプール金の実態について、業者に対し、①プール金はいつ頃始まったのか、②プール金の規模、金額は、③お金や物の流れ(県職員からの具体的な指示内容、手数料など)、の聴き取り調査を実施し、その記録を残すこと。
(4) 以上の項目を実施する上でも森田知事の参考人招致が不可欠であること。

● 「プール金を使わないことが正しいやり方」という佐藤行革監の1月8日の発言について

  08年度の下水道課のプール金処理の問題点については、1月9日のブログで触れた。
改めて08年度の監査委員事務局作成のデータの一部を分析してみると、
・プール金「減」となっているのは、
県土整備では18課の内12課で、29の地域センター・事務所の内19ある。
  総務部は、9課1室1ワークステーションの内、6ある。
農水部では、13課の内で10課で計666万円の減、28のセンター事務所で減は21計2786万円の減。
・プール金「減額」と「増額」が等しいところは、
南部家畜保健衛生所12136円
     総合企画部統計課202289円(ほぼ同額)
     君津農林振興センター139021円
    である。

これらからみると、「プール金を使わなかった」部署の方がはるかに少ない。減額となった部署では、少なくとも大規模に「プール金を補てん」するなどという行為は行われていないようだ。繰り返すが、下水道課の行為は、1円でも多く迅速に返還を求めるべきプール金を補填するという県の姿勢と逆行しており、佐藤行革監の是認発言は容認できない。

2010/1/13 水曜日

未然防止と法令厳守の姿勢を欠いた?!市川市都計審の審査実態

カテゴリー: 県行政

 11日にベルリンで「国際生物多様性年」(2010年)の開幕を祝うドイツ政府主催の式典が開かれ、田島一成副環境相が「地球とすべての生命の将来について、真剣に論じることを楽しみにしている」と10月に名古屋で開かれる国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に臨む抱負を語ったことが報じられている。(「毎日」1月12日朝刊)

 千葉県は07年度に「生命(いのち)のにぎわいとつながりを子どもたちの未来へ」を理念として掲げる「生物多様性ちば県戦略」を県民参加で策定した。そして「環境自治の実現」を掲げた「千葉県環境基本計画」(08年3月)は、「ずっと豊かで安心して暮らしていける千葉の環境をみんなのちからで築き、次の世代に伝えていく」ことを基本目標としている。

 評判の悪い「千葉県総合計画原案」だがその60頁をみると、「本県の生態系や生物の多様性を保全し、私たちの暮らしや文化を支えている自然環境を次世代に引き継ぐため、県民・企業・行政などの様々な主体による取組を支援する」とある。これは「千葉県環境基本計画」の基本目標とほぼ同じ文言とも読める。

2月議会では森田知事に、「国際生物多様性年」、COP10開催を念頭に置いて「千葉県環境基本計画」「生物多様性ちば県戦略」に対する姿勢を語ってもらわねばならない。

●第164回県都市計画審議会~産廃処理施設議案で市川市の環境対策のずさんな検討が明らかに

 12日は08年度決算審査の県土整備部の事前ヒアリングが一日行われる中、午後、第164回千葉県都市計画審議会に出席した。

 議案第7号は市川市の工業地域内に、がれき類の破砕を行う産廃処理施設を設置するもので、市川市の担当者は、10月に開かれた市川市都市計画審査会で原案通り承認され、環境対策についても「生活環境調査が実施されており、環境基準を遵守していることを環境部局に確認している」と説明した。

 事前に入手した市川市都計審の議事録をみると、数分に1回トラックの出入りがあり工場の扉が開放されている時間が無視できないにもかかわらず、扉を閉じた状態で騒音の予測を行ったとした上で、次のようなやりとりが行われている。

【A委員】騒音のほうで予測の仕方というのは、今のご説明が一般的な形という理解でよろしんでしょうか。
【市川市環境保全担当マネージャー】一般的にそういう形になっています。
【市川市都計審会長】何台トラックが入ってくるんだっけ。
【建築審査課長】1日160台入っております。
【会長】それの開閉の度数が閉鎖した状況でいいのかどうかというのは一つ課題かもしれませんね。10時間でいくと1時間16台でしょう。4分に1回、出入りが。だから、閉鎖した状態でいいのかという話は問題になるかもしれない。
【環境保全マネージャー】適切かどうかしりませんけれども、作業開始後、周辺環境に影響を及ぼし、対策が必要となったような状況が生じた場合には、許可権者の千葉県と協議して適切に指導していきたいと思っておりますが、現状では、湾岸道路の北側がクリーンセンターになっていますが、この付近に事業所以外、人家が全くない地域ですので、そういうことについては、こういう予測値でいいのかなあと考えております。

 これでは未然防止と法令遵守の姿勢が欠如していると言わざるをえない。
 そこで、昨日の県都計審の場で、当該計画について市川市に法令に規定する騒音値を厳守できるのかと質したところ、「扉開の状態では守れない」「扉開の状態での騒音予測は行っていない」などの答弁しか返ってこない。
 結論として、県都計審として、「扉開状態を含め十分な騒音予測を行い、法令を順守する事前対策をとること」という意味の付帯意見をつけることとなったが、市川市の審査と県環境部門のチェックが杜撰と言わざるを得ない。
 

2010/1/10 日曜日

8日の不正経理調査特別委員会報告②~機能不全の監査委員制度

カテゴリー: 県行政, 県議会

昨年9月26日の「毎日」朝刊は、県監査委員の従来の定期監査で不正が究明できなかったことについて、「これまでは書類上の調査だけで(不正を)確認できなかった」と監査の不十分さを認める監査委員の発言を紹介している。

しかし、監査委員制度が機能不全に陥っている要因はもっと深いところにある。
県庁OBは次のように指摘している。

 「本来は、監査委員がこうしたことを厳しくチェックしなければならないのだが、よく知られているように、監査委員は知事の任命であり、県職員OBなどで構成されているので、チェックする気はさらさらない。」
 「監査委員の監査を手助けする監査委員事務局の職員も一般の県職員であり、2、3年後には監査される立場に回るため、不正「流用」などが分かっていても、見て見ぬふりをしていた。」
 「年に1回、各職場で監査が行われるが、監査担当者は、形式的に書類を眺めるだけで、裏金作りを摘発したりはけっしてしない。ただ、何も指摘しないとメンツがたたないので、どうでもいいような些細な問題や初歩的ミスを指摘して、それで1件落着というのが、おきまりの監査となっている。」
 「ちなみに、かつて、監査委員事務局の職員がある職場の監査を厳しくおこなったところ、この職員は左遷された。」

 「専門性と独立性の確立」と「事務局体制の強化」が監査委員制度の課題のハズだが、驚くべきことに8日の委員会の答弁からは監査委員事務局にはそうした認識がないことが明らかになった。

 岐阜県は、「岐阜県政再生プログラム」(06年9月28日)で、「監査委員による監査の強化・充実」として、①監査委員の増員、②監査業務の第3者への委託、③監査結果の全面公表、④「監査改革指針」の決定など監査委員事務局体制の見直し、の4点を掲げた。
 
 せめて岐阜県程度の認識と対策が不可欠だ。

● 千葉県監査委員制度の実態

(1) 県民と向き合ってきたのか?

 05~09年度の5年間で、住民監査請求47件で内、棄却・却下は40、一部棄却・一部却下6件、取り下げ1件である。地方分権時代に相応しい県民本位の自治体監査という姿勢が求められる。

(2)4人の監査委員の専門性と独立性は?

 過去5年間における県OB監査委員の前職は、以下の通りだ。
 前代表監査委員 山下氏(H16.4,1~H 20.3.31)は農林水産部水産局長
 現代表監査委員 袴田氏(H20.4.1~現在に至る)は人事委員会事務局長

 8日の委員会で、OB委員の任命は専門性で判断しているのかと質したところ、知事が総合的に判断していると答弁があった。実際の人選からみて、専門性が軽視されていることは確実だ。
 OB委員は従来の慣行を優先し慣れ合いと危険性を常にはらむ。
 法令上、OB委員を任命する必要はない。
 代表監査委員には、実務を担う事務局職員を指揮監督する立場に相応しい専門性と独立心を持った「識見委員」を選任すべきだ。

残りの3名の内、2名は議選委員である。議選委員は、監査、法務上の専門知識が極めて不十分であり、委員職そのものの名誉職化が著しく短期間で交代している。とりわけ現在2名を独占する自民党は県官僚と一体である。

したがって、現状の少なくとも4名の内、3名の監査委員に専門性と独立性は期待できないと考えるべきだろう。

(3) 事務局職員の専門性と独立性は?

 職員調査と監査委員監査があるが、年間497の定期監査、33の財政的援助団体等監査の基本となるのは職員調査であり、生の資料を実地にチェックする役割は、事務局職員に委ねられている。
一方、職員は代表監査委員の指揮監督を受けるが、実際は知事の影響下の人事制度の中にいる。監査を受ける側からの「出向」であり、帰属意識があり遠慮がある。

 ・この職員の人数と平均在職年数は、
    管理職(副課長以上)      6人、1.50年 
    調査担当職員(室長、主幹を含む)19人、3.32年
    以外の職員            9人、2.77年

 ・調査担当職員の経験年数は、
   3年未満         7人
   3年以上~5年未満    7人
   5年以上         5人 

 ・事務局職員の研修及び講習会参加状況は、
   H19年度15人、H20年度18人、H21年度14人で、H19年度の1名を除きいずれも1~3日の短期で、専門知識の取得には不十分である。

 専門性の向上のためには在職期間が短かすぎる。
 独立性、専門性の確立には、長期の在籍が可能となる独自の人事ローテーション・人事考課制度、外部の専門機関などでの長期研修制度の実施、業務量に見合った必要人員の確保が必要である。

(4)「監査基準」が整備されていない

 大阪府には「監査基準」があり、秋田県には監査委員処務規定がある。しかし、千葉県には「監査着眼点」しかない。今回の不正経理問題で「監査基準」の整備は必至だ。

2010/1/9 土曜日

8日の不正経理委員会報告①~県が議会に「業者帳簿写し提出」を拒む根拠はない

カテゴリー: 県行政, 県議会

 5日から県議会会派控室に「出勤」し、他のメンバーと共に、先月18日に県が配布した関係書類、独自に入手した資料に目を通す毎日が続いた。
 8日午後1時30分~5時、37億円県庁不正経理で第8回県議会不正経理調査特別委員会が開催された。委員会は、監査委員制度の議論後、プール金の議論の途中で時間切れとなった。

 今朝の「毎日新聞」朝刊は、40業者のプール金約4億1800万円のうち、約5600万円が回収不能で、返還見通し額は7業者194万円にとどまり、40業者のうち6業者(計約2億190万円)からは返還の確約さえ得られていないこと、小宮総務部長の「業者ではなく職員側に一義的な責任がある」という業者擁護・免責に固執する発言を紹介している。

 県は、業者から返還されないプール金は職員が分担して返還することとしている。県が返還の有無に関わりなく業者に差をつけないならば、業者が返還を「ためらう」のは当然だ。

 私は委員会で配布した関連資料をもとに、
監査委員制度については、昨年6月の第29次地方制度調査会答申を紹介しつつ、①専門性と独立性を確保し、貧弱な事務局体制を強化すること、②何のための監査なのかを明記した監査基準を策定すること、
を求めた。
 監査委員制度については別の日に報告するとして、今回はプール金について私が主張したことを報告する。

● 委員長に業者帳簿写し、及び「様式3」を情報提供するよう求める

 小宮総務部長は一貫して、業者の帳簿写しの委員会への提出を拒否してきた。その根拠について私は質した。佐藤行政改革監は、「H21年3月27日付けの業者あての文書に基づく」と答弁した。

 その文書は千葉県総務部行政改革監から各業者にあてた「経理問題調査への協力依頼について」というものだが、「なお、御提供いただく資料につきましては、今回の調査に関する目的以外に用いることはないことを申し添えます」と書いてあるだけだ。

 そこで、この特別委員会も調査を目的としており、委員会に情報提供することは目的外使用にあたらないと質したが、まともな答弁はなかった。県の姿勢は明らかに議会軽視であり、県民より業者に顔を向けた姿勢は異様とも言えよう。

 業者帳簿がすべての出発点の今回の問題だが、それを県にとって都合よく「整理」されたものだけを見せられて審査しろではお話にならない。
委員長に、委員会として帳簿の写し、及びそれを県として整理しなおした「様式3」の情報提供を県に求めることを要請した。

●プール金の増減をゼロとするため、後から「プール金を補てん」する愚
 
 08年度のプール金に関するデータをみると県土整備部下水道課の「07年度末16,846,705円→08年3月31日15,186,127円→08年5月31日(出納整理期間)16,846,705円」
とある。

 業者帳簿によれば08年度に納品した分1,660,578円をプール金から差し引いたが、下水道課は出納整理期間に業者から見積書、請求書を作成させ、支出負担行為支出伝票を発行し、プール金を使用しなかったことにするため、わざわざプール金の減少分1,660,578円を5月に一括して業者の口座に振り込んだ。
 私たちは別途、これら見積書、請求書、支出負担行為支出伝票の写しを入手し確認した。

 プール金回収の現状は今朝の朝刊が報道している通りだ。プール金を1円でも多くかつ早期に業者から回収すべきところ、減少したプール金を補てんするとは呆れたものと言えよう。

 減少したプール金を補てんするための伝票などの作成行為は不適正な経理処理である。
しかし、私の質問に対し、佐藤行政改革監は、むしろプール金を使わないように処理することが正しい行為であると答弁した。ということは全庁的に減少した「プール金の補填」を進めるということになる。

県の「需要費に関する調査票」(様式1)では、これらの処理は「適正」とされている。県として「適正」とするための操作をしたのだがら当然といえるが、今回の内部改革・調査の限界を示している。

ともかく、業者帳簿を「正」として調査していると言いながら、後でプール金の動きをゼロとする行為をしていることからも、県議会として調査するには業者帳簿の写しの入手は必要不可欠だ。

次ページへ »

HTML convert time: 0.850 sec. Powered by WordPress ME