2010/3/7 日曜日

本の紹介「国立感染研は安全か~バイオハザード裁判が予見するもの」(緑風出版)

カテゴリー: お知らせ, 県行政, 県議会

 各地でバイオ施設(病原体、遺伝子組み換え、動物の実験研究を行う施設)の計画・建設について生物災害(バイオハザード)を危惧する地元住民による異議申し立てが相次いできた。
 その原点ともいうべき東京都新宿区戸山の国立感染症研究所の実験差し止め裁判(1989~2005年)の記録をまとめた本「国立感染研は安全か~バイオハザード裁判が予見するもの」(編著・国立感染症研究所の安全性を考える会、緑風出版、4000円+税)が出版された。
 
私は「第2章」の半分と「第7章」を担当し、遺伝子組換え生物等規制法令、改正感染症法令の問題点を指摘し、「資料編」でそれらに代わる法条例試案を示した。争点の一つのWHO指針・勧告内容とともに住民にとって理論的支えとなるもので、是非ご一読いただきたい。

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(本の紹介)
国立予防衛生研究所=現国立感染症研究所が早稲田大学文学部の真裏、閑静な住宅地である新宿区戸山に移転してくることが突然、周辺住民、早大に伝えられたのは1986年のことである。まさに寝耳に水の話だった。この施設がどのような性格の研究所で、実際にどのような活動を行っているのかが明らかになるにつれて、住民と早稲田大学教職員の疑念と不安は高まった。88年には建設工事着工が強行され、これに対して住民と早大教職員は89年、国を相手に移転差し止めを求めて東京地裁に提訴を行った。2001年に原告敗訴、東京高裁に控訴し、03年にまたも原告敗訴、最高裁でも05年上告が棄却された。本書は、最高裁が「取り返しのつかない惨禍」を生み出しかねない危険を指摘した本裁判の記録であり、全国で繰り広げられているバイオ施設、病原体研究施設の建設反対運動の理論的支えとなるものである 本編は地方裁判所の判決以降を中心に住民たちの活動を総括したものである。

(目次)
第1章バイオハザード裁判とは?
第2章法廷においてバイオハザード裁判はどう闘われたのか
第3章科学者はどう行動したか
第4章国際社会におけるバイオハザード予防と枠組み
第5章バイオハザード裁判の本質
第6章バイオハザード裁判が予見したこと
第7章今後の課題
第8章座談会(原告たちの声)
資料編

【参考】2月26日小宮清子県議代表質問から「第三セクターかずさアカデミアパーク経営破たん問題」の質疑応答概要

● 60億円損失の歴代幹部の責任をどう問うのか?!
【小宮清子県議】1月25日、県開発の拠点の一つで木更津市、君津市両市にまたがる研究開発都市「かずさアカデミアパーク」の中核施設を経営する第三セクター(株)かずさアカデミアパークが千葉地裁に民事再生法の適用を申請しました。この経営破たんに伴う県の損失は60億円です。
 翌日の新聞は「バブル期の計画 甘さ露呈」「税金穴埋め途絶え」「借金体質克服できず」「歴代社長は県職員・OB」などの見出しで報じました。
 そこで以下伺います。
第三セクターは91年に創業以来18年間赤字の連続であり、県は2004と2005年に損失補償約8億円を行い、返済される見通しがたたないにも関わらず2006年から毎年約4億円を4年間にわたり貸し付けてきました。また、地代の8割を県が負担し、最大出資者として、歴代社長に経営能力度外視で県職員・OBを派遣するなど、さまざまな支援を行ってきた。
一方、第三セクターはホテル運営を委託したホテルオークラに対し、指導料などの名目で年間6千万円を支払っています。
 こうした無責任きわまりない県施策の結果、破綻に伴う県の損失つまり県民に約60億円の負担を与えることについて、知事はどうとらえ、歴代県幹部の責任をどう問うつもりなのかうかがう。
【森田知事】かずさアカデミアパーク構想は、東京湾アクアラインの効果を広く県内に波及させ、地域の活性化を図るため、県の重要施策として進めてきたものと聞いております。県としては、その時点時点において、適切な判断をしてきたものと考えています。
 今、私に課せられた使命は、これまでの投資を無駄にしないため、同社が、民間の経営力を活かした自立した会社として再生できるよう、最大限の協力をしていくことだと思います。

● 経営破たんの背景に、計画の無謀さと批判を封じ込んだ隠蔽体質がある
【小宮清子県議】県は、研究開発拠点づくり、つまり「かずさアカデミア構想」に09年までに1100億円を投入してきましたが、民間用地149㌶のうち66㌶が未利用のままです。県の借地料の負担は転貸料などを差し引いても19年間の累積で100億円を超えます。
 こうした企業立地が進まないことが今回の破綻の要因とされていますが、そもそも房総半島の山中に第一級の研究所を集めること自体が無謀な計画でした。
 実は研究開発拠点計画自体が、東京湾横断道路建設をにらんで土地を買い占めて経営難に陥っていたJ・D社(ジャパン・デベロップメント)に対する当時の沼田県政による救済策と批判された経緯があります。J・D社は県より先に「学園研究都市構想」を示し、県幹部もJ・D社に天下りしていたことも指摘されています。
 今回の経営破たんの背景に、「かずさアカデミア構想」の計画の無謀さ、県庁内の良識ある批判を封じ込んだ「隠蔽体質」があると考えるがどうか。
【森田知事】かずさアカデミアパーク事業は、かずさ地域また県南地域の振興にとって極めて重要なプロジェクトとして、県の総合計画や予算に位置づけ、議会、地元市、経済界も含めて多くの方々にご賛同をいただきながら進めてきたものと聞いており、私もそのように理解しております。

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