2010/4/30 金曜日

台湾の地方自治と日本統治時代

カテゴリー: 活動日記, 視察報告

 25日~28日と台湾に滞在し、26日は台北市(市議会、台北市立興雅国民中学)、27日は高雄市(市政府、市議会)を吉川洋県議とともに訪ねた。主な目的は、①地方自治の現況~行政・議会・市民の関係、②議会の審議の実態、③教育局と学校の関係、④日本統治(1895年~1945年)に対する歴史認識、の4点である。

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高雄市立歴史博物館(旧高雄市役所)

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 (4枚)高雄市の寿山(旧高雄神社)

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総統府(旧台湾総督府)

 感想を言えば、議会の行政からの自立、議員の専門家としての位置づけ、市民の陳情・請願を当事者・専門家が参加する公聴会(議員に開催の権利あり)で徹底審議し、教育施策でも当事者主権が尊重されていることなど、千葉県よりはるかに進んでいる。1987年まで戒厳令が布かれ地方自治の存在すらおぼつかなかったと思われる台湾の方が、地方自治において日本より優れているという印象を受けたのは驚きだった。
それだけ自民党による審議放棄とその見返りとしての行政幹部との水面下の取引が議会を形骸化し、市民ら当事者の立場を貶めているということだろう。
 詳細は今後、このブログで報告したい。
 
●日清戦争講和条約批准後に開始された台湾の抵抗運動

 台湾というと、台湾統治をめぐるNHKスペシャル「アジアの“一等国”」(昨年4月放送)の評価で、自民党の安倍晋三元首相らが「「反日」で貫かれている」と批判し、県議会自民党もそれに呼応して「日台戦争」をでっち上げたなどとする「NHKへの偏向報道に関する調査と行政指導を求める意見書」を昨年の6月県議会に提出したことが記憶に新しい。

 今回は、事前に①「図説・台湾の歴史」(周婉窈著、平凡社)、②「日本植民地探訪」(大江志乃夫著、新潮選書)、③「観光コースでない台湾~歩いて見る歴史と風土」(片倉佳史著、高文研)、程度しか目を通すことができなかった。

 それでも、50年間の日本統治後、1949年5月~1987年7月の38年間戒厳令が布かれ2・28事件など「白色テロの時代」が続き、「台湾人が台湾の歴史を学ぶことができなかった歴史は100年におよぶ」こと、オーストロネシア語族(マダガスカルから、インドネシア、フィリピン、ハワイ諸島、タヒチ、イースター島に分布)の台湾はオランダ東インド会社(1602年設立)により中国大陸からの移民が始まったことなど(前掲書①5頁)を初めて知り、自分の無知さを痛感させられた。

 1895年5月8日、日清戦争の講和条約が批准された。条約には清国が台湾を日本に割譲する条項があったが、それは参謀本部編『明治廿七八年日清戦史』第7巻(公刊『日清戦史』)が台湾占領について記述した通り、清国からの「日本が軍事力をもってご自由に台湾を占領しなさい」という形式的な授受手続きに過ぎなかった。
 日本最初の植民地領有である台湾は、日本がその後に獲得した他の植民地と異なり、条約上の形式だけが先行し、植民地支配の実態はその後の武力征服(=日本による台湾征服戦争)によって作り上げられた。(前掲書②264‐265頁)

 公刊『日清戦史』や陸軍省編『明治二十七八年戦役統計』によれば、条約批准後の台湾征服戦争による日本の戦没者は1万人前後と思われ、その後1903年頃まで続く台湾植民地戦争と併せると、日清戦争の主戦場となった朝鮮国・清国での傷病死者を上回ると言われる。
 一方、中国系台湾人の犠牲者は、『後藤新平』第2巻(鶴見祐輔著、勁草書房)によれば、1896年までの征服戦争で約1万7千人、1897年~1901年の植民地戦争で1万1946人と推測されるという。しかし、この数字には1896年4月から12月に行われた大虐殺(『台湾総督府警察沿革史』Ⅱ)による犠牲者は不明のままだという。(前掲書②279-281頁)
 
 台湾人が一致団結して日本軍に対抗したわけではないが、各地で民衆が奮起して日本軍に抵抗したのは事実であり(前掲書①99頁)、これらから「日台戦争」はデッチ上げという自民党の主張にはやはり無理がある。
 同時に、明治を賛美する司馬遼太郎の近代史観にも首をかしげざるを得ない。 

 合間をぬって、日本統治時代の史跡を、高雄市では市立歴史博物館(旧高雄市役所、1938年竣工)、昭和天皇も訪れた寿山公園(旧高雄神社)、台北市では総統府(旧台湾総督府、1919年竣工)を見学した。

2010/4/25 日曜日

国立感染研は安全か」出版記念会

カテゴリー: 活動日記

天候不順で延び延びとなっていた早朝の駅頭での県議会・市議会報告(「街づくり通信」)の配布も21日の誉田駅で終わった。
 
 24日夕は、新宿区内で開催された「国立感染研は安全か~バイオハザード裁判の予見するもの」(緑風出版)の出版記念会(主催:ストップ・ザ・バイオハザード 国立感染症研究所の安全性を考える会)に参加する。

 記念講演で、新井秀雄さん(バイオ市民センター代表幹事)が、かつての「オープンな研究環境~無菌操作時代」と現在の「封じ込め密室研究環境~強制排気システム」を比較し、前者では研究員感染を職業病と扱い感染の範囲も狭い、後者は情報も封じ込められ危険は地域住民に広く及ぼされる(例、旧ソ連のHEPAフィルター装着ミスによると言われる炭疽菌漏出事件)とし、強制排気システムによらない研究者の防護服着用による研究環境への転換を主張された。

 緑風出版からは「バイオハザード裁判」「バイオハザード言論」「教えて!バイオハザード」に続く4冊目の出版となるが、ベストセラーには決してならないテーマ(バイオハザード)を取り上げることについて緑風出版の高須次郎社長は、テーマの先駆性、記録性の面で価値が高いことを理由に挙げられた。

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24日夕の出版記念会から、新井秀雄バイオ市民センター代表幹事と緑風出版の高須社長(花束を持つ)です。

2010/4/15 木曜日

知事、教育長あての浦安事件「被害者とその家族を支える会」からの要望書全文

カテゴリー: 県行政, 県議会

 今朝15日の「毎日新聞」の「経済観測」で伊藤隆俊氏(東大公共政策大学院副院長)が、「黒字事業と赤字事業をくっつければ、赤字補助の税金を節約できる、という発想」を経済学では「内部補助」というが、このモデルの最大の問題点は、赤字事業において効率化の努力が失われることだ、内部補助を導入しても、税金が節約されるわけではない、と指摘し、郵政や関西圏の空港運営をめぐる動きを批判している。
 
 これを読んで、今、社会実験で話題のアクアラインを思い出した。
 99年度の決算で、料金収入144億円(実績1万1900台/日平均、一方、75年の推定開通時交通量7万台/日で普通車2100円、97年の推定は2.5万台/日で4900円)、管理費54億円、建設費借金の返済金利だけで404億円で、収支はマイナス314億円という巨大赤字となった。もちろん、このコストには自然破壊、騒音、大気汚染の社会的費用は含まれない。
 そこで、当時の道路公団は2000年度から、アクアライン、アクアライン連絡道、千葉東金道路、京葉道路の各有料道路を「千葉プール」に一括してしまい、アクアラインの膨れ上がる赤字を隠してしまった。(「道路をどうするか」五十嵐敬喜、小川明雄著、岩波新書、3-4頁) 

 これは効率化の努力云々の問題どころではなく、デタラメな公共事業(デッチあげる構造)を隠蔽し、推進した者(民間を含む)を免責することが目的であると見られ、伊藤氏は「内部補助」の最大の問題を挙げるならば、この点をまず指摘すべきである。アクアラインは中曽根政権時、「民間活力利用」のスローガンで推進され、70年代には新日鉄など大手企業による「東京湾横断道路研究会」が過大な需要予測をデッチあげたことを忘れてはならない。郵政民営化、小泉改革、規制緩和推進者と思われる伊藤氏は、「千葉プール」について是非批判してもらいたいものだ。 

 さて、13日のブログで紹介した森田知事、鬼沢佳弘教育長あての浦安事件「被害者とその家族を支える会」からの要望書の全文を以下に掲載する。

【参考】森田知事、鬼沢佳弘教育長あての
浦安事件「被害者とその家族を支える会」からの要望書(2010年4月12日)

「浦安市立T小で起きた担任教諭による知的障がいのある女児への強制わいせつ事件」に関する要望

<要望趣旨>
 3月24日、浦安事件の民事控訴審(東京高裁)判決において、浦安市と千葉県の控訴は棄却され、民事一審(千葉地裁)で認定された3点に加え新たに3点のK元教諭による被害少女への性的虐待行為が事実として認められました。高裁は、市と県に一審の60万円を上回る330万円の賠償を命じ、さらに「本来は尊敬すべき教師から暴行行為や虐待行為を受けたものであり、許し難い」と断じました。

 事件発覚後、市や県が被害事実を認めなかったために、被害少女とその家族は、刑事・民事と6年にわたる裁判を闘わなければなりませんでした。それは、本当に長く厳しい闘いでした。

千葉県は、被害少女を救済することなく、市と共にK元教諭を擁護し続け、加害事実の係争中(2007年)にK元教諭の依願退職を認め、再び教員の職に就ける機会を与えてしまいました。さらに、民事一審判決を不服として「3点の事実認定に疑義あり」と控訴し、被害少女とその家族にさらなる苦難を強いてきたのです。

千葉県が、その過ちを認め、対応を改めない限り、学校内における同様の事件や被害、二次被害を防ぐことはできません。
よって私たちは、県に対し、民事控訴審判決の重みを真摯に受け止め、以下の内容を速やかに実行するよう、強く要望します。

<要望内容>
1.被害少女とその家族への謝罪

児童に危害を加える教員を採用し、前任校でも前々任校でも問題があった教師をたらいまわしにし、そのK元教諭の加害行為を明かにしないまま、依願退職を認めてしまったこと。また、事件発覚後、一貫して浦安市と同調し、被害少女とその家族を長年にわたり苦しめたこと等、千葉県の責任は、非常に重いといわざるをえません。
 被害者家族は「形式だけの謝罪は不要」とおっしゃっています。K元教諭の暴行と性的虐待の事実をきちんと認め、千葉県の責任を明確にし、その対応を深く反省したうえで、謝罪をしてください。

2. 再発防止に早急に取り組むこと

 被害少女とその家族が民事訴訟を起こしてまで厳しく辛い裁判を闘ってきたのは、知的に障がいのある子どもたちの訴えが真実であることを明らかにすることに加え、二度と学校内で同様の教師によるわいせつ事件等が起きないよう、浦安市と千葉県が再発防止に真剣に取り組むことを望んでいたからです。

被害少女やその家族、「支える会」や県民の意見を十分に取り入れた、第三者委員会等の設置を求めます。また、他の再発防止策があれば、速やかに実行してください。(県は全国に先駆け「障がい者差別禁止条例」を制定し、学校における児童へのわいせつ被害を防ぐための指針を作成していますが、未だ学校現場に周知徹底されていません。早急に周知徹底させてください。)

3.K元教諭を絶対に「採用」しないこと

民事一審と控訴審の判決で事実認定されたK元教諭の性的虐待や暴行は、本来ならば懲戒免職を免れない行為です。
K元教諭は、前任校でも前々任校でも、体罰やスクールセクハラで問題となり、刑事事件で逮捕された時には、家宅捜査で多数の児童ポルノが押収され、刑事二審(東京高裁)判決で、幼児性愛癖(ペドファイルを訳したものであるが、正確には幼児性虐待者)も指摘されています。

しかし、それを承知しながら、私たちの「懲戒免職の要求署名」を無視して、2007年3月にK元教諭の依願退職を、早々と認めてしまった千葉県の責任は、重大です。

本来は守るべき児童たちを脅し、性的虐待を加え、己の性器を見せるような教師が、なぜ教員免許を剥奪されずにいるのか、私たちには、まったく理解できません。今後、学校や子どもに関係する児童館、学童保育、学習塾、NPOなどの場で、K元教諭が、再び同様の暴行や性的虐待行為をしない保証は、どこにもないのです

 子どもの安全を保障すべき千葉県は、K元教師を、学校や子どもに関係する施設等で、絶対に採用しないと約束してください。また、他県での再発も防止してください。

4. K元教諭に「求償権」を必ず行使すること

 このような教師のために、県民の血税を使うことは、絶対に許されることではありません。330万円と利息の全額を、国家賠償法1条2項に基づき、K元教諭に請求し血税を返還させてください。「求償権」の行使を怠り、これ以上の血税を費消することは許されるものではありません。

子どもの頃に受けたわいせつ被害は、長く深い爪あとを被害者に残します。被害少女は、今なおPTSDに苦しんでいます。その事実から目をそらさず、猛省してください。被害少女や家族に、6年もの間、多大なる苦しみ、悲しみ、怒りを与え続けてきたのは、まぎれもなく、千葉県であり、浦安市です。

 K元教諭は、「言ったら殺す」と少女たちを脅していました。それでも、事件は発覚したのです。学校に言っても、ダメ。教育委員会に訴えても、ダメ。やむなく被害少女とご両親は、裁判という辛く険しい道を歩むことになりました。そして、苦難の末、やっと手にした3月24日の判決。

千葉県は、この判決に従い、速やかに私たちの要望を実行してください。また、市に同様の要望書を提出しているので、直ちに両論併記による「事故報告書」を提出するよう、また、二度と被害者を出さぬよう、市を厳しく指導・監督してください。
以上

2010/4/14 水曜日

社会保障としての住宅政策を~2月県議会県土整備常任委員会報告④

カテゴリー: 県議会

 昨年の県の行政改革推進委員会で、外部委員が、もはや住宅を県が扱う時代はおわった、民間にまかせるべきとの発言をした。しかし、価格・広さ・立地の3点が適切な住宅のストックが足りているのか、民間に任せると言っても「民間活力」の導入の実態はどうなのか不明だ。

 日本の借家率は34%だが、その内、社会住宅の割合は5分の一で大半が民営である。公的住宅手当などの住宅に関する社会保障は無いに等しい。(「若者たちに「住まい」を!」日本住宅会議編、岩波ブックレット)
 そこに小泉構造改革が行われ、国の公営住宅への交付金はそれまでの補助金の10分の一に減らされ、自治体に住宅政策から手を引くことを促がした。

 ネットカフェ難民など住まいの貧困問題が大きくクローズアップされている今、住宅政策をまず社会保障として位置づけなければならない。
 2月県議会の県土整備常任委員会(3月16日)で、県の住宅政策を質したので以下に概要を報告する。

・ストックは満たされているのか?

【川本】県の地域住宅計画(H17年度~22年度)では、「住宅戸数が世帯数を上回っており、非成長・成熟社会においてストックの有効活用が住宅政策において重要な事項」とある。しかし、老朽化、最低必要面積に達しないなどの劣悪なもの、家主に貸す意思がないなど今すぐ住めない住宅などが相当数あると考えるが、そういう実態を踏まえた上で本当に居住可能という点で判断したとき、千葉県の住宅は量では確実に満足しているのか伺う。

【酒井住宅課長】20年の住宅土地統計調査では、本県の空き家率は13.1%となっています。これで見る限り量的に住宅数は充足していると考えられます。
しかし、構造、古さ、価格、広さ、立地等の面での情報は持ち合わせていません。
 千葉県住生活基本計画の中で、その解消を目指している、十分な居住面積水準に達していない住宅に居住している方々が、15年の調査ですが約4%ほどいることが確認できていますので質的に十分な住宅が充足しているとは言い難い状況であると考えています。

・地域住宅計画の目標達成状況は?

【川本】県の地域住宅計画では新年度を目標年度とする目標値がいくつも設定されているが、現状での達成状況と目標達成のための今年度の事業内容は?

【住宅課長】地域住宅計画の指標の達成状況は、現時点において9つの指標があります。このうち住宅に関する満足度、リフォーム窓口を設置した市町村数、既存県営住宅の更新の3つの指標についてはすでに達成できています。
それから、既存県営住宅の安全性確保・住居環境向上改善率、既存県営住宅の高齢者対応改善実施率の2つの指標については、22年度が終了年度ですが、ほぼ達成できるものと考えています。その他に22年度の住生活総合調査の結果により確認できる指標が2つあります。しかし、市町村住生活基本計画策定市町村数については目標28市町村に対して、現在策定済は3市となっています。21年度末で策定予定になっているのが2市あるので5市、22年度末に策定予定が3市あるので22年度末では8市となる予定です。
いずれにしても、市町村に対して、あらゆる会議を通じて基本計画の策定を要請していますし、来年度も要請していきたいと考えています。

・民間活力の導入でうまくいくのか?

【川本】また計画には「NPO等との連携や借り上げ方式など民間活力の導入による住宅整備等についても検討していく」とあるが、検討状況、課題はどうか?

【住宅課長】民間活力の導入については、例えば、民間の住宅を借り上げる借上方式は、初期投資が少ないことから、財政状況の厳しい現在において新規建設に替わる事業手法として一部の自治体で実施されています。しかしながら、一定の借上期間が終了した際に入居者の転居先の確保の問題などがあります。そういったような検討すべき課題がまだ多くあると認識しており、すぐに具体化できるまでにはいたっていません。

・削減された住宅予算の大幅増額を国に求めるべき

【川本】公的賃貸住宅特措法で公営住宅に交付金制度が導入され、補助金が大幅に削減された。自治体に公営住宅の新規供給を進めやすくするため予算の大幅な増額を国に求めるべきと考えるが如何か。

【住宅課長】交付金の問題については、住宅課にかかる22年度当初予算で公営住宅整備事業の増などもあって、国庫支出金が約3億円増の15億7千万円を計上しています。今後とも県営住宅の整備及び改修等に関して必要な交付金が確保できるように国に働きかけてまいりたいと考えています。

・地域住宅政策における自治体の責任を問い直す

【川本】県の行政改革推進委員会で、外部委員が、もはや住宅を県が扱う時代はおわった、民間にまかせるべきとの発言をした。しかし、実態はストックが足りているのかどうか不明であり、民間に任せると言っても「民間活力」の導入でも様々な課題があることが先ほどの答弁からも明らかだ。
 つまり、民間に任せるどころか、本来は公営住宅の充実こそが切実にもとめられている。
 新年度は住生活基本計画の見直しが行われるが、住宅ストックの実態をきちんと調査し、地域住宅政策における自治体の責任を問いなおしてもらいたい。住生活基本計画見直しにかける意気込みはどうか。

【住宅課長】住生活基本計画については、今、基礎調査で20年の住宅土地統計調査の分析を行っています。その結果を踏まえながら、千葉県としてこうあるべきだというような計画を作っていきたいと考えています。

【川本】県の住宅政策の拡大充実を要望する。

2010/4/13 火曜日

県は性的虐待の事実を認め、浦安事件の被害者と家族に心からの謝罪を 

カテゴリー: 活動日記

12日午後は、浦安事件「被害者とその家族を支える会」による森田知事、鬼沢教育長あての要望書「「浦安市立小で起きた担任教師による知的障がいのある女児への強制わいせつ事件」に関する要望」の提出と県教委との意見交換に同席する。

dscf1130 12日午後、「浦安事件・被害者とその家族を支える会」が県に要望書を提出

 3月24日の東京高裁判決は、千葉地裁で認定された3点に加え、新たに3点をK元教諭による性的虐待行為として認めた。

 12日の要望で、「支える会」は、
1. 「形式だけの謝罪」ではなく、性的虐待の事実を認め県の責任を明確にし深く反省した上で、被害少女とその家族への謝罪
2. 再発防止(第三者委員会等の設置)に早急に取り組むこと
3. 県が07年に依願退職を認めたことにより未だ教員免許をはく奪されないK元教諭を絶対に「採用」しないこと
4. K元教諭に「求償権」(国家賠償法1条2項に基づきK元教諭に請求すること)を必ず行使すること
  5.事故直後に学校長(当時の学校長は現在別の学校で学校長の地位にあるという)が怠った県への「事故報告書」を提出するよう浦安市に厳しく指導・監督すること。
を求めた。

 県は一貫して性的虐待行為はなかったとしてK元教諭の側に立ち、被害者と対峙してきた。県が性的虐待の事実を認めなければ何もはじまらない。
「まず判決が認定した性的虐待行為を事実として認め、謝罪をしてほしい」と「支える会」の方々が強く求めることは当然だ。しかし、県教委の教育振興部教職員課の渡邊茂通課長は「認定された事実について真摯に受け止める」を繰り返すだけで、正面からの回答は避けた。少なくとも、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ被害者のケアには最善を尽くすことを表明すべきではなかったのか!

・県教育委員会会議で要望内容の審議を

 「支える会」から発言を求められたので、私が「県教育委員会会議で上告をしないことについて審議したのか」と県を質したところ、渡邊課長は、「協議会で了承された」と答えた。密室で議事録も公開されない「協議会」は正式な審議の場ではない。そこで、「上告しないことを了承した折の各委員の意見内容」を情報提供することを求め、教育委員会会議で要望内容を議題とすることを提案した。
 「支える会」の今回の要望内容は、県教育委員会会議でオープンな場でしっかり検討されるべきだ。そのために、教育委員会会議への請願として出され、請願者による意見陳述の機会も与えられればと思う。

・不正経理、第三セクター破綻と同じ要因

 「支える会」は午前中に浦安市に要望書を提出したが、その折、浦安市の対応は、要望内容は市長と教育長に伝えるとしたものの、「会わない。謝罪しない。説明の必要も無い。という姿勢に変わりはない」と言い放ち、要望に対して「回答するかどうかも検討して決める。回答しないことになっても、説明する必要は無い。」と、終始、居丈高だったという。
なぜ市職員がそこまで居丈高な姿勢がとれるのか不思議だ。
 市は「教員の人事権は県の責任」という趣旨の発言もしたという。

 「県教委-浦安市教委-学校長」が一体となって被害家族に対峙してきた構造は、40億円県不正経理問題や60億円(株)かずさアカデミアパーク経営破綻問題と「公務労働の専門性」の欠如という点で、根底ではつながっている。教育現場はとりわけ憲法に定める基本的人権を踏まえた「高い道徳性」が求められる。

確定判決をもってしても「事実を認めて謝罪」をする姿勢を県が示せないならば、浦安事件の全容を明らかにするための第3者による調査委員会が設置されなければならない。

3月に策定した県教育振興計画では「教育立県ちば」をめざし子どもたちに「高い道徳性」を身につけるとしているが、その前に必要なことは教育関係職員が「高い人権認識」と「専門性」を身につけることだ。

2010/4/12 月曜日

海洋土木に要注目~2月県議会県土整備常任委員会報告③

 11日の「毎日」朝刊は、「マリコン」と呼ばれる海洋土木業者の政治団体「さんそう会」(71年発足)と国土交通省所管の社団法人「日本埋立浚渫協会」(61年設立、27社加盟)の一体化(事務所、会計責任者)の疑惑を報じている。

一体化は、①政治団体が特定議員(自民党旧二階派や旧運輸省OBの同党議員)に献金、②議員は省庁の受発注などに影響力を行使、③省庁幹部は公益法人に天下り、という「政官業」癒着の温床と指摘されている。
 
海洋土木と言えば、千葉県には海岸整備事業がある。
九十九里浜はここ30年の土木事業による人為的改変により侵食が進み、効果の疑問視される養浜事業と称する土木事業で景観を含め海岸の破壊がさらに進んでいる。
 3月16日の県土整備常任委員会で九十九里浜の海岸整備事業について質した。

・ヘッドランドや養浜事業に効果はあるのか?

【川本】東京湾アクアライン活用戦略にも、海岸整備事業として一宮海岸、南九十九里海岸のヘッドランド整備、養浜、休けい施設などで新年度3億5700万円が計上されている。そこで、3点伺う。
①砂浜の浸食を防ぐため整備事業個所についての事業毎の内容と予算額と今までの投入額、今後投入する額について伺う。
②ヘッドランドや養浜事業などの侵食防止事業の効果はどうか?
③景観面、生態系に与える影響をどう評価しているのか。

【荒木河川整備課長】
九十九里浜においては、砂浜の浸食を防ぐ海岸保全を目的にヘッドランドを主体とする侵食対策を1980年代から実施してきております。
 平成22年度当初予算では、海岸高潮対策事業により、北九十九里海岸で1億6800億円、ヘッドランド約70m、海岸侵食対策事業により一宮海岸で2億9800億円、ヘッドランド約80mと養浜工を実施する予定です。
 これまでに侵食対策に要した費用は、北九十九里海岸で約82億円、一宮海岸で約64億円であり、進捗率は55%です。
 また、残事業費は、北九十九里海岸で約70億円、一宮海岸で約50億円を見込んでいます。
主体となって行ってきたヘッドランドの整備効果は沖側に向かう離岸流を抑制し、沿岸漂砂量の7~8割程度を制御し、砂浜の浸食速度を低減させることが目的です。
一宮海岸ではヘッドランドの縦堤を10基全て着手しており、横堤部が完成した2-3号ヘッドランド間では基部に砂の堆積がみられ、安定化してきています。
 しかし、ヘッドランド間の中央部では充分な砂浜の回復が見られないことから、平成21年3月に策定した「南九十九里浜養浜計画」に基づき、片貝漁港や太東漁港の堆積している土砂などをサンドリサイクルし、砂浜を回復するための養浜工を進めることとしています。
海岸侵食対策として昭和50年代までは、離岸堤や緩傾斜護岸などを実施してきましたが、これらを比較すれば、ヘッドランドは設置間隔が約1㎞と広いことや砂浜を護岸で覆ってしまうこともないことから、景観や生態系に与える影響は少ないと考えています。
一宮海岸では、平成17年度からヘッドランドと併せて養浜の試験施工を行った結果、そのモニタリング調査では生態系への影響を与えていないことが確認されており、平成21年度のモニタリング調査でもダンベイキサゴ(通称ナガラミ)が増えたことが確認されました。
今後もモニタリングを継続し、事業の効果及び生態系に与える影響を検証するとともに、地元の方々や海岸利用者など関係者と話し合いながら、侵食対策を進めてまいりたいと考えております。

【川本】一宮海岸を昨年視察して、2基あるヘッドランドの効果をこの目でみたが、侵食対策として確実なものではなく、親水空間としても危険ですらあり相応しくないことを感じた。そもそも侵食の要因は、ここ30年前後の間に行った人為的改変が根本的な要因である。ヘッドランドも含めてまだ実験段階であり、海岸侵食対策として不十分だと理解しているのかどうか。

【河川整備課長】ヘッドランドは縦堤を施工しており、部分的に横堤を着手しており、整備率は55%です。しかしながら、ヘッドランドの整備だけでは砂浜の回復はできないことから、養浜を始めています。ヘッドランドと養浜をうまく組み合わせて効果を見ながら事業を進めていきたいと考えております。

・生態系に与える影響は?

【川本】生態系に与える影響についてだが、アオウミガメの上陸や産卵への影響はどうか?
 また、ヘッドランドでできた砂浜の生態系はどうか?モニタリングは行っているのか?

【河川整備課長】養浜材は片貝漁港、太東漁港から持ってくる砂であり、もともと九十九里浜にある砂であることから、生態系へ大きな影響は与えないと考えています。
 新たに砂の付いた部分のモニタリングは実施していませんが、今後検討していきたいと考えています。

・セットバック(土地利用等の後退)を検討すべきでは?

【川本】保安林の過剰な前進に伴う海浜地の喪失の事例が南九十九里浜であり、海岸を含む土地管理システムが侵食問題の解決を妨げているという指摘もある。
  ヘッドランドによる侵食対策、養浜事業を、生態系の面でもしっかり評価し、抜本的に見直し、「南九十九里浜養浜計画」に記述されているセットバック(土地利用等の後退)を含めて検討すべきと考えるどうか。

【河川整備課長】砂浜を回復するために、まずは沿岸域での土砂の流れの回復を図ることが重要であると考えていることから、保安林との調整については、養浜の効果を検証後に必要に応じて行っていきたいと考えています。
セットバックにつきましても、養浜計画の中には今後検討をしていきたいとありますが、当面は養浜のモニタリング調査を確認しながら、侵食対策としてヘッドランドと養浜を進めてまいりたいと考えております。

【川本】セットバックについて、景観面からも検討すべきである。

dscf1136 11日開催された「市議・県議との意見交換会」(市民ネットちば主催)で40億円県不正経理問題について報告する

2010/4/11 日曜日

道路は維持修繕に予算を~県土整備常任委員会報告②

カテゴリー: 県議会

前原国交大臣は9日、高速新料金と高速道路の再検証結果を発表した。
千葉関連では、館山自動車道4車線化(総額280億円)が決定し、アクアライン社会実験の今年度(国15億円、県15億円)の継続が発表された。
高速新料金は、料金の上限を2000円(普通車)としたことで「無料化」の予算が大幅に削減され、料金割引の財源のうち1.4兆円を高速道路建設に回すという。
恩恵を受けるのは高速道路建設業者と長距離利用者となる。

どのような検証を実施したのか、詳細を前面開示してもらいたい。
新たな高速道路建設は凍結し、既存道路の維持管理・安全対策に重点を移す一方、疲弊にあえぐ公共交通機関の支援を行うべきだ。
道路特定財源が一般財源化されたが、県全体の道路予算のレベルに変化は見られない。

 さて、千葉県の新年度予算の道路直轄事業の事業費は345億円、内県負担は116億円で、内訳は以下の通り。
 
         事業費     県負担
圏央道     144億円    48億円
外かく道路   80億円     27億円
北千葉道路   25億円     8億円
国道357号   16億円     5億円
国道51号    3億円     1億円
その他改築    4億円      1億円
維持・修繕   44億円     13億円
その他     28億円     13億円

 一方、道路を造れば当然、維持管理・修繕をおろそかにしてはならない。
1.舗装道路修繕は、地域センター要望で476か所80億円に対して、2月補正を加えて新年度予算では52億円261か所で、額で65%、箇所で55%
2.交通安全対策箇所は、要望箇所・歩道192か所、交差点改良で39か所・74億円に対し、62億円、歩道116か所、交差点改良29か所
3.橋りょう修繕箇所は、22億円、112か所に対し、15億円、61か所

これらは100%つけるべきで、そのためにはあと47億円必要だ。
道路の維持修繕費で年間200億円は必要だ。

以下に3月16日の県土整備常任委員会での「道路行政」に関する質疑概要を紹介する。

・特定財源の一般財源化で道路予算は?

【川本】H22年度当初予算における自動車関係税は約482億円。H21年度から一般財源化された。一般財源化による新年度予算における道路整備財源の影響はどうか。H20年度、21年度と比較してどうか。

【大竹県土整備政策課長】平成20年度の道路整備関係経費は公債費を含めて、自動車関係税約470億円に対して、約1133億円です。
 また、平成21年度の道路整備関係経費は公債費を含めて、自動車関係税約445億円に対して、約1239億円です。
 平成22年度の自動車関係税は市町村への交付分を除いた約383億円ですが、公債費を含めると、道路整備関係経費は、自動車関係税を大きく上回っている状況です。

・道路の維持管理、安全対策の進捗状況は?

【川本】道路特定財源が一般財源化したが、道路関係予算は減少していないといえる。
千葉県は「道路特定財源について」文書において、暫定税率廃止による道路への影響(H19年度当初予算による試算)を明らかにしている。
 この中で、平成19年度時点で、緊急に行う施策として、
① 緊急に対策が必要な踏切133か所
② レッドゾーン1431か所の改善
③ バリアーフリー化率30.8%の改善
④ 建設後50年を超える橋梁数約220、10年後には約650橋この維持管理・更新
⑤ 耐震補強256橋
⑥ 舗装道路の修繕 H18年度は沿道住民からの苦情箇所1767件
があるとしている。
 これらの項目は、現状ではどの程度改善されているのか。また、新年度に必要な予算と、どの程度これが改善されようとしているのか。

【金谷道路計画課長】
① 県内で緊急に対策が必要な踏切は133か所あり、平成21年度までに37か所の対策が完了しています。改善度として割り返すと28%となっています。
また、新年度につきましては29か所において事業を予定しており、うち16か所が完了します。それを改善度にしますと40%を見込んでいます。 
 また、予算については、133か所には市町村の事業も含まれていますが、その中で、平成22年度の県事業は29億円となっています。
【安室道路環境課長】
② レッドゾーンについては、13年度から16年度の事故データによって算出したもので、1431か所ありますが、現在、事故危険個所を指定して対策を行っており、平成20年度から21年度の2カ年でレッドゾーン32か所を含む145か所の対策を行ったところです。
平成22年度については、約61億8300万円で145か所の整備をすることとしており、このうちレッドゾーンについては26か所となっています。
レッドゾーンの解消については、交通安全対策事業だけでなく、道路改良やバイパスの整備による交通の分散、交通管理者による対策などと併せ、相互に連携して総合的に対策していくことが、必要であると考えています。今後も連携を図り、対策に努めていきたいと考えています。
③ バリアフリー法に基づいて、市町村が策定する基本構想における特定道路のバリアフリー化率については、今年度はまだ集計していませんが、平成20年度末は、特定道路延長に対して35.9%となっています。
平成22年度は基本構想策定済みの市域における県管理道路の特定道路のうち0.4㎞を7400万円で実施する予定であり、県管理道路の特定道路においては、船橋市と市原市の2市が完了となる予定です。
④ 平成18年度から20年度に橋梁点検を実施しており、補修等の対策を行っています。対策については、建設後50年を超える橋梁に限らず、損傷度の激しいものから補修を行っており、平成22年度は当初予算8億円と平成21年度2月補正予算と合わせて10億3千万円で57橋の対策を行う予定です。
なお、平成20、21年度の2カ年で94橋の対策を実施しております。
現在「長寿命化修繕計画」を策定しているところであり、策定後はこの計画に基づき、対策を実施していくこととしています。
⑤ 耐震補強については、平成21年度末で176橋が完了しており、平成22年度は、14橋を予定し、当初予算7億2300万円を計上しております。
⑥ 舗装に関する苦情については、他機関との調整を要するものや、年度末に寄せられたもの以外は、年度内に対応してきているところです。
  苦情については、年々減少しているところであり、今年度については、2月末で1300件あり、このうち95%に当たる約1200件について、対策を実施しています。
  平成22年度については、当初予算43憶3700万円で2月補正予算と併せ52億3700万円にて、舗装の修繕を実施し路面の管理に努めます。

2010/4/10 土曜日

アクアライン社会実験と木更津市の地域振興~2月県議会県土整備常任委員会報告①

カテゴリー: 県議会

 9日朝刊は、神奈川県の不正経理問題で、神奈川県警が県税務課の元職員2名を4千万円の詐欺容疑(預け→プール金の私的流用)で逮捕したことを報じている。

 一方、千葉県の不正経理4月1日のブログで、内部告発に基づき県職員生協(理事長は県総務部長)に「供給未収金(請求控)」の写しの提供を求めたことを記したが、6日夕、生協副理事長の須藤英徳氏より、「生協内で検討した結果、生協は民間業者と違いはないので開示はできない」との返事があった。

 県生協に派遣された2人の給与は県の一般会計から支出されており、その点からも県職員生協の事業に公務労働の側面が皆無ということはないと思う。オープンにして疑念を払拭すべきだ。

●アクアライン社会実験と活用戦略

木更津市の最新(98年見直し)の目標人口は、2015年に17万人(1973年の当初は34万人)、それに対し、10年2月現在の人口は、127826人(04年122807人)である。人口が増加しているというが、97年12月アクアライン開通時(122000人)と比較すると6000人程度増加したに過ぎない。

 アクアラインが開通した97年と5年後の02年の比較では、木更津市の卸売・小売業は年間販売額で540億円減16%減となっている。「半島性の脱却」政策が木更津の優位性を失わせ商圏の縮小を招き、アクアラインによるストロー効果により、対岸の川崎に事業所が吸収統合化されていく。(「東京湾横断道路の木更津市地域経済への影響に関する実証分析」川村久幸、安田八十五、関東学院大学「経済系」第223集、2005年4月) 

金田地区への三井不動産による全国最大級のアウトレットパーク(敷地21ha、12年春一部開業)進出計画について、木更津市長は「地域の活性化につなげたい」と張り切っているというが中心市街地の一層の疲弊が進みことが容易に推測され、周辺地域ではアウトレットパークそのものも過剰気味である。地域振興も外部資本頼みの「競争」信仰から「共生」へと頭を切り替える必要がある。中心市街地は文化継承の中心地でもあり地域文化そのものが衰退する。

 2月県議会の県土整備常任委員会で、アクアライン社会実験と活用戦略について質したので以下に質疑概要を紹介する。
 
・アクアラインの交通量はすでに飽和状態ではないか?

【川本】15億円を財政調整基金から海のものとも山のものとも不明な社会実験投入することの問題点、地方財政法上の疑義、23年度はどうするかなどの課題については、すでに代表質問、予算委員会などで指摘された。
 一方、社会実験の結果が確定したものが出されていないにもかかわらず「料金引き下げの効果を県経済の活性化や地域振興に確実に結び付けていくため」として、行動計画が示され、その中に県土整備部所掌の様々な新年度事業が列挙されている。
そこで、社会実験とその活用戦略について伺う。
 アクアライン料金値下げ社会実験の中間報告についてどう評価するのか。

【金谷道路計画課長】中間報告に向けて協議会の中で議論しております。データを含めてとりまとめている最中ですが、社会実験の成果については、交通、観光、企業立地、物流、環境の観点から検証することとしており、この中で年度内に定量的に効果が把握できるものについて中間とりまとめを行っていきたいと考えております。
まず、交通分野では、社会実験開始から2月末までのアクアラインの交通量が前年比で5割増加、特に大型車が倍増しているなど大変順調に推移しています。
アクアラインの上下線別の利用状況として、木更津側への下り線と、川崎側への上り線の午前中における交通量の比率が、小型車・平日で約6・4、休日で約7・3となっております。木更津側への比率が大きいことから、対岸川から千葉県に来られる方が多いと推測されます。
また、観光分野では、千葉県に旅行した方へのアンケート調査によれば、約4割の方が千葉県への旅行頻度が増加する、または、増加したと回答し、アクアラインを利用した方の約半数が、料金値下げ分で飲食代やおみやげ代を増やしたと回答しており、一定の経済的な効果が現われているものと考えています。

【川本】アクアラインは土日と盆休みで4万5千台では渋滞が発生しており、平日は2万6千台程度に落ち着いている。
片側2車線でスムーズに走れるのは4万台から5万台が限界ではないか。
平日は増える余地はあるものの、全体としてアクアラインの交通量の大幅な増加は見こめないのではないか。

【道路計画課長】今後の交通量の予測は、道路だけで交通量を議論するのは難しく、むしろ千葉県側の観光、企業立地動向などに左右されるものでして、議論は控えたいと思います。
一方、アクアラインの渋滞について、日交通量が45000台などになり連休中で渋滞が発生していることは事実です。日交通量についてもデータをとって分析しているところですが、時間ごとの交通ピークに注目すると1時間あたりで2500台集中しますと速度が低下して渋滞が発生するというメカニズムが見えてきています。
今までも渋滞対策として海ほたるでの駐車場を拡大したり、トンネン内でも速度低下しないように注意喚起をしたりしておりますが、これらのデータをもとに発生するメカニズムについて、社会実験協議会のメンバーと調整し、今後に備えて効果的な渋滞対策を検討してまいります。

・湾岸からのシフトは?交通需要のコントロールを

【川本】湾岸からのシフトと渋滞解消、大気環境の改善が国の協力の大きな前提だった。
しかし、全体として湾岸(東関道と京葉道)の交通量が2%台の減ということだが、これで、今回の社会実験が湾岸へのシフト、大気環境の改善に効果があるといえるのか。
むしろ、社会実験が公共交通の利用から車利用を促しているのではないか?

【道路計画課長】 湾岸部について、効果を期待しており、ETCデータで過去に湾岸部を通った車両がアクアラインに転換したことなど、車両等を特定してデータの分析を行っているところです。
 また、アンケート調査ではアクアラインを利用した方が、従来は湾岸ルートを利用していたがアクアラインルートへ転換したと回答を得ています。
 ETCデータ等を用いた分析により、アクアラインへの交通の転換と湾岸部の交通との関連について調査しているところであり、これらの分析・調査を深めながら、交通転換が湾岸部の渋滞緩和や環境改善にどの程度寄与しているか、把握してまいりたいと考えております。

・金田地区開発は住宅地供給過剰に拍車をかける

【川本】11年度以降、国策として800円化を求めるのであれば、「無政府的な車需要」ではなく、交通需要をコントロールする施策が求められることを指摘しておく。
 次に、アクアラインの活用戦略の一つである金田地区開発事業と木更津地域の地域振興について伺う。
金田東と西あわせて2万戸の住宅地を造るとしており、アクアライン社会実験の効果で高まる土地需要の受け皿になる用地を早期に確保する必要があるとあるが、そもそも木更津市の住宅地の供給需要はひっ迫しているのか。

【松井都市整備課長】木更津市においては、木更津駅の東側を中心に21地区で区画整理により整備が進められ市街地が形成されているところですが、現在施行中の地区は金田2地区を含め3地区となっています。
 金田地区については、羽田・横浜・東京に近いということから、広域性の高い交通利便性を活かした商業や流通機能などが集積する拠点の形成を目指して整備を進めているところです。
 金田の住宅用地については、アクアラインの着岸地としての高いポテンシャルや対岸地に無い自然環境が豊かであるなどの地域特性に加え、東京方面への高速バスターミナルを利用できるということで新たな土地需要が見込まれると考えています。

【川本】住宅需要がひっ迫しているかについては回答がなかったが、木更津の既存の区画整理事業23地区の計画人口は13万8千人で、以前からの6万3千人を加えるとだいたい20万人となり、2月時点の市の人口が12万8千人であることを考えると今回の金田地区がなくとも十分余る。その辺にもチェックを入れてバランスを取った上でやらないと、社会実験だからいいというものではない。

【都市整備課長】既存の内陸部での開発は完成していますが、入居の状況は良いとは言い難いと思います。ただし、金田地区はアクアライン着岸地としての場所・地域特性を活かした開発と考えています。

【川本】金田地区開発は住宅地供給過剰に拍車をかけるものだ。

2010/4/8 木曜日

在沖米軍1万8000人の根拠はない

カテゴリー: 活動日記

 7日朝8時半前に家を発ち、蘇我インターから館山道に入り、木更津に向かう。昼食を含めて午後1時半頃まで、木更津市民ネットワーク主催の県政報告会で40億円県不正経理問題を中心に、60億円(株)かずさアカデミアパーク破綻問題、アクアライン800円化社会実験の課題・問題点を話し、参加者から質疑を受ける。

 アクアライン社会実験について参加者から、日曜の夜7時頃、アクアライン下り線を走行中、砂をこぼしながら産廃か残土をつんだトラックと併走した、タンクローリー車は本来走れないハズなのに走行が目立つ、などとの指摘が寄せられた。大型車が増加しているというが、実態を把握・分析する必要がある。

 報告会後、降り出した雨の中、市から民間への売却が決まった駅前ビル(元そごう)、駅前商店街を少し歩く。その後、木更津郷土博物館金のすず(旧・県立上総博物館)を訪ね、膨大な空き地の目立つ土地区画整理事業地を経由して、かずさアカデミアパークまで足を伸ばし(株)かずさアカデミアパークの施設(オークラアカデミアパークホテル、店舗など)の様子をサラッと見て歩く。

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木更津駅前の元そごうビル、民事再生を申請した(株)かずさアカデミアパークが経営する店舗、ホテルがはいる建物(4月7日)

● 普天間代替施設が必要な根拠は何か?

 今日8日の「毎日」朝刊は、川内博史衆院議員による「在沖米軍1万8000人という数字の根拠はなにか?」「1万8000人は守屋(武昌元防衛事務次官)が出してきた数字だ。そのまま信じるわけにはいかない」との追及に対する「日本政府が言った数字で私たちの責任ではない」という在沖縄米海兵隊外交政策部(G5)のエルドリッチ次長の答弁を紹介している。
記事の中で、川内氏は「1万8000人にまったく根拠がないと米側が認めた」と語り、8000人がグアム移転したあとに残るという「『定数1万人』は普天間代替施設を建設するための大義名分だ」という宜野湾市の伊波洋一市長の指摘も紹介している。
普天間代替施設を必要とする根拠がますます疑わしくなった。

一方、米・新核戦略について、「NPT(核拡散防止条約)を順守しない国は核攻撃の対象となる」と圧力をかけることで北朝鮮をNPT体制に呼び戻し、イランに核開発を断念させるのが狙いだと報じている。(「毎日」8日朝刊) 
その北朝鮮の独裁体制を変える方策について来日中の黄長燁元朝鮮労働党書記は6日の東京都内で行われた非公開の講演会で拉致問題に関わる政府・自治体関係者を前に「中国を巻き込む形で中国式に改革開放に導くのがもっとも望ましい」と語ったという。(「毎日」7日朝刊)
発言の詳細を知りたいが北朝鮮への対応について考えさせられる発言だと思う。

2010/4/6 火曜日

「公務労働の専門性」はあるのか?!

カテゴリー: 活動日記

 6日早朝、久しぶりの「とけ・九条の会」の土気駅での駅頭活動で「メディアが報じない沖縄基地移設問題の3つのポイント」が見出しの会報(第31号)を配布する。
 3つのポイントとは
 ①在日米軍は米の軍事戦略のためにある。
 ②米政府自身が軍事戦略上、海兵隊の普天間からのグアム移転をベストと評価
 ③普天間の海兵隊のグアム移転と辺野古新基地建設は関係ない
 というものだ。

 普天間飛行場移設問題をめぐる動きについて、琉球新報・編集局長が「日本政府は米国の代理人と化し、各報道機関もこれに追随しているように映る。ゲームは敗戦ムード一色に包まれている」と述べている。(「毎日新聞」6日朝刊)

  一方、06年5月の日米合意(「ロードマップ」)で、小泉首相はグアム移転費60.9億ドルをはじめ260億ドル(約3兆円)の「米軍再編」費分担を引き受け、当時の谷垣財務大臣は、3兆円を「消費税導入でまかなう」考えを明らかにした。(06年8月3日)
 30年間で思いやり予算5兆円を日本政府は投入してきた。(「日本の軍事費~巨大なムダと利権」安保廃棄中央実行委員会)

 83年に当時のワインバーガー米国防長官は米議会で「沖縄海兵隊は、日本防衛のために割り当てられていない」と証言している。政権は交替した。新政権は、国民は普天間の現状を容認せず国内に移転先を設けることにも反対していること、それを政府として支持することを米政府にまず通告すべきだ。

● 問われる「公務労働の専門性」と不正経理問題

 4月前半は、県職員の異動で引継ぎ作業中ということで職員からのヒアリングを自粛する時期である。「空白」の期間があるということ自体問題だと思うが、1~3年毎に職務が変わるようでは各職員に経験に裏打ちされた専門性が身につくハズはなく、法令を狭く解釈し前例を踏襲するだけで終わってしまうように思う。
これでは、指定管理者制度やPFIなどの民営化の流れに抵抗することも、住民を味方につけることもできないのではないか。

 06年、地方自治法244条の改正で、指定管理者制度が導入され、公共施設の管理・運営を営利企業が権限を持って行うことが可能となった。「官から民へ」の規制緩和を促す小泉「構造改革」の一環として内閣府に01年4月設置された総合規制改革会議(議長:宮内義彦オリックス会長)が「公共施設・サービスの民間開放の促進」=「官業の民営化」、公共施設の「建設・所有」の民営化の推進を打ち出した(03年「規制緩和の推進に関する第三次答申」)ことと密接に関係する。
 宮内は、法を改正して道路、河川、下水道などの民営化も主張(03年1月、第25回経済財政諮問会議)しており、その先にあるのは金儲けのための自治体解体と市場化促進であり、不採算部門の切捨てである。(以上、「指定管理者制度~「改正」地方自治法244条の概要と問題点」東京自治問題研究所発行・参照)
そこには地方自治・市民自治も憲法に定める平等、生存権など眼中にない。だから宮内らは憲法の改悪を望んでいる。

 この流れに抵抗し、住民を味方とするために必要なものが「公務労働の専門性」だと思う。
 前掲の「指定管理者制度」にも次のように記されている。
「自治体労働者は特定の企業や一部利益集団に奉仕するのではなく住民全体への奉仕者です。自治体労働の主人公は自治体労働者と住民です。
住民の切実、多様な要求に的確・迅速に対応する専門的判断力や積極的な実践力が求められます。自治体労働者がその公務に求められる専門性を備えかつその職務を公共的に実践しているかが問われます。
その職務が公共的に実践されていないところでは民間委託に反対する力はでてきません。
その専門的な仕事の質において民間に見劣りするようでは、専門的公共性が発揮されない訳ですから民間委託の流れに抵抗することは困難です」(前掲書58頁)

不正経理問題の一つの要因は「公務労働の専門性」の欠如だと思う。しかし、内部から公務労働のあり方を見直す声は聞こえない。官公庁の労働組合は憲法問題と同じレベルで自らの「仕事の質」とその仕組みを問うべきだと思うがどうだろうか・・・。

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法事で帰省した折、足を伸ばして法隆寺、唐招提寺に行った。満開の桜とともに構造の美を堪能した(4月4日)

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