2010/3/6 土曜日

県幹部の不作為責任を問い、国庫返還金全額の負担を求めるべき

カテゴリー: 県行政, 県議会

  4日で一般質問が終わり、舞台は実質的な審議の場である来週の予算委員会(8日~10日)、常任委員会に移る。5日は10時から16時前まで、16日の県土整備常任委員会、24日の県都市計画審議会の準備のため関係課からヒアリングする。情報提供量を最小限にしようとする姿勢が垣間見える。

 ともかく県から渡された予算書はそれだけでは具体的に何の事業をいくらで実施しようとするのか、その予算額が適正なのかまったくわからない代物だ。県の幹部も予算書だけでは理解できないだろう。よくこれで歴代の議員が毎年の予算書をチェックできたものだと思うが、まともな審査を実施してこなかったのが実態だろう。県民に説明責任を果たすべき県議会は当局に対し徹底した情報開示と議員でも理解できる予算書(決算書もそうだが)の作成を求めるべきだと思う。

 さて、26日の小宮清子県議の代表質問で不正経理問題の質疑応答の概要を以下に紹介する。02年度以前の不正問題に蓋をしたことがコンプライアンス意識の欠如を招き、膨大な国庫返還金を生んだことは間違いない(蓋をせず利息を含め職員に50億円の返還を求め、諸施策を講じた秋田県との比較から明らか)ことから、国庫返還金は全額職員が負担すること、帳簿未提出による使途不明金は全額不適正に算入して職員返還金を算出すべきだ。これにより超概算だが約6億円返還金が増える。
 
【参考】2月26日小宮清子県議代表質問から「不正経理問題」の質疑応答概要

●業者帳簿の写し、「様式3」の情報提供を
【小宮清子県議】地方自治法に基づく二元代表制の下、県民に対し競って説明責任を果たすべき知事と議会が情報共有することが大原則であり、不正経理調査についても10月22日の第1回の特別委員会でそのことは確認されています。
ところが、不正経理調査の一番の基本となる文書すなわち、業者帳簿の写し、及びそれを所定の書式に整理しなおした「様式3」を県議会特別委員会に提出することを県は一貫して拒否してきました。拒否する理由は、議会には出さないことを県が業者と約束したというものです。
しかし、県が業者に「調査目的のため」として帳簿の提供を求めた昨年3月の依頼文書は、「知事部局だけで使用し、議会には出さない」ことを約したものではありません。また、「様式3」も業社名を不開示とすれば、何ら業者にとって支障ないものです。
 つまり調査を目的とした特別委員会であるにも関わらず、提出を拒否する明確な根拠が示されることなく、情報提供が拒否されています。特別委員会において業者帳簿及び「様式3」を議会に提出しないことは知事の判断によると小宮部長は答弁しています。
そこで知事に伺う。
① 特別委員会に不正経理調査の一番基本となる業者帳簿の写し及び「様式3」を提出しないことについて、明確な根拠が示されていないことをどう考えるか?
②また、そのことは地方自治法に基づく二元代表制に反し議会軽視も甚だしいと考えるがどうか?
③知事が、この場で業者帳簿の写し及び「様式3」の情報提供を決断すべきと考えるがどうか?
【石渡副知事】業者帳簿の写しについては、今回の調査に関する目的以外に用いないことを条件に、業者から提出の協力を求めたものであり、こうした業者の協力なくして今回の調査は成し得ませんでした。また様式3は、業者帳簿を転記したものであり、帳簿と同様に、公表することは差し控えさせていただきたいと判断したものです。
 議会へはこれまでに、不正経理調査特別委員会や決算審査特別委員会の場に、できる限りの資料を提出し、真摯にご説明をさせていただいたつもりでおります。

● 帳簿提出のない業者にペナルティを課して提出を促すべき
【小宮清子県議】12月18日の県の追加報告書によれば、調査対象額のほぼ3分の1にあたる約23億円もが業者帳簿の未提出が主な理由で、突き合わせができず不明となっています。
法人税法に定める業者の帳簿書類保存期間は7年であり、帳簿がないならば、県が取引するに値しない事業者ということであり、あるのに出さないということならば、不適正処理が強く疑われます。本来、業者帳簿の提出がないものは全額を不適正処理とすべきです。
しかし、この突合できない額約23億円からプール金、不適正処理額、返還額を推計するに際し、県はプール金はゼロとし、突合できた額の適正、不適正の比率をそのまま適用し、概略7割を適正とし、残りの約3割を不適正としています。
23億円を100%不適正処理額に算入すれば、県への返還額は概算で約2億円の増となります。
このことは、県民の損害回復を最優先するのであれば、帳簿を出さない業者に対しペナルティを課してでも帳簿の提出を強く促すことが必要であることを示しています。しかし、県は業者にペナルティを課すことを最初から放棄してきています。
県及び県民の損害回復を最優先するのであれば、帳簿を提出しなければ今後県との取引を停止することを通告し、帳簿未提出の業者に帳簿の提出を強く促すべきと考えるが、知事の見解を伺う。
【石渡副知事】今回の調査では、実態解明のために、業者帳簿を入手する必要があったことから、業者に対し、何度も電話や臨戸訪問して協力を依頼するなど、できる限り帳簿の提出を求めてまいりました。
 長年にわたるこのような不正経理の実態については、第一義的には県職員が責任を負うべきものと考えており、協力の得られなかった業者に対し特別な取り扱いをすることは考えておりません。
 また、地方公共団体にも適用される「政府契約の支払い遅延防止策等に関する法律」第3条では、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結することとなっており、帳簿を提出しなければ、県との取引を停止することを通告するようなことは、適当でないと考えています。
 しかしながら、平成21年10月6日に、「千葉県物品等指名競争入札参加者指名停止等基準」を改正し、不適正な経理処理に関与した場合には、1か月以上9か月以内の指名停止等のペナルティを課すことを明記したところであり、今後、厳しく対応することとしております。

● 国庫返還金は全額を職員が返還を
【小宮清子県議】 国庫返還金6億2900万円の内、3億9千4百万円を県民負担としていますが、これは県民にとって「税金の2重払い」に他なりません。国庫返還金の加算金を職員が負担するのであれば、当然この3億9千4百万円も職員が負担すべきと考えます。お答えください。
帳簿提出拒否分についてこのまま業者にペナルティを課すことなく放置するのであれば、帳簿未提出分を100%不適正処理として返還金を算出しその増額分を職員が返還すべきと考えます。お答えください。
【石渡副知事】 国庫返還金については、不適正な経理処理により生じたものであり、本来は全額職員等が負担すべきものでありますが、納品されたものが業務に使用されている場合には、県への実質的な損害が無いものと考えられるため、職員負担と同様の考え方により、全額あるいは90%については、「職員負担なし」としたところです。
また、可能な限り公平性と客観性を担保するため、業者帳簿により突合できた部分の部局ごと・年度ごとの不適性額を推計し、その額を「a」~「g」の分類ごとの出現率によって、不適性処理額を算定したものです。
いずれにしましても、この推定方法については、外部審査委員会において慎重に審議いただき、了解をいただいております。

● 02年度以前の数十億円規模の不正経理に対する道義的責任について
【小宮清子県議】2002年度以前の不正経理分については、帳簿類がないとして県は当初から詳細に調査することを放棄しています。2003年度当初のプール金が3億4千万円であることは、2002年度以前から少なくとも2003年度以降と同様の不正経理が行われていたことを示しています。沼田県政時代の97年1月の内部告発文書は、96年度までに50億円を楽に超える官官接待、カラ出張などが行われてきたことを指摘しています。
 少なくとも数10億円規模の県民への返還義務のある不正が2002年度以前に行われた可能性が高いといえます。全国市民オンブズマン連絡会議が97年12月に実施した調査によれば、46都道府県の内28都道府県が自主調査を行い、不正額は総額400億円を超えました。
 沼田知事が、厳格な自主調査を指示しておれば今回のような事態が回避された可能性があると12月県議会で小宮総務部長は答弁していました。
 そこで知事に伺います。
 今回の不正の規模、根の深さは、1990年代の不正に蓋がされたことがルーツと考えるが知事の見解を伺う。
【森田知事】90年代の不正経理問題に係る内部告発について、当時、真摯に対応できなかったことも一つの要因であったと考えていますが、やはり、職員の意識の中に、法令を遵守するというコンプライアンス意識が著しく欠如していたことが、最も大きな要因であったと認識しています。
 また、県庁全体において長年の慣習や前例踏襲により、組織的に不適正な経理処理が行われており、内部けん制機能がほとんど働かない体質であったことも大きな要素と考えています。
【小宮清子県議】2002年度以前の数10億円規模とも言われる不正について県民への1円の返還もありません。一方で、帳簿類がなくても経理担当職員へのアンケート調査等により返還額を推計した岐阜県に見習おうともしません。知事は2002年度以前の不正についてその真相を明らかにし県民への道義的責任をどのように果たそうとしているのか伺う?
【森田知事】平成15年度当初に業者プール金があったことから、平成14年度以前にも不適正な経理処理があったものと推測されます。
 しかしながら、14年度以前の調査につちえは、県の支出証拠書類も保存されておらず、また、業者からの協力も得られる見込みが無いことから、客観的資料に基づく全庁的な調査は困難であると判断せざるを得ませんでした。
 ただし、今後、不適正な経理処理をしていたことが明確である証拠が判明した場合には、特別監察室において確認調査を実施し、適切に対応してまいります。

● ウミを出し切る調査は行われてはいない
【小宮清子県議】 今まで指摘したしてことも含めて次の調査が行われてはいません。
・突合できなかった約23億円の内、業者が提出を拒否している帳簿内容
・2002年度以前の数十億円規模の不正経理について業者及び職員への調査
 業者には電話で確認しただけで、書面による協力の依頼も対面での調査も実施されてはいない。
・通帳の存在(10年以内)が確認できた14の預金口座のデータの提供を金融機関に求めること
 これらは実施しようと思えば直ちにできることです。にもかかわらず知事はウミを出し切ったと県民に対し胸を張っていえるのか伺う。
【森田知事】 県として、出来る限りの調査を行い、36億6千万円にのぼる不適正な経理処理の実態を報告させていただきとともに、特に悪質な行為者に対する告訴や2千名を超える職員の処分、県に与えた損害額約9億円に係る職員からの返還方法等をお示ししたところです。
 また、「森田県政ではこのようなことは決して許さないし、決してやらせない」という強い信念のもと、直ちに再発防止に向けた職員の意識改革や内部けん制の強化などに取り組んでまいりました。
 私は、県民や議会からいただいたご意見やご提言を真摯に受け止め、今後も、再発防止策を着実に実施してまいります。
 そして新年度から、前向きな県政を職員一丸となって、県民のために一生懸命に取り組む、それが私の千葉県の未来に対する責任であると思っております。
【小宮清子県議】県は情報を隠している。これまで調べてほしいといったことをあげてきたが、何の遠慮もなくやるべきだと思うがどうか。
【森田知事】私が「ウミを出し切る」と申し上げてきましたのは、長年の慣習や前例踏襲によって、過去から県庁の組織全体で続けられてきた不正経理の実態であります。
 私は、この「ウミ」を徹底的に出すために出来る限りの調査を行い、この問題のガン、最も悪性な腫瘍となる部分については取り除いたと考えております。
 現在残っている預金通帳の14年度以前の金融機関への照会、14年度以前の職員へのアンケート調査、14年度以前の業者への再協力の依頼など、14年度以前の調査につきましては、県の支出証拠書類が保存されておらず、業者からの協力を得られる見込みも無いことから、客観的資料に基づく全庁的な調査は困難であると判断せざるを得ず、そういった中での調査は難しいと思っておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
【小宮清子県議】知事は、組織的原因は何であると理解しているのか。どのような追求、どのように組織の改善がされたと考えるのか。
【小宮総務部長】県庁全体において、長年の慣習や前例踏襲により組織的に不適正な経理処理が行われておりまして、内部けん制機能がほとんど働かない体質であったということが大きな原因であると思っております。
 改善策につきましては、特別観察室を設置し、外部のコンプライアンス委員会を設置し、様々な経理処理についての改善、オープンカウンター方式の導入等を行っております。
【小宮清子県議】知事は、使途不明額の率が突出して多い総務部の中にある公益通報制度、特別監察室が有効に機能すると考えているのか。
【小宮総務部長】そうしたことがないように組織的に不正な経理を行わないということで全庁的にコンプライアンス意識を高めてやっておりまして、ご指摘の点につきましては、ご懸念は十分理解いたしますので、今後、コンプライアンス委員会といった外部の先生方の意見も内部告発制度についてはお伺いしながら、有効に特別監察や内部告発制度が機能するように努めてまいります。

● 2月18日に届けられた内部告発文書を調査すべき
【小宮清子県議】知事は内部告発文書についてしっかり受け止めて調査するのかどうか。
【小宮総務部長】一部調査をする必要があるところがございましたので、調査をいたしましたところ、その点につきましては、既に我々が行いました不正経理の調査の中で抽出調査をすでに終わっておりまして、そうした中で不正な問題はなかったということでございましたので、そのことを含めましてご指摘の告発文につきましては調査を行うつもりはございません。
【小宮清子県議】今回の内部告発について、なぜ、県の調査をしないとの結論にこんなにすぐ至ってしまったのか。森田県政では許さないと言っているが許してしまっているのではないか。
【小宮総務部長】内部告発文書につきましては、さきほど申し上げましたが、私が拝見した告発文書は、特段新しい事実はございませんで、私が承知しておりません1点につきあましては確認いたしましたところ、既に調査を行っておりましたので、今回新しく追加で調査を行うということは考えておりません。

(注記)「一部調査」の内容を後日確認したところ、職員生協と県土整備政策課との支出伝票、帳簿の突合せを行っていたというものだった。職員生協と他の部局・課について突合せは行われてはいない。

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