2010/8/9 月曜日

住宅政策と福祉政策の連携をどうするか~第1回千葉県住生活改定検討委員会を傍聴して

カテゴリー: 県行政

 ホームレスや「年越し派遣村」などの貧困問題や震災時の「住宅災害」などは、住居問題を「人としての尊厳」「人権」として位置づけることを求めている。

住宅政策について、昨年度の県土整備常任委員会で私は、居住のセーフティネットの確保及びトータルの社会コストの面で、民間市場にまかせるのではなく地域住宅政策における自治体の責任=住宅政策の拡大充実が強く求められていること、そのためには福祉部門と連携するとともに住宅不足の実態をきちんと把握すること、さらに国に対し公営住宅の予算の増額を求めることが不可欠であることを主張した。そして住生活基本計画の見直しにあたっては当事者の参加、県民に開かれた手続きの中で行うことを求めた。

 6日午後、その住生活基本計画を見直すための「第1回千葉県住生活改定検討委員会」が開かれた。学識経験者5名、民間有識者6名、関係機関4名の計15名だが、県から委託されたコンサルが実務作業を行うようだ。「千葉県の住宅事情の現状および住宅施策の課題等について」という39枚のスライドはこのコンサルによって説明が行われた。
 正直言ってこの柱となる部分について職員自ら説明しないことに驚く。これではプロとしての職員は育たないし、職員も働き甲斐がないだろうと思う。コンサル丸投げの業務のあり方を、全庁的に職員の育成・働き甲斐の確保という観点から抜本的に見直すべきだ。

 ところで、委員の中の民間有識者の中に(株)ちばぎん総合研究所の主任研究員がいた。ちばぎん総合研究所と言えば、富津市の国有林きなだ山の土砂採取の推進を求める依頼者に応えた「国有林104・105林班開発事業に関する検討調査」調査報告書(08年2月)の作成者である。県議会で請願採択の唯一の根拠となった文書だ。私はJR稲毛駅近くにある事務所を訪ね、土砂採取を是とする根拠を問いただしたが、応対した報告書作成を担当したという研究員は沈黙を守るだけだった。その後、数十項目の質問事項を「鬼泪山「国有林」の山砂採取に反対する連絡会」を通じて、ちばぎん総研の額賀社長宛文書で提出したが、回答を拒否された。 
こうした対応から判断するに、ちばぎん総研は「シンクタンク」ではなく、顧客が求める要望にあわせて報告書を作成する「コンサル」である。「有識者」委員としての資格が疑われる。

さて、千葉県住生活改定検討委員会の目的は、配布資料によれば、3年前の「千葉県住生活基本計画」の策定後の住宅セーフティネット法、長期優良住宅促進法の施行、高齢者すまい法の改正、などを受けて、「基本計画」を見直すこととある。
 今後10月4日、11月17日の2回の委員会で「素々案」を検討→来年1月の委員会で「素案」検討→2月パブリックコメント、という厳しいスケジュールだ。

改定にあたり「重要な視点」として、「高齢者等の住まいに係る住宅セーフティネットの構築」「住宅の質および住環境の向上」「多主体間の連携による地域活性化」の3つが設定され、それぞれ「住宅」「住環境」「住生活・コミュニティ」に対応するという。

 人権、福祉政策としての住宅政策を現況の県土整備部の枠組みの中で検討するのは無理があるように思える。庁内組織のあり方も検討すべきだ。

今後の課題、注目点について思いつくままに以下に記す。
 ①福祉部門との連携をどのようにするのか?
 ②県内の住宅困窮者の実態はどうか?
 ③高齢者への対応とともに、ホームレス、若者などへの対応をどうするのか?
 ④福祉政策としての住宅政策を遂行するに相応しい庁内組織のあり方は?
⑤総合計画などの上位計画にどのように反映させていくのか?

2010/8/6 金曜日

財政赤字と消費税とアクアライン

カテゴリー: 学習会・イベント

 猛暑が続く。4日午後は、第27回土気東環境連絡協議会に出席し、5日午後は、企業庁新経営戦略プラン(改定版)を審査するH22年度第2回千葉県行政改革推進委員会を傍聴した。若松行革委員が、企業庁の清算会計について管理・分譲・貸付、負担金などを箱を分けて管理し、どこに損失がでているか明確にすべきと主張していた。その主張を聞きながら、当時の道路公団が2000年度からアクアライン、千葉東金道路、京葉道路などを「千葉プール」に一括し、アクアラインの膨大な赤字を隠していることを思い出した。

土気東環境連絡協議会は、民間の区画整理事業の調整池が千葉市の都市公園である「昭和の森」内の貴重な動植物の生息地につくられることから、アセスに記載のある保全対策や周辺への影響などについて事業開始後の情報提供と意見交換を行うため、1998年に設置され、市、事業者、県自然観察指導員協議会(県指協)、土気環境安全協議会(地元住民)の4者で構成される。事業は今年3月に終了したことから、協議会も今回で終了する。今後、13年間の協議会に提供された情報を整理し、アセス手続きと実際との差異について記録したいと思う。

3日午後は、県ネット政策室主催の税制学習会第一回「消費税をどうするか?」で、私は『消費税をどうするか-再分配と負担の視点から』(小此木潔 09年 岩波新書)をもとに、消費税導入の背景と導入後の政府の財政政策の失敗、人間らしい生活を保障する財源のための税制の展望について報告した。

 法人税、所得税の最高税率をもとに戻す、優遇税制も廃止する、社会保障及び教育以外の歳出(つまり土建型公共事業、軍事費など)の徹底削減、特別会計の無駄の排除などで、消費税のアップは不要と思われる。

 消費税導入の理由となった財政赤字の要因の一つが、米国の圧力である。
「車産業に象徴される日本の輸出増→経常収支の黒字→貿易不均衡の是正を求める圧力→内需拡大→公共事業の追加→国債発行額の増加→財政赤字→消費税導入」という連鎖だ。
そもそも輸出大企業は、消費税の「輸出戻し税」でボロ儲けし、国内中小零細企業にとって重い負担となる。地域振興の観点からもマイナスだ。

 米国の圧力によるこの公共投資の中に1兆4千億円のアクアラインがある。
「日米構造協議」の90年の最終報告書には、10年間430兆円の公共投資計画が盛り込まれたが、これは1995年度から13年間で630兆円に増額修正された。
 そのアクアラインの800円社会実験が開始後、1年経過した。最新のデータによると観光入り込み客数には目立った増加はみられない。

 5月27日に行われた安田八十五氏(関東学院大学経済学部教授)による講演会「アクアラインと地域振興」(主催:県議会市民ネット・社民・無所属会派)の報告文を県ネットの「Sファイル」に掲載したので以下に紹介する。

【参考】(県ネットSファイルより)
東京湾横断道路による地域開発効果の総合評価と政策提言
~講演会「アクアラインと地域振興」報告

総額50億円(内、千葉県負担25億円)のアクアライン社会実験が、昨年8月から来年3月までの予定で行われている。この社会実験について、アクアラインそもそもの成り立ち、地域振興への影響などについて、アクアラインの計画当初から発言されてこられた環境政策学者の安田八十五氏(関東学院大学経済学部教授)による講演会「アクアラインと地域振興」(主催:県議会市民ネット・社民・無所属会派)を5月27日に開催した。その概要を以下に報告する。(文責:川本幸立)

1.アクアライン事業計画の変遷と実際

 中曽根内閣の「民間活力導入のビッグプロジェクト第1号」であるアクアラインは1987月に着工し、97年に開通した。87年の事業認可時の総事業費1兆1500億円、普通車料金4900円、供用20年後の計画交通量64000台/日、30年償還が、97年の供用時はそれぞれ1兆4400億円、4900円(但し5年間は4000円)、53000台/日(初年度25000台/日)、40年償還に変更された。

 開通後5年間の日平均交通量は9600台~14000台で、収支実績は98年度収入148億円、支出468億円(管理費56億円、金利412億円)で320億円の赤字、99年度314億円の赤字、2000年度は330億円の赤字である。金利分が巨額で維持管理費の8倍ある。
 実際に採算ベースにのるには日平均交通量は7~8万台必要となる。

 なお、アクアラインの単独採算では償還が不可能であることから2000年7月、国土交通省と日本道路公団は京葉道路・千葉東金道路との料金プール制を導入した。このプール制の導入に伴いアクアライン単独の費用が公表されなくなり、その後の収支実績について評価ができなくなった。

2.アクアラインの費用便益比は0.180

 米国では公共事業についてはマニュアルがあり、予算要求のときは必ず費用便益分析を出さねばならない。公共事業を行うには費用便益比(B/C)は最低1.0以上、実際は1.5や2以上が求められてきた。最近ようやく、日本でもB/Cの議論ができるようになった。
 02年にアクアラインについて安田・川村で費用便益分析をしたところ、便益が2274億円、費用が1兆2640億円となりB/C=0.180となった。このことからアクアラインは費用便益費が1よりはるかに小さい結果になり、建設に値しない事業であることを示している。

 一方、アクアライン事業事後評価委員会(中村貢委員会)が99年に実施した費用便益分析は、便益3兆2500億円、費用が1兆7千億円で費用便益費が1.9としている。上記の0.180との違いの理由は、便益の96%を占める3兆1200億円の走行時間短縮便益を過大評価するとともに、ダブルアカウント(二重計算)していることによる。そもそも前提条件となる推計方法をまったく公開していない。科学とは再現されなければならないが、これでは科学とは言えない。環境悪化費用も推計せず、需要曲線の推定すらしていない。

 こうした国土交通省の費用便益分析の手法は今も同じで、圏央道裁判に出廷した役人は、費用便益分析の根拠を問われてもコンサルに丸投げのため裁判でもまともに答えられないのが実態だ。

3.地域振興に果たす道路の役割は派生的なもの

道路の役割は何か? 道路をつくれば地域を振興できるか? 道路だけ整備しても地域の振興などできない。そもそも、需要には「本源的需要」と「派生的需要」があり、道路は派生的な存在だ。地域の総合的な魅力が問われることになる。
 木更津市は目標人口を34万人→24万人→20万人→17万人と下方修正し、アクアライン開通後も人口は増えてはいない。中心市街地では西友、そごう、ダイエー、デイマートが閉店し、82年に3093あった商店は91年が2330と25%減少し、この減少傾向は変わらない。地価も91年との比較で04年は住宅地で7分の一、商業地で19分の一である。
アクアラインは木更津市にとって、期待したほど地域振興に役立たなかった、結論的にはマイナスだったと言える。

 もっとも、木更津の商圏の縮小は、房総半島の半島性の脱却によりその優位性を失ったことが一番大きい。
 次に、横浜や川崎など強い方に買物客を奪われるという「ストロー効果」の進行していることだ。社会システムも「重力の法則」と同様で、2地域間の時間距離が半分になると大きいほうに4倍流出していくことになる。
  
4.アクアラインの失敗から学ぶべきこと

 経済論争で勝てるように政策的代替案をつくることが重要だ。東京湾は世界で最も豊かな閉鎖系水域であり、干潟の環境的価値は大きい、埋め立て施策に対抗するために、盤洲干潟を仮想的市場評価法(CVM)で環境価値を評価した結果、1年間で1671億円の経済価値があると算出した。 
 アクアラインの失敗の本質は、日本の社会システムの依存的な体質にあり、効率性、公平性、参加性から公共事業のあり方を総合評価していく必要がある。
 そのために、公共事業基本法の法制化が求められる。

2010/8/5 木曜日

7月27日県土整備常任委員会詳報② ~公社等外郭団体における不正経理問題について

カテゴリー: 県行政, 県議会

 8月2日ブログに引き続き、4つの公社等外郭団体の理事長が参考人として出席して不正経理問題を審議した7月27日の常任委員会の質疑の大要を以下に紹介する。
 なお、録音で聞き取れなかった箇所については「・・・不明・・・」と表示した。

 公社等外郭団体の不正経理については、提出された資料がずさんだったことから、再精査、修正された資料をもとに、8月20日(金)午後1時から県土整備常任委員会を開催し審議することになった。

 私は、「預け」や今回の修正に関わる取引について、公社等外郭団体の会計伝票などの内部資料の提出を委員会終了後、県に要請した。40億円県庁不正経理問題ではこれらの文書は情報提供された。
6月県議会一般質問でも、私が「不正経理の詳細については、県と同様のレベルですべての情報を開示すべきと思うが、情報公開についてはどう考えるか」と質したのに対し、小宮総務部長は、「可能な限り資料をご提供したいと考えております。なお、県とは別の団体に関係する資料でございますので、団体とも協議した上で適切に対応させていただきます」と答弁している。
 不正防止の柱の一つは「透明性の確保」、「情報公開」である。

【委員長】「参考人の出席についておはかりをします。公社等外郭団体の不正経理問題についての参考人として、財団法人千葉県まちづくり公社の理事長 出口正義氏、及び財団法人千葉県建設技術センター理事長 小高俊和氏、及び、千葉県道路公社の理事長 成毛一雄氏、及び、財団法人千葉県下水道公社理事長 宍倉健二氏に対し、本日 本委員会の出席を求めることとしてよろしいでしょうか。」
(中略)

●帳簿廃棄や提出拒否業者への対応と財務規定の見直し

【川本】「業者帳簿の提出がなかった業者について、廃業者は別として、廃棄したり拒否した業者に対して 今後の取引をどうするのかということを6月の常任委員会で質しましたら、政策課長は提出のなかった業者への対応として各団体の財務会計規則等にのっとり対応すべきと答弁した。拒否をする、廃棄をしたということに関して そういう業者とは今後少し距離を置くという規定に財務規則等がなっているのかということが一つと、今後、コンプライアンスの立場から財務規則の見直しをしていくのかということをまず確認したい。」
【出口正義千葉県まちづくり公社理事長】「不正経理に携わった業者との取引ですが、特にペナルティを科すとかいうことはありませんけれども 私共の場合、帳簿の提出を拒否した業者とは現在取引がないという状況です。尚、今後、不適正経理が発生した場合には、関与が認められた業者については県に準じた対応を検討したいと考えています。」
【成毛一雄千葉県道路公社理事長】「道路公社については 財務規則等はございません。当公社においては、業者との間に預け金やプール金などの処理は行われていないことや、また、帳簿の廃棄などは業者内の経理上の問題であり、それについて取引停止などについての処置は及ぶものではないと考えています。」
【宍倉健二千葉県下水道公社理事長】「当公社についても財務規則等はありません。当公社には取引がないが、廃業したり、廃棄したところについては 引き続き・・・・・(不明)・・・・・・・。」

【川本】「帳簿を廃棄したということについて帳簿の法令上の保管義務はあるはずで、法令上の保管義務期間であるにもかかわらず、廃棄したという観点からすると、これは法令順守していないととらえられると思います。そういう業者に関しては、一定の取引については、今後、きちんと距離をおいていくとか、厳しくするとかという形で、財務規則を見直すようなそういうことを検討すべきだと思うのですが、いかがですか?」
【まち】「現在、私共の方では、帳簿の提出がなかった業者とは、取引がないということですので、今後、あった場合には 県庁と協議していきたいというふうに・・・(不明)・・・。」
【道路】「帳簿等を拒否した業者については、今、現在取引はしてございません。 現実としては、取引していないのが、現状です。」
【下水道】「そういう問題を抱えている中で基本的に いろいろな・・(不明)・・ペナルティに変わるものとして 財務規定の見直しはどうかということについては、今後とも、県と十分協議しながら 規定、財務規則の見直しを検討してまいりたいと思います。」

●プール金について

【川本】「個別にお聞きしたいと思います。まず まちづくり公社です。プール金については、22年度末は0であるということですが、いただいた資料を見ますと15年度から19年度に掛けて増えたり減ったりしていますが、これを見るとだいたいトータルすると 80万円ぐらいのお金が動いたのかなと読み取れるんです。このプール金の動きの実際の出入りの額はどうだったのか、何に使われたのか、どういう指揮命令系統でこれが増減して、処理されたのか、ということについては、把握、調査されましたか。」
【まち】「今回の調査は、私共の支出伝票に編纂されています請求書と業者から提出いただいた帳簿とを突合いたしまして、突合できなかった部分を預け金として処理しました。これは、先ほど申上げましたように提出を怠っていることが日常使ってしまったことによって起こったことと考えられています。プール金ですが、これは、業者からの帳簿によってしか確認できないですが、業者から提出されました帳簿により確認しましたところ、使途につきましては、業務に必要な事務用品の他 作業衣などの納品が確認されています。」

【川本】「プール金といえば そういった意味では、表に出ないお金ですよね。それを作業衣などに使ったということですが、それはどういう指揮命令系統で行われましたか? 担当者レベルでしか把握していなかったとこういう言い方だったんですけれども、この15年度から18年度19年度に掛けてもプール金の出し入れはどういう指揮命令系統でやられたのですか。そのお金を今回どういうふうに返還するのか、処理するのか分からないが、どういうふうに検討されているのか、お伺いしたい。」
【まち】「通常ですと、その担当者が納品されました物品を確認して、業者からの請求書がきますと、その後、支出回議書というものを起票して、決裁が完結した後、総務財務課で支出回議書をもとにして、支出伝票に記入して支払事務を行っています。プール金は、物品の内容を確認すべきところを確認されていなくて、物品を担当する担当者しか分からないというところでございますので、伝票が回ってくる段階では、物品が確認できませんので、担当者以外には、確認できないと。 物品が納入されていることについては、業者帳簿の方から確認できると思います。業者帳簿と支払った伝票が合わないということでございます。」

【川本】「あまり詳しくは分からないと、いうことですね。20年度末でプール金が0だから、問題がないということではなくて、その間にいくら使われて、その分のお金をどうするんだと、どういう指揮命令系統でできたのか、もう少し内部できちんと調査すべきでないですか、ということを申上げたいと思います。

●公社等外郭団体提出のずさんな資料

・まちづくり公社
次に 我々 検討するとしても いただいたこの関連資料これしかないんですよ。私も何日間も掛けて読みましたけれど、これを理事長、目を通されました? 皆さんにお聞きしたいですが、代表して、まちづくり公社さんに」
【まち】「実際 目を通しましたけども、やはり相当膨大ですので、実際これを見て、チェックして、私が理解できるかというとあまり理解できないです。」

【川本】「理解できない方にあえて質問するのは気が引けますが この書類はそれぞれ公社の中の財務規則に基づいて作成されていると理解しているのですが、まちづくり公社のほうにまず聞きたい。
これを見ますと、支出回議書というものが出されてから 支払伝票が発行されているということですから、支出回議書が発行される日、支払伝票の発行される日は起票番号に該当するということですが、支払伝票が発行された後に支払をするということは まちづくり公社の 財務規定の第9条に原則として指定されているということですが、これをずっと 読んでみると 起票年月日よりも前に支払われているものが4件ある。起票日に即支払われているものが13件ある。

これはいってみれば、まちづくり公社財務規定の第9条(*注1)、これに反するような手続きが行われているのではないか。例えば、具体的に まちづくり公社の上から6枚目をご覧いただきたい。その中の真ん中あたりの平成15年12月19日 伝票番号が120082 これを見ると、支払年月日 平成15年12月15日。12月19日に支出伝票を発行したけれど 支払は15日だったと。これはなにか? もう一つ、その下の方、平成16年2月5日 020043 その3つ下の所に020043で 同じく平成16年2月20日とあるんです。起票番号が同じです。ところが一方で、預けになり、一方で適正になっている。
(注1:(財)千葉県まちづくり公社財務規程第9条(会計伝票)第1項「公社の業務に関する取引については、取引発生の都度、収入調定書、支出負担行為書、振替回議書、その他証拠書類に基づき、会計伝票を発行する」)

我々はいただいたものを詳細にチェックするしかないので、やむを得ずこれをチェックしましたが、これを見る限りにおいては、財務規則に違反するような支払手続きが行われている。この中には、例えば、伝票番号がないものがある。支払日の記載がないものがある。それから、支出伝票と起票日、伝票番号が順不同というものもある。財務規則に違反するような伝票処理、支出が平気で行われているのではないかということですが、理事長、こういう事をチェックされたのか、あるいは いろいろな方々でチェックされたのか、どうなんですか。私は これは書き間違いではないかと思ったのですが、これを正とするとずさんな管理が行われてきたということです。どうですか。」
【まち】「ご指摘の点は 経理の方からも指摘がありまして、全部再度チェックしたところ、非常に短期間でこれだけの作業を行ったものですから、全て転記ミスという確認が取れていまして、起票日と支払日が誤落とか、伝票番号が逆転しているものは、その後の調査で 無いことが判明しております。」

【川本】「それを修正したものを全て、提出を求めたいと思います。チェックしたものを出してくださいよ。こちらのチェックをする身にもなってもらいたいと思います。」
【まち】「非常に短期間で膨大な作業をしたわけですから、なかなか、全てこれだけ間違いなくチェックするということは、困難だと。間違ってはいけなかったんですけれども ミスのないようにしたいと思います。」

【川本】「理事長がそういう発言をされてどうなんですか。(周囲の「そうだ。言っちゃあいけない」の声有)
チェックするために我々集まっているんです。そのための資料です。間違っていても仕方ない、とんでもないですよ。」(周囲の同意する言葉が入る)
【まち】「申し訳ございません。ご指摘いただきました逆転とかしているところにつきましては、再度精査したものを提出したいと考えております。」

【川本】「まちづくり公社さんの様式2の中に、これは消耗品なのか、これは適正なのかと思われるものが結構ある。例えば、鷹の置物 平成16年12月4日 7ページ、小倉食紅 51,717円、笛吹きケトル97,658円、洗濯機が71,347円これは「適正」と判断されています。デジカメが83,160円で「適正」で処理となっている。分類が間違っているのではないですか。そうした事をきちんと チェックされたのですか。」
【まち】「様式2につきましては、消耗品に類する類ということで整理してございます。」
【川本】「今、私が言った品、デジタルカメラとか、消耗品として処理したのは不適正ではないですか。」
【まち】「様式2のどの辺のページですか?」
【川本】「理事長だから、十分チェックをされている そういうことで、質問をさせていただいているのですが、デジタルカメラや洗濯機などが 消耗品として適切だと理事長、お考えですか?」
【まち】「当公社は 2万円以上のものは備品としておりますので、ここに、2万円以上のデジタルカメラとか 洗濯機というものが入っていればそれは備品の方に入ると考えております。」
【川本】「消耗品になるのか、備品になるのか、もう1度きちんと見直して、やらなければダメではないですか。理事長がそれを厳しくトップとして指摘すべきだ。是非 まちづくり公社さんに関しては、もう1度、厳しく見直しを求めたいと思います。」

・建設技術センター
【川本】「次に建設技術センターの方は、この書類はしっかり読まれましたか。」
【小高俊和千葉県建設技術センター理事長】「私なりに 把握したつもりです。」

【川本】「私なりにとは、理事長として責任を持って把握したと・・・・・。例えば、1枚目のところの 70000049
起票年月日が平成15年4月11日になっている。これを見ながら 様式2を見ますと、伝票番号は同じ、起票年月日は5月9日になっている。これだけでなく、様式1と2で 伝票番号は同じで、起票日が違う、こんな当たり前のことが。これがものすごく多いです。何ですか?」
【建設】「ご指摘ございました様式1と2の関係ですが、様式2の起票につきましては、本来様式1の起票日が記載されるべきでございます。これは様式2につきましては、支出回議書の起案日を記載してしまいました。記載の仕方にミスがございました。誠に申し訳ございませんでした。」

【川本】「きちんと修正をして再度 提出していただきたいと思いますが、それ以外に 例えば、様式1で、17年度3月1日~25日に起票されているもの これが、様式2では、18年度の4月1日の起票日になっている。様式1では、17年度で処理されているが、様式2では、18年度になっている。それで、適正なのか。年度が替わるということは決算額にも影響することになる。これは何ですか?」
【建設】「誠に申し訳ございません。先ほどご指摘いただいた内容と関連いたしますが、先ほどご説明させていただきましたように、様式1の起票日を様式2にも記載すべきでしたけれども、これにつきましても様式2については、誤ってしまいまして、支出回議書の起案日を記載してしまいました。結果、年度をまたいだ記載になってしまいまして、本来様式1の起票日でございまして、実際は、年度をまたぐものではございません。申し訳ございませんでした。」

【川本】「理事長の代わりに私がチェックしているような感じですね。もう一つ、改めて 預けになっているようなものとかそういったことで 実際内部で処理している見積書とか、請求書 調達回議書、支出回議書についてこれを1部だけコピーをいただきチェックさせていただきました。これの処理の仕方に関して、おそらく財務規則にあるのですよね。これをみますと、肝腎の支出回議書 支出伝票 ここに、支出済印という欄があるのですが、たまたま、1つだけもらった物をみますと、支出回議書 支出伝票の中に支出済印がない。ここにいただいた書類もずさんだけども、内部で回している書類もずさんではないですか。これは、県の職員を通じてそちらから受け取った書類ですから、何が私の方に回っているかはしっかり知っているはずと思うのですが、どうですか。」 
【建設】「ご指摘の通りでございます。コンプライアンスの欠如でございます。誠に申し訳ございません。」

【川本】「全部の帳簿を見直してもらいたい。もう一つ、様式2を見てみると 単に消耗品と書いてあるだけで、何が納められているか、さっぱり分からない、納品内容が。それで、突合した、適正だという判断がある。チェックするのに、消耗品だけでは、我々はチェックできないですよ。消耗するということは、消耗のこれこれこういう物、それを我々には提出をしぶっている書類の中でチェックされたと。そういう書類を作ってくれなければ。作り直しが必要だと思いますが、どうですか。」
【建設】「表記の仕方につきましては、伝票に複数の消耗品があった場合には、様式2では その内容を一括して記載できるというふうに・・・(不明)・・そのことから、消耗品として記載をさせていただきました。確かに 内容を確認という観点に立てば、一括でなくて、書くべきであったかなというふうに反省しております。」
【川本】「他の公社さん等は消耗品というだけでなくて、きちんと物品を明記されているわけですから、きちんと。誰がチェックをするのかというチェックをする側に立った視点でもう1回出しなおしていただきたいと思います。」

・道路公社
【川本】「次は道路公社さん 例えば、様式1の2ページ目 上から3番目の 伝票番号5279 平成 月 日 このずっと右を見ますと、備考欄に 業者帳簿がないため不明であると書いてある。ところが 様式2の方を見ると、5279を見ますと 業者帳簿と照合できたもので、10と書いてある。普通、突合できないもの、照合できないものは×と描いてあるのですが、番号があるということに関しては、照合できたということなんです。一体これは、何なのですか?どちらが正しいのですか?」
【道路】「再度、精査いたしまして提出したいと思います。」

【川本】「ということは、今まで、不適正額とか額を確定したかと思っていたけれど、もう1度見直してやると。先ほどの 建設技術センターの17年度、18年度のまたがっているものに関しては、これは、例えば 先払い、前払いの問題にも関わってくると思います。もう1度見直して、数字の確定はそれからというふうに私は理解します。」

【川本】「道路公社のこれを見ますと、平成15年度から19年度まで、突合できないものが虫食い的に所々出てくる。なぜ、こういうふうに虫食い的に所々で出てくるのか、業者として、全部拒否をしているのではなく、所々がない。これはどういうことか。帳簿の提出をしないということでなくて、そもそも 業者によってはそういうずさんな管理をしてきているということなのですか。どうですか。」
【道路】「提出いただいた業者の中には、営業所の統廃合や取り扱い品目などの変更によって 帳簿を紛失したとか、そういうものがございましたので、そういう関係だと思います。」

【川本】「これを見る限りそういうふうに読み取れないので、もう1度きちんと精査することを求めたいと思います。 

・下水道公社
最後に下水道公社ですが、結構、書籍ですとか、エアーポット、祝袋とかご霊前の袋とか、あるのですが、そのへんの 先ほどのまちづくり公社と同じように 消耗品であるとか 備品であるとかその分類をきちんともう1度整理見直す必要があるかと思うのですが、どうですか?」
【下水道】「当公社の財務規則のよりますと、単品が10万円以下につきましては、業務に使用すべき、関係すべき物に使って、10万円以下のものは消耗品です。それを超える物は備品扱いとしていますので、書籍などは、これに該当するものと思っております。 祝儀袋等につきましては、公社役員の関係であって、職員の・・(不明)・・集めまして、公社を代表し役員等が、冠婚葬祭等に出席する場合使用させていただいております。・・・ につきましては、こういう状況なので個人負担でやってもらっております。不正経理上の内容の品目につきましては、基本的に10万円以下の通常・・(不明)・・ 我々公社として10万円以下のものは消耗品扱いとして処理しております。」

【川本】「一般県民の常識に合った形でそのものを明らかにしていただくように見直していただきたい。

●消耗品の取引価格は適正か

最後に それぞれ、消耗品があるのですが、価格が本当に競争力を持った上で、出されているのか、どうか。価格の適正性ですね。これは、どういうふうにして適正性を確保されているのですか?全てのものに関して 競争入札をするのではなくて、随意契約になっているものがあると思うのですが、それでどういうふうに確保されているのですか。」
【まち】「価格の妥当性ですが、表を見てみますと、大体 小品目を買っても 正価の15%引きで納入されているのがほとんどですので、15%が安いのか、高いのか 判断ができないですが 私とすれば、1品買っても 15%引いていただけるというのは、妥当ではないかなと考えております。」
【建設】「私共では、内部規定で10万円以内のものにつきましては、1社・・・それ以外のものでは、2社以上・・・競争すれば 確保されるのかと考えております。この規定によってやってきたわけでございますけれども、今後、調達方法を検討してまいりたいと考えております。」
【道路】「10万未満につきましては、1社でやっているのが現状でございます。建設技術センターと同様に今後検討課題として検討したいと思います。」
【下水道】「予定価格が10万円以下につきましては、1社ですけれども それ以上については・・・対応しています。他の公社を参考にして相談のうえ、見直していきたいという考えを持っています。」

【川本】「県の方は、集中で購買をしたりして 単価的に厳しいもので取引をするということがありますので、15%(引き)が安いということでなくて、県民から見て、公社等外郭団体が競争性のある価格で取引しているということが納得できるような仕組みに是非修正いただきたい。」

(中略)

●再精査のため2回目の閉会中審査実施へ

【委員長】「公社等外郭団体における不正経理問題については千葉県住宅供給公社の出席の件も合わせて再精査していただくことが必要であると認められますので、日程調整上再度、通知をするに当たり 正副委員長に一任いただけませんでしょうか。」  
【委員一堂】異議なし

2010/8/2 月曜日

7月27日県土整備常任委員会詳報①~繰り越し手続き漏れ工事問題について

カテゴリー: 県行政, 県議会

 昨日のブログで不正経理問題を審議した県土整備常任委員会の様子を簡単に報告したが、当日の録音に基づき質疑の大要を2回にわけて報告する。文責は川本にある。

【川本】「事故繰越について 繰り越し手続きそのものが難しいということだったのですが、安房地域整備センターでは 今まで 例えば、最近5年間の事故繰越の手続きをしたことがあったのか、そのへんはどうですか。」
【大林河川整備課長】「安房地域整備センターの事故繰越の実態ということですが、実際の件数は正確には把握しておりませんが、事故繰越の手続きをとったことはございます。」

【川本】「手続きが難しいとかいうことでなくて、そういった例があれば、当然 取れたのではと思います。もう一つ、国との補助金との関係で、今回 繰越手続きをしなかったことで、結局、県の負担となってしまう可能性があるというものは、合わせると820万ぐらいが県の負担になりそうだという見方で、正しいわけですね。確定したのは、86万6千円ということですか。」
【河川整備課長】「最悪という話しを 今 されたと思うのですが、私共は県の負担になるものは、86万6千円と考えております。先ほど申上げましたとおり その他の金額に関しては 国と協議中でございます。」

【川本】「協議の状況はどうですか。これは、内容によって出してもらえそうだとか、そういう感触はあるのですか。」
【河川整備課長】「先ほど申上げましたとおり 補助事業は今年から交付金に変わりました。交付金制度というものが、県が整備計画を作成した中で 国が交付金を交付するということになっておりまして、県は今 その整備計画の協議も含めまして、国と協議中ということでございます。」

●抵触する法令、条文は何か?

【川本】「今回の繰越手続きに関する要因がコンプライアンス意識の低さからということですが、コンプライアンスの柱となるのが、具体的な法令、あるいは条文ですね、具体的にどういう法例で 第何条に関するというふうに理解しているのか。基本ですから、法令は」
【石田建設・不動産業課長】「地方自治法208条におきまして 会計年度の独立の原則ということを謳っておりまして、それぞれの会計年度において支出すべき経費の財源はその年度において その年度における収入によって 調達すべきである、というような規定がございまして、これに 触れるということになります。」

●地方自治法第234条の2(契約の履行の確保)は?

【川本】「監理監督責任ということでも、地方自治法で厳しく問われていて そして 土木工事標準仕様書ですとか、建設工事検査要綱 請負工事監督検査事務処理要綱だとかを遵守するという監理監督責任を県の職員に問われている。それを逸脱したのが、今回の繰り越し手続き漏れだと私は思います。地方自治法の第234条の2で 契約の履行の確保というのが記されていまして、地方公共団体の職員は契約の適正な履行を確保するために必要な監督、または、検査が義務付けられており、監督、又は、検査の方法は 契約書 仕様書、設計書 その他の関係書類に基づいて行わなければならないと定められている。今回のこの問題は、地方自治法234条の2に関係するではないかと思うのですが、どうですか?」
【荒木技術管理課長】「委員のおっしゃるのは、契約の履行確保ということで、契約の適正な履行を確保するためあるいは、それにおける給付の完了を確認するため 必要な監督 あるいは 検査をしなければならない。これが原則でございます。」

【川本】「今回の繰り越し手続き漏れの問題 それから、先ほどの農水関係の虚偽報告に関係する検査などの問題、これは コンプライアンスの基本として 234条の2、契約の履行の確保という観点からきちんととらえなおさなければダメではないですか。そういう認識はあるのですか。」
【技術管理課長】「今回はそういう意味で、繰越の手続きが漏れてしまったということに関しましては、監督員の工程管理 これがきちんとできていなかったということが背景にありますので、今後の取り組みと致しまして、先ほど、再発防止策でお話ししましたように チェックリスト等で工程管理をしっかりやって 今後はこういうことが繰り返されないようにしていきたいと考えております。」

【川本】「繰り越し手続き漏れの工事の 再発防止策のところの(5)の 工事監督担当者研修の充実で、コンプライアンス意識及び実務処理に関して研修会を開催し徹底を図る、ということですが、地方自治法 そして それに関連して県が作った仕様書だとか、検査要綱関係の遵守を具体的に教えないと 再発防止策にならない。監理監督の面から234条の2を理解し、その立場から監理監督のあり方を見直すということを求めないと、再発防止策も コンプライアンスも何も無いと私は思う。
先ほどから聞いていると、234条の2について、ぜんぜん言われないものですから 今回の手続き漏れの問題については、契約の履行の確保、言ってみれば、監理監督 検査の責任と全く関係がないと思っているのか、それとも、密接には関係があると思っているのか、その認識はどうなのですか。」
【技術管理課長】「再発防止策の中にある工事監督員あるいはこれは検査関係者も同じと思いますが 関係方面の法令順守と監督員あるいは 検査監の役割といったものをこれを基本的に研修の中で、そういう意味では徹底いたしまして特にこれに関しましては、今までの研修に加えてこういったものを充実させていきたいというふうに考えております。」

【川本】「234条の2をどう位置づけられているかという確認をしているのです。YESかNOか。」
【技術管理課長】「監督、検査の基本でございますので、それに関しましては、当然、研修の中でそれを基本に検証するべきだと思っております。」

●国庫補助金がおりず県の持ち出しになる分は、職員が負担すべきでは?

【川本】「国庫補助金の関係で 最悪の場合は820万ぐらいが県の負担になるということですよね。私は 今、いろいろな県民の方に聞いているのですが、これは県民にとって損失ではないかと。 県は、国が出そうが、県が出そうが、物は必要だからこれは損失ではないのだということですが、私は、これは県民にとって損失であると思うのです。その分、当然職員が返還すべきではないかと思うのですが、そこのへんはどうですか。86万6千円が県の負担になったのだけれど、それは県民にとっても 新たな負担か損失ではないかと 私は受け取るのですが 県の認識はどうですか。」
【栗原県土整備政策課長】「事業を行うに当たっては、財源の確保ということを最優先してもらっているところでございます。今回の行為によって、直ちに損害を与えたというふうに解釈をするのかどうかということについては、未だ はっきりしておりません。」

【川本】「去年9月に発表された三十数億円の本庁の不正経理問題、その中で、それに関わって国に返還するお金は約7億円あった。そのうち、加算金等については県の職員が分担したりしたが、本会議で私が質問した時に総務部長が『本来は職員が返還すべきなんだけれども今回は県の負担で承認してもらいたい』とそういう答弁をされている。7億円の国に返還するお金と今回の補助金が出なくなって県が新たに負担する問題は本質的には変わらないと思う そのへんの認識はどうですか。どう違うのか。」
【県土整備政策課長】「先ほど申上げましたとおり、財源の確保につきましては、最大限の努力をしているところでございます。今回、結果として 手続き漏れによりまして 財源を確保することができなくなったというふうに考えております。」

【川本】「86万6千円は県の負担になるという答弁は 6月の常任委員会の答弁でされているわけで、やっぱりこれは職員が返還すべきだと思うのですが、どうですか。これから検討するということですか。そうは思っていないか、どちらかお答えください。」
【県土整備政策課長】「職員が返還するか否かにつきましては、今後、総務部と協議してまいります。」

【川本】「返還の問題はこれ以上厳しく言わないですが、地方自治法第234条の2で 契約の履行の確保がある。そして、次に地方自治法第243条の2、検査等に当たる職員は故意又は、重大な過失によりその義務を怠ったり 手抜き工事を見逃すなどによって 地方公共団体に損害を与えたときは 損害賠償責任を負うと書いてある。私がしつこく第234条の2をどうとらえるかということをお聞きしたら、なかなかお答えにならなかった。この243条の2の意図を踏まえてきちんとご検討いただきたい。この件は、6月議会の最終日に私が討論をしました。当然それに対して検討されてこられると思ったのですが、今 ここで聞くと、ほとんど検討されていない、非常に私はがっかりいたしました。 

●安房農林振興センターの虚偽報告問題に係る県土整備部の責任と認識

それから もう1点。例の技術管理課の問題、これに関しても 技術管理課の検査監は必要な書類が整っていないにもかかわらず、完成検査を出来高検査に切り替えて それを技術管理課長、副課長、室員が追認したことが工事検査調書より明らかになっているが、この重大な変更について、県土整備部長に報告されなかったということが、この前(6月県議会)明らかになったんですね。これは千葉県建設工事検査要綱第9条に反するのではないかということですが、そういう認識ありますか。」

【技術管理課長】「決済報告弟9条におきましては、先ほどちょっとお話をさせていただいたんですけれども、この条項につきましては、工事目的物ができているもの あくまで完成しているものに対して 手直しの指示 あるいは 部長への報告 そういうものが もし現場と・・(不明)・・という場合には対応しなさい という条項になっております。今回のケースでございますが、現場では未だ 物が完成していない、未竣工工事ということになっておりまして、この条項をそのまま規定を当てはめることはできないと考えておりますが、繰越手続き漏れというような結果になったと、いうことに関しましては、連絡体制の改善が必要ではないかと考えております。」

【川本】「9条に関しては、完成検査が対象で未竣工のものについては、該当しないから、これには違反しないんだというのは、そもそも完成したからということで検査に行ったのではないですか。ところが完成していなかった。そもそもそんなケースを前提に規定があるはずがないですよ。とんでもないことが起きたわけですよ。そのときに、この9条をきちんと解釈をして部長に届けて出るということは当たり前のことですよ。文書上に無いからといってこの9条の考え方をふまえれば、もっと、この条文に規定しないようなひどいことが起こっているというふうに思ったときにきちんとやるべきでしょ。第9条に違反するのではないかと、そういうふうにとらえなければ、これからの再発防止策もへったくれも無いのではないですか。私はそう思うのですが、担当者はどうなんですか。」

【技術管理課長】「今回の未竣工に対します判断でございますけれども、一応、今回現地で検査監のほうは きちんと完成しているという形で出来形の完成を認めておりますが、未竣工部分におきましては、当然履行が確認できないということですので、これにつきましては、予算執行上の問題があるということで、センターに適切な対応を委ねているという形になっております。あくまでも予算執行上の問題であるということで、そういう意味では、耕地課への連絡、あるいは、部長への報告というものをしなかったわけですが、結果として遅延工事という形になっておりますので、これに関しましては、先ほどから繰り返して申すように、今後は、連絡体制を改善いたしまして、このような事態が発生しないように情報の共有化につとめてまいりたいと思っております。」

【川本】「この検査要綱の第9条を見ますと、(課長は)本庁の検査監が行った検査により、出来形、品質等が契約図書及びその他関係図書と相違し、または不完全と認められるときは、手直し工事指示書により、主務課長又は所属長に指示する、と。そして、極めて重大であると認められるときは、遅滞無く県土整備部長に報告すると。これが適用されて当たり前だ。しかし、これについて(「繰越手続きもれ工事について」の)14ページに 『未竣工工事に関して事業課などへの報告の規定はないもの』とし今回の件は該当しないとしている。いかに責任を自分達に無いようにするか、その姿勢が余りにも露骨で 憤りを感じます。何故、こんなものを書くんですか。おかしいと思わないですか。 
・・・・・・・・・・
回答がかえってこないので、次回お願いしたいと思います。

●安房地域整備センターでの再発防止策の策定経過

再発防止策のほうで、今回のこの問題に関して安房地域整備センターで、この問題の要因は何かと現場の職員を含め要因の検討会をなされたのですか、どうですか。そこで、いろいろなものを出した上で、この再発防止策ができたのですか。どうですか。お伺いします。」
【県土整備政策課長】「今回の再発防止策につきましては、安房地域整備センターの職員の意見を交えながら、策定してものでございます。」

【川本】「前回の常任委員会でも指摘をしましたが、天候が問題、コンプライアンスの2つを何とかすればいいんだということですが、私はそうではなくて、やはり可能性としては、例えば、技術職員の数だとか、業務上の問題だとか、あるいは、いろいろな受注、発注する時期だとか、そうしたこと、あるいは、内部告発制度は何故機能しなかったのか、事故繰越に関しても 今まで無かったのではなく、あったということですから、ねぜできなかったのかなど、そうした物が全部抽出された上で、きちんと議論されたのですか。 そういう報告書があれば是非1部いただきたいと思うのですが、そういうところまでしっかり検証されたのか どうか お伺いします。」
【県土整備政策課長】「先ほど申上げましたように 各出先機関の所属職員の意見を交えながら 本庁職員と協議しながら これを策定したものでございます。」

【川本】「その出された報告書があれば、現場の報告書があれば 是非1部提出をお願いしたいと思います。」
【県土整備政策課長】「協議したものであり、報告書というものはございません。」

【川本】「報告書が無ければ きちんと組織として検討できないではないですか。全く不十分です。現場からきちんと考えていくというのは、当たり前のことではないですか。やはり現場からもう1度きちんと この要因は何なのかという 率直な意見交換の中で 再発防止策を検討すべきということを申し上げたい。 

●定年前の腰掛としての所長人事の見直し

最後に再発防止策として申上げたいのは、所長人事のあり方です。トップの資質が左右するなと思います。今回、人格がどうのというのではなくて、やはり、今までそこにおられなかった方が 定年前の数年腰掛のように行く、これはやはりおかしいですよ。現場を把握する、現地の状況をきちんと周知するなどしてこそ総括監督という責任ある立場に立てるわけです。 そういう意味で所長人事のあり方を検討すべきであると私は思います。 
もう一つ、チェックリストを作ったと言っても今回は不適正あるいは不正な行為を指揮命令系統で、いわゆる組織的にやったということですよ。指揮命令系統が一致して不適正な対応すれば チェクリストを作っても同じですよ。こういうチェックリストは、私も 昔、新入社員の時に作りましたが、今、こんなことをやっているなんてとんでもないですよ。現場の方から再度、再発防止策をきちんと討論をして出すべきであると申上げます。」

2010/8/1 日曜日

県は出先機関や公社等への天下り・腰掛人事の廃止を~県土整備常任委員会で不正経理問題を審議

カテゴリー: 県行政, 県議会

菅首相は30日の記者会見で、国会議員の定数削減について年内に与野党合意を目指す方針を表明した。衆院480(小選挙区300、比例代表180)のうち比例80、参院242のうち40を削減する方向で8月中に党内意見をまとめる。菅首相はムダの削減について「国会議員が身を切ることも必要」と強調した。(「毎日」7月31日朝刊)

国会議員にかかわる経費の削減が必要なら、「つかみ金」と言われる年間320億円の政党助成金の廃止や、一人あたりの議員歳費などの経費を削減すればよい。
7月2日のブログで指摘したが、「小選挙区2大政党制」は、少数意見の封殺であり民主主義の死である。その先には米の世界戦略にあわせた「憲法改悪」がある。

法人税大幅減税とセットの消費税10%、辺野古米軍基地建設、小選挙区2大政党制、9条改憲で民主・自民・日本経団連・米政府の4者の「大連立」の方針は整ったように見える。

●言い訳と保身の姿勢が目立つ繰越手続き漏れ問題
 
 先週の27日午後(1時~5時)は、不正経理問題で県土整備常任委員会が開催された。議題は、繰越手続き漏れ工事、公社等外郭団体における経理調査の2点である。

再発防止策を含む報告書があるなら事前に配布するよう求めていたが、委員会の場ではじめて見せられた。県官僚らの議会軽視と逃げの姿勢と見た。

 未完成工事の予算繰越手続きを怠った5件の繰越手続き漏れ問題では、県土整備部は、天候不順、コンプライアンス意識の低さ、事故繰越手続きが困難という思い込みを発生原因としてあげた。

 私は、
・コンプライアンスというならどういう法令の第何条に抵触するのか?
・契約の履行の確保を定めた地方自治法第234条の2に抵触するのではないか?
・5件の内、3件が国庫補助事業で、手続き漏れのため本来下りるべき国の補助金が下りなくなりその分が県の持ち出しとなる。それが最大で820~830万円と見込まれるが、それは県民にとって損失ではないのか?
・40億円不正経理問題での7億円の国庫返還金について、総務部長は議会答弁で、本来は職員が返還すべきと答弁した。(但し、4億円弱を県民に転嫁した。) そうであれば、今回の県の持ち出しとなる額については、職員が負担すべきではないか?
・地方自治法第243条の2では、義務を怠り地方公共団体に損害を与えた時は、検査等にあたる職員は損害賠償責任を負うとされている。今回は、これに該当するのではないか?
・安房地域整備センターにおいて、仕事量と人員配置の問題を含め、考えられるあらゆる可能性のある要因を出し合い、それを検討する作業をしたのか?
・事故繰越手続きをセンターで行った経験は今までまったくなかったのか?
などを質したが、何を聞いても要領を得ない答弁が返ってきた。
これでは再発防止などできる訳がない。

一方、農水部の安房農林振興センターの「ウソの完成報告」を受けて、検査確認した県土整備部技術管理課が不正を「黙認」した問題について、県土整備部は、「未竣工工事に関して事業課などへの報告の規定はない」として「黙認」は許容されるとの見解をあきらかにした。
推察するに、完成検査であれば「千葉県建設工事検査要綱」の第9条が適用されるが、途中で検査監が独断で「出来型検査」に切り替えたので、要綱の適用はないということらしい。必要書類が整っていないにも関わらず「出来型検査」への切り替えは問題だという見解を示す一方で、「出来型検査」を口実に責任逃れを図るという姿勢だ。自らを厳しく省みるという姿勢は見られない。ただ保身のみではないか?!

 安房地域整備センターも安房農林振興センターも所長は定年前の「腰掛人事」である。総括監督員の責任を果たすには、地域・現場を熟知し、組織を掌握していなければならない。「腰掛人事」による所長は、組織内部に気を使ってしまう。
 私は、再発防止策として、所長の腰掛人事の廃止を求めた。

●議会・県民より自らの組織に気を使う「天下り」理事長

 公社等外郭団体については、4団体(まちづくり公社、建設技術センター、道路センター、下水道公社)の理事長が参考人として出席し、答弁した。

 事前に、公社等団体と業者との支払伝票などを自ら手を加えて作成した様式1.2.4が提出されたが、チェックしてみると、支払い日が支出伝票の起票前だったり、同じ支払いなのに様式1と2で記載内容が食い違ったり、年度が異なったりと言う資料内容の杜撰さが多数見つかった。

 これでは審議できないとして、修正された資料をもとに、8月20日(金)午後に再度常任委員会を開催し、公社等外郭団体の不正経理問題について審議することとなった。

 なお、今回の審議の過程で、事前に提出された資料にミスが多いという私の指摘に対し、県OBの出口正義理事長が、短期間で膨大な資料だったので仕方ない、という旨の答弁をした。議会・県民よりも公社内部に顔を向け気を使っている。
 議会が完全になめられていることを露骨に感じさせられた。

 ともかく、定年前、定年後に関わらず出先機関や公社等外郭団体への天下り、腰掛人事は不正問題一つとっても県民にとって利益はないようだ。
もう「高齢公務員の失業対策」はやめようではないか。

2010/7/27 火曜日

千葉市にも夜間中学を!

カテゴリー: 活動日記

 24日、25日は6月県議会報告を3箇所(鎌取、土気、鎌ヶ谷)で行い、①新しい不正問題、②県幹部の天下り、③根拠のない公共事業、の3点を中心に話した。
 26日は、不正経理問題(公社等外郭団体と繰越手続き放置問題)を審議する27日の県土整備常任委員会に向けて会派控え室で関連資料を検討した。

 さて、24日午後は、千葉市内で開催された「1日も早く、千葉市に夜間中学校開設を!~全国夜間中学校研究会・研修交流会」(主催:全国夜間中学校研究会「すべての人に義務教育を!」専門委員会)に参加した。

 夜間中学は全国に35校あり、関東には東京8校、神奈川6校、千葉県には市川市立大洲中学校1校にしか公立の夜間中学がない。大洲中学校夜間学級は1982年の開設以来27年で350名を超える生徒が学び、今年度は43名の生徒が在籍し、内、千葉市から7名、市原市から2名の生徒が通学している。

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千葉市は06年度から「第2次5カ年計画」に、夜間中学の設置についての検討を盛り込み、「千葉市中学校夜間学級設置検討委員会」を設けた。
5年間、本来の中学校未修了者のみならず、①不登校生徒対策、②外国籍生徒の対応、③中学校を卒業したがもう一度中学校教育を受けたい者への対応、という多様な教育ニーズに応えられる施設・学級として検討した結果、委員会は今年5月、「夜間学級に求めるニーズの変化、国や県の見解、他政令市の設置状況等を総合的に判断すると、現時点では千葉市中学校夜間学級は設置できない」「しかしながら、就学年齢生徒の不登校対策、外国人生徒の日本語習得、再び学ぶ機会を望む卒業生徒への対応等については、夜間学級設置に限らず、検討すべき課題である」という結論をだした。

dscf1274集会では、他の県議、市議らとともに一言挨拶(下記参照)させていただいただ後、映画「こんばんは」(夜間中学ドキュメンタリー)の鑑賞後、千葉県内をはじめ全国各地で夜間中学・自主夜間中学に関わってこられた方々のお話を聞く。

映画の中で、70歳を越えた人達が「学び」=「知」を獲得することへの強い意欲を語ることに驚かされ、「学び」の意味を改めて考えさせられた。 
「勉強とは生活に根ざし生きる希望になるもの」「同じあやまちを繰り返さないために学ぶ」「自分の境遇やつらい体験を乗り越えることを学ぶ」「自由に学び自由に生きるパスポートを夜間中学で得た」「自分の人生を自分で歩き出すためにその一歩を踏み出すために」

*写真は、7月24日の「千葉市にも夜間中学を!」全国夜間中学校研究会・研修交流会から

【参考】7月24日、全国夜間中学校研究会・研修交流会でのあいさつ概要

みなさん、こんにちは。千葉市緑区選出の川本幸立です。
「千葉市にも夜間中学を」作るための今回の研究会・研修交流会の開催に対し、県議としてまた県民、千葉市民として心より歓迎の意を表明させていただきます。

今回、私がこうして皆さんにご挨拶させていただくきっかけは、5月20日に皆さんの研究会と県教育委員会との協議会に同席させていただいたことです。

千葉県は6年前に「県民一人ひとりが人間として尊重され,いきいきと暮らせる地域社会の創造」を基本理念とする「千葉県人権施策基本指針」を策定しました。
指針では人権施策の基本理念の一つに、
「一人ひとりの能力が十分に発揮できる機会が保障されている社会」を掲げています。

 こうした基本理念に照らせば、千葉県下の義務教育未修了者を救うために、千葉市が夜間中学を開設することに対し、県として財政面を含め出来る限りの支援をすることは当然のことです。

 5月20日の協議会で、私は、千葉市に夜間中学を設置することについて県教委は県としての支援について、これから深く検討する段階であると見受けました。
一方、千葉市が5月にまとめた「夜間中学設置に関する検討のまとめ」の中で、県の姿勢について「事務担当レベルの協議では、夜間学級設置に向けて同意できない意向」と記されていますが、5月の協議会で県教委が「県としては公式な見解を千葉市に示したことはない」と答えたことと大きく食い違います。

夜間中学開設に必要なことは、当事者の方々がさらにその声を大きく発信し伝えていただくことです。そうすれば県議会でも県の姿勢を問い質すことができます。

 私も今日はしっかり勉強させていただきます。「千葉市に夜間中学の開設」にむけて出来る限りの力を発揮することを表明し、私の挨拶とさせていただきます。

2010/7/22 木曜日

不正経理の常任委員会審議で露わになった「天下り」の弊害と「臭い物に蓋」の自民党

カテゴリー: 県行政, 県議会

 20日早朝の土気駅で、参院選挙で先延ばししていた6月県議会・市議会報告を配る緑区内の駅頭活動がおわった。

●不正経理問題の2つの常任委員会審議

21日午後は、不正経理問題について審議する県議会健康福祉常任委員会と農林水産常任委員会を傍聴する。
健康福祉常任委員会では(福)社会福祉事業団の小川延英理事長、(福)身体障害者福祉事業団の安田茂顯理事長が参考人として出席した。両人とも今年の3月末に県を退職したばかりの「天下り」である。それぞれの内部調査結果について質疑が行われ、調査が不十分なこと、理事長として実態解明への姿勢の甘さが露わになった。団体の役員平均年収は、前者が947万円、後者が1102万円である。経営能力度外視の「腰掛」人事である「天下り」は即廃止すべきだ。
農林水産常任委員会では、工事が未完成なのに完成したとウソをついた「公文書偽造」問題、「繰越手続き漏れ」問題が審議された。すべては安房農林振興センターで行われ、本庁の預かりしらないというにもかかわらず、農林振興センター所長ら「当事者」が誰一人出席していない。「公文書偽造」などの法令違反に相当するかどうかの判断もすべて総務部任せだ。再発防止策として繰越手続きマニュアルや公共事業の進行管理に係るチェックリストを作成したというが、今回のように組織の指揮命令系統が一致して(つまり組織的に)不正をする場合は機能しないだろう。
当事者からしっかり聞き取りを行い、「虚偽文書」作成の詳細な経緯・構造を明らかにしなければならない。
 会派の吉川洋県議が、安房農林振興センターの当事者や総務部の関係者を招致して改めて委員会開催を求めたが、自民党の反対で実質的に拒否された。議会で多数を占める自民党が県民への説明責任を二の次にして県幹部との馴れ合いを優先する姿勢は、「県議会」をますます貶める以外の何物でもない。

● 「国民の利益」と対立する「日本経団連の利益」

22日朝は「とけ・九条の会」の会報33号を土気駅で配る。会報33号の見出しは「法人税減税は必要か?!」である。国民は、消費税10%と法人税減税がセットで出されてきたことに注目しなければならないが、「VOICE OF AMERICA」の大手メディアは、89年度~07年度の消費税収累積188兆円の85%158兆円がこの間の法人税減収分の埋め合わせに使われたことに触れようとしない。日本経団連が主張する法人税率の15%減を実施した場合、減税分は消費税率4%に相当する。消費税増税分は福祉財源が増えるどころか、その大半が法人税減収分の埋め合わせで消えてしまう。

そもそも法人税の実効税率は40%だが、さまざまな減税制度により、実際の税率はトヨタ30.5%、ホンダ32.1%、三菱商事20.1%、三井物産11.4%である。(「毎日」7月3日朝刊)
こうした減税制度や社会保険料を含む実際の「企業負担」の国際比較では日本企業の身軽さが目立つ。法人税減税を行う根拠はない。

 その日本経団連が7月13日、政府が策定を予定する新防衛大綱に関する提言をまとめた。海外への兵器輸出や関連技術の供与を全面的に禁じた「武器輸出三原則」を見直しすることを求めている。金儲けのためには、人の命・生活も平和も踏みにじり、消費税アップ・法人税減税、憲法改悪で戦争できる国にしようとする姿勢が露骨だ。日本の国民の利益と日本経団連の利益はますまる相対立するものになりつつあるようだ。

2010/7/19 月曜日

再び、成田スカイアクセスについて~サンカノゴイはどうしているのか?!

カテゴリー: 活動日記, 県行政

 成田スカイアクセスが17日に開業した。
 テープカットしたのが京成電鉄社長と荒川区長というが、開業後、誰が得をするのかを象徴しているように思う。
 都心~成田空港間を36分で結ぶというものの、「都心」というのが曲者で、日暮里~空港第2ビル間が36分だが、京成上野~成田空港間は44分だ。従来より15分時間短縮というのもあくまで京成内での短縮効果にすぎない。

 一方、JR成田エクスプレスは東京~成田空港間最短53分だ。東京駅を起点に考えれば東京~上野間はJRで8分、東京~日暮里間は11分で乗り換え時間を10分とすると、時間的なメリットはなくなる。バスは、東京シティエアーターミナル(日本橋箱崎)~成田空港間は65分だ。
 ただ、成田スカイアクセスの特急料金を含めた料金は2400円と、バスの2900円より格安だ。

鉄道許可時の資金計画によれば、総事業費1261億円、その内、成田空港が328億円、国が227億円、借入金350億円、地方公共団体(県と9市村)負担が328億円で、その65%にあたる213億円を千葉県が負担(負担金30億円、出資金43億円、補助金140億円)する。巨額の負債(売上約130億円のうち、60億円以上を鉄道運輸機構への借金返済に充てる)を抱える北総鉄道の線路を使用する。

県民にとって成田空港へのアクセスの改善効果はたいしたことはない。県がこれほどの額を負担する理由はない。建設することが最大の目的だったのではないか。その点でも、成田・幕張・上総の拠点開発を柱とした1983年の千葉新産業三角構想の抜本的見直しが必要だ。

建設をめぐり、サンカノゴイ、オオタカ、サシバ等の希少鳥類が生息することから、環境省は環境影響評価書について国土交通大臣に対し、2005年9月、
「サンカノゴイ等の湿地性希少鳥類の生息地に係る代償措置としてヨシ原等の造成については、サンカノゴイ等の生息地にかかる工事を実施する前に、代償となるヨシ原等の造成に着手し、鳥類が生息できる環境を早期に確保するとともに、適切に管理すること」
「鉄道供用後も道路事業の工事が行われることから、関係機関と連携して事後調査を実施し、必要に応じて調査結果を踏まえた対応を図ること」
など当時の環境省として異例とも言える大臣意見を提出した。

サンカノゴイ等の生息状況について継続した監視が必要だ。

写真は、17・18日に開催された地元(千葉市緑区)の大椎台納涼大会の様子。 
私も男子厨房に入る会(男厨会)の一員として例年通り海苔巻きをつくった。毎年4~5人で800本程度を巻くので、手が自然に動き、ロスがほとんどない。

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2010/7/14 水曜日

参院選挙結果、沖縄・普天間問題と大手メディアの「犯罪」

カテゴリー: 活動日記

 「日米同盟は国際的な共有財産」と所信表明した菅首相、辺野古近辺に米軍基地を「地元住民が反対してもつくる」と「豪語」した岡田外相、消費税増税とセットの法人税減税・・・。外務・防衛官僚と結託した「VOICE OF  AMERICA」の大手メディア(*)に洗脳され、米政府と日本経団連に土下座したかに見える民主党政権、その民主党が参院選で「大敗」した。その一方で、大幅に議席を増やしたのが極右化した自民党である。これが小選挙区選挙であり「二大政党制」というものだろう。
日米同盟・普天間、消費税増税・法人税減税、比例代表削減・議員定数削減では政策的な違いはなく、2大政党の大連立は可能だ。裏でシナリオを書いているのは誰だろうか。
「日米同盟・普天間」は大手メディアによっても周到に参院選の「争点」からはずされた。
なお、比例代表の得票は、民主1845万票(32%)、自民1407万票(24%)、みんな794万票(14%)、公明764万票(13%)、共産356万票(6%)、社民224万票(4%)である。

(*)12日夜の「人権と報道連絡会」定例会で、辺野古移設を繰り返し主張する朝日新聞主筆の船橋洋一氏を指して「VOICE OF AMERICA」と浅野健一氏が批判した。

12日午後は、武田薬品研究所問題に取り組んでいる神奈川ネットワーク運動・鎌倉の人たちが環境省、厚労省と実験動物の焼却炉のことで交渉するというので、私も同席する。交渉の場を設定した阿部知子衆院議員秘書の蜂谷さんにお会いするのは、4年前、テロ対策を柱として感染症法が「改正」される時に、衆院厚生労働委員会でそれに異を唱える立場から私が参考人として意見陳述した時以来だ。

 鎌倉市議会では、「実験動物焼却施設の設置規制について法の整備を求めることに関する意見書」が6月市議会で採択されている。
 私は、①実験動物や一般廃棄物の焼却によりどのような有害物質が発生するかを分析・調査した事例、②国内の実験動物施設の把握の有無、③DNA廃棄物の処理に関するその後の検討状況、の3点について質した。②の実験動物施設については法令が未整備で届け出の義務がないため未だ把握しておらず、①③については調査した結果について後日連絡してもらうことになった。

●「琉球新報」が「普天間移設の『第3の壁』は在京大手メディア」と指摘

 12日夜は、「人権と報道連絡会」の定例会に初めて参加する。今回のテーマは「沖縄・普天間 報道検証」で、同志社大学の浅野健一さんらが「沖縄の声」「『第3の壁』化した在京メディア」を中心に報告した。
 浅野さんの、憲法9条を世界に広げることが沖縄問題の解決につながるという指摘が心に残った。

「沖縄の声」~県民所得に占める基地経済の割合が、本土復帰時の15%から3分の1の5%に減少し、観光等他産業が伸びる中で、基地経済は沖縄で存在感が薄らいでいる。
沖縄県民の日米安保を容認する割合が、昨年は半分だったのが現在7%まで落ちている。
また、仲井眞知事が県民大会で「差別」という言葉を使った。沖縄の基地問題の4月5月のキーワードが「差別」だ。
歓迎されない沖縄に基地を押し付けることこそが、長い目で見ると日米関係を損ねるものだ。沖縄の負担軽減とともに中国を巻き込んだアジアの多国間の安全保障を模索することが必要だ。

「第3の壁」化した在京メディアの事例がいくつか紹介された。
 
・日本経済新聞特派員(女性)の暴言
昨年末の米国務次官補の記者会見で、「私たちはみな(辺野古移設に合意した米軍再編の)ロードマップが最適な計画だと知っています」と発言した。

・NHK沖縄放送局報道部長と副部長の「個人的」な放言
「米兵が空き巣、交通事故などを起こすと、大きく報道する。普通は取材もしないような事件でも、米兵ならニュースにするのはおかしいと思う」「沖縄の新聞・記事は反基地に偏向していると思う」
・NHKの労組(日本放送労働組合)の沖縄訪問団の一員(ディレクター)の発言
「沖縄で知ったこと、聞いたことをどうやって中和して報道するかを考える」

【参考】「第3の壁」辺野古固執の大手メディア
(“呪縛”の行方、普天間と鳩山政権(10)、「琉球新報」10年1月27日から抜粋)

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐっては、辺野古案を「唯一実行可能な案」と譲らない米側に加え、鳩山内閣内にも昨年末まで日米案推進を主張してはばからない閣僚もいた。だが、この閣内外の県内移設圧力のほかにも、「第3の壁」とも言うべき、もう一つの“勢力”がいた。全国紙など在京大手メディアだ。
   (中略)
 普天間移設問題をめぐり大手メディアの報道には「日米間のトゲ」や「同盟の危機」との表現が目立つ。在沖米軍基地の必要性については「地政学的な観点」や「中国や北朝鮮の脅威に対応する抑止力」と冷戦時代から手あかが付いた表現が繰り返される。
  (中略)
 大手メディアでは、普天間基地問題の取材は政治部記者が担う。長きにわたる自民党政権下での報道姿勢の影響もあってか、政治記者の問題意識の中心は政府内の派閥、勢力関係の分析に重きを置く「政局報道」の色彩が濃い。その視点から見れば、県内移設に抵抗する社民は、連立政権の和を乱す厄介者と映ったようだ。

 「普天間移設問題に関しては朝日新聞と産経新聞で社説のトーンが変わらない。これは郵政民営化議論の時以来、珍しい現象だ」。1月に都内で開催された日米安保体制に関するシンポジウムの壇上、大手紙の編集幹部は、現在の東京の言論状況を解説した。報道の「横並び」状況を自ら認めた発言だったが、同席した同業他社からもその発言に疑問や危機感を示す発言はほとんどなかった。その上で、自らの正当性を強調するように、日本を取り巻く安全保障環境が軍事力を拡大する中国た核開発を進める北朝鮮の存在から予断を許さない状況だと指摘し、日米同盟、在日米軍基地の重要性を強調した。

 そして米軍基地の縮小を求める沖縄の論調について、「沖縄は、今後10年もたてばアジアは平和になると思っている。僕らの考える空間と違うところにあるようだ」と説き、会場から冷笑も漏れた。

2010/7/11 日曜日

話題の映画「ザ・コーヴ」を観る

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 先日、民族排外主義者の街宣抗議・予告により映画館の「自主規制」が相次いだ話題の映画「ザ・コーヴ」を渋谷で観た。平日にも関わらず8割程度もの観客の入りだった。

率直な感想を言えば、この映画は、和歌山県の太地町民や漁業関係者ら一方の当事者の声のない「宣伝映画」である。この映画を通じて私も日本の特定の地域でイルカ追い込み漁、イルカ肉の食文化のあることをはじめて知った。映画が「告発」しているのは追い込み漁という「屠殺行為の残虐性」であり、「水銀汚染問題」である。すでに指摘されているように、前者はイルカのみならず他の生物の生命にどう向き合うかに通じる問題であり、後者は人間を含む食物連鎖の頂点にある生物の汚染の問題である。これらについて映画では深く追求してはいない。

 しかし、見終わって改めて思うのは、「多数の日本人に見せまい」と映画館や支配人の自宅に「街宣」する行為の異様さである。
映画館主が語るように、「作品の正当性を主張して上映するというよりも作品を観れる環境を提供することで作品への賛同や批判を多くの方に共有して貰」う場であり、「上映依頼があり、観たいというお客様がいらっしゃるということ、それ以外にありません」というのが映画館だ。(月刊誌「創」8月号)

 鈴木邦男氏の「でも、どうしても許せない映画ならば、日本人みんなに観てもらって、『こんな酷い映画をやっているぞ、俺たちの主張が正しいことがわかるだろう』と言えばいいんです。その勇気もない、数十人ほどの人たちが『これは反日だ』と決めつけて、一億二千万の日本人に見せない。それはかえって、日本国民をバカにしているということじゃないですか」という発言(同)に同感する。

 映画館で購入した「コーヴ」のパンフレットによると、イルカとクジラは生物学上同じ種類の生き物とされており、一般的には4メートルより大きいものをクジラ、小さいものをイルカとしている、とある。ちょうど手元にある「ビッグイシュー日本版」(6月15日号)は「クジラと日本人~沿岸捕鯨を守りたい」を特集している。

 特集には「IWC(国際捕鯨委員会)の場で、日本は捕鯨調査をやめる代わりに、沿岸捕鯨を認めるよう主張するのが妥当」という米本昌平氏のエッセイとともに、太地町で捕鯨問題に関わってきた北洋司氏の発言が紹介されている。「人間は、ほかの命をいただいて生かされているのだと、命あるものに対する畏怖と感謝の念を持ち続けてきたのです。また、捕鯨は命がけの仕事。命と命のせめぎあいの中で、太地の人々は自然や命というものに、ずっと向き合ってきたのです」「科学的な根拠に基づき、持続可能な方法と制限の中で、私たちは地域で育まれてきた太地の沿岸捕鯨を守っていきたいのです」

 映画「ザ・コーヴ」は作り手の意図に関わらず、多様な問題を私たちに投げかけている。
 一度、太地に行ってみたい、と思う。

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