1日午後は、稲毛ネット事務所で開催された県政報告会で、40億円県不正経理問題、60億円かずさアカデミアパーク破綻問題、アクアライン社会実験について話す。
これでようやく2月県議会報告もひと段落した。
一昨日30日の午前は、地元の県政報告会で40億円県不正経理問題について話をし、午後は県議会の会派控室で、昨年度末の未完了の工事の繰越手続きを怠ったと26日に県が記者発表した5件の工事について県土整備部担当者からヒアリングした。
5件の内3件が国庫補助事業で、今回手続きを怠ったことにより、国からの補助金約800万円が県の負担となる可能性があるという。請負金額が5件とも5千万円未満のため、「千葉県建設工事検査要綱」の定めにより出先機関の検査監が検査を行うため、本庁には工事の進捗に関係する書類や情報は何一つ事前に提供されなかったとのこと。
遅延の理由が「天候不順」というのはともかく、なぜ工事の繰越手続きを怠ったのかが本庁の職員からのヒアリングだけでは判然としない。監理責任はどうなのか、連休後に出先事務所に足を運び、監理体制と監理の実態、工事現場の状況について直接確認することにした。
● 台湾の地方自治と議会
台湾は総統府の元に、行政院(日本の内閣に相当)、立法院、司法院、考試院、監察院があり、行政院会議には40近い機構の他、直轄市である台北市、高雄市も参加する。
台湾の政府は、①中央政府、②県、直轄市、③市町村、の3つのレベルがある。直轄市(政令指定都市)は人口125万人以上で、台北市(人口263万人、1967年に昇格)と高雄市(同152万人、同1979年)の2市がある。今年12月には、台北市と台北県(368万人)、高雄市と高雄県(124万人)、台中市(101万人)と台中県が合併し、3直轄市になる予定で、関連法令を整備中という。
法令は、1950年地方自治の政令実施、1994年直轄市自治法公布施行(直轄市長が公選制となる)、1999年地方制度法施行、と整備され、議員定数は地方自治法で人口150万以下は最大44名、150万超は上限52名と規定されている。

台北市議会(5枚)
高雄市政府
高雄市議会
・女性、原住民の参政権保障
女性議員数は、台北市議会52名中19名、高雄市議会44名中16名である。選出議員4名以上の選挙区では、必ず女性議員が1人含まれ、4名増えるごとに、さらに1名増える。台北市議会は6選挙区(定数7~11人)で、この規定により女性議員数は9名が確保されることになるが、実際は女性候補者が高位当選するので参政権保障規定は使用されていないとのこと。
また、台北市では居住する原住民の人口が4千人以上の場合、原住民の議席が確保される。
合併による今年12月からの新直轄市の議会でも、台北市66議席中4議席(山地原住民1、平地原住民3)、高雄市66議席中4議席(山地3、平地1)の割り振りの予定という。
今回、高雄市議会で対応いただき活発に意見交換した林国雄議員(国民党所属)は山地原住民の議員だった。また、高雄市の行政機構について詳細に説明いただいた高雄市政府顧問の潘春義氏も原住民出身である。排除性が強い日本の「他民族」政策のあり方を考えさせられる。
・「行政-議会」の分権
議会の権限は主に地方制度法第34条に定められている。
台北市議会でいただいた日本語パンフレット「台北市議会の話」(発行・編集:台北市議会)には、市議会議長の「民主制度の運営において「行政-立法」の分権原則に沿って、監督制の機能を発揮し、「議会は権限を有し、政府は能力を持ち、市民は利を得る」のトリプルウィンの局面を作り出してゆくことを、永続的に追求する目的としています」「地方議会は「地方自治」と「分権バランス」の原理に基づき、政策を適切に執行できる最高の制度を確立するものであり、質疑や専門的な調査、予算及び法案の審査などを通じて、効果的に市政府の施政を監督する」という言葉が紹介されている。
高雄市議会は議員44名に対し、議会事務局は160名で、事務局の人事権は議長がもっており、日本のような行政との頻繁な「人事交流」はなく、議会事務局は行政から独立している。
・議員の手当てと調査活動
①台北市 調査研究費12万元/月+秘書費24万元/月=36万元/月(約108万円)
秘書費を活用して秘書を4~6名雇用し、調査研究に力を入れる。(台湾の一般の公務員の給与は10万元/月(約30万円)程度)
議員はもともと別の職業で報酬を得、議員活動は無報酬であることが前提だが、調査研究費が実際は報酬化しているようだ。なお、台湾の物価水準は感触では日本の1/2~2/3程度と思われる。
議会棟には議員一人に50平方メートル程度の執務スペースが与えられており、私が見学した議員室は、議員個室、応接スペース、秘書用の事務テーブルが4~5セット配置された事務スペースで構成されていた。
②高雄市 調査研究費13万元/月+秘書費24万元/月=37万元/月(約111万円)
それ以外に費用弁償として2450元/日×140日=34万元/年(約103万円)がある。
対応いただいた黄柏霖議員の場合、7名の秘書と4名のアルバイト員を、林国雄議員は8人の秘書を雇っているという。費用弁償の140日とは、定例会が年2回開催され、1回の会期は70日からきている。
・市民の請願への対応と公聴会制度
地方制度法で、「市民の陳情は簡単に解決できる問題ならば、直接市政府へ移送し、多数の市民とかかわる重大な請願案なら、本会議で討論され、議会が意見を作成して市政府に執行させる」と定められている。
台北市議会では、市議会1階に市民サービスセンターが設けられており、毎日議員3名が市民請願を受理する任務についている。
「公聴会制度」が請願の審議に頻繁に利用される。高雄市議会では、議員一人の発議で、一人につき年5回(昨年度まで21回)まで開催できる。公聴会では発議議員が委員長になり、請願当事者と行政職員、専門家らを呼んでテーブルを囲んで2時間程度審議する。公聴会の経費として最大2万元(約6万円)/回の予算がついている。
・議案の質疑
「八百長と学芸会」議会はやはり日本に特有のもののようだ。
2つの市議会とも、質問通告制度は皆無ということはないようだが、少なくとも詳細にわたる通告はなく、議員の資料要求などにより内容を予測して対応するようだ。議会事務局の方も通告しないほうが「質問の効果がでる」と話していた。
行政側も相当な専門性が要求されるが、日本のような公務員の2~3年毎の人事異動はなく、「公務労働の高い専門性」を身につけることが台湾では保障されているようだ。
台北市では議員は6つの常任委員会のいずれかに所属するが、本会議場で行われる常任委員会ごとの「部門質問」では全議員(議長、副議長は除く)が質疑でき、質疑時間は答弁を含めて24分/人である。一般質問の質疑時間は答弁を含めて18分/人が割り当てられている。
ちょうど本会議場では教育常任委員会の「部門質問」が行われていたが、一問一答の激しい討論が行われていた。