成田スカイアクセスの時間短縮効果のウソ~JR成田エクスプレスや自動車の方が便利?!
5日付の「ちば県民だより」7月号の一面の見出しは、「世界の空へ、より速く、より便利に!」とあり、森田知事名で、成田スカイアクセス7月17日開業を、「東京都心と成田空港が最速36分で結ばれ、空港へのアクセス時間が大幅に短縮される」「千葉ニュータウンなど沿線地域では、住宅地やビジネス拠点としての大いに高まる」として、県内経済の活性化につなげていくと決意表明をしている。
「県民だより」2面でも、「都心と成田空港間を最速36分で直結します。現在最速51分かかっている所要時間が大幅に短縮され、世界の主要空港と並ぶ交通アクセスが実現します」とある。
しかし、現況の京成スカイライナー「日暮里~成田空港」間の所要時間51分が15分短縮する効果があるというにすぎず、主要都市からのアクセスが大幅に改善する訳ではない。
県は、主要都市からの乗換時間を加味したアクセス時間を、JR成田エクスプレス、自動車利用と比較して、きちんと提示すべきだ。費用便益がまともに検討された形跡がない。
私は、成田スカイアクセス、北千葉道路事業は、建設に値しない事業だと考えている。
●神奈川県報告書が率直に語る成田スカイアクセス事業への疑問
神奈川県は08年度、「成田~羽田超高速鉄道整備構想」検討調査報告書を作成したが、この報告書の中で、実は本来、千葉県が行うべき成田スカイアクセス(成田新高速鉄道)事業の効果を検討している。
「成田新高速鉄道開業後は、首都圏北部方面からのアクセス改善は見込めるものの、羽田空港や品川、横浜など首都圏南部方面からの所要時間の改善は見込めない。
また、東京駅と日暮里駅の所要時間が約10分あり、それに乗換時間を加えると、東京以南から成田空港へのアクセスする際には、JR成田エクスプレスを利用するほうが有利となっている」(同報告書20頁)
首都圏北部方面からのアクセス改善は見込めるとしているが、「リップサービス」の部類だ。
主要都市からの成田空港アクセスについても以下のように報告している。
(但し、JRは成田エクスプレス利用)
JR 自動車利用 スカイアクセス
羽田空港 91分 60分 93分
東京 53分 60分 57分
新宿 77分 68分 66分
横浜 90分 82分 93分
川崎 81分 62分 85分
さいたま ― 99分 86分(大宮)
成田空港への自動車利用者は50千人/日を超えており、鉄道利用者の倍近い。
この数値をみても、成田スカイアクセスが「まず建設ありき」の明確な根拠のない事業であることが明白だ。
なお、報告書では、「北千葉道路」についても成田スカイアクセスと同様、羽田空港や品川、横浜など首都圏南部方面からの改善効果は少ないと指摘している。(報告書25頁)
●アクアライン、圏央道など県内の大規模公共事業は、「まず事業推進ありき」
千葉県内で建設・計画中の圏央道がB(便益)/C(建設費)が限りなく0に近いことは6月県議会の県土整備常任委員会の報告で触れた。国交省がはじいた計算では、Bの大半が「その他道路」の「走行時間短縮便益」だが、実態を反映してはいない。
アクアラインもB/C は0.18と、建設に値しない事業であることを示している。(「東京湾横断道路建設プロジェクトの社会的費用便益分析による評価」安田八十五・川村久幸)
ところで、アクアラインは事業許可時の昭和62年、普通車料金4900円で、供用20年後の計画交通量の計画は64000台/日だった。
現在の社会実験では、45000台/日で大規模な渋滞となっている。そもそも片側2車線では物理的に64000台/日は不可能な値だった。
また湾岸の渋滞の大幅解消を口実の一つにはじめられた昨年8月からの社会実験だが、そもそもスームズな交通量として4万台/日が限界のアクアラインに10数万台/日の湾岸ルートの大幅な渋滞解消を求めること自体が無理な話だ。
成田スカイアクセス事業も、こうしたアクアライン、圏央道と同様、デタラメが独り歩きしているように思う。

【写真】3日午前に鎌倉市内で開催された「安全協定づくりワークショップ(住民案をつくろう)」(主催:武田薬品と住民との安全協定を推進する会)で、94年に締結した昭和電工と千葉市土気地域の町内自治会との住民協定の内容と運動の経験を報告した。ともかく鎌倉ネットの女性パワーに感心した。
藤沢市と鎌倉市にまたがる武田薬品研究所用地内で、武田薬品は日1トンの実験動物を焼却する計画だそうだ。周辺はマンションなど住宅の密集地だ。煙突から出される排煙は確実に周辺住民に再利用される。焼却される動物の体内には放射性物質を含むさまざまな化学物質などが含まれると思われる。その他、実験室からの大量の排気もばらまかれる。