昨日、2月県議会(2/19~3/19)が閉会した。
40億円県不正経理問題について、自民会派は特別委員会での審議を3月末日で打ち切ることを強行採択した。その一方で議会としてチェックできなかった責任をとると称して議員報酬の返還を会派として決定したという。これは金で不正問題に蓋をすることに他ならない。
なぜ、議会としてチェックできなかったのかを検証することこそ、県民が望んでいることであり特別委員会で審議すべき項目である。
19日に自民以外の4会派共同で提出した意見書「不正経理調査特別委員会の調査期間の延長」に対する賛成討論の中で、小宮清子県議は次のように指摘した。
「議会としてなぜこの不正をチェックできなかったのかを検証し、議会として本来の監視機能を発揮するための方策を検討することもこの委員会で求められています。
そのために、① 97年1月の内部告発文書で指摘されている「議会工作費」の実態、②
議会選出の監査委員の責任と選任のあり方、③その他議会の監視機能強化のための方策、について調査検討することが不可欠です」
審議放棄して「八百長と学芸会」県議会としたことこそ、最大会派の自民党として深く反省すべきで、このまま「八百長と学芸会」化が続くことは県民として最も不幸なことである。しかし自民党にその気はない。
19日の最終日、私は各議案に対する反対討論(制限時間10分)を行った。以下に討論内容を紹介する。
●2月議会最終日(3月19日)、議案・請願の討論
市民ネット・社民・無所属の川本幸立です。
まず、議案第1号H22年度「千葉県一般会計予算」について反対討論を行います。
・赤字地方債に安易に依存し、財政自治の視点が欠如
本予算は、臨時財政対策債という赤字地方債に安易に依存し、歳出予算に対する厳しい点検もなく、分権時代の地方自治体に求められる「財政自治」の視点が欠如していることをまず指摘します。
県は、臨時財政対策債は、元利償還金の全額が交付税として支給されることから、「名目」上の借金であり心配ないという立場のようですが、果たしてそうでしょうか。国の交付税会計が好転する可能性がまったく想定されず、「税収も交付税も減少の一途」にある中、今後、臨時財政対策債の償還のために新たな臨時財政対策債を発行するしかないことは明らかです。
01年度から行われてきた地方交付税の削減という臨時財政対策債への振り替え措置は、赤字地方債に頼り、将来の地方交付税を「先食い」するもので、地方交付税機能の実質的解体が危惧されるという一面認識し、出来る限り発行を抑制することを基本姿勢としなければなりません。
・アクアライン社会実験を口実に各事業を推進する愚
そのためには必要な歳出予算に対する厳しい点検が必要ですが、この予算案にはそれが欠けています。
ここではアクアライン社会実験と東京湾アクアライン活用戦略に掲げられた金田西地区開発、八ツ場ダム事業に触れます。
アクアライン社会実験15億円を財政調整基金から投入することの問題、地方財政法上の疑義、23年度はどうするかなどの課題については、すでに代表質問、予算委員会などで指摘されました。一方、社会実験中であるのもかかわらず「料金引き下げの効果を県経済の活性化や地域振興に確実に結び付けていくため」として、行動計画が示され、その中に様々な新年度事業が列挙されています。しかし、本来これらは社会実験の結果を冷静に分析した上で実施すべきものです。
先日出された社会実験の中間報告をみても、土日の1日の通行車数は4万5千台が一つの目安とみられ、すでに土日は飽和状態になっています。これ以上の車両増にどう対応しようというのでしょうか。
また、全体として湾岸ルートは交通量が2%台の減でしかなく、湾岸ルートからのシフトが国の支援の理由だったことを考慮すると、無秩序に車の通行量を増加させることは改める必要があります。
また交通量の増加に比較して観光客数の増加は多くはありません。社会実験が観光客数の伸びにどの程度寄与しているか冷静な分析が必要です。
一方、活用戦略には「土地需要の受け皿となる用地を、早期に確保することが重要です」とありますが、木更津市の金田西、東の事業を除く23の区画整理事業の計画人口は12万人であり、新年度13億円を投入する金田西地区事業は木更津市の住宅地供給過剰に拍車をかけるものにほかなりません。
そもそも、社会実験を口実に各事業を推進することには無理があります
・八ツ場ダム事業~治水の算出根拠(飽和雨量48㍉など)の見直しと地裁判決の見方
次に、八ツ場ダム事業について触れます。
国の予算計上に本体工事費が含まれないにもかかわらず、県が予算計上したのは地方財政法違反であること、法に基づく基本計画が変更されていないことは理由にならないことは代表質問や予算委員会で指摘されました。
ここで指摘したいことは、治水の算出根拠に疑問が呈されていることです。現在、上流域の保水力の計算で飽和雨量を48ミリと設定していますがこれは本来「木のない山の裸地斜面」以下ということで、森林は100~150ミリが一般的であり、100ミリと仮定すると最大流量は毎秒一万2千~一万4千立方mとなり、治水上、八ツ場ダムは不要となります。
これについて、3月5日の衆院国土交通委員会で国交省の政務官は最大流量について「有識者会議の中で議論している」と答弁しました。
この治水の算出根拠が見直される状況を踏まえれば、治水の工事を千葉県がやれやれとせっつく根拠はますますなくなっているといえます。
なお、住民訴訟の1月の千葉地裁判決は、「公金支出は違法ではない」という趣旨であり、ダム事業が社会状況の中で適正かどうかを判断したものではありません。治水面では河川法63条で規定する都道府県が負担金を支払う「著しく利益を受ける場合」という要件が、利水面では水道料金事業として地方公営企業法第3条の「常に企業の経済性を発揮する」という「経営の基本原理」が考慮されておらず、抜け穴だらけの砂上の楼閣のような「論旨」の上に組み立てられた判決であることを指摘しておきます。
そのほか、高規格道路優先、安全対策維持管理軽視の道路行政なども含め、1号議案に反対します。
・計画としての体裁すら整っていない総合計画
次に、議案第71号「総合計画策定」について反対討論を行います。
今回の総合計画は「あすのちばを拓く10の力」を廃止して策定されるということですが、「10の力」にある、半島性の脱却、高規格道路ネットワーク、千葉新産業三角構想などは総合計画案にそのまま受け継がれています。
目に付くことといえば、「住民・NPOなどとの連携強化」「住民参画によるまちづくり」という言葉が削除されている点です。このことは策定段階で地域や広範な県民と協働して策定するという姿勢が欠如していたことと共通します。
一方、総合計画案策定にあたり「10の力」の評価、達成度について総括されてはいません。現状の分析が欠けています。
総合計画案には地域版がなく、相変わらず拠点開発と道路ネットワーク路線を継承し、地域資源と地場産業を主に据えながら地域のあり方を考えるという視点がありません。
「10の力」の総括もせず、財政計画もなく、現状分析がないという総合計画の体裁にすらなっていないことを指摘し、議案第71号に反対します。
・「膿を出し切る」「「新生千葉県」の再構築」には程遠い状況にある不正経理問題解明
H21.12議案第17号「知事及び副知事の給料の特例に関する条例の制定について」反対討論を行います。
不正経理問題はその全容が未だ明らかではなく検討すべき課題が山積しています。
不正経理調査特別委員会の中間報告は多数を占める自民党会派委員の意向により県の調査報告内容について「概ね了」という文言となりました。
しかし、基本となる業者帳簿データは委員会に情報提供されず、調査対象額のほぼ3分の一にあたる約23億円は使途不明のままです。
今回の不正経理のルーツであり02年度以前の数十億円規模とも言われる不正経理の調査は行われてはいません。
2月には総務部の財政・人事管理部門への庁内接待と裏金づくりを指摘する「内部告発文書」が届けられましたが、検証作業は未着手です。
肝心の警察本部、外郭団体の調査結果はこれからという状況です。
知事がいう「膿を出し切る」「「新生千葉県」の再構築」にはまったく程遠い状況にあります。不正問題についての自らの処分については時期尚早であり、いたずらに処分を急ぐことは臭いものに蓋をすることにほかならないことを指摘し本条例の制定に反対します。
・フッ化物の虫歯予防効果は定かではなく、虫歯予防には不要
次に発議案第1号「千葉県歯・口腔の健康づくり推進条例の制定について」反対討論を行います。
私達は、歯・口腔の健康づくりそのものについては異論はありませんが、フッ化物を予防対策として評価しその推進をうたうことに反対するものです。
そもそも、フッ化物の虫歯予防効果が定かではありませんし、虫歯はフッ素欠乏によるものではありません。
フッ素の口腔内使用は、飲み込み量が安全とはいえないこと、WHOも94年の勧告で6歳未満のフッソ洗口は推奨しないこととしています。
そして何よりも、虫歯予防は、栄養バランスのとれたものをとり、糖分の多い食事や飲み物を少なくする、そして歯磨きで十分であることから、本発議案に反対します。
・食の安全確保のため食品表示の義務化とトレーサビリティ(追跡可能性)の確立を
次に、請願第119号「食料の自給力向上と、食の安全・安心の回復に向けて、食品表示制度の抜本改正を求める意見書の提出について」賛成討論を行います。
期限や原材料名、原産地を偽るなど偽装表示が繰り返されています。
食品表示は本来、食品の中身を正確に消費者に伝えるためにあります。消費者の知る権利、選ぶ権利を守るために表示の義務化が喫緊の課題です。
そして表示の義務化とともに食の安全を守る方法として、トレーサビリティ(追跡可能性)があります。BSE問題をきっかけに、牛肉トレーサビリティ法が成立して、牛肉についてはトレーサビリティが実施されています。
事件や事故が起きたとき、原因までさかのぼることを可能にして、二度と同じ事を起こさないようにするためのシステムとしてトレーサビリティの確立が
不可欠であり、請願119号に賛成します。
・実効的な有機農業の推進を
最後に、請願第121号「千葉県有機農業推進計画」に真に有効な具体策を盛り込むことを求めることについて、賛成討論を行います。
本請願は、すぐにでも、現在の農業者の経営を有機農業に全面転換すべきという
趣旨ではなく、有機農業者実践者や消費者からも広くパブコメ等により実効的な有機農業の推進を求めているものです。県民の意識調査でも「有機農業」を80%以上が支持し、健康や環境によい農業ということを認めています。
本請願を千葉県議会が採択することにより、全国に千葉県の農産物のイメージも高まり、結果的に、消費者の支持が千葉県産農産物に対して得られることにもなります。
千葉県の有機農業施策の方向性を全国に発信する意味でも、本請願を全会派一致で採択をお願いして、討論を終えます。